『調べる技術・書く技術』(野村進著、講談社現代新書、08年4月刊)を読んでいます。
作品の書き出しは、「続きが読みたくなる」書き出しであることとして、“書き出しの名文”の例、ボブ・グリーンの『アメリカン・ビート』の一節を紹介しています。
【新しいコピーの機械が会社に入ったとき、ジョデイ・スタッツはどうしてもやらなくては、と心に決めた。結局はそれがもとで会社をクビになってしまうのだが、彼女は一度こうと決めるとどうしてもやらないと気がすまないたちだった。
21歳になるスタッツ嬢は、イリノイ州のモリーンにある大農機メーカー、デイアー社の秘書をしていた。一日中コピーの機械を見て過ごす彼女は頭の中で、いつでもあのことばかりを繰り返し考えていた。
「なんとしてもお尻のコピーを取らなくっちゃ」スタッツ嬢は自分に言い聞かせた。
もっと若い頃は自分の顔のコピーをよく撮っていた。コピーの機械のふたを持ち上げ、ガラスに押し付け、目をやられないようにしっかりと目を閉じて、開始のボタンを手探りで探す。コピーの機械が音をたて、やがてコピーが出てきた。白黒で輪郭が実にくっきりとでている。
だが、今度の機械の性能はそんな程度ではない。とっておきのものが取れるはずだ。
終業時間を待った。ほかの社員が全員帰ったのをみはからって、スタッツは見張りをしてもらうために別の秘書に声をかけた。それからひとりコピー室にとじこもると、大急ぎでパンテイを下ろして、コピーの機械に飛び乗り、その上に坐った。スタート。】
というのですが、確かに続きをすぐにでも読みたくなりますね。
実は、修士論文を書きあぐねて、何かヒントはないか?とこの本を読みはじめました。
なるほどと思った言葉は
【いかに取材データを惜しげなく捨てられるか。その思い切りのよしあしで、作品のでき不出来が決まると言ってもいい。】でした。
作品の書き出しは、「続きが読みたくなる」書き出しであることとして、“書き出しの名文”の例、ボブ・グリーンの『アメリカン・ビート』の一節を紹介しています。
【新しいコピーの機械が会社に入ったとき、ジョデイ・スタッツはどうしてもやらなくては、と心に決めた。結局はそれがもとで会社をクビになってしまうのだが、彼女は一度こうと決めるとどうしてもやらないと気がすまないたちだった。
21歳になるスタッツ嬢は、イリノイ州のモリーンにある大農機メーカー、デイアー社の秘書をしていた。一日中コピーの機械を見て過ごす彼女は頭の中で、いつでもあのことばかりを繰り返し考えていた。
「なんとしてもお尻のコピーを取らなくっちゃ」スタッツ嬢は自分に言い聞かせた。
もっと若い頃は自分の顔のコピーをよく撮っていた。コピーの機械のふたを持ち上げ、ガラスに押し付け、目をやられないようにしっかりと目を閉じて、開始のボタンを手探りで探す。コピーの機械が音をたて、やがてコピーが出てきた。白黒で輪郭が実にくっきりとでている。
だが、今度の機械の性能はそんな程度ではない。とっておきのものが取れるはずだ。
終業時間を待った。ほかの社員が全員帰ったのをみはからって、スタッツは見張りをしてもらうために別の秘書に声をかけた。それからひとりコピー室にとじこもると、大急ぎでパンテイを下ろして、コピーの機械に飛び乗り、その上に坐った。スタート。】
というのですが、確かに続きをすぐにでも読みたくなりますね。
実は、修士論文を書きあぐねて、何かヒントはないか?とこの本を読みはじめました。
なるほどと思った言葉は
【いかに取材データを惜しげなく捨てられるか。その思い切りのよしあしで、作品のでき不出来が決まると言ってもいい。】でした。