古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

動的平衡とオートファジー

2018-07-24 | サイエンス

猛烈な暑さが続いている。

「いのちに関わる暑さです。適宜に冷房を使い、こまめに水をとってください」とTvニュースが伝えている、さらに「水泳でも気温/プラス水温が65℃を超えると熱中症の危険があります」とまで言う。

左脚の具合が悪くて早くは泳げないのだが、ゆっくりでも泳げばリハビリになるだろうと二日に1回はプールに出掛けるのだが、メチャクチャ咽喉が乾く。プールを出て、自販機で百円のコーラを一気飲みして息をつき帰宅して冷房を入れベッドにひっくり返ると、もう何もする気が起きない。

というわけで、今月に入ってからブログを全くかけない。読んで頂いている方に申し訳ないと、21日、ブログのネタ探しに、県図書館に出掛けた。

福岡伸一ハカセの「動的平衡第三巻」(木楽舎。平成17年12月刊)を見つけた。第二巻は先年丸善で買い求め我が家の書棚に並んでいるが、第三巻はまだ読んでいない。早速借りてきた。以下は同書の記述から。

2016年のノーベル医学・生理学賞は、日本人研究者・大隅良則氏のオートファジー研究に対する貢献に対して授与された。日本人がノーベル賞をとると、テレビは特別番組、新聞は号外が出てお祭り騒ぎになる。そしてお祭り騒ぎの内容はといえば、研究自体はおおざっぱにしか説明されず、むしろ受賞者の人となり家族の支えなど人情話になる。結局大隅先生はお酒が大好き。みたいな印象しか残らない。そこで、ここでオートファジー研究の意義について改めて考えたい。

一言で言えば、「生命は、つくることよりも、壊すことを一生懸命行っている」ということである。

 少し過去を振り返ってみよう。

2004年のノーベル化学賞は、A・チガノーバー、A・ハーシュコ、I・ローズの3人の研究者に与えられた。ユビキチンシステムと呼ばれる細胞内タンパク質分解の仕組みの解明が評価されたのである。受賞講演の冒頭、チカノーバーはルドルフ・シェーンハイマ-について話始めた。私はひそかに快哉を叫んだ。私にとって、シェーンハイマーはヒーローだが、若くして謎の自殺を遂げ、科学史的には半ば忘れ去られた存在だった。ナチス・ドイツから亡命、1930年代から40年代、ニューヨークのコロンビヤ大学で研究を行った。

 彼は同位体をつかって生体物質の動きを可視化し、私たちが食べ物を摂ること事の意味を問い直した。一般に、生物にとって食べ物とは、自動車にとってのガソリンと同じと考えられていた。

しかし、実はそうではない。確かに食べ物はエネルギー源として燃やされる部分もあるが、たんぱく質は違う。私たちが毎日タンパク質を摂取しなければならないのは、自分自身の身体を日々、作り直すためである。

 たとえば、私たちの消化管の細胞はたった、2,3日で作り変えられている。1年も経つと、ⅹ昨年私を形作っていた物質はほとんど入れ替えられ、現在の私は物質的には別人になっている。つまり、生命はたえまない分子と原子の流れの中に。危ういバランスとして存在する。これが「動的平衡」である。

 この動的平衡の流れを作り出すためには、作る以上に壊すことが必要になる。それゆえ細胞は一心不乱に物質を分解している。チカノバーたちは、シェーンハイマーの遺志を継いで、壊すことの重要性を明らかにした。

 生命にとって重要なのは、作ることよりも壊すことである。細胞はどんな環境でも、いかなる状況でも、壊すことを止めない。むしろ進んでエネルギーを使って、積極的に、先回りして、細胞内の構造物をどんどん壊している。なぜか。生命の動的平衡を維持するためである。

 秩序あるものは必ず、秩序が乱れる方向に動く、エントロピー増大の法則である。この世界において、もっとも秩序あるものは、生命体だ。生命体にもエントロピー増大の法則が襲い掛かり、常に酸化、変性、老廃物の発生がある。これをたえまなく排除しなければ、新しい秩序を作り出せない。そのため絶えず、自らを分解しつつ、同時に再構築する流れ「動的平衡」が必要だ。

