古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

選挙の民意は?

2005-12-19 | 経済と世相
 19日朝、尾張名古屋は一面の雪。積雪23センチで尚、雪が舞っています。
昭和22年以来58年ぶりの積雪だそうです。現役でなくて良かった!
と、こんな時は思います。
 朝刊を見ると、診療報酬3.16%下げ、とか新規国債29兆円台とか。
9.11選挙で、自信を得た小泉内閣が「改革を止めない!」と言わんばかり。
でも、9.11選挙の民意は、こう言うことだったのかな?と首をかしげています。

 野村総研のリチャード・クーさんが、雑誌VOICE11月号で、こんな記事を寄稿していました。
【今回の自民党と民主党のマニフェストを見比べる限り、改革や財政再建に関しては、民主党の方が自民党よりはるかに積極的であった。
 たとえば、民主党が主張する、予算編成権を官僚から取上げ、高級官僚の人事も民意を代表する政治家が決めるというのは、日本が「官僚国家」から脱却するには絶対不可欠のステップである。
 これに対し、自民党の郵政民営化は官僚の資金源をカットする方策だが、それに比べれば民主党の予算編成権を財務省から内閣に移してしまうほうが、官支配を断ち切るにははるかに直接的な手法である。また、官僚への資金を絶つということでは、民営化せずとも郵政が集めた金は国債でのみ運用すべしとすれば、官僚パワーの根源になっている各種特殊法人へ資金が回ることを防ぐことができる。
 つまり、改革ということでは、民主党は自民党の左側にいたのである。それが票につながらなかったということは、国民はそこまで大きな変化を望んでいなかったとも解釈できる。
 一方財政再建についても、民主党は、小泉総理が2003年に放棄した自らの選挙公約である国債発行枠30兆円を自分達のマニフェストに盛り込んで、財政再建に対する意志の強さを強調した。これに対し、同総理は財政再建は慎重にすべきだというスタンスをとった。】
【ところで、今回の選挙で国民が、民主党が主張するほどの改革は望まないが、郵政民営化は支持するところまでは判明したが、どれほどのペースで改革を進めるべきかについては、はっきりとした答えを出していないように思う・・】

 クーさんは、改革が必要としても、改革のペースが問題で、民主党のマニュフェストほどの急進は、国民が望まなかったと言っている。この説が正しいとすると、自民党執行部は、選挙の結果を「国民は改革を無条件で支持している」と誤解して、マニフェストで慎重だった国債枠30兆円を復活し、一挙に財政再建に踏み出そうとしていることになります。
 9.11選挙が、今年最大の政治ニュースであったと、私は思いますが、
政治の混迷は、来年もまだまだ続くようです。みなさまどう思われるでしょうか。


屋根神様

2005-12-19 | 素晴らしき仲間たち
15日のウオーキングの顚末、ご笑覧ください。

 「屋根神様」ってご存知ですか。我が住宅のシニヤ会が、屋根神さま巡りのウオーキングをやろうと、総勢10名、それにボランテイアで、案内を引き受けてくれたYさんと一行11名。15日の9時40分、住宅の西口から出発しました。 例年になく寒さの到来が早く、前日までは震え上がる寒さだったが、今日は寒さ一服の感じなのが嬉しい。
 屋根神様とは、屋根の上に祀った神様です(写真参照)。Yさんは、四国は観音寺の出身だそうだが、名古屋に住むようになって、この屋根神様に気付き、面白いものがあると、調べ始めたそうです。
 「13年前に、私が調査した時は230個所もありましたが、最近の調査だと120くらいに減っているようです。」と、Yさんは言う。
「これは、尾張に特有の神様で、他所の土地では見ません。
 戦前は市内どこにもあったようですが、戦災で焼失して、今残っているのは西区が多いです。市内の土地価格が高いので、信心深い人たちが、屋根の上に神様を祀り始めたのが普及したんだと思います。」
 弁天通を歩いた後、「美濃街道(東海道と中山道を結ぶ脇街道)沿いが多いのですよ」という言葉に従い、市バスで東芝横まで行き、枇杷島付近を散策すると、吃驚するほど、沢山ある。
「15日と1日が屋根神様を祀る日なんですよ」、なるほど、お供え物やお神酒を備えたりしている。
「多くが、熱田神宮、津島神社、秋葉神社で、熱田さまは戦時中出征兵士の武運長
久を祈り、津島神社は疫病よけ、秋葉さんは防火の神様です。」
 「屋根は勿論、個人の所有ですが、神様は町内皆のもの。町内でお祀りの当番を決めて管理しているようです。」
 「そうは言っても、代替わりすると、色々で、取っ払ってしまう所もありますね」とYさん、昔撮った写真を見せて、「ね。ここにあったでしょ!」。なるほど、屋根神様のあった建物が棟ごと取り壊されて駐車場になっている。若い人にとっては「神様よりマイカー」なのだ。
 そうかと思うと、「ビルを新築した時、屋根神様のスペースを造ったのもありま
す」と、指し示したY医院。
 10箇所ほど見た後、寒さ一服といっても、さすがに寒い。暖かい所で昼食を取ろうと、角のファミリーレストランに入って一時間。おしゃべりを楽しんだ。
 その後、近くの「ノリタケの森」に入る。昔の工場の6本煙突の一本にサンタク
ロースが鎮座していたが、寒そう。ショッピング・ゾーンのカフェで珈琲を頂く。
ここの珈琲は美味しかった。それに、容器に重量感がある。さすが、ノリタケです。
 その後、円頓寺(えんどうじ)など屋根神様を訪ねたが、なんと25箇所もお参りして、最後は名古屋城のお堀端を歩いて3時半帰宅しました。屋根神様って、こんなにあるとは50年も名古屋に居るのに、はじめて知りました。Yさんに深謝です。



