古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

6月29日は株主総会

2010-06-30 | 経済と世相
6月29日は株主総会の集中日。10年余前の株主総会と比べると隔世の感があります。

D社の株主総会に出席しました。以下、その顛末。

市バスに乗り、会場の名古屋銀行協会の大ホールには、9時20分ごろ着きました。頂いたジュースを飲みながら資料を見ていました。顔なじみの方々が見えます。D社総会の特徴はOB(元従業員)株主が圧倒的に多いことです。現従業員も含めると7割ぐらい?

定刻10時に始まる。

事業報告の始まる前に、会長以下取締役と監査役が全員立ち上がり、頭を下げた。今期、赤字で配当を無配にしたお詫びです。

質問の時間、冒頭はこのところ恒例になっている小生の質問。

「インターネットからダウンロードした決算短信によると、地域別にみた収益が、欧州では6億円余の赤字、前年度で4億円余、つまり2年間で10億円の損失になっている。今後の欧州市場の見通しはどうなのか?」

社長が、欧州では市場開拓の先行投資がかさんで赤字になっているが、来年度以降収益は改善されると言う。会長が「今回フォルクス・ワーゲンから受注できることになりました」と補足説明。

この辺りまでは静かだったが、次に爆弾質問が出た。

「過去5年間の収益を見ると、累計で、146億円の利益を上げている。ところが、この5年間の特別損失がなんと170億円になる。ほとんどが、北米の子会社の失敗による。これは、国内で懸命に働いている従業員や管理職の所為ではない。経営者の判断の誤りによるものだ。その責任をどう考えるか?」

質問者の発言は事実認識としては全く正しい。今回の無配転落も海外事業の失敗によるものだ。会長が、北米進出当時の事情について説明をしたが、経営者は結果責任を問われる存在だから、批判されて止むを得ない。

稼いでも稼いでも、米国に吸い取られる日本の縮図みたいな会社だ!

さらに質問者は「これだけ赤字を出しているのに、法人税を払っている。会長は税務署から表彰状をもらったのか?」と、続ける。

財務担当の役員が「税法と会計法の違いで、子会社の評価損が税法上損金扱いを認められないのです」と、懸命に説明した。

次々に批判の発言。「役員報酬が高すぎる。赤字なのだから、役員報酬をゼロにすれば、1株3円の配当が出来るのでは?」

「役員の枠が8人なのだから、現在の5人から増やせる。若い人を昇格させて、経営層に新しい血を入れるべき」(この発言をしたのがOBではなく、中年の女性なのでびっくりした)

結局、質疑は延々2時間半に及んだが、発言する方も元従業員で、答える役員の元同僚や先輩だから「この辺で勘弁しようか」と、審議事項の役員選任などは、あっさり承認された。それでも、「こういう時期、会長の他社社外取締役は辞任すべきでは」と厳しい意見が出たが)

昔の株主総会は、従業員株主を動員して、議長の前に陣取らせ、「異議なし」を連呼。発現株主を威圧するみたいだった。時代は変わったのだ。

総会終了後、株主懇談会に移る前の休憩。ロビーに出ると、ソファーに執行役員のM君とU君。

『みんな元気にやってる?』と聞くと

M「元気ですよ。 NOZUEさんほど元気じゃないけど」(これって、嫌味かな?)

U「まだ走ってみえるのですか?」

『あぁ、今年の2月には熊本県の玉名市でハーフを走った』。熊本出身のU君は「へぇー」という顔

懇談会の冒頭、司会者「昨年の総会は2時間4分で、名古屋地区の総会で長い時間の第四位。今年は2時間31分ですから、3位以内確実と思います。」

これは、遅くなったことのお詫びかな?それとも嫌味?

会長の今年度の経営方針と質問に対する社長の回答を聞いて、その後の予定があったので、1時45分失礼することにした。

以上、現代株主総会の記です。

‘10第2四半期私撰10大ニュース

2010-06-30 | 経済と世相
‘10第2四半期私撰10大ニュース

いやぁ、3ヶ月にこんなにも事件が起こるものですか!