 細胞には巧妙で大規模な分解システムがあった。これが大隅氏のオートファジー研キュである。

 オートファジーとは自食作用のこと。細胞内には、ミトコンドリヤや輸送小胞などの構造体がある。細胞は特殊な膜によってこれらの構造物を取り囲み、隔離してしまう。隔離した後、構造体を分解してしまう。分解産物はリサイクルされたり、排泄されたりする。つまり、エントロピーが捨てられている。大隅チームは、酵母と言う微生物を使ってオートファジーのメカニズムをあきらかにしたのである。、


2017年私撰10大ニュース

2017-12-30 | サイエンス

2017年も跡一週間を切りました。「今年の大ニュース」など新聞紙上に載るようになりました。

小生も順不同ですが、2017年10大ニュースをチェックしました。

まさか、まさかの出来事が多かった1年でした。

  1. 今年の漢字は「北」。北朝鮮、ミサイル実験を続ける。
  2. 米国からイージス・アショワ2基買うんだって、本当にミサイル落とせるの?防御軍備を買うことになる。もの要りなことだ。
    日本全域北のミサイルの到達範囲。原発を狙われrたら全滅
  3.  原発裁判続く
    .大阪高裁 高浜原発の運転差し止めを仮処分取り消し
    でも
  4. 国連で核兵器禁止条約成立。日本は反対。
    こういう時期に日本の政治は、
  5.  衆院解散。野党惨敗。
  6. 民進党分裂
    日本が得意の筈の工業技術で
  7. タカタ、1兆円負債(国内製造業で最大)で民事更生法申請
    経営者のミスであることは間違いないが、経営のグローバル化の悪阻らしさも感じました。
  8. 東芝、半導体事業売却
    経営者のミスであることは間違いないが、政府の原発推進策も責任あり?

10. 日産、スバルなど日本の大企業で検査データの改ざんなど不正発覚
番外。陛下、ご苦労さまでした。

11. 天皇、平成31年4月末の退位決まる

 

 

 

 


、2017私選第3四半期(7月~9月)10大ニュース

2017-09-30 | サイエンス

順不同ですが、2017私選第3四半期(7月~9月)10大ニュースです。

今年もいろいろン事件が起きますね。「世の中には“上り坂”、”下り坂“の他”まさか“という坂がある」と言った首相がいたけど、まさかの出来事でした。

  1. 衆院解散
    まさか第一。民進党党首改選、人事のもたつきに安倍総理「今選挙すれば勝てる?」
  2. 民新、希望に合流。
    まさか第二。「民社」、「民進」の看板では勝てないとわかった。
  3. 北朝鮮、核とミサイルテスト繰り返す。まさか、日本に落とさないでね。
    トランプ発言に猛反発「超強硬措置」 正恩氏が初声明、外相は水爆実験示唆。米国日本海に原子力空母派遣、自衛隊艦、米韓を防御。きな臭くなりました。
  4. 都議選で自民完敗
    小池劇場続く。
  5. 原発事故、国の責任認めず 千葉・避難者訴訟、東電に賠償命令
    国の責任認めず?裁判官もサラリーマンか。
  6. 検察「電通、利益を優先」 初公判、社長が違法残業認め謝罪
    経営トップが労働基準法を知らなかった?
  7. 稲田防衛相辞任

   日報隠ぺい問題、内閣改造まで持たなかった。

 8.  内閣改造8月3日

 9.  .カープ連覇

 10. . 日野原先生死去

番外 日本人11年連続イグ・ノーベル賞受賞

雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫の存在を明らかにした。

 


二つの敗戦(2)

2017-09-29 | サイエンス

そこへ90年代に入って「構造改革」問題が出てきます。

「構造改革」は1993年あたりから始まりました。

構造改革とは、要するに日本の経済構造は極めて閉鎖的で前近代的だ、この特殊で後進的なシステムによって日本企業は保護されており、自由競争をしていない。だから自由公正な市場競争をするような経済構造に変えなければならない。こういうものです。

 この構造改革の基になったのは、1989年にアメリカが日本に提唱してきた「日米構造協議」でした。アメリカ政府が、イニシアテイブをとって日本国内の構造的障害を変えていくというのです。

 日本側は「日米構造協議」と訳したが、「日米構造協議」だったら両方の代表が相互に問題を出し合い、調整する。お互い対等な立場でやっているように見せかけたのです。

1993年にクリントン大統領と宮沢首相の間で、両国の構造的な不備について相互に要望を提示するという合意がなされます。

名目上は、両国の対等な要望に見えるが、実際はアメリカが日本に要求する。これを「改革要望書」と呼び、その結果は、毎年、米議会で報告された。

構造改革の始まった頃のアメリカの主張は、「日本で行政規制によって自由競争が阻害され、経済構造が閉鎖的なため、日本の物価は著しく高く、それにより日本の消費者は損をしている。」

