古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

年末の一日

2015-12-30 | 経済と世相
 『年末の一日』の報告です。
29日朝、PCを立ち上げ、メールをのぞくと、先頭に0:00の深夜便が入っている。「おやっ?」と思いました。この時刻だと、もっと沢山メールが入っているのに今日のメールが1通しかない。インターンネットをクリックすると、「インターネットに接続されていません」の表示。「いあやー、故障だ!この年末の忙しい時に」
こういう場合、「ルーターを再起動すれば何とかなるんじゃ」とか、「LANケーブルの接続がわるいのでは?」。いろいろやってみましたがダメです。
10時になるのを待って、プロバイダーに電話しました。
 若いお兄さんが親切に対応してくれました。
「LANケーブルの接続が悪いのですね。予備のケーブルで、PCとNTTのルータのLANの接続口を直接つないでみてください」。「PCのLAN接続端子が壊れているケースもありますが、その場合はメーカーに持ち込むしか手が無いですよ」。
バスルームの洗剤を買いがてらLANケーブルを買ってこようと、自転車を転がしてEIDENに出掛けました。5mのケーブルを買い、1Fのスーハーで洗剤を購入してきました。LANケーブルをつなぎ直したら、いとも簡単に回復しました。なんでケーブルが壊れたんだと思いましたが、とりあえずは「ほっ」としました。
 その後、年末の栄に出向き、丸善に行きました。
 来年の手帳を買い求めました。日能の3年連用の手帳(商品番号1791)です。
12年前から、日記代わりにこの手帳を使っています。毎日、1年前は何をした。2年前は何をしたがわかるので便利です。ついでに新書を1冊(榊原英資、水野和夫共著『資本主義の終焉』)を購入。昨年は、ピケテイの『21世紀の資本論』など、資本主義に関する議論がにぎわいましたので、正月休みにじっくり読んでみようか!
帰宅後ラジオのクラシックリクエストを聞きながら、4時まで待ち八百屋に行きました。最近近郊の八百屋さんが火・土の4時に住宅に来て店を広げるのです。正月用に蜜柑を買い込みました。今日はプールには行きません。プールは昨日で店じまいコーチの指導をうけながら、800m泳ぎました。今月は入院騒ぎもあって累計15㎞しか泳ぎませんでしたが、今年の累計では253km泳ぎ、56歳からの24年間で8000km泳ぎました。「月20㎞泳げば90歳までに1万km泳げる」。コーチによると、「あなたのバタフライは、上半身の力だけで前進しているから、下半身の動きで前進できるようにならないといけない」と言われました。まぁ、ぼつぼつやりましょう。
こんな所が小生の年末状況でした。

2015私選10大ニュース

2015-12-28 | 経済と世相
2015私選10大ニュース
今年ももう年末。10大ニュースが新聞に載る時節です。
私選の10大ニュースを選ぼうとPCの前に座ったら、10ではとてもおさまらない事件の数々が思い起こされました。
事件の多い年でした。
結局、エイヤッで11番以降をカットしました。
皆さんは、何を今年の大ニュースととらえますか。
1. 安保法案、無理やりに成立
2. 普天間問題、知事が工事承認取り消し
3. VW,インチキソフトをエンジンに搭載
4. 労働者派遣法の改悪
5. 原発問題迷走、福井地裁高浜の操業認めず。川内は操業
6. GPIF株式運用比率拡大
7. 原油の値下がり
8. 日本人二名、今年もノーベル賞
9. はやぶさ2は竜宮へ。あかつきは金星へ。
10. イスラム国で日本人2名殺害

