古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

がん放置療法

2012-08-29 | 読書
『がん放置療法のすすめ』(近藤誠著、文春新書)を読みました。
この本の存在を知ったのは、週刊朝日7月20日号で、生物学者の池田清彦さんが紹介していたからです。池田さんは【がんを放置するとどうなるか。①大して変化がない、②増大して治療せざるを得なくなる、③縮小し場合によっては消失する。②だけが悪性のがんで、①や③はがんもどきで治療する必要はないと近藤は言う。やっかいなのは①、②、③の違いは病理検査では分からないことだ。・・厚労省は検診は医療費削減のためと言い張っているが、勿論これは真っ赤なウソで、検査も治療もしなければ医療費は減少するに決まっている。「早期発見・早期治療は」とは厚労省の利権と医者の金儲けのためのキャンペーンなのだ。(がん放置療法を主張する)近藤誠が出世しないのも理由ないことではない。】と述べている。
早速、市立図書館で借りてきました。
著者の主張を裏付ける症例(患者150人の証言)を集めた本でした。
近藤さんは、度々雑誌文藝春秋に寄稿していますので、彼の主張の大体は知っていましたが、今回読んで始めて知ったことが一つ。
がんの手術後、転移が出て死亡したという話はよく聞きます。私は、手術の後、がんが転移したと思っていたのですが、実は、手術前にもう転移していたというのです。がん細胞が発生しても、それががんと分る大きさになるまでには相当期間がかかる。手術後、半年や1年で転移が分るというのは、手術前に転移していたのだそうです。
一番印象に残る記述は、【がんは老化現象です。年齢を重ねるなかで遺伝子変異が積み重なった結果ががんなので、年齢が高くなるほど発ガン頻度が上がるわけです。そして老化現象だから、放置した場合の経過が温和なのです。
ただ本物のがんの場合は、老化現象の究極として、いずれ死を呼び寄せます。しかしその場合も、なりゆきを癌に委ねれば、自然の摂理に従って人生を完結させてくれます。
とはいえ、生きていた一人の人間が亡くなるというのは、肉体面の大事業です。それで死が近づくと、体に多少の軋みが生じ、苦痛等の症状が生ずることがあります。
大事なのは、がんでは症状が出ても、緩和の方法が確立していることです。それゆえ(痛みに対し鎮痛剤ではなく抗がん剤を用いるごとき)治癒法選択の誤りを起こさなければ、QOL(生活の質)を回復させられます。】
これを読んで思ったこと。70歳を過ぎてもし、がんが見つかったら、手術や抗がん剤の使用は絶対に避けよう。特に抗がん剤はある意味で毒薬です。
化学療法薬は、がん細胞を攻撃するだけでなく、正常細胞も同じように攻撃してしまう。そのため、がん細胞を殺そうとすると、正常細胞にも深刻なダメージを与えることになる。重い副作用が現れるのは、がん細胞も正常細胞も区別することなく攻撃するからなのだ。毒薬たるゆえんです。(近年がん細胞のみ攻撃するという分子標的薬も開発されてはきたが、この本の筆者は固形がんには効かないと言う。)
成り行きに任せて、痛みを感ずるようだったら、モルヒネを処方してもらうだけでいい。人間はいずれ100%死ぬ存在なのです。

失われた30年

2012-08-26 | 読書
 ここ数年来、疑問に思っていたことがありました。
日本の社会と経済は、明治以後、そして終戦以後も、欧米先進国の後を追ってきました。
ところがバブルの崩壊と金融危機は、日本が欧米先進国に先立って体験しました。
日本はこれに関しては、世界の最先端を行きました。いつから、そしてどうして日本は、世界の先頭を走るようになったのか?
そのヒントになる本を見つけました。「失われた30年」です。