アメリカは決してアメリカの利益だとはいいません。日本の消費者の利益だという。何やら占領政策を思い出します。占領はアメリカの利益だとはいいません。それは日本国民のためのものだという。

 確かに、規制撤廃や市場開放によって安価な海外商品も輸入され日本の物価は下がりました。しかしそのため日本の企業は激しいコスト競争にさらされるのです。コスト競争の結果、賃金が下がり、派遣やアウトソーシングのような不安定な雇用形態にかわっていきました。アメリカは、明らかに、あの時日本に経済戦争を仕掛けてきた。そのために日本国内の取引の「ルール」をアメリカ型のルールに変える。アメリカの土俵に日本を引きずり込んだのです。当時、日本の国内では、それがアメリカの戦略である。一種の経済戦争だという発想は全く出てきませんでした。

 以下、私の譲ることの出来ない信念としての経済観です。

 確かに、自由市場は社会主義の計画経済より優れている。しかし、市場競争そのものは、市場原理に乗らない「社会」の安定性により支えられている。それが崩れると、市場経済そのものが壊されてしまう。

 社会の安定性を確保するものは何か。社会生活の安定のための、医療、福祉、地域の安定など。防災も、労働力の確保、そのための教育も重要です。また社会秩序の確保のためには、人々の倫理観、道徳的精神もなければならない。それはその国の文化や伝統・習慣と不可分です。資源・食糧の自給率の向上も不可欠であり、軍事力の整備も必要ですが、」これらは市場で提供できない。効率性や利益原理で測れるものでもない。しかしこうした「社会」の安定があって初めて市場競争は機能する。

そして、「社会」の秩序は、基本的にその国の文化や習慣の中で歴史的に作られる。グローバルスタンダードなどといって標準化できるものではない。

ところが、医療・教育から資源知識、環境への権利まで市場取引に委ね、基本的にあらゆるものを市場化しようとするのがアメリカの経済観です。

日米交渉の本質は経済観の対決で、利害の調整という外観に惑わされてはならない。

そうでないと、「無意識のアメリカへの自発的従属に陥ってしまう」。 

「国際化する」(internationalize)という言葉は、日本語では自動詞だが英語では他動詞である。我々が、「国際社会」といったとき何か普遍的な価値やルールを共有できる平和な社会をイメージするが、アメリカ人はアメリカの価値やルールを共有することで安定した社会というニュアンスである。

 戦後日本の安全を保つ基本的な構造は、「平和憲法」プラス「日米同盟」でした。憲法の平和主義によって武装解除された日本の安全保障を事実上司ったのは米軍でした。

 それが冷戦の終了後、日米同盟のお蔭で、少し極端に言えば、日本は「イスラム国」との戦争状態に入らざるを得なくなった。戦後日本は主権の「武力放棄・平和主義」という形で主権を表出してきたのです。

「国際社会」の安定秩序と日本の安定は不可分である。とすれば、日本は、日本の安全保障のため「国際社会」の秩序形成に関与すべきである。正論で、これが安倍首相の「積極的平和主義」です。

 しかしここに大きな落とし穴がある。「国際社会」という確固としたものはどこにもない。世界は、あくまで、先進国と後進国、経済大国や軍事大国、弱小国、宗教的国家や世俗国家、王国や民主主義国など多様な国家の集合体です。宗教や民族を異にする多様な国が併存し、経済発展の段階も政治システムも国民の価値観も異なる。

 これが現実であり、この現実から出発すべきです。でもそうは考えない国がある。アメリカです。アメリカは、世界は均質化に向かうべきと考える。

「民主主義」、「個人の権利、「市場経済政治と宗教の分離」など「普遍的原理」とみなしている。。普遍的なものは現実に実現されると考えています。

どこに問題があったか、「戦後」の出発点にもう一度立ちかえって見よう。

筆者によると、戦後は、昭和27年4月28日(サンフランシスコ講和条約発効)以後です。次いでながら、終戦は1945年9月2日(降伏文書調印)であり、8月15日が終戦の日になるのは、池田内閣の閣議決定です。