1. 鳩山首相辞任、菅内閣誕生。

何で、この後、消費税が出てくるの?

2. 普天間問題、日米政府間合意。トラストミーってこういうことだった。

3. 福島大臣更迭、社民党連立離脱 まぁその方が社民党には良かった!

4. 韓国哨戒艇沈没。北朝鮮が撃沈?

北は満州事変前後の日本みたいらしい。

5. 東京地裁、日米密約文書の開示を命令、国の敗訴(4/09)。

6. 中国GDP、1~3月期11.9%成長。

どこまで続く高度成長、もうGNP世界2位の座は中国に。

7. はやぶさ7年ぶりに地球帰還(613)。金星探査機あかつき打ち上げ(5/21)

日本の宇宙技術は立派なものです。

8. 牛のこうてい疫騒動。

東国原知事大活躍

9. 大相撲、野球賭博に揺れる。

10. マツダ宇品工場で、元従業員による殺人事件。

マツダだけでなく、他の会社でも起きそう。その意味で、10大事件に相応。日本をこんなに治安の悪い国にしたのは誰?

番外 6月30日、.東証今年の最安値 もはや株安はニュースでないかも。

「南極観測船ふじ」

2010-06-27 | 旅行
「南極観測船ふじ」を見に行きました。

住宅のシニアクラブのウオーキング、今月は名古屋港に行くことになりました。

25日、9時半集合。何故か今日は女性が多く、男2、女10の合計12名。Sさんと小生がエヅコート役。打ち揃って地下鉄に乗り名古屋港へ。

 地下鉄を降りると、徒歩4~5分で、「ふじ」が係留されている場所にきた。

 南極観測船ふじが名古屋港に係留されていることは昔からしていましたが、機会がなくて、今日まで乗船したことはなかった。

 入り口前に切符-売り場がある。行ってみると、65歳以上無料ということなので、敬老手帳をみせて乗船。「南極観測船ふじ乗船証明書」なるものをくれた。「6639466番に乗船されました」とある。

 ふじは、昭和40年3月進水したわが国初の本格的砕氷船。昭和40年十一月、第7次南極観測以来第24次南極観測まで18回の南極観測支援。任務を終えて昭和58年部品に帰港し、その任務を「しらせ」に引き継いだ。昭和59年12月、名古屋港管理組合が譲り受け、南極の博物館として、昭和60年8月一般公開されて今日に到っています。

 私が新入社員の頃から、名古屋港に来ているわけだ。

http://www.nagoyaaqua.jp/fuji/index.html

船内の各部屋には、乗務員などの等身大の人形が造られている(例えば、調理室にはコック、医務室に医師と患者など)のだが、あまり上手につくられているので、奥様方が患者の裸像を見てびっくりして、「わぁ」と声を上げるほどだ。

地球の17周に相当する距離を越えたという操舵室に坐ってみる。



 一時間ほど見て、今度は、直ぐ傍の名古屋港ポートビルに入る。エレベータ中心において門構えみたいなユニークなデザインで、7階が展望台になっている。

入場料700円だが、65歳以上はここも無料。

http://www.nagoyaaqua.jp/buil/index.html

 蒸し暑く、室内の冷房が快く感じられた。

 11時半になったので、食事にしようと二階のレストランに入った。

丼もので概ね1000円前後。海鮮丼なるいくらの丼をとった。

「3階の名古屋海洋博物館を見てから、展望台へ行きましょう」。

http://www.nagoyaaqua.jp/muse/index.html

展示をみながら、昔の船の一測定法をちょっピリ勉強。

 7階の展望台は、おそらくお天気がよければ、すばらしい眺望だろうが、今日は残念ながら、四面すべて曇天で、さっぱりでした。でも、水族館のプールが見えて、イルカなのかシャチなのか、ジャンプさせているのが見られて奥様方は喜んでいました。