文部科学省って必要?

2005-12-16 | 経済と世相
 「ケイタイを持ったサル」や、「考えない人」などの警世の書を著している京大霊長類研究所の正高信男さんが、12月14日の中日夕刊に、誠に素晴らしい意見を載せていました。

【政府が、義務教育費の地方委譲にやっきとなっている。国庫負担をともかく減らしたいらしいが、それならばいっそ文部科学省をそっくりなくしてしまえばいいのにと、私は思う。
 国立大学も独立行政法人化したし、研究費を支出する組織もそれに準じた。そして初等・中等教育については、そもそも以前から実際に現場を監督しているのは各地方の自治体である。
 文部科学省のしていることといえば、指導要領に代表される大所高所からの方向付けである。いわば、「君臨すれども統治せず」・・・・それならいっそ、そっくり全部任せてしまえば良いと思う。】
 大学の独立法人化は、一体何のために行うのか私さっぱり分からなかったが、文部科学省を廃止するためと言うなら、納得!大賛成です。

【・・・こんなことをすれば地方格差が生ずるという批判があるだろう。けれども、自治体ごとに特色を出して互いに競ってユニークさを打ち出す方が、今よりよほどマシではないか。】
 江戸時代の藩政を考えてみてください。各藩で独特の教育を行ったので、各地から有能な人材が輩出して、明治維新を成し遂げたのではないですか!中央政府が、すべてコントロールすると言うのは、社会主義の考え方です。

【むろんトップに立つ人の責任が重大なのは言うまでもない。従来はあまり表に出ることのなかった教育長の手腕が問われることとなる。公選制で人材を求めるのも一案だろう。自治体の長と対等とみなせば、一般市民の教育への関心も高まると予想される。・・・】
 児童の教育権は親にあるのですから、市民の投票で教育の最高責任者を決めると
言うのも納得!

 小泉さん、「民にできることは、官から民へ」とおっしゃるなら、文部科学省も、そして外務省も、民営化とか廃止とか検討されたら。(税金も少なくて済むのでは)
 でも、建築物の強度計算審査は、官でやった方が良いのと違います?

小説本2冊

2005-12-16 | 読書
数日前プールの帰りに、図書館に寄ったら、新刊の棚に面白そうな小説を2冊見つけたました。
   司馬遼太郎短編全集第8巻    文芸春秋刊
   HOKKAI       新潮社刊  高樹のぶ子著
 今年は、正月の「虎の城」以来、小説を読んでいなかったなぁ。少し、読んで見ようか、と借りてきました。
 
 司馬さんの本、13篇の小説が載っていましたが、いずれも維新に活躍した有名人というか、志士の裏話に材を取った短編小説。短編とはいっても内容が濃く、いずれも長編小説にできる内容でした。
 実際、この中の「英雄児」(長岡藩の河合継之助の物語)を作者は、後年、
「峠」という長編にしています。
 「逃げの小五郎」は、桂小五郎の”禁門の変”以後の逃亡を材料にしているし、
「總司の恋」は、ご存知新撰組の沖田總司。要するに、13篇の維新志士銘々伝と
いった感じの小説集でした。
 驚くべきことに、これら総てが1963年の執筆という。
 これだけの内容を集めて一挙に小説に仕立てて、一年以内の期間に発表している。司馬さんのストーリーテラーとしての才能が、最も油の乗った仕事をしたのが、’63年だったかもしれない。