 サンフランシスコ条約で、「連合国は日本国およびその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する」とある。

1945年8月15日から1952年4月28日までは、なんであったか。言うまでもなく「占領」期間です。「占領」は戦争の最後の段階で、戦争の終了ではない。ですから、戦後は1952年4月28日以後が戦後です。1945年8月15日を「戦後」の出発とすることは、端的に言えば、アメリカによって日本の「戦後」が作られた、という事実を隠ぺいします。

 日本の戦後構造は、アメリカによって占領期間中に造られた。その作られ方は、「武力放棄」、と「平和主義」だが、それらはアメリカの国益のためだったのに、決してそうは言わず、日本国民の解放のためだと、日本国民にも信じ込ませたのです。それと同じことが、90年代の「構造改革」でも、行われた。真実はアメリカの国益のためだったが、日本の消費者のためと主張したと筆者は述べています。


信長450年の岐阜を歩く

2017-09-23 | サイエンス

22日は住宅の老人会で、岐阜市のウオーキングに出掛けました。

織田信長が、岐阜に入って「岐阜」と名付けてから今年は丁度450年ということで、記念する催しもやっているようだから行ってみようということでした。

9時半、エレベータホールに集まったのは女性3人と小生の4人だけでした。今にも降り出しそうな空模様の所為もあったかもしれませんが、4人でスタートしました。名古屋駅から行くつもりでしたが、Kさんが、金山周りの方が、乗り換えが便利というので、金山まで行ってjRに乗り換えました。10時9分の快速で岐阜駅には10時30分過ぎでした・駅前の通りを歩くと、10分ほどで最初の目的地、金(こがね)神社に着きました。

 古くから金運・財運の神社とされ、鳥居も黄金色です。年金収入しかないので、祈っても仕方ないかな、と思いつつ、もしかしたら未払いの年金があるなど通知が来ないかなと一応手を合わせました。次は「柳ケ瀬ブルース」で全国区になった柳ケ瀬です。恐竜ロボットを展示している筈でしたが、展示期間が終わったとのことで、ありませんでした。高島屋の前から映画館通りの狭い小路を通り徹明通りに出ました。ここが岐阜の目抜き通りです。市役所前を過ぎて今小町から左折。裁判所前を右折すると「みんなの森ぎふメデイヤコスモス」という一寸しゃれたデザインの建物、図書館を中核にする総合施設です。

1kmほど歩いて長良川の河川敷に降りて岐阜城を目標に歩くつもりでしたが、河川敷に降りる道に曲がるポイントを見落としました。そのまま歩いていたら、鵜飼の船が待機している長良河畔に出ました。河原の遊歩道は諦めて護国神社を目指すことにしました。

なんと、川端康成の記念碑にでました。ここで昼食にしようかと、ベン チに腰を下ろしtました。

すぐそばに「篝火の像」という銅像がある。

この辺りを舞台にして「篝火」という小説が書かれたそうで、その小説の主人公の銅像らしい。

昼食を終えて今度は「護国神社」に行こうと500mぐらい歩きました。

予想より広い神域でした。

 

最後は岐阜城に上ろうと10分歩いて金華山ロープウェイの乗車駅、往復で1080円の乗車券を求め7分ほどの乗車時間で終点。降りたらすぐお城と思っていましたが、ロープウェイを降りてからお城までは階段を10分ぐらい上がらねばなりませんでした。かなり急坂です。更に5層の天守閣にそこから登らねばならない。これはかなりきつい。

女性陣は1人が途中のレストランで登りをあきらめて「待っているわ」、2人がお城の前まで行きましたが天守閣の登攀は諦めました。

小生のみ天守に入りましたが、年寄りの頑張りを賞してか?「70歳以上は無料です」とのことでした。

帰りは「岐阜公園前バス乗り場」からバスで岐阜駅まで、金山経由で地下鉄の駅をでたら、雨がふりだしていました、我が家までは濡れての帰宅4時半でした。

年の所為か、疲れました。


宇宙は何でできているか

2017-09-07 | サイエンス

宇宙の話をしましょう。「宇宙は何でできているか」(村山斉著、幻冬舎新書)という本を先日丸善で手に入れましたが面白い話題が満載でした。

 「宇宙は爺刻々と脳長している」ということは2003年に分かったそうです。もっと前からわかっていることと思っていましたが、最近の天文学の成果なんですね。

その「宇宙の膨張」なんですが、加速膨張しているそうです。これって不思議ですね。たとえば、ボールを空に投げ上げた場合、手から離れた時が速度が最も早く徐々に減速し一番高くなった後は落ちてきます。当然のことですね。手を離れた後、ボールを押す力がない限り減速はあっても加速はない。加速させようとするなら、ボールを加速する力を加えねばなりません。宇宙だって、加速させない限り膨張する速度が上がることは無い筈です。何が宇宙の拡大を加速させているか。宇宙空間で重力がどのように分布しているか調べれば、加速させている存在が判明すると、天文学者は考えて、宇宙の重力分布図を作成しました。