11. TPPアトランタで大筋合意。
12. 鬼怒川氾濫、桜島噴火
13. 東芝粉飾決算
14. 中国ショックで株安
15. 18歳まで選挙権
16. 選挙は違憲状態判決相次ぐ。
17. 名大女子学生殺人事件
18. 臨時国会開かれず



CT検査の結果と薬剤師の言葉

2015-12-26 | Weblog・人生・その他
 前立腺がんは転移しているか、CT検査の結果を聞きに行きました。
診察券を再診受付機に通すと、「泌尿器科窓口に行ってください」とプリントアウト、それを持って窓口に行くと
「②診察口の前でまってください」とプリントを呉れる。1時間ほど待っていたが、順番が来て入ると、
「CT検査の結果、はっきり転移とわかるものはありませんが、右肺の一部に疑わしい影がみえます。これが真正のがんかどうか、3ヶ月後、もう一度CTを撮ってみましょう。」と言う。「プールに行けば1km泳げるのだから、肺が悪いはずない」と思ったが、ここは、医師の言葉に素直に従う。
「では、3ヶ月後お願いします」。
「治療はホルモン療法を内服薬(1日1錠)と注射(注射は3ヶ月に一度)で」。
放射線照射は、必要なら6か月毎に行いますが、必要があるかどうかは、後日判定します」。
「治療を2年半実施し、あと半年経過をみます」。
「ということは最低3年の治療が必要ということですか」
「そうです」。という。
「それから前回問い合わせのあった前立腺組織の写真ですが、担当の医師がおくってくれました。」
と、PCの画面に組織の写真を大きく映し出した。「ここががん細胞、こちらが正常な細胞です」。
言われてみると、がん細胞は正常部分と明らかに違う。納得した。
薬を飲むだけなら、痛いわけではないから、2年半辛抱して飲んでみるか、と観念しました。
 齢を取ると、具合の悪い箇所は出てくるものですね。

26日午前、向かいの薬局に処方箋を持って薬を頼んだ。
薬を渡してくれるとき、馴染みの薬剤師が言った。
「注射と併用ですね」。良く知ってるなぁ「注射は、正月明けから」
「一生飲み続けるのですね」
「一生?医師は2年半続けてくださいと言ったんだけど」
「そうっ、2年半で治るといいね。でも、この薬止められた人ってうちでは、いなかった」。
彼女の言ってることが正しいのかも。
医師は立場があって、簡単に言えないことも薬剤師は経験に基づきあっさり言えるのだろう。

「副作用で、顔がほてってくるかもね。それに顔が膨らんでポチャとした顔になる」
「天皇陛下の誕生日の記者会見見てたが、顔がまるくなってた。薬の副作用かな?」
「そうかもね。陛下は前立腺がんやったからね」
なにしろ、日本人男性の2割は年をとると、前立腺がんになるという。
今日から、小生の治療の始まりです。




