古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

第4四半期私選10大ニュース(2012)

2012-12-28 | 経済と世相
思いつくままに(順不同で)、10~12月の大きな事件(と私には思われる)、列記してみます。
たった3ヶ月、ものすごいペースでいろいろな出来事が起きました。

1. 山中教授 ノーベル賞受賞
マウスの卵子がiPS細胞から作られたそうです。
2. パソコン遠隔操作による犯罪、警察誤認逮捕。
警察官も大変ですね。
3. 尼崎連続死体遺棄事件と犯人の自殺。
なんとも表現できない猟奇事件。留置場で自殺するなんて意思の強い容疑者!
4. シェールガス日本海で発掘。
地震の多い国ですから、温泉だけでなくガスやオイルも出て欲しい。
5. 田中文科省大臣3大学の認可問題に不認可。
結局は認可したんだけど、突然不認可ってのは、お付きも大変!
6. 小沢判決無罪確定。
この件なければ、小沢さん総理になってたかも?
7. 景気減速年率マイナス3.5%(7~9月期)
いまさらマイナス成長に驚くわけでもないが・・・
8. 東京都知事辞任。
老人の暴走はじまる。
9. . 衆院選挙(民主大敗)と政権交代。
 昔、社会党は自民との連立政権に参加した後、消滅してしまった。
民主党も三党合意の結果は・・・消滅する?自民と同じ政策なら、自民だけあれば良い!
10 . 松井選手、現役引退。
番外として
11. 米長永世棋聖死去、ボンクラーズとの対戦は今年の初めでした。

以下は、国内ではないので番外としました。
12. 12月4日、中韓スワップ協定。
韓国も中国寄りを模索?
13. 韓国に女性大統領、オバマ大統領再選。

自爆解散の内幕?

2012-12-27 | 経済と世相
 「何故、野田首相は民主党敗北の確実なあの時期に解散を決行したのか?」疑問でした。色々な雑誌や新聞を見ていて、もっとも納得できる解説は、文藝春秋新年号の赤坂太郎氏の解説でした。
『財務省は今年度特別公債発行の成立を最も重視し、「11月末に財源が枯渇する」と自ら設定した締め切りから逆算し・・・11月末がタイムリミットと弾いた。そして2014年の消費税率引き上げを左右する2013年4~6月期のGDPを落ち込ませないため、13年1月の冒頭国会で大型補正予算を成立させる日程を想定した。
 こうすれば来年度当初予算が越年編成になって2月に国会提出、一ヶ月程度の暫定予算でも一向にかまわない。
 財務省が越年編成より恐れるのは、戦後一度も例のない予算の組み換えだ。予算を組んでからの1月解散は、政権交代必至の状況では予算組み替えと直結する。とすれば12月衆院選しかない。しかも年内に新政権を発足させて予算への影響を最小限にするなら、答えは「12月16日」・・・』
 でも任期いっぱい延ばすという手があったのに!この辺りについては11月25日の毎日の報道が詳しいが、民主党の離脱者続きで、このままでは与党が過半数割れに陥る気配だった。過半数割れで不信任案が成立すれば、予算編成のために解散ができないとすれば、総辞職しかない。そうであれば、野田さんとしては総辞職よりも、解散のほうが自分にとって名誉ある幕切れになる(民主党にとっては任期いっぱいまで延ばして、それまで第一党の座を維持するのが一番の得策だったが・・)。財務省の迷惑を無視して行けるところまで野田内閣でいくという手はあったが、野田さんはその手をとらなかった。
 野田さんは、消費税増税から始まって、最後まで財務省ペースで行動したことになる!
 どうしてそうなったか?
 野田さんは、いわゆる第三極を毛嫌いしていたらしい。早く解散したほうが第三極の体制が整わないから彼らを振り落とせると踏んだ。第三極に議席を占めさせるくらいなら、自民党に議席を取らせた方が良い、そう考えたのだ。
 何故そう考えたか?野田さんの国家観は自民党の国家観と変わらなかったと小生は推論する。一部の人が陰口したように、自民党野田派だった!
 民主党になって財政赤字が大幅に増加した。従来の企業中心社会に必要な支出をそのままにして、民主等自慢の政策の支出を増やしたからです。民主党の優先する政策に支出を増やすのなら、従来の支出の中で優先度の少ない政策の支出を減らすべきだが、従来の支出をそのまま継続させた。
 政党は、「国家社会をこういう社会にしたい」という国家観(ちょっと表現が適切でないかも)を同じにする人たちの集合で、その国家観に基づき政策の優先度が決まる。そうあるべきだが、民主党はそうでなかった。そのため、3年3月前の総選挙で、国民は自民党以外の党を選択したつもりだったが、いつの間にか内閣は、自民党野田派の内閣になっていた。