『失われた30年』(金子勝、神野直彦著、NHK新書12年6月刊)を大学図書館の棚で見つけました。「本当に30年失われるのかな?」と読んでみることに。金子慶大教授と神野東大名誉教授の対談をまとめた本でした。
 米国のリーマン・ショックや欧州の経済危機を見ると、日本の90年代からの経済低迷とそっくりなので、「何故、日本経済は世界の経済に先駆けて深刻な不況を経験し、金融危機を経験したのか?」。換言すると、「バブル以後、何故日本の経済は世界経済に先行する不況と金融危機を経験してきたか?」という疑問を持っていましたが、この書で答のヒントを見つけました。
 答えは「米国ルール」。つまり、日本が世界に先んじて米国ルールを受け入れたから、世界で最初に不況と金融危機になったのでは?」。
以下の記述を紹介します。
【ブレトン・ウッズ体制の固定為替相場制のもとでは、固定為替を維持するために、資本統制が容認されていました。つまり、国民国家には資本が逃げないように統制する権限があったわけです。そして、そのことは財政による所得再配分を可能にし、第二次世界大戦後に福祉国家が機能する重要な条件になっていたんですね。】
 【ところが、為替変動相場制への移行は、福祉国家の所得再配分を支える資本統制が認められなくなることを意味するのです。こうしたブレトン・ウッズ体制の崩壊を前提として、サッチャーとレーガンによって広がっていく新自由主義政権が作ろうとしていた社会保障とか財政制度は、それまでの福祉国家の諸制度を根底から否定していくわけです。]
 この20年は結局「グローバル・スタンダード」という名のアメリカン・スタンダードを呑んできた歴史でした。】
 最初に呑んだのが日本でした。
【アメリカのルールが世界にいきわたった結果、この「100年に一度」といわれる世界危機が起きているわけですよ。】
 【(TPPについて)TPPは関税障壁によるブロック経済ではなく、ルール障壁によるブロック経済だということ。実際TPPは、アメリカが日本の市場に入ってくるためのものでしかない。】
日本に次いでアメリカ・スタンダードを徹底的に受け入れたのが韓国。
「米韓FTAに乗り遅れるな」とさかん喧伝して、TPPに参加しないと韓国に負けてしまうと煽ったわけだけれど、韓国内に米韓FTAに対して大反対があることはわかっていた。なのに、一切報道されませんでした。
 2011年11月に、米韓FTAを可決する韓国の議会で催涙ガスがばらまかれたことで、ようやくニュースが報道された
 アメリカのルールを呑まされた韓国は、インフレのもとで急速に拡大する格差に苦しんでいますね。財閥と国民の間の格差だけではなく、財閥にも格差が出てきています。韓国経済の快進撃を象徴する財閥企業は、サムスンでしょう。・・・しかし、サムスンほど国民の反感を買い、嫌われている企業も珍しいと『ニューズウィーク日本版』(12年3月28日後)は伝えています。】
 グローバル化経済で格差が激しくなった韓国では、大統領の支持率が低下し、人気回復をねらった大統領は、「竹島上陸」という禁じ手に踏み切った。
 序章から第3章までは、一言で言うと「グローバルスタンダード(アメリカ・スタンダード)」では、日本の未来が開かれないことを述べ、終章の第四章で、「産業の知識化」と「地域分散型ネットワーク社会の構築」で、アメリカ追随でない新しい社会システムを提起しています。
 【アメリカのルールでは人間の歴史は前に進まないことが明らかになった段階で、どのようなルールと秩序を新たに形成していくのかを考えねばいけない。それが現在に「生」を受けた人間の使命です。】と説きます。