 「HOKKAI」は「北海」、画家の高島北海の意味です。【百年の時を超えて
小説家の「私」を魅了する「彼」の秘密は何か?アールヌーボーに影響を与えた近代の傑物、北海の謎に迫る】というのですが、要するに、これは恋愛小説。近年、恋愛小説の書き手が少なくなったと思いますが、高樹さんは私にとって安心して読める恋愛小説の数少ない書き手です。
 余談ですが、せせこましい話が多い昨今、恋愛小説など読む気になかなかなれないと言うのが、読者の多くでしょう。それとも恋愛小説の成立しにくい社会になっているのでしょうか。

 ということでこの2冊、正月休みに寝転がって読むのには最適と考え借りてきた次第です。

 図書館の本は返却期限がありますから、早く読み終わるのですが、本屋の店頭で、これは面白そうだと、衝動買いして、後で読もうと積読したままの本が10数冊。
 「本など一箇所でも参考になるところがあれば廉いもの。それに、買っておかないと、後で、欲しくなっても探すのがたいへんなことが多い」と、衝動買いの言い訳を、自分自身に言い聞かせていますが、狭い部屋に場所をとる本の山。
「なんとか読み終えたい」、と思う師走の昨今です。

運動負荷検査

2005-12-13 | マラソン
 9日夜、名古屋市総合体育館の「スポーツ医事相談」にでかけました。先日の土山マラソンで、完走できなかったのは、悪天候の所為だけだろうか、加齢によって基礎体力が落ちてきているのか、運動能力を測定しておく必要があると考え、運動負荷検査を予約したのです。
 体育館に着いたのは6時前、受付で検査料金\500を払う。「予約は7:45でしたね」、
「ええ、それまでプールに行っています」と、隣のレインボー・プールで7時まで泳ぐ。
 泳ぎを終えて、7:20ごろ、診療室に行く。「泳ぎに行ったの?」、何回か行ってるので、顔なじみになったFスポーツアドバイザーが笑って声をかけてくれた。「ええ、1600mぐらい」

 尿検査、体重、身長、体脂肪、肺活量の測定後、自転車エルゴメータだが、先客が居て、15分ほど待たされた。先客はご夫婦。スポーツ好きのご夫妻らしい。
 検査は、ベッドに寝て心電図を測定した後、電極を付けたまま自転車に乗る。徐々に荷重を増やし(最大150W)ながら、一定速度でペダルを踏む。12分間、漕ぐ。漕ぎ始めから、負荷終了の5分後まで、心電図と血圧・脈拍を測定する。
 9分以後、脈拍は120を越す。血圧は200~239。この辺になると、少しきつくなるが、終了後5分で脈拍は90台に低下、血圧も150まで下がる。
 最後に、医師の意見とアドバイザーの意見を面談で聞いた。
 医師「前回(本年2月)との比較で、むしろ体力は良くなっている」。アドバイ
ザー「無理だと感じない範囲で、現在の運動を続けてください」。
 前回は、口熊野フルを完走した直後の測定だから、そのときより体力は良いといわれたので、一安心。

 参考までに、主な測定値、( )内は前回値。
体脂肪率      13.8%(12.3%)
BMI         20(20)
肺活量       3400cc(3110)
予測最大酸素摂取量 52.9ml/kg.min(53.0〃)

 ということで、来年もマラソン大会の出場は可能と考え、前半の予定をきめました。
1月8日  壱岐の島マラソン(ハーフ)
3月5日  桑名リバーサイドマラソン(10Km)
5月3日  金沢犀川マラソン(フル)
 この大会今までは20Kmでしたが、10回目の出場なので、記念にフルを走る予定。
 水泳累計5000km達成の記念にもなりそう。

日本と世界が震えた日

2005-12-13 | 読書
 「ミスター円」の異名をとった元大蔵省財務官の榊原英資氏の『日本と世界が震えた日』という本を読んだ。’99年退官した同氏が、通貨外交の最前線にいた90年代を振り返った回想記だが、2000年に出版されたのを機を逸して読めなかった。
今回、文庫(角川)になったので、買ってきて読んだのです。
 以下、少し長くなって恐縮ですが、読んでの感想です。