 日本に二大政党制度が根付かないのは、二大政党がないからだ、と思う。本来の二大政党は、国家観の異なる二組の政党でなければならない。ところが日本の2大政党は国家観が異なっていない!だから、形の上だけの二大政党で実質的には1大政党2分派なのです。
 かつての社会党は、自民党に対抗する政党と考えられていた。ところが、自民党は「企業を育成すれば企業の稼ぎが国民に回り国民は豊かになる」という政党。社会党は、労組に基盤を置き、「会社の稼いだ付加価値をなるべく多く労働者に回す」という政党で、実質的にたいした違いがあるわけではなかった(企業注視に日本の社会を構成するという考え方は同じ)。だから、自民党と連立政権を作ることが出来た。
 民主党も似たようなもので、だからやることは自民党以上に自民党的なことをする。消費税引き上げも、TPPも、大企業に寄生する大労組の考えそうなことです。
 野田さんにとっては得体の知れない第三極より自民党の方が安心できる。だから、財務省ラインにも乗って走る(自民党はもともと官僚任せラインだった)。
 ただ、野田さんの読みは、第3極の伸びを抑える点では計算通りだったが、民主党がこうまで負けるとは思っていなかった。


伊藤博文と憲法9条

2012-12-24 | 経済と世相
12月20日の中日新聞「中日春秋」欄に面白い記事が出ていました。

明治の元勲伊藤博文が、『 明治憲法が制定される際、枢密院議長の伊藤博文と文相の森有礼(ありのり)の間で論争があった。
草案にある臣民の「権利」を「分際(責任)」と改めるべきだとの修正案に伊藤は
「そもそも憲法創設するの精神は、第一君権を制限し、第二臣民の権利を保護するにあり」と反論した』と言うのです。
憲法が、国民でなく、統治者を縛るものであるなら、憲法9条の改定を目論む政治家がいるようだが、
9条の「交戦権の否認」は、
愚かな政治家の誤りで、日本が戦争の惨禍に遇わないように、政治家から戦争を始める権利を奪ったものと私は解釈している。
原発事故や尖閣諸島の政府の対応を見ていると、とても今の政治家に「戦争開始の判断」を任せる気にはなりません。

よろしければ、伊藤博文の明快な論理をお読みいください。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2012122002000085.html

時評:総選挙雑感(2)

2012-12-19 | 経済と世相
さて、次に自民党政権は、どちらに向かうか?