「重力レンズ効果」、光が天体などの重力により曲げられて観測者からの見え方が変わる効果ですね。アインシュタインが、日食時に太陽近くの星の位置を観測すれば位置がずれる筈と予言したことで一般相対性理論の正しさを証明したことは有名です。

この重力レンズ効果を観測すれば宇宙の重力分布がわかる。

重力は物質の存在するところにありますから、重力の分布を調べることは物資の分布を調べることになります。重力分布図を調べると、我々から見える物質以外の物質が沢山存在することがわかりました。その見えない物質を「暗黒物質」と名付けましたが、宇宙は「暗黒物質だらけ」だったのです。

 宇宙が何でできているかを天文学者は宇宙のエネルギーの構成比で示しました(質量をエネルギーに換算して)

 星と銀河 0.5%

ニュトリノ 0.1~1.5%

普通の物質(原子)4.4%

暗黒物質    23%

安国エネルギー 73%

反物質 0%

暗黒場[ヒグス] 1062%??

というのです。「万物は原子でできている」と昔、学校で習いましたが、実は、「原子以外のもの」が約96%を占めている。それは何かはまだわかっていないが、名前だけはついている。

例えば暗黒物質(ダークマター)です。原子でできていないという。この本に書かれていることから推量すると、どうやら素粒子らしいのですが、良くわかりません。謎です。

第1章の最後に筆者はこう書いています。

「宇宙にはまだまだ謎が沢山ある」。20世紀の尾張から21世紀の初めにかけて、これだけ「わからないことがある」。とわかったこと自体現代物理学の成果です。


「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済](1)

2017-09-02 | サイエンス

水野和夫さんの「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済]

(集英社新書、2017年5月)を丸善で購入してきた。

始めに「後書き(終わりに)を見たら、こういう言葉に出会いました。

「エネルギー源の性格は社会を規定します。化石燃料は莫大なエネルギーを集中的に発生させることが可能であり、現代社会はそれを仮定して出来上がっています。この時代を「後で人類が振り返った時、人々は近代と呼ばないでしょう。おそらく化石燃料時代と呼ぶでしょう。」

「エネルギーの限界が先にくると、「近代主義は続き」「そこで資源争奪の争いが、人類が経験したことのない規模で起こるでしょう。」

しかし、近代資本主義の「メカニズムの限界が先に見えてくることは人類にとって大変ありがたいことだ」

 

これを読んで、司馬遼太郎さんが、似たようなこと言っていたっけと書棚から「アメリカ素描」(新潮文庫)を持ってきました。

「いまはエネルギーに飼いならされてしまい、いまや人類の生命そのものを託してしまっている。

「エネルギーがなくなったら、人類は死滅するでしょうね」と、10余年前対談の時そういわれたのは向坊隆博士だが、その後、私は人類のはしくれとしてそのことがずっときがかりだった。

考えるよりも、カリフォルニアに来て典型をみたほうがてっとり早かった。ここでは大地に人間が載っているのではなく、エネルギーの上に載っているのである。さらに奇妙なことに、ここの人間たちは、一方でエネルギーを使いつつも、一方ではエネルギーをくみ上げてもいる。高速道路わきににさえ油井があり、米つきバッタのようなくみ上げ機が動いているのである。

みようによっては現代文明の頼もしい象徴だが、見方を変えれば地球を食うことによって全世界に食糧をくばれるだけの農業を成立させている。(司馬遼太郎アメリカ素描)