 著者の執筆の意図は「あとがき」から読み取れます。
【・・・一つの時代が終わりつつあるということを強く感じている。・・・『坂の上の雲』を仰いだ明治の若者達が造っていった近代日本は、官僚と大企業のサラリーマンの時代でもあった。】
【だが、20世紀末の情報通信革命にドライブされた経済・社会構造の大きな変革
は、この学歴メリトクラシーの時代をも終われせようとしている。役人とサラリーマンの時代は終わり、新しい技術者と知識人の時代が訪れつつある。】
【情報伝達のスピードとパターンの変化、そして公開情報の急激な増加は、組織の形を今までとは全く違ったものにしてしまう可能性が高い。】
【重要な情報を独占することによって権力を振るうことはもはや不可能であり、問題は膨大な情報をいかに分析し、どのような文脈の中に位置付けるかということに移ってきている。様々な分野での専門知識、そしてそれをある文脈の中で全体と関連付けていく能力を持った人間が必要となる。おそらく我々は、学校や組織の中での教育や能力開発の仕方を抜本的に変えて、そうした能力を持つ日本人を急速に増やしていかなくてはならないだろう。】
 90年代の通貨外交の経緯を語ることで、著者は読者に、そういったことを理解させたいようです。

 小生がもっとも面白く感じたのは、次の論述。
【著者は、現在の資本主義をサイバー資本主義と名付ける。サイバーとは、コン
ピュータの中の仮想空間である。近代の資本主義は、アントワープ、ロンドン、
ニューヨークとその中心を移して来たが、現在の世界経済はその中心がコンピュータの中の仮想空間であると説く。
 この仮想空間の中での通貨の動きが、90年代の世界経済を震かんさせた。
 ここで留意しておかなくてはならないのは、「サイバー化」はたしかに不安定性や脆弱性を強め、バブルの形成と崩壊を加速したが、しかし、より本質的な問題が「グローバル化」そのものの中に含まれているという点だ。
 市場は社会的・政治的制度(つまり市場のインフラ)に埋め込まれてはじめて長期に維持可能なものになる。
 サイバー化しながら充分な公的インフラをもたないグローバル化が内包する問題点の一つは、このシステムが、筆者が「市場原理主義」と呼ぶ一つのイデオロギーを持つに到ってしまったことであろう。
 著者は、ウズペキスタンの蔵相アジモフの言葉を引用している。
『現在、我々は三つの原理主義に悩まされている。第一は共産主義、第二はイスラム原理主義だ。そして、最後は市場原理主義だ。今、流行になっているこの市場原理主義は前二者と同様、全く手に負えない!』】
 イラクの紛争は第二の原理主義と第三の原理主義が争っているようです。

 それから、著者の主張とは別に、著者の語る90年代の通貨外交の顛末を読む時、あの時代は一口に「失われた10年」と集約できない出来事の継起であったことを、私は知りました。


寂光院に遊ぶ

2005-12-01 | 旅行
 28日は、住宅のシニア会のハイキングで尾張寂光院へ出かけました。総勢10名、地下鉄から小牧線経由犬山遊園駅に9時45分。そこから、木曽川沿いに上流へ1.5Km、ぶらぶら歩きで20分。寂光院に着きました。
>  ここは、別名『尾張のもみじ寺』。しかし、もう1週間ぐらい経ってからの方が、もっと綺麗なんじゃないかな?年々、温暖化が進んで、紅葉最盛期が遅くなるように 思われます。
>  休憩所で、持参の弁当を広げ、腹ごしらえ。元気な人は継鹿尾(つがのお)山へ登ろう、という話だったが、みんな登るという。標高273mの山だからたいした事ないと思って登り始めたが、意外と急勾配、皆さんふうふう言い出した。いつの間にか 私一人先頭で上っていた。頂上の三角点まで30分。そこの展望台で休んでいると、 10分ぐらいで全員上りついた。霞がかかり見晴らしはあまり良くないが、全員の記念写真を撮ってから、下山。
>  「結構な運動になったね」、と皆さんのご意見でした。写真を添付します。
> この寂光院のURLを下記しますので、ご関心ある方はどうぞ。
> www.jakkoin.com/
>
>  建礼門院が隠棲したという京都大原の寂光院とどういう関係かな?と思いましたが、 特に関係はないようで、寺の由来の立て札には、京都との関係の説明はありませんでした。インタネットで調べたら大原寂光院は天台宗。尾張の寂光院は真言宗でした。