注目しているのは、日銀の金融政策に対する注文です。

「インフレターゲットを設けて徹底的に金融緩和する」というのです。

安倍政権の発足後、実際に実行するかどうかは、今、断言できませんが、

実行したとして日本経済への影響について愚考してみます。



政策で金融を緩和するのは、端的に言えば、国民に廻るお金を増やそうという狙いです。

通貨量を増やせば物価が上がり、生産を増やして物価を下げようとする動きが出るから、

生産も雇用も増えるという理屈ですが、今の経済がグローバル化されていることを、考える必要があります。

グローバル化経済では、安い海外製品が流入するから物価が上がる動きが出るとは限らない。

そうなると、増やしたお金は海外に流出する。お金を増やしても、そのお金は国内に廻るとは限らないのです。



しかし、為替について言うと、円を増やせば円安に動く。

もともと為替は国際商品で円も国際的に動きますから、

円の発行量を増やせば(海外に流れても世界中の)円の供給が増えるわけですから

円安に動く。だから、安倍さんが「通貨を増やす」と発言しただけで、実際に増やす前に円安に動いた。

円安になれば、輸出企業の採算が好転して企業の利益が増える。

グローバル化経済以前(90年以前)でしたら、企業の利益が増えれば、

賃金が上昇して消費が増え景気が上昇した。

ところが、失われた20年の間に、輸出で稼げば国内各層にお金が廻っていくという構造が壊れてしまっている。

企業の内部留保がいくら増えても雇用者の賃金は増えません。

企業はグローバル化経済に対応するため、利益が増えても賃金を増やさない仕組みにしている。

非正規雇用の比率は今や38%にも及んでいる(これは一例ですが)。



要するに、グローバル化以前は、輸出産業が稼げば、稼いだ金が全国に廻っていくシステムが成立していた。

それが、グローバル化以後は稼いだ金が内部留保や海外投資に廻って、必ずしもすべて国内に廻るというわけにいかない

(国内にお金が廻るシステムの再構築がないため、「失われた20年」が続いたと私は考えるのです)。



だから、近年、経済が成長した期間がないわけではないが、成長していても国民の懐が賑わうわけではない。

私の主張、もうご理解いただけるでしょう。

円安で輸出企業が儲けても、国民が儲かるわけではない。

一方、例えばガソリンのようなものは円安になれば価格はあがります。

つまり、海外から這入ってくるものは価格が上がり、その分物価が上がる。

お金を増発した場合、確かに物価は上がるが、国内のある層が利益を受けるような物価上昇ではない。

消費者が結果として海外に支払う円が増えるだけです。ここにインフレターゲット政策の危うさがある。



ただ、企業収益が上がれば株価は上がるでしょう。

株をもっている人は恩恵を受けることになります。

持っていない人は、物価上昇に苦しむだけ。国内の貧富の差は拡大するでしょう。

時評:総選挙雑感

2012-12-17 | 経済と世相
総選挙の結果は、概ね、予想通りでした。

ただ一つ予想と外れたのは、「未来の党」の不振でした。

フクシマのあの惨状を見れば、原発が争点になって「未来」が一定の票を得ると思ったのですが、

そうならなかった。何故か?を考えてみました。

小沢一派が流れた込んだことがマイナスになった?

今回の選挙は、なんと言っても民主党の大敗北で特徴付けられると思いますが、

大敗北は、現在の民主党に留まらず、

前回民主党で出馬し、その後「国民の生活・・」その他党名を変えて出馬した全員に及んだと思われます。

「国民の生活」も“隠れ民主党“と見なされたのですね。そう考えると、「未来」の惨敗はよく理解できます。

そもそも、マニフェスト違反を最初にやったのは小沢さんでした(ガソリン税の継続)。

「未来の党」は、“かくれ小沢派”とみなされました。(*)

“減税日本”も「未来」に入らず“減税日本”で選挙していたら、

愛知一区の議席を失うことはなかっただろうと思います。



小選挙区制は、国民の民意を必ずしも反映しないと、前回述べましたが、

民意という点では、比例区の得票率の方が民意を示します。

60%の議席を得た自民党ですが、比例区の得票率は、28%程度。「維新」が20%くらいです。

「維新」は、橋下ブームと暴走老人の人気は侮りがたかったというよりも、

「民主も自民もダメ」という層の受け皿になったのでしょう。

この層の多さは棄権の多さにも現れています。投票率が戦後最低らしい。



野田さんは選挙の演説では、かなりいいことを言っていました(演説は上手いですね)。

しかし、前回の選挙で、あれだけ選挙前の発言と選挙後の言動が違っていては、誰も信用しないでしょう。

マニュフェストで約束したことでも、実行できないことは当然あるでしょう。しかし、実行しようともしないのは、完全な約束違反です(例えば後期高齢者医療の廃止)。
政治不信を招いた民主党の責任は大きい。


当分民主党は立ち直れない(それどころか今の社民党程度に没落すると考えます)し、

日本に二大政党の定着はないでしょう。(続く)