時事放談

2012-08-16 | 経済と世相
先日、帰省した折、友人T君と交わした「時事放談」を綴ってみました。
「放談」ですから、内容に責任は持ちませんが・・・
N「首相が記者会見で、“消費税は社会保障以外には使わない”と言っていたが、消費税以外に使ったか、使わなかったか、分かるのかね」
T君は、地方銀行に勤めていて、退職後8年間町役場の会計監査をやっている。
T「お役所の会計は単式簿記なの。銀行のときは複式簿記だったから、役場の会計監査で、急に単式になって、本当に苦労した。単式簿記ではお金の流れなどつかめない。
 会計に素人の国民に絶対に分からないよ」
N「増税が必要だとしても、法人税や所得税でなく、何故消費税を増税するの?政府は日本が他の先進国と比べ、消費税率が高いというが、税収総額のうち消費税の占める比率はそんなに低くない。他の国は、食料品など低減税率を適用する品目が多いから、消費税率は高く見えても、実際の消費税はそう多くない。日本が10%にしたら、低減税率がないから、先進国の中でもっとも消費税の多い国になると思う。
 法人税も、政府は日本の法人税は先進国と比べ高いというが、高いのは表面税率。銀行なんて、こないだまで法人税払ってなかった!」
T「今でも払っていないところがある」
N「銀行は金利をやすくすることで儲けさせてもらってる。その上、税金を払わなくていいのだから、政府に保護されている。」
T「現役時代に銀行内部に居たけど、内部にいても保護されていることを感じた」
N「消費税を増税しても、社会保障は安定しないよ。”100年安心“といって制度を改定したのはいつだった?
 要するに、負担する人と負担してもらう人の比率を安定させない限り、お金の制度をどういじってもダメ。
 だから、人口構成に応じて、年金支払い年齢を引き上げないといけない。それは、高齢者に有利な仕組み、というのはあたらない。その高齢者は子どもを多く産み育ててきたのだから。子どもをつくる・つくらないは、個人の自由だけど、子どもを育てなかった人は、年とって子どもに扶養されことを期待すべきでない」(積み立て分は60歳から支給してもよいが)。
さらに続けた。
N「実はボクは仮説を持っている。消費税のターゲットは年金世代にあるのでは?という仮説。
 今の日本の年金制度は基本的に田中内閣の時に整備された。角栄さんは多分経済成長が続くから支払い原資に問題ないと、大盤振る舞いをした(今日の年金世代は角栄さんに足を向けて寝られない)。はっきり言って、今日の年金は日本政府の実力から言うと払い過ぎ。しかし、一旦払うといった年金を引き下げることが出来ない。そこで、政府は払った年金を取り返すことにした。
 つまり、介護保険、後期高齢者保険、地方税、それに所得税、と年金から控除しる金額を毎年増額することで、支給年金の回収を図っている。だから、我々は60歳のときが最も年金が多かった。手取りでみれば毎年年金は減っている(フローの収入を減らされると、老人世代はストックを握り締めて消費しない。景気が良くならないわけ)。
消費税も同じさ。法人税(そして所得税でも)では、老人からは取れない。消費税なら間違いなく老人から取れるというわけだ。
T「後期高齢者保険は止めるっていってたじゃない?」
N「後期高齢者医療保険は、そもそも自公政権が医療費を賄おうと考えたシステム。だって、国民保険は所帯主だけから保険料を徴収できないが、後期高齢者保険は、夫と妻両方から保険料を徴収できる。
 民主党は、この後期高齢者保険は止めるとマニュアルに記したが、自分たちが政権をとったら、後期高齢者を辞めるにはカネがかかる(国民保険への国の負担が増える)と分かった。金がないものだから、止めるのを遅らせて、議員任期が4年だから4年目に止めることにした。ところが参院選で負けて廃止法案は参議院を通らない。「近いうちに国民に信を問う」というが、選挙をやれば、民主党政権は今後ありえないから、後期高齢者医療保険廃止の公約は雲散霧消する。」
T「まるで落語みたいじゃない」
N「そう。落語みたいなことをやっているのが今の政治。」
T「原発も困ったものだね」
N「政府が原発をなんとしても動かしたい理由は二つあってさ。
一つは原発を動かせないとなると、電力会社のバランスシートの原発資産はゼロ。そうなると、資産が激減。負債超過になるかも?そうなると、電力会社に融資している金融機関が大打撃、金融危機もありうる。
 もう一つは、これはボクの推測だが、アメリカとの関係。米国の電機会社は原発から撤退している。日本が原発を止めるということは、アメリカでも原発が造れなくなる。原発をベトナムに日本政府が輸出しようとしているのは、米国の後押しと思う。
原発の技術は原爆の技術だから、米国は新興国の原発技術を管理したい。日本で造る原発はアメリカにとって、アメリカで造ったものと同じだ。日本政府も企業もアメリカのいうことは、何でも聞くから。ベトナムの原発も米国の管理下に置きたいからね。」
T「高校の土地に小学校をつくるという話知ってる?」
N「あぁ、今朝の新聞に載ってた。地元産の木材で造るんだね。でも、お金はどうする。町の支出のうち町内の税収で賄える分はどれくらい?」
T「人件費だけ町内の税収で賄う。事業費はすべて国の交付金」
N「交付金は使途を指定されるんだろう」
T「あれもこれも全て交付金だから、どの交付金が何処に使われているか、分からない」
N「だから、逆に良いわけか。町の人口が4000人を割ったんだって」
T「そう3800ぐらい。年寄りばかりになって、ウチも後3年も経ったら畑仕事ができなくなるよ。そうなると、誰が田畑の面倒みる?ウチだけじゃなく、町内全部そうなるんだから」。国土省も農水省もどうするつもりなんだろう。