 1階におりてから、大して歩いたわけでもないが疲れ気味。咽喉も渇いたので、喫茶店に入り休憩。おしゃべりを楽しみ、3時前帰途につきました。

工場見学記

2010-06-26 | 経済と世相
「工場見学させてください」とD社の総務にメールを入れたら、「22日10時、犬山駅までお迎えにいきます」と返事が入った。
 10時、曇り空の犬山駅に着いて東口の階段を下りると、「こんにちは」と声がかかった。見ると、常務のKさんだ。「やぁお忙しいのに、すみません」、「どういたしまして」
 Kさんの車でD社の子会社の岐阜県関工場に向かった。Kさんは4月からこの子会社の社長を兼ねている。以下、車内の話。
「業績は順調に回復してるの?」
『昨年度後半から受注が急増して、作りこむのに四苦八苦です。人も減らしているものですから・・・でも、仕事がない時の苦労に比べるといいですね。』
「やはり、インドや中国の好況が影響してるわけ?」
『いやー、インドの景気は凄いですね』
 グローバル化で、経済が国単位でコントロールするのが難しくなっている。政府が景気刺激策をとっても、国内の景気が良くならない。逆に、景気刺激しなくても、海外の景気がよくなれば、それが国内に波及して、好況になる(しかし、家計が好況になると言うわけではない)と言う時代なのだ。「サバイバル本部長をやってると聞いたのだけど、サバイバルって具体的に何をやってるの?」
『一言で言うと、“選択と集中”。仕事が少なくなったら、その工場を閉鎖して、仕事の多い工場に設備と人を持ってくる。』
「じゃぁリストラもやるわけだ。」
『やりますけど、世間で批判されているようなことは、やってませんよ。
働く人の考え方も変わっているのです。
 技能の伝承という点から、優秀な人には、正社員になりませんかと声をかけても、ここで働いてお金を貯めたらこういう仕事を始めたいと思っています、と断られる。』
(でもそれでは、技術・技能を有する従業員の育成はどうなる?)
 「皆さん元気かな?」
『一応皆健康ですが、みんな健康に気を使うようになりました。昨年のO君以来です。』
O君はD社の執行役員だったが、昨秋勤務中に急死した。
『健康でいたかったら、NOZUEさんみたいに運動すればいいのですが、みんな薬やサプリメントです』
 えらくなると、運動する時間もとれなくなるのかな?
11時10分前、工場に着いた。見学はKさん自ら案内をしてくれた。設備の内容は1年前に見たときと変わっていない。
「Uラインを造ったら“運動場じゃないか”とトヨタさんに言われた(一つ一つの機械が大きいので運動場ほどのスペースになった)と言っていたが、小さな製造設備の開発はうまく行ったの?」
『図面は引いたので、設備投資のOKが出たら取り掛かるつもりですが』
 昼時が近づいて、「関まできたのですから、鰻を食べましょう」と老舗の鰻やに連れて行ってくれた。
ここは、20年ぶりだったが、昔ながらの老舗の味でした。
 食事の後、犬山に向かう。
 材料工場は、1年前に来た時は“仕事がない”と閑散としていたが、フル操業のようだった。こういう熱を扱う工場は連続操業にしないと効率が悪いから、景気の動向で収益が大きく動く。
 加工工場は、量産設備をすべて関に移したので、メッキ設備と試作ライン的設備だけ。
 「船の関係は、どうなの?一頃、全社の稼ぎを船関係だけで稼ぐほどだったと聞いたが」
『あれから落ち込んで、今回復基調ですが、前の状況にまで戻ってはいません』
「風力発電の軸受けを手がけている、と聞いたが」と聞くと、『ご案内しましょう』と、新しい事務所の下の工場に案内してくれた。
『ボールベアリングより持久性が良い。M社の世界市場でのシェアがまだ3%程度ですから、数がでているわけではありませんが、M社が伸びれば期待できそうです。』想像していたよりは大きな製品だった。
3時前、見学を終えて、応接室でしばし閑談。
『新しい社員を見ていると、体験したことしか対応できないんですよ』
「つまり、論理的思考が出来ないということ?」
『そうなんです』
それに類した話を先日聞いた。ゆとり教育の所為かな?当然のことながら、D社も世の中の動きを反映するのだ。
犬山駅まで送ってもらい、1年ぶりの工場見学を終えました。
追伸:ご関心のある方は、昨年の工場見学記と比較してください。
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20090624

