古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

プロの練習

2004-08-31 | 水泳
 オリンピックも終わりました。男子マラソン、1時45分ごろ目がさめてTVのス
イッチを入れて見ました。 35Km過ぎたぐらいでした。ブラジルの選手がトップを独
走していました。暫らくして信じられない出来事が起きました。観衆の中に、頭のお
かしい男がいたらしく、突然コースに飛び出し先頭を走るランナーに抱きつき歩道に
引っ張りこんでしまった。選手は振り切って、また走り始めましたが、30秒近く2
位を離していたのにたちまち10秒差。結局このランナーは最終で3位に落ちてし
まった。
 今日の新聞によると、この選手には銅メダルの他に特別賞のメダル(クーベルタン
メダル)を贈ったとか。深夜の放送で見ていなかった方も多いだろうと考えメールし
た次第です。

 鹿屋体育大教授の田口信教(平泳ぎの五輪金メダリスト)さんが、同大学の柴田亜
衣選手の800m自由形金に関連し、28日の中日夕刊に寄稿していました。
【柴田選手の成功は、「命がけ」という言葉を口にしながら、限界への挑戦を毎回繰
り返したことによります。大学に入ってから、早朝五時から始まる一日2回の練習で
2万メートルを泳ぎ、プラス筋力トレーニング一時間、これを年間を通じて休むこと
なく継続しました。こうした挑戦は、人間の持つ限界を少しづつ押し上げてくれます
が、少しでも限界を超えると壊れる恐れがあります。安全に行うためには限界を良く
知る人、信頼できる人に導いてもらう必要があり、その意味で、柴田選手と田中孝夫
監督の関係は理想的でした。】
 一日2万メートルとは、たいへんな距離、かつて”前原頑張れ”の前原選手も一日
2万メートルを泳いだと、聞いています。比較するのは恐れ多いですが、小生の一日
千メートルと比較すると20倍です。
 ついでに、マラソンも比較すると、小生の月120Kmに比し、オリンピック選手
の練習量は月1200Km、こちらは10倍です。
 プロといわれる程の人の練習は半端でない!
 また、田口さんはこうも書いています。
【また、強いだけでは勝たせてくれないのが五輪です。チャンスは四年に一回だけ
で、タイミングや運も必要になる。運をつかむには、神様も味方にしなければ勝てな
い。だから学生たちには「神様の立場に立って考えなさい」とよく話しています。】
確かにそうですね。「神様の立場に立って考えなさい」とは、良い言葉だと思いまし
た。
【その点、柴田選手の口から人を中傷したり、非難したりする言葉を聞いたことがあ
りません・・・】
と続けていました。

 オリンピックも終わり、夜更かしも終わりますね。台風が通過すれば、多分涼しく
なって秋でしょう。 

華氏911

2004-08-29 | 経済と世相
 28日、プールで一泳ぎした後、隣の映画館でシニア料金¥1000也を払い、、
最近話題の「華氏911」を見ました。
 新聞、雑誌の評を見て、ブッシュを肴にした喜劇仕立ての映画かな?と思っていた
んですが、喜劇どころか、これは深刻な反戦映画と感じました。

 米国を一度も侵略したことのない国、侵略する能力もない国に、戦争を仕掛け、戦
場で命を落とすのは下層階級の子弟。「石油がなければ戦争などしない」と公言する
エリート(北朝鮮は石油が出なくて幸いでした)。
 志願兵をリクルートするシーンがあります。担当官は上流階級の住む地域には行き
ません。目標を達成できませんから。映画の最後に、この映画の監督が、ワシントン
の議事堂前で、海兵隊入隊のパンフレットを議員たちに配って「戦争に賛成ならご子
弟を志願させませんか!」と呼びかける(議員の子でイラク参戦はたった一人と
か)。そこへナレーシヨンが入る。
 『戦争の目的は相手国に勝つことではなく、自国の上流階級の既得権を保障する体
制を守ることだ』

 それにしても、米国は凄い国ですね。これほど公然と政府を批判する映画を作る人
が居て、国内だけでなく海外にまで、堂々と上映させるんですから。日本では考えら
れないことは、先般のイラク人質事件でも、拉致被害者家族への非難問題でも、明ら
かです。
 米国は本当に懐の深い国です。

 映画を見終わった後、小泉総理に次の質問をしたいと思いました。
 『米国のイラク戦争をいち早く支持されたのは、正義は米国にある』と思われたか
らですか?それとも『正義があるとかないとかは問題でない。日本はアメリカに付い
て行くのが、結局日本の得策なのだ』と思われたからでしょうか?
 答えが前者なら、日本の総理大臣はバカかウソツキ(これぐらいの嘘つきでないと
首相は勤まらないかも?)!後者なら・・・・・


エンドーからビール?