奥三河紀行

2012-08-13 | 旅行
「墓参りをかねて花祭会館を訪れてみよう」と思い立ちました。
電話をしたら、11日午後、実家のあと取りの甥が迎えにきてくれました。彼は名古屋で勤めていますが、名古屋に住み、時に週末、彼の母が一人住む郷里に戻ります。
名古屋高速・伊勢湾道・東名と乗りついたが、岡崎を過ぎたら盆帰省の大渋滞。蒲郡まで1時間ほど渋滞が続いた。蒲郡音羽を過ぎると渋滞は解消されたが「三遠南信自動車道を走りましょう」と甥が云う。4月から浜松いなさJCTから鳳来峡ICまでが開通した道だ。普通は豊川ICで降りて151号線を飯田方面に約1時間の行程だが、豊川を通り過ぎ静岡県に入って三ケ日JCTから少しだけ第二東名を走り、いなさJCTで三遠南信道に入った。
別所トンネルを過ぎると、三河と遠州の間、三遠トンネル、4525mの長いトンナルがある。トンネルを出ると鳳来町の山間だ。今は鳳来峡ICで終点だから此処で降りて151号線に這入ったが、新道路の威力で、予定より30分ぐらい早く着いた。花祭会館に寄ろうと国道を折れるとすぐ会館。歌碑がある。
まつり日は 音ゆたけしや川の上に したらほんごう晴れ渡るなり(釈超空)
(設楽本郷は私の郷里名)
  会館は、小生の卒業した(63年前)小学校の跡地の一角に建てられています。
花祭りは、鎌倉末期から室町にかけて熊野の山伏や白山の聖によってこの地(愛知県東栄町)に伝えられ700年以上にわたって継承されてきた祭りで、毎年、11月から正月にかけて、(地区)を代わりながら行われます。国の無形文化財に指定されている。
この花祭りに最初に着目し研究したのは、民俗学者で国文学者の折口信夫(おりくちしのぶ、歌人名 釈超空)です。昭和15年ごろのこと。館内に彼の歌があった。
やまふかく われはきにけり 山深き木々の梢におとやみにけり
おにのこと むれつつあそぶ 音きこゆ とよねの水の白雪の上に
(折口は、柳田國男の高弟として民俗学の基礎を築いた。歌人としては、正岡子規の「根岸短歌会」、後「アララギ」に「釈迢空」の名で参加し、作歌や選歌をしたが、やがて自己の作風と乖離し、アララギを退会する。1924年(大正13)北原白秋と同門の古泉千樫らと共に反アララギ派を結成して『日光』を創刊した。)
館内には、祭りの写真や、面などの祭りに使う品々の展示があった。30分見学して外に出る。
http://senshoan.main.jp/okumikawahana.htm
4時過ぎ、在所に着き、皆で、父母、長兄の墓参り。
墓参りから戻ると、雷鳴がとどろき、まだ5時前なのに、真っ暗になって猛烈な雨が降り出した。墓参り中でなくて良かった!
一泊して二日目は、高校の同級生T君と。町内の料理屋で昼食をともにする。
約束の11時半、店に行くと「本日団体予約で休業です」の掲示があり鍵がかかっていた。「あれっ」、と思い横手に回りくぐり戸をあけると、T君の笑顔があった。休業仲でも彼の顔で、やってくれることになったらしい。
生ビールのジョッキを傾けながら、2時間ほど放談した。この放談は楽しかったが、内容は別の機会に。
他日を約してT君と別れ実家に戻り、甥の車で帰途につきました。「今度は山の中を行きましょう」。お盆の渋滞を避けて、東名を通らず、足助、猿投を通って帰ることにしました。設楽町を抜け稲武町に入ると、ここからは豊田市。豊田も町村合併でずいぶん大きくなった。やはり合併となると、市税収入の多い市と合併したい?
香嵐渓を過ぎ、猿投グリーンロードで愛知万博跡公園の横を通り4時過ぎ名古屋に帰りました。渋滞は名古屋市内に入ってからだけでした。

