食品の安全に関する話題が多い昨今ですが、今度はフランスから輸入した飲料水に異臭がして回収している、との報道がありました。
どうやら、船で運んでくる時に、船のペンキの臭いが容器の壁を浸透したらしい(移香という)。石油の値段が上がったので、容器のプラステイックの厚みを極限まで薄くしたのでしょうか?しかし、今日の話題はその原因追及ではありません。
「飲み水まで、それもはるばるフランスから輸入するの?」と思われませんか。実は、日本が最もたくさん水を輸入している国は、フランスなのだそうです。
年に2回ぐらい、中産蓮で講義をしているのですが、いつも講師の机の上にコップとミネラルウオーターのボトルがおいてある。ボトルのラベルを見ると、「Made in France」と印字されている。「たかが飲み水まで、フランスから輸入するとは、日本は大変な社会になりましたね」と、休憩時に聴講生に雑談しましたが、彼らはピンと来ないようでした。
日本は、先進国の中では雨の多い国です。つまり、水に恵まれた国です。その国が、なぜフランスの水を瓶詰めし、船に乗せて高い燃料代をかけて、日本まで運んでくるのか?
その方が、日本の水を瓶詰めして売るより安いからです。「品質が同じなら安い方を買うのが合理的判断」と経済学は教えます。でも・・・ここに自由主義経済というものの間違いがある、と思います。
水と食料は、人間にとって、究極的資源、それがないと生存できない資源です。水が不足して困窮している地域は多い。そちらに水は回すべきなのに、水に不自由しない筈の日本が、油代を使ってはるばるフランスから運ぶことが、「合理的判断」とはどうしても思えないのです。
食料もそうです。日本の食料自給率は40%だそうです。食料を作るには水が必須です。ですから、日本が食料を輸入することは、外国の水を日本が使うことを意味します。
「お金を払って買うのだから、日本の自由だ。売っている方だって、日本が買ってくれると喜んでいる」。でも・・・
人口が増えて、しかも経済発展で水や食料を買うお金を手にした時、自分の国の需要を優先して日本に売らなくなるかもしれませんよ。
「石油もそうだが、外国から輸入しなければ日本は生活していけない。食料だけ自給を考えても意味がない。」と言った経済学者がいました。
確かに、今年は石油の価格高騰が大問題になりました。でも(こんなこと言うと大反発を受けるかも知れませんが)江戸時代は石油輸入無しでも生きていました。
石油がないと出来ないのは「生きること」でなく、「戦争」です。石油のない国が石油のある国と戦争したら勝てないことを証明したのが、太平洋戦争の日本でした。
フランスから飲み水を輸入するということは、私には、「市場に任せれば何もかも巧くいく」という市場原理主義の間違いの一つの証左に思えてなりません。
どうやら、船で運んでくる時に、船のペンキの臭いが容器の壁を浸透したらしい(移香という)。石油の値段が上がったので、容器のプラステイックの厚みを極限まで薄くしたのでしょうか?しかし、今日の話題はその原因追及ではありません。
「飲み水まで、それもはるばるフランスから輸入するの?」と思われませんか。実は、日本が最もたくさん水を輸入している国は、フランスなのだそうです。
年に2回ぐらい、中産蓮で講義をしているのですが、いつも講師の机の上にコップとミネラルウオーターのボトルがおいてある。ボトルのラベルを見ると、「Made in France」と印字されている。「たかが飲み水まで、フランスから輸入するとは、日本は大変な社会になりましたね」と、休憩時に聴講生に雑談しましたが、彼らはピンと来ないようでした。
日本は、先進国の中では雨の多い国です。つまり、水に恵まれた国です。その国が、なぜフランスの水を瓶詰めし、船に乗せて高い燃料代をかけて、日本まで運んでくるのか?
その方が、日本の水を瓶詰めして売るより安いからです。「品質が同じなら安い方を買うのが合理的判断」と経済学は教えます。でも・・・ここに自由主義経済というものの間違いがある、と思います。
水と食料は、人間にとって、究極的資源、それがないと生存できない資源です。水が不足して困窮している地域は多い。そちらに水は回すべきなのに、水に不自由しない筈の日本が、油代を使ってはるばるフランスから運ぶことが、「合理的判断」とはどうしても思えないのです。
食料もそうです。日本の食料自給率は40%だそうです。食料を作るには水が必須です。ですから、日本が食料を輸入することは、外国の水を日本が使うことを意味します。
「お金を払って買うのだから、日本の自由だ。売っている方だって、日本が買ってくれると喜んでいる」。でも・・・
人口が増えて、しかも経済発展で水や食料を買うお金を手にした時、自分の国の需要を優先して日本に売らなくなるかもしれませんよ。
「石油もそうだが、外国から輸入しなければ日本は生活していけない。食料だけ自給を考えても意味がない。」と言った経済学者がいました。
確かに、今年は石油の価格高騰が大問題になりました。でも(こんなこと言うと大反発を受けるかも知れませんが)江戸時代は石油輸入無しでも生きていました。
石油がないと出来ないのは「生きること」でなく、「戦争」です。石油のない国が石油のある国と戦争したら勝てないことを証明したのが、太平洋戦争の日本でした。
フランスから飲み水を輸入するということは、私には、「市場に任せれば何もかも巧くいく」という市場原理主義の間違いの一つの証左に思えてなりません。