* 17日の夕刊は、「民主党を離党した候補者の選挙結果は1勝70敗、つまり当選は小沢一郎さんのみ」と伝えていました。


選挙結果の予想

2012-12-15 | 経済と世相
総選挙が間近です。

このところ憂鬱です。雑誌や新聞の予測によると、自民党圧勝らしいのが気に入らない。

私の希望では、民主と自民あわせて200程度、

間違っても過半数に達しないようにと思っていたのですが、自民単独で過半数らしい。すっかり憂鬱です。

 私の考えでは、民主党政権のあの体たらくでは、現在の三分の一。

自民は前回から全然進歩していないのだから現状維持。

したがって民主プラス自民で200程度、間違っても両党あわせても過半数にすべきでない。

ところが、自民党圧勝らしい。

 どうしてそういうことになるのか?小選挙区制のためです。

1選挙区で、一位の候補者だけが当選する。そうなると、2位以下に投票した票はすべて死に票になる。

一位の候補者の立場から言うと、2位以下の候補者で票を取り合いしてもらうほど、

少ない投票数で当選できることになる。

 民主も自民もダメということで、第三極が乱立して票を取り合うことになったことが大政党に有利に働いた。

大政党とは、民主党と自民党で、現政権の実績を見たら、民主党に投票する人はいない。

かくて自民党圧勝ということになる。

 小選挙区制度は政権交代が実現しやすい制度だといわれる。

そのことが前回の選挙でも今回の選挙でも実証されることになります。

でも、政権交代さえすればよいというわけではない。国民の民意をなるべく、反映する選挙制度であるべきです。

その意味で死に票が少ない選挙制度であるべきで、この点では小選挙区制は最悪の制度です。

 さてそこで、自民党政権が成立したら日本はどうなるか?選挙が終わってから、小生の愚考を送信します。

12月8日の駅ちかウオーキング

2012-12-10 | 旅行
 12月8日の駅ちかウオーキング、堀田駅から神宮西まで8km弱歩きました。以下そのコース点描です。
雲心寺は西高蔵の信号を北へ少しの地点。
本日特別公開の本尊さまは名古屋三大仏の1つで丈6の阿弥陀と言われるもの。名古屋市の文化財に指定されている。丈6とは1丈6尺のこと(約4.85メートル)であるが、座像のため実際は8尺(約2.4メートル)ほどのお姿だ。
この阿弥陀如来は京都の仏師山本茂助によって制作され、文久2年(1862)に完成した。京都総本山知恩院・阿弥陀堂の本尊さまを模したものと言われ、寄木造りの像に金箔をほどこしている。

 高蔵の高座結御子(たかくらむすびみこ)神社(写真)があった。
熱田神宮とほぼ同年に創祀された古社で、延喜式に名神大社として記載されております。古来、子育ての神として信仰が篤い。
 ウオーキングを歩いていつも感ずるのは、古い神社仏閣が市内の至るところにあることだ。つまりは、大昔から人々が神様や仏さまを欲していた。人は大きな脳を持つようになって、生きるための思考が必要になったのだ。
熱田公園内の断夫山古墳では、地元のボランテイアが、古墳の由来を説明していた。
「、「ヤマトタケルは東征の折、この尾張の地で豪族の娘ミヤズヒメと結婚の約束をかわしたが、東征の帰途病気がもとで死に、白鳥となり飛去った」とあります。
この白鳥となったヤマトタケルの墓が白鳥古墳であり、ヤマトタケルへの思いをいだいて死んだミヤズヒメの墓がこの断夫山古墳であると伝えられています。この事から夫を断つ山、断夫山古墳と名前がついたそうです」
 「前方後円の古墳です。前方後円墳の形は大和王朝が伝えた墳形です。古墳の大きさは葬られた人物、その権力をうけ継いだ人物の支配力の強さを語っています。断夫山古墳の大きさから、熱田台地に本拠地をおいていた尾張氏の墳墓と考えられるのです。」
 