桑原武夫さんと司馬さん

2015-12-25 | 政治とヤクザ
『司馬遼太郎の言葉』((朝日新聞出版m2015年12月)が出ましたので、早速買い求め読みましたが、一番興味深かったのは、「週刊誌と日本語」と題する最終章でした。
「夏目漱石と正岡子規、二人の天才は、あらゆることを表現できる文章日本語をつくりだした。
 ひとつの民族が共通の言葉を持つにはよほどの歳月が必要なんですね。
桂月も鏡花も、漱石も子規も、自分の手作りの文章を世間に示し、世間がいろいろに反応します。
 それらをサンプルにして国語教育が行われ、子供の頭にしみこんだり、はねつけられたり、忘れられたり、そうして長い歳月の間の、文章の社会的経験を経て、共通のものができあがるのではないか。
こういう仮説を勝手につくりまして、フランス文学者の桑原武夫先生とお酒を飲んだとき、
「桑原さん、いまから僕の演説を聞いてくれ」聞いてもらいました。そのあとに、
「フランス語はいつ共通のものになったんですか」と聞くと、桑原さんは熟考され、
「150年前ぐらいに出来上がった。それはだれそれの文章である。」
 そのあとちょうど河盛好蔵さんにお会いしたときに、同じことを伺いますと、やはり同じことを言われた。
なるほど碩学というものは同じことを言うなと感心したことがあります。
西堀栄三郎さんという方がいます。南極探検から帰ってきて名声とみに高しという時期の話です。
 西堀さんは優れた学者ですが、しかし文章をお書きにならない。
桑原さんはこういった。
「だから、お前さんはだめなんだ。自分の体験してきたことを文章に書かないというのは、非常によくない」。
西堀さんはよく日本人が言いそうなせりふで答えたそうですね。
「おれは理系の人間だから、文章が苦手なんだ。」
「文章に理系も文系もあるか」
「じゃ、どうすれば文章が書けるようになるんだ」
 私は、この次に出た言葉が桑原武夫が言うからすごいと思うのです。
「おまえは電車の中で週刊誌を読め」
 西堀さんはおたおたしたそうです。
「週刊誌は読んだことがない」
「『週刊朝日』でもなんでもいいから読め」
 週刊誌の話になったのには理由があるんです。
私は桑原さんにこう言いました。
「共通の文章日本語ができそうな状況になったのは昭和25年ぐらいではないでしょうか」
これには非常にかぼそい根拠がありまして、昭和20年代の終わりごろに批評家たちがしきりに似たことを言い出していました。
「この頃の作家は同じようなことを書いている。変に文章技術はうまくなっているけれど、同じようなことばかりでつまらない」
 しかし、私は逆に見ることもできると考えました。内容のつまらなさにアクセントを置かず、誰もが簡単に書いていることに驚きを感じたらどうだろうか。
 それが出来ずに苦労していた時代もあったのですから。この時代に共通の日本語ができつつあったのではないかと桑原さんに言ったところ、桑原さんは言いました。
「週刊誌時代がはじまってからと違うやろか」
 西堀さんのエピソードにきりをつけなくちゃいけませんね。
 それから西堀さんは一年間で、文章をちゃんと書けるようになられたそうであります。
この後、子規が墓碑銘に「月給40円」と記した話になりますが、こちらは有名なので、割愛します。

今年の10冊

2015-12-23 | 読書
 新聞の書評欄が、「今年の何冊」など載せるようになりました。小生も
2015年の10冊:今年読んだ本のうち印象に残った10冊(順不同)を選んでみました。
資本主義について考察した本が多かったですね。本の内容はwebサイトでご笑覧ください。
1沈みゆく大国アメリカ(堤未果著、集英社新書、)http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150712
2.ポスト資本主義http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150731
3.資本主義の謎http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20151221
4.資本主義と言う病 (東洋経済奥村 宏著2015年5月刊)
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150829
5.仏像の見方(ワニブック、布施英利著、2015年4月刊)、
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20150624/1435093485
6.『生命とはなんだろう』((岩崎秀雄著、講談社新書2013年2月刊)
「生命」はかくも多角的に論ずることが出来る。
http://d.hatena.ne.jp/snozue/20150531
7.『もうエコノミストに騙されないために』(浜矩子著、毎日新聞社、2015年3月刊)
年間を通じて著書を発表し続けた同志社大の正統派エコノミストおばさんの代表作として選ぶ。
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150508
8.『世界は分けても分からない』(福岡伸一著、講談社現代新書、09年7月刊
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150330
9日本語の科学が世界を変える 筑摩新書松尾 義之 著2015年2月
これはすごい本です。
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150703
10.悲素(帚木蓬生(ははきぎほうせい)著、新潮社2015年7月刊)
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20151112

11.番外『新聞記者 司馬遼太郎』(文春文庫)
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20150630