脳はなにかと面白い(3)

2010-06-25 | 読書
自由意思はあるか

リペットという研究者の行った有名な実験があります。

被験者に「ボタンを好きなときに押してください」と言っておいて、、被験者ガボタンを押したときの脳の活動を調べました。当然、常識から考えれば、まず「押そう」という意思が生まれて、そして運動をプログラムする脳部位が活動して、そして手指にボタンを押せという指令が送られるのだろうと考えられます。

 ところが結果は違った。なんとボタンを押したくなるよりも前に(長いと1秒も前)脳の「運動前野」が既に準備を始めていることが分かった。つまり、最初に(手を動かす)脳の活動が生まれ、次に「押そう」という意思が生まれ、そして指示が出されて「手が動く」

 自分の意思でボタンをおしているような気がしているけれど、実は脳の(手を動かす)動きが先で、意識はずっと後だった。つまるところ人間に自由意思はあるか。科学的な見地からは、自由意思はおそらく“ない”

「押す」という意識が生まれたとき、脳は既に押す準備はしている。そのとき「押すことをやめる」ことも出来る。そこに自由がある。<自由意思>はないけれど<自由否定>はある。

 私の解釈:人間の運動を考えると、脳から手・指の筋肉に到る信号の伝達時間が遅いので、手・指を動かす準備を脳は先に準備する(それでないと、必要なタイミングで体を動かすことが出来ない。スポーツの場合を考えると分かりやすい)。その後、手・指を動かすという意思が脳に生まれる。

神経の中の電流の流れ方は、細胞の端まで流れると、隣の細胞と連結されていないので、先端で科学物質(神経伝達物質)を放出する。隣の細胞は化学物質を受け取ると、電気を発生し、端まで流す。つまり、電気現象だけでなく、化学反応と電気現象を組み合わせているから、時間がかかる。

脳の研究は、まったく面白い分野を解明しつつあるようです。

脳はなにかと面白い(2)

2010-06-24 | 読書
脳の神経回路と地下鉄網

 動物の脳は、進化の過程で、大切な部位から順順に造られました。脳でいえば、脊髄、延髄、間脳といった脳の本質的なところは、魚類や爬虫類でもよく発達しています。哺乳類のような歴史の浅い動物では、その外側に大脳皮質が発達しています。つまり、脳の真ん中辺りに、より生命に本質的な部分があって生命に本質でない部分は、外側にあります。大切なものは奥深くということですから、外傷などのケガを考えると、合理的です。

 しかし、大脳皮質がいちばん外側にあるという歴史的経緯は、実をいうと、ちょっと残念な側面もあります。なぜかというと、大脳皮質の神経ネットワークは、意思や意識などの高次な脳機能を生み出す場所です。つまり、ネットワークを綿密に張り巡らせる必要がある脳部位なのです。そのネットワークを造るための配線の距離が長くなってしまいます。

 もし神様が存在しえ、計画性をもって一から脳を設計したとしたら、こんなヘンテコな構造には作らなかった。進化の過程で少しづつ作り上げてきたので、今更脳の構造を根本から作り直すわけにはいかないのでしょう。

 これはちょうど、東京の地下鉄網に似ています。新しい地下鉄を設営するときに、すでに存在している路線との兼ね合いで、結局まだ掘削されていない地下の深いところまで掘らないといけない。工事のコストがかかる。完成後も、乗客は地下深くまで降りていかねばなりません。

