BSE牛の潜伏期間は平均5年だそうです。平均ですから,もっと若くて発病した
例もあり、日本で発見されたのは2歳の牛でした。
潜伏期間とは何を意味するのか?通常の病気では、病原菌やウィルスが体内に入っ
ても、その数があるレベルまで増えないと発病しない。この数の増加期間が潜伏期間
です。
病原菌はDNAを持っていて、このDNAが自らのコピーを繰り返して増殖する。
BSEの場合、DNAのないたんぱく質がどうして増えるのか?
プリオン蛋白は、もともと身体の中にあるのです。病気を起こすのは特殊なプリオ
ン(異常プリオンと名付ける)で、この異常プリオンが正常プリオンに接触すると,
正常プリオンが異常プリオンに変化する。これによって異常プリオンが増えるのだそ
うです。
実際、マウスを使った実験で、遺伝子がプリオンを作る機能を欠くノックアウトマ
ウス(ある機能を欠損した遺伝子を持つマウス)に、異常プリオンを摂取させても発
病しないことが確認されている。
で、脳の中の異常プリオンがある濃度に達すると,脳海綿症状になる。いわゆる狂
牛病です。
といっても、このプリオン犯人説に疑問を呈する学者がいないわけではない。病原
菌が病原菌であると確認されるためには、コッホの3条件と言われるものがありま
す。
1.病気にかかった個体からその病原体が必ず発見される。
2.その病原体が分離精製される。
3.それを他の個体に接種した時、同じ病気が起こる。
プリオン説について1は証明されました。2が問題。どんどん精製していくと、最
後の生成物は感染性を失う(3がなくなる)というのです。精製する前なら、3が成
立する。
BSEの謎は完全に解けたわけではないのだ!
この意味で、プルシナー(1982年狂牛病のプリオン原因説を発表)の1997
年ノーベル賞受賞は、時期尚早でなかったか?という学者もいるそうです。1996
年は英国が肉骨粉の海外輸出を禁止した年で、欧州は狂牛病で大騒ぎ!ノーベル賞も
時の話題に影響されるのかも?
ところで,牛肉輸入の日米間協議。牛の月齢(20月?)によって全頭検査しない、という協議
が進んでいるようですが、若い牛は潜伏期間が進行中、つまり、プリオンの濃度が低
いため検査に引っかからないというだけで、決して若ければ安全というわけではな
い。検査技術が上がれば、検査で見つけられるようになるのかもしれない。勿論プリ
オンがあっても濃度が低ければ安全ということがあるかも知れないが、それは実証さ
れていない。
政府は、全頭検査を撤回するのなら、その理由を科学的に説明する責任があるで
しょう。
米国牛の牛丼はまだ当分食べられません。
これで終わり。長々ややこしい話を続けて、失礼しました。
例もあり、日本で発見されたのは2歳の牛でした。
潜伏期間とは何を意味するのか?通常の病気では、病原菌やウィルスが体内に入っ
ても、その数があるレベルまで増えないと発病しない。この数の増加期間が潜伏期間
です。
病原菌はDNAを持っていて、このDNAが自らのコピーを繰り返して増殖する。
BSEの場合、DNAのないたんぱく質がどうして増えるのか?
プリオン蛋白は、もともと身体の中にあるのです。病気を起こすのは特殊なプリオ
ン(異常プリオンと名付ける)で、この異常プリオンが正常プリオンに接触すると,
正常プリオンが異常プリオンに変化する。これによって異常プリオンが増えるのだそ
うです。
実際、マウスを使った実験で、遺伝子がプリオンを作る機能を欠くノックアウトマ
ウス(ある機能を欠損した遺伝子を持つマウス)に、異常プリオンを摂取させても発
病しないことが確認されている。
で、脳の中の異常プリオンがある濃度に達すると,脳海綿症状になる。いわゆる狂
牛病です。
といっても、このプリオン犯人説に疑問を呈する学者がいないわけではない。病原
菌が病原菌であると確認されるためには、コッホの3条件と言われるものがありま
す。
1.病気にかかった個体からその病原体が必ず発見される。
2.その病原体が分離精製される。
3.それを他の個体に接種した時、同じ病気が起こる。
プリオン説について1は証明されました。2が問題。どんどん精製していくと、最
後の生成物は感染性を失う(3がなくなる)というのです。精製する前なら、3が成
立する。
BSEの謎は完全に解けたわけではないのだ!
この意味で、プルシナー(1982年狂牛病のプリオン原因説を発表)の1997
年ノーベル賞受賞は、時期尚早でなかったか?という学者もいるそうです。1996
年は英国が肉骨粉の海外輸出を禁止した年で、欧州は狂牛病で大騒ぎ!ノーベル賞も
時の話題に影響されるのかも?
ところで,牛肉輸入の日米間協議。牛の月齢(20月?)によって全頭検査しない、という協議
が進んでいるようですが、若い牛は潜伏期間が進行中、つまり、プリオンの濃度が低
いため検査に引っかからないというだけで、決して若ければ安全というわけではな
い。検査技術が上がれば、検査で見つけられるようになるのかもしれない。勿論プリ
オンがあっても濃度が低ければ安全ということがあるかも知れないが、それは実証さ
れていない。
政府は、全頭検査を撤回するのなら、その理由を科学的に説明する責任があるで
しょう。
米国牛の牛丼はまだ当分食べられません。
これで終わり。長々ややこしい話を続けて、失礼しました。