アベノミクスの矛盾

2015-12-22 | 経済と世相
 経済学というものの着想の根の部分に、何か盲点がある。その盲点に入っているものを一つ名指すとすれば、それは貨幣です。
貨幣に関する新しい知論が必用なのにないんです。みんな一国を前提にして、輸出・輸入というモノの動きだけを追っている。しかし、投資家の頭の中には、日本経済、アメリカ経済という国境はもうない。
経済学って何だろう。市場原理に委ねれば、需要と供給が一致するんだと言われてもそんなことはないだろうと。
近代経済学というのは、やはり一国単位の経済学だった。たとえば。金融工学が進んで貨幣が貨幣をうむ自己増殖過程に入ると、貨幣量なんてまったく把握できない。株式交換で企業買収ができるようになると、どこまでを貨幣とするか定義もできない。
――日本で利子率革命が最初に起きているということは、経済成長がほんとうに行き詰まりに来ているといってよいでしょうか。――
はい。日本の利子率が2%割れを起こしてから、もう15年が経過しています。2011年のギリシャ危機で、ドイツ、アメリカ、イギリスの10年国債利回りがいずれも2%以下になりました。2012年12月になると、フランスも2%割れ。先進5か国がすべて2%割れ。日本以外はまだ1年半ですのでまだ断定できないが、少なくとも失われた20年というのは、日本固有の現象ではない。
97年から日本の経済は名目成長率でいえば、毎年1%弱ぐらい下がり続けてている。ピーク時(97年7~9月)524兆円あった名目GDPは、2012年7~9月)には474~480兆円に縮小し、金利も同じテンポで下がっている。それでも仮に日本に1000兆円の借金がなければ1ドル80円で計算すれば1人当たりGDPは4万6000ドルでアメリカの4万8000ドル並になる。
一方、ヨーロッパのドイツやイギリス、フランスは1人当たりGDPにすると4万ドルに届かない。達観すればそんなに貧しくなっているわけではない。でも、1000兆円の借金は、経済規模が増えない限り、相対的に借金は増えます。アメリカも何年か先には同じ状況に陥るでしょう。
 もう一つ大変なのは、エネルギー問題です。GDPデフレーターを考えると、
売上に相当する産出デフレーターは、国内の成熟度合いに連動しているので、物価の押し上げ要因にはなりにくい。しかし、資源に相当する中間投入デフレーターが海外の新興国の条件によって上昇していく。
これについて、バレル100ドルの原油は高いから安いエネルギーを国内でつくるしかない。
アメリカの社会学者ロバート・ベラーさんはこういう。
日本は経済成長はほとんど成長していない、と嘆いている。老齢化や少子化、人口減少についても悩んでいる。でもよく考えてみよう。これから世界は経済成長がほとんどできない社会になる。それから高齢化率も高くなるに決まっている。人口だって減る方向になる。日本は世界が近い未来に突入する状態を先取りしているだけだと。
それはそうだが、人口1億2700万から9000万に落ち着く過程が、ちょうど借金が大変な時期。9000万になった時、借金が相当片づいている状況にして置ければ何も心配することはないのだが・・・
 最終的にゼロ成長を目指すとしても、それまでに撤退戦がある。その撤退戦に日本は苦戦する予感がします。
撤退戦というのは、ずっと使ってきたシステムが永遠に使えるシステムでなく、このシステムからどこかで脱却しなければならない。そのプロセスです。
現代は3年に1度バブルが発生して崩壊する社会だと、ローレンス・サマーが言っている。
なぜ、バブルが頻繁に起こるかと言うと、新しい「実物投資空間」がなくなったからです。「実物投資空間」の膨張がインフレで、「電子・金融空間」の膨張がバブルです。インフレが生じなくなったから、バブルが繰り返し起き、バブル崩壊が同じだけ生じる。バブル崩壊でデフレが生じるのですから、そのデフレをインフレを起こして解消するというのは、倒錯した議論です。
しかし、資本主義・市場経済には大きなメリットもある。これほどの人口を抱えた地球の中で、人々が必要なものを必要なだけ生産して、経済学者のいうパレート最適に近い形でそれらを分配する。そのように考えたとき、市場経済よりこれをうまく成し遂げるシステムがあるのか?
昔、チャーチルが民主主義について述べた逆説は、資本主義にこそ当てはまる。
資本主義は最悪の経済システムだが、資本主義より良いシステムはない
以上読んできて感じたこと。
 資本主義は、プラスの利子率が存在しないとうまく動いていかない。利子率がプラスになるためには、中心の他に周辺が存在する必要がある。周辺から中心に向かって利益が流れ込むのだ。こうした周辺が存在しなくなることを、「実物投資空間」がなくなると筆者は言う。
新興国に投資して利益を上げられる時には、新興国が周辺であり「実物投資空間」である。為替を安くすると、外貨水準で見た賃金が安くなる。賃金の高い中心から賃金の安い周辺に利益が流れ込む。これが水野理論による周辺から中心への利益のながれである。
ということは、国内労働者を貧しくすることで、利益を上げ易くすることになる。
経済政策は、国民を豊かにするためなのに、利益を上げ易くするため、最初に国民を貧しくさせているという矛盾があるのだ。アベノミクスの矛盾である。