「思い出す」ということ

 「思い出す」という行為も不思議なものです。たとえば、「江戸幕府の初代将軍」の名前を思い出そうとするとき、脳に保存されている人名リストから「徳川家康」という名前を検索してきます。それだけではありません。徳川家康という名前が見つかったら、脳は検索作業を自動的にストップします。どうして、徳川家康が今探していたものだ「私」は分かったのでしょう。そもそも正解がわからないから、検索を始めたのに、徳川家康に行き当たったときに「なぜそれが正解だ」とわかったのでしょう。

私の解釈:「徳川家康」を思い出したとき、「家康」という名前だけを思い出すのでなく、「家康」に関連するあらゆる記憶がネットワークとして呼び出される。それらのネットの記憶との間に「家康」という答えが何の矛盾もないとき、答えは正しいと人は判断する。つまり、正しいという意味は、「関連する情報との間に矛盾がない」という意味ではないでしょうか。

 もう一つ、脳の記憶は、複雑なステップを経るが、少なくとも、「獲得」「固定」「再生」の三つの工程に分けて考えなければいけない。

 実際、脳を覗くと、「固定」は複雑なステップを踏んでいることが分かる。記憶専用ネットワークの結合パターンがダイナミックに変化することで、「固定」が行われると考えられているが、このとき、記憶のための特定の遺伝子たちが働いている。この遺伝子から必須な分子が合成されないと、記憶の固定ができない。ここで面白い点は、一度脳に記憶が登録されてしまえば、もはや遺伝子は必要ない。つまり、遺伝子の発現がなくても「再生」が可能なのだ。

 ところで、記憶には「再固定化」という第四のステップがあった。

「記憶を「再生」している最中に薬物で遺伝子の働きを阻害する。思い出すだけなら遺伝子の発現は必要ないので、記憶力は正常にみえる。驚いたことに、遺伝子発現のない状態で、思い出した記憶は、それ以降脳から消えてしまった!

 つまり、記憶の「再生」の際、記憶の「再固定化」を行っていたのである。

私の解釈:パソコンでファイルをいじっているとき、ミスってファイルを消してしまったことが数回あります(記憶容量の空きが少ないとき起こり易い)。この種のファイルは呼び出して使った後、デスクに再書き込みをしているのですね。「再固定化」に良く似た話です。(続く)

脳はなにかと面白い(1)

2010-06-23 | 読書
気鋭の脳科学者池谷裕二さんの新刊がでました。『脳は何かと言い訳する』(新潮文庫)です。

同書から面白い話を紹介しましょう。

体と脳の関係

 理学療法の先生方と話をする機会がありました。リハビリをすると、若い人と年配の方では、若い人の方が早く買い回復して、早く退院します。それについて、一般に、若い人の方が「神経の再生」が早いからだと言われているのですが、今、これとは視点の異なった説も唱えられています。

 脳自体は、若い人も歳とった人も、比較的、回復するのは早い。つまり、神経はあまり老化しない。では、何が年齢によって違うかというと、体の元気さです。若い人のほうが、体がよく動くので、体から脳にバシバシと情報が送られます。一方、歳をとった人は、同じ時間だけリハビリをやっても、体があまり動かないので、結局、脳の回復が送れてしまうというのです。

 ですから、どちらかというと脳よりも体の方が大切で、「体に引っ張られる形で脳も活性化してくる」と私は考えています。よく人類の未来像として、脳は異常に発達しているけれども、体は退化してしまっているSF生物のイラストを見かけますが、実際には、体が衰えれば脳も衰えるだろうなあと、私には思えるのです。

私の解釈:魚類や鳥類、爬虫類にも脳はあります。それら動物の脳の機能は体をうまく動かせるようコントロールすることです。つまり、脳の神経細胞は、体の各部から送られてくる信号に反応することが基本的な機能。ですから、体を動かして脳に信号を送ることで、脳細胞のトレーニングはできる。

 脳は10%しか使っていないのか?