水泳と水中カメラ

2012-08-08 | 水泳
「競泳日本に水面下の支え」という記事が5日の中日紙に載っていました。

【日本競泳人のメダル量産の理由は「水面下の争い」を制したことにもあった。

秘密兵器は市販品を元に作った簡易型の水中カメラ。

今までは一部のプールでしかできなかった水中撮影がどの会場でも可能になり

、選手のフォーム改良が効率的に進んだ。】

【入江陵介は、今春のシンガポール合宿などでこの水中カメラを活用した。・・・

水上からでは正確に撮れないドルフィンキックや水をかく手の動きなどを確認し、

理想の泳ぎ方にたどりついた。

 水中カメラを使った分析は米国やオーストラリヤなど強豪国でも行われているが、

使っているのは防水のために半径30センチほどの透明ドームで覆ったプール設置型が大半。

価格は500万円ほどする。

 「持ち運べるカメラがあれば、選手はもっと映像分析に興味を持ってくれるのでは」

2年前にそう考えたのは、国立スポーツ科学センター(JISS)の岩原研究員だった。

 秋葉原の電気街で、店頭にあったF1マシンなどに載せる防水カメラに着目。

録画もできる携帯型モニターを接続し、カメラ用の一脚の先にくくりつけてプールで使えるようにした。

費用は約8万円。多くの選手が現場に持ち出して使えるようになった。

 JISSのスタッフが国内外の合宿に持ち込んで使ってみると、

「泳ぎのよしあしがその場で分かる」と好評。有力選手のほとんどが使うようになった。

寺川綾は「映像を分析することで、どういう体幹トレーニングが必要かわかった」。

松田丈志は「映像をくわしく分析した上で、自分の感覚も題字にしながら泳いだ」。】



これって、いいですね。テレビで選手の泳ぎを見ていて、一番参考になるのは、水中の画像です。

泳いでいる方は分かりますが、他人の泳ぎの上手・下手は直ぐ分かりますが、

自分の泳ぎ方の欠点はなかなか分からない。自分の泳ぎを、自分が見ることが出来ないからです。

10数年前のことですが、プール仲間が大会のプールにビデオを持ち込んで、

仲間の泳ぎを撮してくれた。

自分の泳ぎを見て「感想は?」と聞かれ、「もう少し上手に泳いでいると思った!」

8万円なら各水泳スクールで皆揃えられる。

日本のアマチャー選手のレベルが大幅に向上すると思います。



ロンドン女子マラソン

2012-08-07 | マラソン

「ロンドン女子マラソン」を5日夜TVで見ました。

残念ながら日本選手は16位、19位、79位と惨敗でした。

 スタート時、雨が降り出し気温が14度ということですから、体が冷えて選手は大変だったと思います。

前半は5km17分台のゆっくりしたペースで、日本の3選手も、20kmぐらいまでは、先頭Gについていましたが、

後半、スピードが5km16分台に上がると、みるみるうちに置いていかれました。

ケニアの選手(2位)を振り切って優勝したのは、エチオピアの選手でした。

今年の2月丸亀ハーフマラソンに優勝した選手です。デンソーに所属していた(2007)そうです。

丸亀マラソンのコースは、私も3回走りましたが、平坦でとても走りやすいコースですから、

有名選手が大きな大会の前に、調子を確認するために良く出場します。

最近、日本にマラソン留学するケニアやエチオピヤの選手が多いですね。

高橋Qちゃんや野口みずき選手の活躍で、日本のマラソンが注目され、

日本のマラソン練習を学ぶアフリカの選手が多い。練習が同じになれば、日本人は彼ら(彼女ら)に勝てません。

何しろ、ご先祖がライオンと競争していた民族ですから。

というわけで、レースの興味は半減でしたが、

パッキンガム宮殿やトラファルガー広場など、コースのロンドン市内風景を楽しむことは出来ました。



余談です。

イギリスに詳しい同志社大学の浜矩子教授が、5日の中日に面白いエッセイを寄せている。

LIBOR問題に関し、「シテイがシテイでなくなった」と嘆いた後、

ロンドンオリンピックについて、こう述べていました。

【運営上のドジが多々発生するのはいい。これはいたってイギリス的だ。

詰めは甘いが、何とかしのぐ。そこには相変わらずの海賊(英国)魂が生きている。

だが、問題はメダルの数だ。取りすぎている。

勝負にこだわらないのがイギリスらしさのはずである。

負けて喜んだりする自虐性がイギリス的おかしみに通ずる。だが、このところは感じが違う。

勝利を目指してむやみにギラつく。少しそんなイギリスとなっている。

これもやっぱり、一種の自己喪失だ。気になるところ大である。】

というのですが・・・

オスプレイに思ったこと

2012-08-06 | 経済と世相