経済学は間違っている

2015-12-21 | 経済と世相
『資本主義の謎』(水野和夫、大沢真幸著、NHK新書、2013年2月刊)という本を大学図書館の棚にみつけました。パラパラ手に取ってみていたら、
「チャーチルが「民主主義」に関して述べたことは、「資本主義」にも、いや「資本主義」により一層、あてはまる。「資本主義は最悪のシステムである。しかし、資本主義以上のシステムは存在しない」。」」
 これを見て、さっそく読んでみることにしました。

第4章 「成長なき資本主義は可能か」が面白かった。
「失われた20年」が30年になると言われます。この20年以上、日本経済という「車」今にも大破しそうな感じでよろよろ走っている。
 では「車」のどこが故障しているのか、なぜ経済成長が止まってしまったのか、もう不況に入って20年以上になり、しかも経済学者やエコノミストは実にたくさんいるのに、失われた20年の原因について、人によって言うことはまちまちで、未だに定説らしいものがありません。ジャーナリストのヘンリー・ハズリットは、「世界一シンプルな経済学」で、「人類が取り組んできたあらゆる学問の中で、経済学に最も誤りが多い」と書いています。
 たとえば、物理学と言う学問と比べてみる。物理学だって間違いはしばしばある、わかっていないこともたくさんある。しかし、物理学の理論に従って人工衛星やミサイルを打ち上げると、ちゃんと概ね予想通りに飛んでいく。それで、人は少なくとも、打ち上げに関連している物理学理論はほぼ正しいと確信を持つ。これに対して、今の経済学は、人工衛星を打ち上げようとしたところ、予想とまったく違うところに飛んでいってしまったり、ねらいのはるか手前で墜落してしまったりしている。そんな状況です。理論に何か間違いがあると疑ってよいのではないか。もう20年も打ち上げ失敗が続いているのだから。
貨幣数量説があります。「名目GDP」は、「実質GDP×物価水準」であり、そして「流通貨幣量×流通速度」でもある。この三つが等しいということは恒等式ですから、貨幣流通速度が一定なら、貨幣量が一定なら貨幣量を増やせばインフレになる。
 この理論に基づいて、不況の原因は日銀が悪いという。日銀はもっと金融緩和を進めるべきだという。アベノミクスは、実際、この点を強調する。
 しかし、もうずっと前から、日銀はゼロ金利政策を採ってきた。しかし、デフレは克服される様子はない。ロケット打ち上げに例えると、予想より手前に落ちてしまった。重すぎるのかと予想して軽くしてみた。それでも手前に落ちてしまう。としたら、もとになっている力学の理論に欠陥があると考えた方がよいのではないか。
 貨幣数量説は国際資本の完全移動性が起きていない世界でしか成立しない
貨幣数量説は数式で示すとMV=PT。Mはマネー、Vは流通速度、Pは物価水準、Tは取引量です。
MV=PYを想定するところに誤りがあります。グローバル化し資本市場が大きくなると。増加したMは、海外に流出するか国内の株式や土地市場に向かいます。M・V=P1y+P2・A。P2は資産価格、Aは資産市場の取引数量です。
グローバル化したのは、「実物投資空間」では儲からなくなったからです。Yを増やすような工場投資をするよりも、株式市場や土地市場で今日買って明日売るほうが手っ取り早くしかも巨額な利益を手にすることが可能になりました。だから。2012年末の総選挙で自民党の安倍総裁が、積極的な量的緩和を日銀に求め日経平均株価が大幅に上昇した。また、海外にも資産が流出し、あるいは海外投資家がゼロ金利で円を借りて米国債に投資すれば金利差で2%稼ぐことが出来、しかもドルが強くなり、為替差益も期待できた。
金融緩和で物価が上がらないのは、貨幣の流通速度が低下しているからです。貨幣が退蔵されている。ケインズ言うところの「流動性選好」が効いている。流動性が選好されるということは、貨幣が独自に欲望の対象になっているということです。
通常の経済学の発想では、貨幣は交換のための道具に過ぎない。このような想定の下では、貨幣を十分に供給すれば」需要が喚起されるはず、ただの道具に過ぎないものを必要以上に溜め込んでも仕方がないから。
ところが、今、日本の経済は、金融を緩和しても、デフレが解消されない。こういう時、僕たちが疑うべきは、理論の根本的な前提に何か誤りがあるということです。(続く)