熱田公園を出て堀川沿いに歩くと、レンガ色の大きな建物が見える。
「あれは何かな?」近寄ってみたら、
名古屋学院大学だ。こんなところに在った?瀬戸の方じゃなかった?」
最近は大学の都心復帰が多くなった。
聞くところでは、愛知学院大学が数年のうちに我が家の近く(名城講演東側)にくるとか?
因みに名古屋学院はキリスト教系、愛知学院は仏教系の私学だ。
 直ぐ白鳥庭園が見えてくる。今日は2割引で¥80の入場料。
紅葉が綺麗だったが、風が強く寒くなった。シベリヤ寒気団が南下してきたようだ。寒い!
入り口で暑い日本茶をサービスしてくれたのがありがたかった。
ベンチに越を下ろしてお握りを食べて腹ごしらえ。
1989年(平成元年)開催された世界デザイン博覧会のパビリオン「日本庭園」として本格的に整備された。閉幕後は、庭園専用の有料公園とするため継続整備され、1991年(平成3年)に完成・オープンした。
とにかく寒くなったので早々に園内を通り過ぎた。水鳥も寒そうだ。
南門から出て、白鳥橋を渡り熱田神宮に向かう。
神宮の本殿に参拝したが、寒いので直ぐ東門から出て神宮西駅に向かう。途中の熱田区役所南の空き地のイベント会場がゴールでした。
 記念のバッチを貰って、2時間半のウオーキングは終了しました。








個人主義と立場主義

2012-12-06 | 読書
『もう東大話法にはだまされない』(安富歩著、2012年9月刊講談社α新書)という本を図書館の書棚に見つけました。手にとって、パラパラ見たら、「人体には直ちには影響はありません」という見出しが目についた。3.11の直後、当時の官房長官が繰り返した発言です。
 この言葉を聞いた時、「低線量被爆は、10年以上経ってから甲状腺ガンなどの被害を生ずるのだから、直ちには影響がないのはアッタリマエじゃない?一体、官房長官は何を言いたいの?」と思ったものでした。
この本の著者も、この発言を疑問に思ったらしい、と読んでみることにしました。
  この発言、著者は典型的な東大話法だという。もっとも、当時の官房長官は東大出身ではありません(東北大)が、こうした話法が日本全般に蔓延っていると説くのです。
著者は、東大東洋文化研究所教授、京都大学経済学部卒だそうですが、こう述べます。
 「東大話法」の特徴は、「ものごとが真であるか否かを考える前に、どういう立場で発言するかを先に決めて発言する」
 つまり、原発を推進する立場で発言するのか、廃止する立場で発言するのかを決めてから発言するというのです。すなわち、本当に「健康に影響があるかどうか」を考えるのでなく、政府の官房長官という立場の人間は、こういう場合、どう発言すべきか、で発言する。
 組織の中(例えば企業の中の会議で)の発言は、ほとんどがこうした発言です。
こうした発言が出てくるのは、個人が考えるという個人主義よりも、立場で考えよという立場主義に原因がある、と著者は力説する。日常会話にも、「私の立場も考えてくれ」とか「上司の立場がない」などよく耳にします。
この本で面白かったのは「日本には個人主義がなく、立場主義がある」という著者の主張です。
最後の余談も面白い!
「東大秋入学」がしばらく前、話題になりました。実はこの「秋入学」の言いだしっぺは著者だそうです。「きっかけは東日本大震災。被災地の状況を聞いているうちに、被災地の学生がとてもじゃないが4月の入学式に出ることもままならない。そこで彼らのためにも、新学期を秋にずらせば」、と考えたのです。そこで朝日新聞(2011.4.4)に投書しました。
「欧米も中華圏も多くの大学で秋に新学期が始まるため、日本も大学の国際化と留学生の増加を実現するために、それにあわせるべきではないかという議論は以前からある。
私は学期がどうであろうと、本当に意味のある活動をしていればおのずと国際化は進むので、この考えに賛成ではなかった。ただ9月始まりでもかまわない・・・
しかしそれ以上に、新学期を半年間、遅らせることには大きなメリットがある。第一に、被災した大学が体制を立て直すことが出来る。第二に、被災しなかった大学の教職員・学生を半年間、被災地を復興し、原発事故を処理するために使うことができる。大学には約300万の学生がいる。彼らが地震や津波、原発事故で避難している方々を助け(中略)
教員と職員はより重い責務を背負う・・・直接的な救援活動に従事しなくても、これから日本が生き延びる道を示すための、真の意味での知的活動を展開せねばならない。
・・特に原子力関係の研究者には原発事故の処理に全力を挙げてほしい。「そんな知識は持ち合わせていない」というのであれば、現地に行ってがれきの一つでも運んだらどうか。(以下略)
この話、「規則には4月に始まると書いてある」という法学部のツマラナイ待ったがかかって沙汰ヤミ。ところが、しばらくして驚くようなことが起こった。「東大、秋入学へ」と報道された。ただし、この「秋入学」は、震災地の学生や復興や震災事故処理などのためではなく、国際化を見据えてという。換骨脱胎!さすが、自分の立場に都合の良いように相手の話を解釈する「東大話法」の本家です。