化石燃料に頼る資本主義時代がもう終わり近づいている。化石燃料時代の終りの前に資本主義の終りが来る、その証左が近年の超低金利であると筆者は言いたいようだ。

何故金利が上がらないか。投資対象の消滅が資本主義の限界を示します。

例えば、コンビニで最も成功しているセブ・イレブンの場合、1日平均客数(店舗当たり)は1057人(2016年2月期)コンビニ1店舗当たりの世帯数は963ですから1世帯必ず1人がセブンイレブンに来店している。これ以上新規店舗を増やすと、隣接のコンビニ店の売り上げを減らす。実際、1日平均客数は2008年に1013人と1000人を超えたがその後は1000人台で横ばいです。

要するに利益の得られる投資対象が減ってきたからです。

資本主義は、資本が利益を生み出し増殖するから成立します。ところがゼロ金利が近代資本主義の限界を示しています。」

 

日本のゼロ金利は、5000年にわたる「金利の歴史」のなかでも特筆すべき異常な出来事です。17世紀以降、金利の急騰は4回あり、いずれも戦争の時期です。

 5%以上の金利は「戦争」という例外状況の時実現し、2%以下となるときは、資本主義にとって投資先がないという「例外」なのです。

 政府も日銀も「例外」であるゼロ金利の意味を考えようとせず、あくまで常態(たとえば消費者物価2%以上)に戻そうと躍起になっています。まさに、ゼロ金利が近代資本主義の限界を示しているのです。

日本の金利が常態の上限5%を下回ったのはバブル崩壊直後の1992年、下限の2%を下回ったのは1997年。この間わずか5年でした。この「平時」の時期日本は一人当たりGDP(ドルベース)世界三位を5年連続維持できました。

 戦後の日本の歴史を見ると、第二次世界大戦後1992年まで日本の金利は「平時」の上限である5.0%を超えていました。アメリカで金利が5.0%を超えていたのは、ベトナム戦争がはげしくなった1967年から2001年までの間でした。つまり、日本は第二次世界大戦からソ連解体までの「冷戦時下」で高金利、高度成長を実現しました。米ソ冷戦が終わったとき金利は「平時」の水準に戻ったのです。(続く)

 

 

 


NHKスペッシャル

2017-04-17 | サイエンス
 16日夜9時からのNHKスペッシャルは面白い番組でした。
見ることの出来なかった方のため、記憶に頼って、内容を記してみよう。再放送があるでしょうから、見逃した方にはご覧になることをお勧めします。
熊本城の地震による石垣の崩壊を、4Kカメラを載せたドローンで調査したところ驚くべき事実がわかったという報告です。加藤清正の築城時の石垣は、この大地震に90%は持ちこたえたのに、明治以後補修した石垣のほとんどが大崩壊していたというのです。
 築城時の石垣は、武者返しの積み方(上に行くほど傾斜が垂直になる詰み方)をしていた。この詰み方では石はノリ面に垂直に積まれていたのに対し、補修した石垣は傾斜が直線であり、石は水平に積まれていた。前者の積み方の方が医師が新同寺外に飛び出しにくい。石垣の積み方の秘伝を伝える清正当時の古文書が見つかり、ノリ面の石の寸法の決め方が記されていたという。
 いったい何時から清正はこの詰み方を工夫できたか、清正の朝鮮出兵時(1593年)に韓国で築いた城の石垣がのこっていた。
現地に出掛けて調べると、ノリ面は直線であり、武者返しにはなっていなかった。熊本城は1599年の築城である。1593年から1599年までの6年間に何があったか?
慶長の大地震で伏見城が崩壊している。当然、清正はこの大地震を見分している。地震に耐える石垣の組み方を研究した筈だ。
石垣の武者返しは、敵兵を上らせない工夫というよりも地震対策であったという。
 更に面白い事実がある。崩壊に耐えた築城時の石垣がすべて問題なかったかというと、石垣のノリ面の一部が膨らんでいるものが発見された。
 何故膨らんだか、これを追求した古文書、細川藩当時のものが発見された。ふくらみの原因は、栗石と言う外面の石垣の背後に小さな石を多数備える仕組みになっているのだが、この石が地震の時、下方に下がってきて下がった部分の外側が膨らんできたもので、次の地震で崩壊する危険があるという。これを防止するため外側の石を大きくして外側の石の接触面積を大きくしたという。
 大きな石を調達するのは今回は困難なので、栗石の層の間に特殊なシートを挟んで栗石の低下を防止するそうである。
熊本城には、サムライの知恵が詰まっていた。平成の改修工事には、サムライの知恵に対して平成の知恵が問われるのだ。