 水頭症という病気がある。成長の過程で脳に水が溜まって、脳が正常に発達できなくなってしまう病気です。精神遅滞などの症状が現れることがあるが、まったく正常に成長することも少なくない。社長として会社を経営したり、大学で数学賞を取るくらい優秀な人もいたほどだ。こうした例では、たまたま病院で脳を調べたときに初めて彼自身が出納症であることを知るケースも多い。ときに脳は正常者の10%程度の大きさしかなかったが、そんな小さく不完全な脳でも、人間として正常に判断したり行動したり思考したりできたのである。

つまり、人間の体をコントロールするには10%の脳細胞で事足りるのだが、しかし、このことは、人間が10%しか脳を使っていないということを意味するわけではない。脳の神経細胞は、あれば一応、100%使っている。(続く)

『3連覇はしたものの』

2010-06-07 | 水泳
『3連覇はしたものの』水泳大会の報告です。

 6日は「なごやマスターズ2010」水泳大会でした。

9時、家を出て、会場の日本ガイシプールに着いたのは、10時10分前。受付で参加賞のバスタオルとプログラムを貰いました。ロビーに坐って、自分の出番を見ると、バタフライ100mの1組7コースです。1組は、年齢区分75歳2名、70歳1名(小生)、65歳区分3名。メンバーを見ただけで、75歳はSATOH KENさん、65歳はOHSAKIさんが優勝だ。70歳は小生しかいないから、小生が頑張っても頑張らなくても1位だと分かる。

 10時、開会式を観覧席に上がって見る。15分から女子の100m自由形、7組まで見てから、更衣室に行って着替えて、プールサイドに下りた。男子100mクロールが始まる。メル友のOさんが召集場の2組に並んでいたので、一寸手を上げて挨拶。

 年齢順だから、1組ではHANAI先輩の泳ぎを見る。83~84歳のはずだが、100mを2分で泳いだから、まだまだ元気だ。

 2組が飛び込んだ。Oさんは75歳区分で1分24秒12の優勝。私の友人は元気な人が多い!

 その後サブプールの50m温水プールに行って、アップ(少し多かったが)500m泳ぐ。競泳プールサイドに戻ると、11時20分。女子背泳の後半だった。

 12時20分頃、選手控え室に行く。SATOH KENさんがいて、私を見ると、側に来て話しかけてきた。「NOZUEさんて、まだ70歳区分?」

「なごやマスターズでは来年まで70歳区分です。日本マスターズでは来年から75歳区分です」(日本マスターズの年齢の数え方は、その年度の12月31日の満年齢、なごやマスターズの年齢は実満年齢)。そこへOHSAKIさんが来て3人で雑談。

 12時30分に召集。隣の8コースを泳ぐ三重県のGさんが来た。

「お久し振りですネ」と声をかけると「去年は休んだから2年ぶりだょ。腱鞘炎をやったので、腕が上がらないかも知れない。まぁ失格覚悟で泳ぐ。」

日本マスターズの年齢だと、80歳区分に入るというから、あちこち具合の悪いところも出てくるようだ。この前はどこでGさんと一緒に泳いだかな?しばし考えて、08年9月のレインボーカップ以来だ。

 12時40分、スタート台に立つ。何度経験しても、召集から台に立つまでは胸がドキドキ。号砲で飛び込む。飛び込んだ後はドキドキしない。もう前へ行くしかないからだ。

 このところ、あまり調子が良くないので、「前半1掻き1呼吸で行き、後半2掻き1呼吸」と決めていた。50mターンしたら、8コースが45mラインに来ていることが分かった。5m差だから、抜かれることはない。ピッチを上げてフィニッシュ。2分25秒8だ。予想通り調子は良くなくて、ワーストだ。「まぁ泳いだだけだな。でも1位は1位だ」