残念!生検の結果

2015-12-18 | Weblog・人生・その他
「残念ですが、がんです」。医師が言いました。17日午後、西部医療センターに出掛け前立腺生検の結果を聞きました。「16か所の組織を採り、顕微鏡で調べましたところ、1か所にがんが見つかりました。1か所でも見つかれば、がんという診断になります」。という。
 「その写真を見せてください。ここの画像がこうなっているからがんであるという説明をお願いします」、と小生。「写真はありませんが、ご希望なら撮ります。顕微鏡検査をした先生にお願いしますから、多分年明けになると思います」。
「えっ、写真がない!ということは先生が見て、がんという判断をしたということしか記録されていない!」、「写真を見せろとまでいう患者さんは少ないのです」。
ここの病院は、驚くほど自動化、コンピューター化が進んでいる。
例えば診察結果について、「あなたの症状はこうです」と、いくつかの項目が印刷されて出てきて、医師が該当項目にチェックを入れて渡してくれる。続いて診療方針についてもプリントが出てくる。それを渡せば、医師は病状について患者に説明の義務を果たしたということになるようです。
また、MRIを撮るということになると、医師はPCを操作して「何日、何日が開いています。どの日にしますか」、患者の希望を聞いてクリックすると、何日何時に来てください、結果の説明は何日です」という予約表がプリントアウトされる。
 もちろん血液検査や尿検査の結果もPCに記録されている。ですから、生検の結果もデジタル画像がPCに入っていて、頼めば、画面に呼び出して説明してくれると思っていたのです。でも、考えてみれば生検は人間が行います。CTやMRIは機械がやりますから、デジタルデータにするのは簡単ですが、人間が行う生検結果の記録の方は難しい。
医師は言う。「がんであるということを納得して頂いたとして、次にすることは、このがんが他の臓器、例えば肝臓などに転移していないかをCTで検査する必要があります。何時検査しますか」と言うので、「なるべく早くお願いします」と言うと「では、明日午後4時半からでいいですか」、「お願いします」
CTの予約表と結果の説明日、25日の診察予約がプリントアウトされた。
「治療方針について、説明します」。と「推奨される治療法」なる文書をくれる。
放射線療法、ホルモン療法、手術療法が記載され、「手術療法は75歳以上は行いません。内服薬によるホルモン療法と3~6か月に1度放射線治療を行います」。
次にpCを操作して、「手術、検査、治療に関する同意書(正と控え)なる書類も出てきた。これにサインすれば治療を始めるというわけ。
「前立腺腫瘍にてホルモン療法を受けられる患者さんへ」という書類もでてきた。
「【ホルモン療法とは】前立腺腫瘍はおもに男性ホルモンを栄養として成長しています。その男性ホルモンの分泌を抑え、前立腺腫瘍細胞を消失せしめる治療を前立腺ホルモン療法といいます。
【治療の方法】使用する薬剤は内服薬、注射薬と様々で宇。(以下略)
【副作用】体内のホルモンバランスが女性ホルモン優位になります(以下略)」
「今年はついていないなぁ」帰途、そう思いました。
「でも人間最後は、必ず病気になって死ぬのだから、前立腺がんという病気は楽な方かもしれない」。
 25日、午後4時過ぎ、自転車を転がして西部医療センターに行きました。夕方になると、午前中の混雑がうそのように管さんとしています。診察カードを自動受付機に通すと、「⑰晩窓口に行ってください」とプリントが出てくる。窓口でその書類を出すと、「CT待合室でまってください」。行くと待ち時間ほとんどゼロで、CT撮影の部屋に呼びこまれ、上着をぬいてベッドに寝かされ「ズボンは足首までさげてください」。
 ベッドがCTの機械の中に滑り込んでいく。「息をとめてください」、「楽にしてください」。この辺りはレントゲンの撮影と同じ。数回、撮影を繰り返して終了。MRIと比べると、音も静かだし、短時間で終わる。「こんな程度でわかるのかな?」と思うほどだ。支払いをすませ、帰途イオン・モールに寄ったが、5時には帰宅できた。さて、25日はどんな結果になるでしょう。