2004-08-28 | 経済と世相
 先日、ビールまがいの”麦風”を買いに行くと、生憎品切れ。店のお兄さんが、
「こんなのが出てます」とおしえてくれたのが、「Draft One」という製品。サッポ
ロビールが今年出したビールテーストのお酒。「試してみるか」と350ml缶6本を
¥627で買い、更に、比較のため、同じサッポロの黒生1本を買ってきた。
 このお酒、麦芽を全然使っていないのです。麦芽の代わりにエンドー豆を使ってい
る。従って、ビールにも発泡酒にもならない。税法上は「雑酒」。税金が発泡酒より
約¥22安い(350ml当り)という。
(エンドー豆は、脂肪分が少なく、ケーキ、ハム、ソーセージなどのつなぎに使われ
るのだそうです)
 まあ、不味いのでは話にならないので、飲んでみた。「ヘーこれがえんどう豆から
出来るの!」。本当にビールそっくりの味です。比較するため、黒生を開けて、交互
に飲んでみた。比べると、やはりエンドーの方がややクセがある。でも、悪くはない

 それにしても、発泡酒の税率を上げると、直ぐこうした新製品を考え出すのですか
ら、「人は困ると知恵を出す!」

 小泉さんは「民営」「民営」と唱えていまうが、「民営」がサービスが良くなるの
は、競争があって、サービスを工夫しないと、売上が減って“困る”からです。
 競争がなくて、なんにも“困らない”民営企業では、知恵もサービスも出てこな
い。
 竹中さんは、分かってるんでしょうか?
 

UFJ問題

2004-08-15 | 経済と世相
 銀行の悪口はもう言い飽きたとおもっていましたが、最近のUFJの合併問題でま
た一言言いたくなりました。
 住友信託が「UFJと三菱東京の統合交渉のさし止め」を求めた仮処分申請に東京
地裁が住友側の主張を認めた仮処分命令を出した。
 この裁判長は、3月の週刊文春の販売差し止め仮処分を出した裁判長らしい。文春
の仮処分にはまったく賛成できないが、今回の仮処分には、小生も賛成です。UFJ
と住友信託の5月の約束が法的に契約に当たるのかどうかが、判断の分かれ目という
ことだろうが、法的にどうこういうよりも、「武士に二言なし」という武士道精神
は、今の銀行経営者にはないらしくて、銀行合併が、司法の場で争われるという前代
未聞の話になった。
 とにかく、預金者にとって、東海銀行がUFJになってから、サービスは悪くなる
一方であった。メガバンクの先頭を切って土曜日の現金支払機を有料にした。年金生
活者の1%上乗せ定期預金を取りやめた。顧客が溢れている支店をつぶして支店統合
をしたので、店頭での待ち時間が大幅に伸びた等々、言い出すと切りがない!なりふ
りかまないサービスのカットで、よほど経営が苦しかったのだろう。

 要するに、この銀行の経営者にとって、「合理化」とは「顧客へのサービスをカッ
トすること」だった。そもそも、預金者を顧客と思っているかどうかが疑問である。
どうも、預金者でなく、金融庁と日銀がお客様と考えているらしい。無理もない!預
金者からお金を集めなくても、日銀が金融緩和と称して、メガバンクに大量のお金を
ほぼ無利息でまわしている。これでは預金者をお客様と思わなくなっても不思議でな
い。
 ついでだが、竹中さんは、銀行の不良債権償却を、自分の功績のように言っている
らしいが、不良債権償却は、預金者が預金の金利ゼロで我慢しているからで、利息分
が不良債権償却に回っているおかげである。
 ともあれ、顧客を大事にしない経営が、まっとうな自由主義経済で成り立つ筈がな
い。規模を大きくすれば経営が成り立つと思うのは錯覚である。以前、このメールで
「郵便局が民営になった暁に、メガバンクがすべて国営になっているというのはブ
ラックユーモア?」と書いたことがあるが、私には、その路線を粛々とたどっている
ように思える。