 8コースを見ると、まだ75m辺りを泳いでいる。泳ぎがおかしい。腕が上がらなくて平泳ぎになっている。「やはり80歳ぐらいになると、100mバタはきついようだ」。

Gさんがフィニッシュするまで見守り、プールを上がった。

 「50mプールは久し振りだ。少し泳いで帰るか。」とサブプールで、行きを平泳ぎ、帰りはクロールで100mを、8本泳いでみた。

 「さぁ、帰ろう」と更衣室に行くと、HANAI先輩に出会う。「NOZUEさんに合えるのはこういう(大会の)時だけだナ」と言う。「午後は出ないの?」

 午後は50mのレースです。

「50mは大勢いて、1番を取れないからやめです」

 そこにNさんが居た。50mクロールに出るらしい(Nさんは大学の三年後輩だから、70歳?だが50mを32秒で泳ぐスプリンターだ)。「NOZUEさんは1番を取れる可能性がないと出ないんですよ」と笑う。

 皆さんに挨拶して帰途につきました。1位の賞品はSPEEDOの水泳帽でした。

 今年になってから出場した3回の水泳大会、総て1位。3連覇というと、カッコイイけど、記録は最初の大会が一番良くて、後ジリ貧です。

 どうも、スポーツの能力はある年齢で急に下がるということがあるらしい。水泳能力の更年期かもしれません。

時評:タダほど高いものはない

2010-06-03 | 経済と世相
“タダほど高いものはない”、日本の防衛の話です。
 2日、鳩山首相が、小沢幹事長を道ずれに辞任すると表明した。民主党議員総会での演説を聞いていて、オヤと思った発言があった。マスコミでは大きくは取り上げていなかったが、次の発言です。
『平和を日本人自身の手で守る日本をいつかはつくらないといけない。私の時代にはムリだが、あなた方の時代につくれるようにしていただきたい』
 『米国に依存し続ける安全保障が50年、100年続いていいとは思わない』と、鳩山さんは言いました。
 日本は日米安保により米軍に防衛を依存することで、軍事にカネをかけず経済成長に資金を集中できた。その結果が日本の高度成長、故吉田茂首相の選択した国家戦略でした。
 時あたかも米ソ二大陣営の対立、いわゆる冷戦の時代で、日本の高度成長は、社会主義陣営に対して、自由主義経済の優越を実証できる、いわば、資本主義陣営のショールームでもあったのです。だから、米国にとっても、日本の防衛を引き受けるメリットがあった。
 しかし、冷戦の時代が終わり、日本の高度成長は、日本の自動車産業がGMを凌駕するほどになりました。
 こうなると、米国がタダで日本の防衛を引き受ける理由はないと、米国が考え始めたとしても不思議はない。
 その頃から、例えば、湾岸戦争で戦費を負担せよとか、カネを出すと今度は、「カネだけ出せば良いと考えている」、日本への批判が強まりました。だから、冷戦が終わった時点で、日本の安全保障システムを再設計しなければならなかったのに、日本の政治家はシステムはそのままで、駐在米軍の費用の7割を負担する「おもいやり予算」を実施することで、米国の機嫌をとった。
 今や、安全保障を米国に依存することが、安上がりでなくなったと、私は考えます。“タダほど高いものはない”のです。
 何故かというと、米軍が日本に駐留することは、言葉を換えれば、米軍が日本を占領している状態です。米国の意向に逆らうことが出来ない国になってしまった。
 一つの例ですが、先日、日本が購入した米国債の評価損が27兆円にもなる!とメールしましたが、損すると分かっても、米国債を買いつづけなければならない。
 冷戦時代には、米国に防衛を依存することが、日本の経済成長に資したのですが、今は足かせになっている。
 『平和を日本人自身の手で守る日本をいつかはつくらないといけない』鳩山首相の辞任に際しての言葉は、重いのです。
 普天間問題を経験することで、鳩山さんは、遅きに失したきらいはあるものの、それが分かった。
 それにしても、鳩山さんは、就任する時の言葉と辞任する時の言葉はすばらしかった。
 総論の名手です。しかし、政治を動かすのは、総論でなく、各論です。