2015第四半期私選10大ニュース

2015-12-17 | 経済と世相
 順不同ですが、私選第4四半期(10月~12月)10大ニュースです。
1. パリで同時テロ・
日本もテロにえらわれるようにならないか?
2. 日本人2名がノーベル賞
日本人の底力
3. 中国元、IMFのSDRに、日本円を超える比率で。
米中二つの経済大国にはさまれどう付き合う。
4. 5年ぶりあかつき、金星を目指す、「はやぶさ2」地球スイングバイで、りゅうぐうを目指す
日本の底力、
5. 第三次安倍内閣発足
新アベノミクス3本の矢発表。アホノミクスと言う人もいる。
6. 消費税の軽減税率、自公合意。
財務省案(マイナンバー提示方式)よりは良いが・・・
7. 大阪知事市長選挙
まだ橋下さんに期待する人がいた。
8. 臨時国会開かれず。
憲法53条(衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば臨時国会を開催する)」に違反?安倍さん、もともと憲法など守る気ない?それともTPP(Takagi Pants Problem;高木大臣の下着泥棒問題)追求が怖かった!
9. TPPアトランタで大筋合意
アメリカの影響力維持に安倍さんは懸命だ。
10. 米連銀、政策金利上げ 
     日銀はゼロ金利の出口ありや。
11. 番外;師走に夏日、111年ぶりとか

生検

2015-12-14 | Weblog・人生・その他
 前立腺がんの生検に行ってきましたが、大変でした。
10日9時半、連れ合いと連れ立って、タクシーを拾い、名古屋市西部医療センターに行きました。受付を済まし6F西棟に上がり、ナースステーションに書類を提出すると、すぐ右手の手首に名前のバーコードの入ったテープを巻きつけられます。部屋に案内されました。4人部屋ですが、ベッドの周囲はカーテンに覆われ一応プライバシーは保たれるが話声は聞こえる。「担当の”川原“です」。看護師が挨拶に来た。
寝間着のパジャマに着替えると、医師が来て点滴の針を左手に刺した。夕方まで続けると言う。点滴スタンドにつながるからトイレに行くにもスタンドを引っ張って行くことになる。
「オペが済んでから点滴するならわかるが、オペ前から点滴の必要があるのかな?」
薬剤師が薬品の説明に来た。
「処置は12時半。手術室で行います」。まだ2時間もある。連れ合いはハンドバッグから文庫本を取り出して読み始めた。この辺りは亭主の行動パターンに似てきた。
「結果として面倒かけ続けてきたなぁ」と、白髪の横顔を見つめた。