シドニー

2004-08-10 | マラソン
 先日野暮用で名古屋駅に行った際、一寸時間があったので、本屋に寄って文庫本3
冊を衝動買いしました。内1冊は村上春樹著「シドニー(下)」(文春文庫)でし
た。(上)を買わずに(下)だけ買ったのは、マラソンが下巻に載っていたからです。
 作家の村上春樹が、シドニーオリンピック3週間を現地で取材して書いたルポル
タージュですが、本文より最後に付された3人(大塚製薬陸上部河野監督、犬伏孝行
(シドニーマラソン出場(38Km過ぎ棄権)、大塚製薬)、有森裕子)の取材の方
が面白かった。有森裕子は、その年出場したNYシテイマラソンで11位に終った直
後の対談で、いわば3人とも敗者の立場に立ってマラソンを語っていました。どのよ
うに面白かったかを、河野氏の次の語りから、推察してください。
【高橋尚子が24日に金メダルを取った瞬間から、犬伏の中にあった「金メダルを取
りたい」という気持ちが、「金メダルを取らなくては」という気持ちに変わっていっ
たんです。そういう意味では、高橋尚子の優勝をいちばん素直に喜べなかったのは、
男子マラソンの選手たちじゃないですかね。】
【レースの2週間前に疲労のピークにくるように設定されています。それを、レース
当日に向けて、徐々に回復していくわけです。普段ならその辺はわかっていて、これ
で大丈夫と落ち着いていられるんだけど、今回は「今身体が重い」というのが、すご
く不安になったみたいです。】
 (マラソン選手って随分ナーヴァスなんですね。)
【犬伏が途中で走りやめたとわかったのは、ずいぶん時間が経ってからでした。選手
はみんなチップをつけて走っていますので、ポイントの通過タイムが全部コンピュー
タでたどれます。ところがいつまでたっても犬伏の40Kmのタイムが入ってこな
い。タイム的にあり得ないことです。だからそこで「ああ犬伏は走りやめたんだな」
と推測できました。推測はできるんだが、何が起ったかはわかりません。
・・・それで携帯に電話しました。荷物の中に携帯を入れスイッチを入れておけと、
犬伏に指示していたんです。何があるか分からないから。そこに何分かおきに電話を
かけていた。そのうちにつながって、競技場の医務室で点滴を受けていることがわ
かった。もう声がほとんど出ていない状況でした。・・
 それで脱水を起こしたんだということがわかりました。1時間で1リットルの点滴
をしまして、1時間後にはなんとか回復していました。体温も35度7分まで上がり
ました.声も出るようになっていた。・・・本人はたぶんまだわかっていないでしょ
うが、実はかなり危険な状態だったんです。走りやめてすぐに車が来てくれるわけ
じゃないんです。もっと後の方から収容車が来ますので、それを長い間待っていなく
てはならなかった。気温もどんどん下がっていきますし、一時は体温は33度まで下
がりました。32度まで下がったら、生命が危ないところでした。】

直島への関心

2004-08-08 | 旅行
 「直島に何故関心?」の編集長のご質問に返信します。
 香川県直島は、ベネッセコーポレーシヨンが島の過半を収得してコンテンポラリー
アートミュージアムを建設、ホテルも経営しています。設計は安藤忠雄ですが、聞く
ところでは、島の景観を損なわぬよう、美術館を地下に隠すというユニークな設計だ
そうです。 以下は、安藤氏の言葉。
【普通、美術館といったとき、アクセスのしやすさが集客力に反映し、その運営の成
否を決定している場合が多いのですが、直島の場合、立地条件は四周が海という、非
常に便の悪いものです。依頼を受けた当初は、その点に不安を覚え、躊躇しなかった
といえば嘘になります。しかし逆にその隔離された環境が現代美術の鑑賞の場として
無限の可能性を有するように思ったのと、何よりそこから見渡せる瀬戸内の美しい海
景が、計画への参加を決心させました。
 美しい風景をいたずらに侵さぬよう、ここでは建築を大地に埋め込むように配し、
できる限り建築が見えなくなるよう努めました。この場所を訪れた人々が、自然と
アート、建築とが一体となってせまる刺激的な環境を身体で感じ取れるような、ただ
そこでの空間体験だけが残っていくような建築にしたかったのです。
 この美術館では、アートは単に展示室の中に留まるのではなく、境界を越えて外へ
と飛び出していきます。瀬戸内の穏やかな海景の中に突如出現する難解な現代アー
ト。その刺激的な組み合わせが人々を挑発し、彼らを想像の世界へと誘うのです。
 直島を訪れ、美しい海を背景に、不可解な、しかし魅力的な作品を眺めていると、
現代アートとは、随分豊なものだなと思います。・・・
 直島では、作家が直接現地を訪れ、制作された作品も数多くありますが、中には予
定もなく、突然につくられ始め、完成をむかえた作品もあります。その、人に何かを
つくりたいと思わせる空気、それこそが「直島」の美術館としての最も素晴らしいと
ころです。】
(安藤忠雄著「建築に夢をみた」、NHK出版、2004年)
 というわけで、一度行ってみたいと思っています。でも、調べてみたら、この種の
施設の常で月曜休みだそうで、マラソンの帰りには都合が悪いな、と思っています。
ホテルも一泊¥9000ぐらいから泊まれるそうですから、そんなに高くはない?