オスプレイ問題が世上を賑わしています。
何故、オスプレイを沖縄に配備するか?それは米軍の海兵隊が沖縄にいるからです。オスプレイを使うのは海兵隊だから、海兵隊のいる沖縄に配備せざるをえない。
 では、何故沖縄に米海兵隊がいるのか?沖縄に居るのが一番安上がりだからです。
沖縄に居れば、経費の7~8割は日本政府が、思いやり予算と称して負担してくれるからです。
 そもそも沖縄に米軍が居るのは、米軍の世界戦略上必要だからで、日本の防衛とは無関係です。これだけIEの技術が発達した昨今、一朝日本にことある場合、(別に沖縄に駐留していなくても)グアムからでも、ハワイからでも、サンヂエゴからでも、飛んでくることは出来ます。1日もかからない。米軍が着くまでに自衛隊が頑張ればいいだけの話です。自衛隊が一日頑張れないようだったら、米海兵隊が居ても頑張れない。
 今日、米軍は(ロシヤ、中国等をのぞいて)地球上すべてに展開していますから、何処に置いてもいいのだが、出来れば経費の安いところが良い。それが沖縄です。
 と思っていましたが、それを裏付ける公文書が公開されました。
外務省の45年前の公文書です。以下は、8月1日の中日から。
【佐藤栄策政権が沖縄返還の対米交渉を本格化させる直前の1967年1月、沖縄駐在の米高官が外務省幹部に「日本の防衛ということなら沖縄は要らない。沖縄の基地を必要とするのは極東の安全のためだ」と言明。沖縄を日本防衛ではなく、極東戦略の拠点に位置づける姿勢を明確にしていたことが、31日公開の外交文書で分かった。
 日本政府は沖縄駐留米軍を「日本防衛に必要な抑止力」としてきたが、米側はむしろ極東全体をにらんだ安全保障上の地政学的役割を重視していた実態を物語っている。中国や朝鮮半島の動きを念頭に、新型輸送機オスプレイの沖縄配備計画を進める現在の米軍戦略にも通じており、論争を呼びそうだ。
 発言していたのは、米軍当地かの沖縄で強い権限を持った高等弁務官の政治顧問、ジェイムス・マーテイン米公使。67年1月22日付の外務省極秘文書によると、東郷文彦・外務省北米局長との会談で言明していた。】
 私が望むのは、日本政府は「何故米軍が沖縄にいるのか」を率直に国民に語ってほしいということ。野田政権では無理ですね。

電力需要

2012-08-02 | 経済と世相
 猛烈な暑さが続いています。

「今年はなるべく冷房を使わないようにしよう」と思っていましたが、

日中の最高が37度になるという28日、ついに我慢できず、書斎の冷房を開始しました。

 冷房開始を遅くしたのは、節電力のためではなく、電気代の節約のためです。

もともと、私は電力需要が逼迫するとは思っていません。

7月31日の中日朝刊に、こんな報道がありました。

【「関西電力の最大需要実績が、現時点で大飯原発3,4号機再稼動の根拠とした需要を下回っていた。

今後、猛暑が続くことが予想されるが、専門家には原発以外の供給を増やし、事前に節電対策を強化していれば、

大飯3,4号機の再稼動なしでも、今夏は乗り切れたと指摘する声も出ている。

 電力需給を研究している愛知大の田中良明教授は、

電力供給に比較的余裕がある中部電力からの融通が平日で最大46万kwに留まり、

東京電力からの融通を受けていないことを疑問視。

「まだまだ余力はある。2社で150万kwの融通は受けられる」と話す。

 融通電力を増やせば、夜間にあまった電力で水をくみ上げ、日中に発電する揚水発電が増えることを見越し

「大飯原発が動かなくても今夏は乗り切れたはず」と分析する。】



 「やはり、そうか!」と思いました。

私は「原発再稼動が必要なのは、電力需要のためではなく、電力会社のB/S問題のため」と思っています。

 B/S(バランスシート)問題とは、以下の意味です。

原発の設備は当然電力会社のバランスシートの資産の部に一定の評価金額で記載されます。

今、原発は廃止するということになると、使えない設備になるから評価額がゼロになる。

または廃炉費用分マイナスの金額になる。

事故を起こした東電だけでなく、関西電力も、

もしかしたら全電力会社がバランスシート上、利益がマイナスになる。

会社更生法の申請を余儀なくされる電力会社が続出する。

そうなると、電力会社に融資あるいは投資している金融機関も経営危機に陥る。株式も暴落する。

 だからなんとか、原発は稼動できる設備だということにしておかねばならない。

だから、「電力不足になったら大変だ」と、本当は、足りている電力を

「足りないから節電をお願い」と言い立てている、と私は愚考します。



 自動車会社が「自動車を買うのはお控えください」ということは、ありえない。

どうして電力会社は「電力の購入をお控えください」というのでしょう?