脳の視点から見る恋愛

2016-09-29 | サイエンス
『単純な脳、複雑な私』(池谷裕二著、講談社ブルーバック2013年9月刊)から面白い話題を紹介します。
最初は「脳科学からみた恋愛」です。
「生物の使命」、やらなければいけないことの一つは、子孫を残すことです。ヒトだけでなく、すべての動物は子孫を残します。サルも子孫を残すために交尾します。サルはヒトに最も近い哺乳類。ではサルに恋愛感情はあるのでしょうか。
 サルも子育てをしますが、もっぱら母親の役割。実は父親はだれかわからない。たとえば動物園のサル山ならば、オスの数が限られています。そんな環境でも父親はわからないのが普通です。つまり「恋愛」の結果として子孫を残しているというわけではない。サルは発情したら、わりと手当たり次第、近くにいる異性と交尾し、子孫を繁栄させていくらしい。
では、ヒトはどうか。人間にはより高度な知性があります。おそらくできる限り優秀な子孫を残したいと、あれこれ思いを巡らせる。
 つまり、より秀でたパートナーをみつけなくちゃいけないという願望、つまり精神的プレッシャーが生まれる。しかし地球上にはどれだけのヒトがいるでしょうか。世界の人口は60億とか70億とか言われます。異性の数はその半分の30億人以上いる。
 30億人の候補者からベストな人、この人こそ最良なパートナーを決めるのは不可能でしょう。一人ひとり検証していたら、あっという間に繁殖適齢期が過ぎてしまう。
全ての候補を検証できないから次善の策として、身近の「まあまあよい人」を選んで妥協しないといけない。この意味でヒトとサルは同じです。ただそれだけだと、知的生物ヒトとしては、どこか納得できない。ではどうするか。
 ここで登場するのが「恋愛」、恋愛感情は「このヒトでいいのだ」と無理やり納得するために脳に備わっている。恋愛はテグメンタ(脳の“報酬系”と呼ばれる部位、快感を感ずるとき活性化する)を活性化して心を盲目にしてくれる。すると、目の前の恋人しか見えなくなりほかのヒトはどうでもいい。「私はこのヒトが好きなんだ」という奇妙な妄想が生まれる。
 それがベストな選択肢かどうかなんて実際はわからない。というより実際にはもっといい人はたくさん他にいるでしょう。それでも、脳が盲目になり、心の底からバカになることで、私たちは当面は納得して、子孫を残すことができる。
 以上とても「いい話」ですね。
 古来、芸術や演劇文学、それに哲学などでは、恋愛は崇高な対象として大切にされてきた。でも、脳の視点から見ると恋愛なんて、脳の誤作動だという解釈もできるというのです。

私選第2四半期(4月~6月)10大ニュース

2016-06-30 | サイエンス
順不同ですが、私選第2四半期(4月~6月)10大ニュースです。
思い出すだけで、10件すらすらと3ヶ月間のニュースが出てきます。
1. 升添都知事辞任
政治資金規正法は、資金の入りを規制しているが、使い方「出」は規制していないから『違法ではない』は当然!政治家の劣化もここまで
2. 三菱自動車、日産傘下に 
経営者も劣化?
3. 英国、ECを離脱
グローバル化と国家の関係を改めて考える契機になりました。
4. 志摩賢島サミット
消費税延期の口実作り?とするためサミットを日本にもってきたの?これも公私混同?
テロに狙われなくてよかった!
5. 消費税引き上げ延期
税制も選挙対策に?
6. 熊本大地震
何時原発が地震にやられるかな?
7. オバマ大統領、広島訪問
オバマさん、演説の名手ですね。
8. 日本、潜水艦の豪州売り込みに失敗
フランスが受注に成功したらしい。アベノミクスでは、兵器の増産で成長をはかりたい?
9. パナマ文書、ネットに公開
消費税はやめて、外国にお金を預けたいほど沢山お金をもっている人から税金を頂いたら!
10. 沖縄で、米軍属日本人女性を殺害し遺体遺棄。
外国軍に一番駐留されている国は?日本です。
外国軍に一番貢いでいる国は?日本です。米軍の全外国基地で接受国負担の半分以上は日本です。
外国軍のため自国の首都の上空を自由に使えない国は?日本です。
外国軍の兵器配備について何も言う筋合いはないという首相はどこの国の首相?日本です。
沖縄が怒るのは無理ないですね。
番外 コンビニの番外預金引きおろし機から2時間半に14億円取られたんだって!