大学の方向

2012-12-03 | 放送大学
 放送大学愛知学習センターの20周年祝賀会は12月1日でした。11時、会場のヤマテホール(中京大学本館2F)に出かけました。
 30分の式典の後、放送大学学長の岡部洋一学長が1時間半の記念講演。
 式典は、要するに、来賓のご挨拶ですが、印象に残ったのは、名古屋大学総長の浜口先生(インターネットによると、「名古屋大学医学部病態制御系分子病態研究部門教授;; 濱口道成 出身地: 三重県伊勢市第16代伊勢神宮神民; 昭和50年名古屋大学医学部卒; コメント:自らの老化という生物学的現象に、主観的、独断的に抵抗しつつ、研究を堪能している。」)。先生は「日本の大学はガラパゴス化」しているという。
「日本の大学は20歳前後の学生が大部分です。海外の大学では、一度社会に出て、勉強したいテーマを見つけて、大学に入学してくる人が多いから年齢が多様です。大学卒の資格を得たい、それにより就職してから有利になりたいという人が多いというのは、日本の大学のガラパゴス化です」
 記念講演の岡部先生(学者の家系で有名な方)の講演も「情報と教育」と題して、放送大学が目指している方向を話されました。
「放送大学の学生は15歳から95歳に至るまで、ほぼ日本人の年齢構成と同じ年齢構成です。15歳というのは(高校卒業でないのに大学に入れるの?)、選科で8科目の単位を取れば高卒とみなし、大学生に転籍できるという規定のためで、多分、戦後の混乱期に高校卒の資格を得られなかった人を対象とする規定だったと思いますが、この規定により15歳から入学できるのです。」
「放送大学の目指す方向はODLとOER。
ODR(Open Distance Learning)とは、ネット化で、授業の公開。
OER(Open Educational Resources)とは、教材を公開することです。
後者は、知的財産権の問題があり、難しい面もありますが、放送大学内ネットではほぼ完成している。」
 実際、2年半前からネットで放送大学の勉強できるようになって、すごく便利になりました、それまでは、テレビ放送を聴くか学習センターへ行きビデオの視聴をするかしかなかった。通信指導問題や大学院の入学試験の問題もネットで見られるようになった。
 「Web based Trainingを充実する。ネットを利用して双方向教育を行う。
質問のemail、電子掲示板の利用などを推進しています」
「印刷教材のe-book化は、技術的にはメドがついたが、出版社と調整中です」
 さらに、放送大学の弱点「友人を作る」という点に関し、SNSは利用できないか、学長自らFace bookを使って試行中だというお話でした。ツイッターもやっているとのこと。(下記;岡部をオバケと、先生の遊びです)
https://twitter.com/__obake

 講演を聴いて思ったことですが、インターネットがこれだけ普及してきたからには、「大学入試」は必要ない時代になっているのではないか?大学入試は、大学に定員があるから、必要になる。講演にあったように、ネットで勉強するようになったら、定員は不必要。したがって大学入試は不要の時代になっていると思うのです。
講演会の終わった後、立食パーテイがありました。2時40分ごろ辞去し、中京大学隣の八事興正寺で五重塔の紅葉(写真)を見て帰宅しました。



東山植物園ウオーキング

2012-12-02 | 旅行

続きです。
入り口でゴリラが出迎えてくれましたが、傍の紅葉が鮮やかでした。

 風は少し冷たかったが、まずまず行楽日和の良い天気でした。

 桜も咲いているよ。今頃咲く桜もあるのですね。

「小福桜」という種類の桜、かわいい小さな花でした。

 帰りは、橋を渡って動物園へ。

「ユキヒョウ」や「ゾウ」を眺めながら、正門へ出て、東山公園駅から地下鉄で、帰宅しました。