12時半、看護師が迎えに来た。車椅子に載せられ、3Fへ。手術室がたくさん並んでいる。
看護師が右腕のテープのバーコードをリーダーで読み取る、「お名前をフルネームで仰って」
読み結果と患者の声で名前を確認する。更に医師が、名前と手術内容を読み上げ患者に確認を求める。
数年前、患者を間違えて手術をするという事故が名古屋の大病院であって(この病院ではないが)本人確認はうるさいくらい繰り返す。
診察室に入る都度、名前をフルネームで言わされる。実際、診察ごとに医師が代わっているので、医師は前の診察医師の書いたカルテを読んでから診察する。手術する医師も診察の時の医師とは別人で、これでは、医師は患者の名前と顔を覚えられない。患者を取り違える事故があっても不思議ではない。
ベッドの上に寝かされ、ズボンとパンツを脱がされる。手術が始まった。顕微鏡用の試料として前立腺の組織を切り取るのだ。そのための装置を肛門の穴に押し込むのです。
それがめっちゃ痛いのです。
肛門の内部から前立腺の組織を採るのだ。これは聞いていなかった。
「いたーい」と叫ぶと、医師は「お尻の穴が小さいのですね」と言う。痛いのは、小生の尻の穴の所為、といわんばかり。
痛いけれど、医者だって好んで他人の尻の穴をのぞきこんで医療機器を操作しているわけではない。尻の穴をのぞく仕事で妻子を養わねばならないから、我慢してやっているんだろう。俺も我慢だ。
やっと入ったと思ったら「ちかっ」と痛みを感じた。針を刺して組織を採取すると言っていたから今針を刺したのだろう。その後肛門内部に猛烈な痛み。へそ辺りに力を入れ、両脚を踏ん張って「ううーん」と耐える。しばらくして「プシュ」という風船をつぶしたような音がする。そして痛みが停まる。「プシュ」で組織を採り終わるのだ。やれやれと思ったが、また「ちかっ」と痛み。別の箇所で組織を採るのだ。「ちかっ」、「ううーん」、「プシュ」の繰り返しが10数回繰り返した。
「終わりました」と言われた時には、ぐったりしてしまった。歩けないぐらい疲労困憊、車椅子に載せられ病室まで戻された。時刻は1時だった。
最後に医師に聞いた。「プールには何日後から入っていいですか?」
「1週間はいけません」。
1週間いけないと今月は29日でプールは終わりになるから年内10日ぐらいしか泳げない。年間の水泳距離は250㎞がやっとということになる(昨年は300km、一昨年は365km泳いだ)。
「早かったね」と連れ合いがいう。30分弱だから早いと言えば早いが、地獄の攻めみたいな30分。「麻酔はやってたの?」と聞くと、看護師が「局所麻酔はやりました。
「2時まで安静にしていてください」
 1時間ほどうとうとして2時になると、看護師がやってきて「オシッコの都度、時刻と量を記録してください」と、記録用紙と計量コップを持ってきた。
連れ合いはもう帰るというので、「タクシーなら今朝¥500だったから,それくらいで玄関まで着ける。バスなら病院の前から「栄行き」で脳北橋で降りればいい」と言うと、「バスは本数が少ないので歩いて帰る」という。バス停で2区や3区の距離ならさっさと歩く。これも亭主の行動パタンが移ったらしい・
6時の夕食まで、寝ていた。途中でトイレの度に尿の量をみたが、大体2時間おきで150cc
一番多い時で200ccだ。「こんなにタンク容量が小さくなっているの」と、手術が終了した時に医師の言った言葉を思い出した。
「膀胱に水がたまってます。前立腺の治療が終わったら、治療を相談された方がいいですよ。」、「どういうことですか」
「年をとると、タマに水の溜まる人がいます」、「水が溜まっても、痛くなければ治療の必要はないのでは?」、「水が今以上にふえなければいいのですが」。
医師の言った意味が分かった。「水が溜まったため、有効容量が少なくなっている。水がもっとたまると、容量はもっと減る」と言う意味だ。年の所為だろう、あちこち不具合なところが出てくる」。
小生、泌尿器関係の臓器が設計寿命を越えているのかな?
夕食前、点滴を外しに来た。いろいろな菌による炎症、化膿、感染症を抑える薬品を点滴でいれていたのだが、手術後5時間経過後は飲み薬に切り替えるという。スタンドを引きずらなくてもよくなったのでほっとした。
後の回復は順調だった。就寝前は体温は微熱(37.2℃)だったし、血圧も150を超えていたが、翌朝は、36.6℃、血圧も120台になっていた。朝、医師が顔をだし、「もう退院していい。結果は17日午後しらせます」と言った。
もう痛いことはやらないだろう。75歳以上は手術はやらないといっていたから、仮にがんの診断が出ても放射線治療になる筈だ。
10時、退院し、バスで帰宅しました。