最近、憲法改定論議を聞くことが多い。もう一度、憲法全文を読み直して見たい
と、「英語で読む日本国憲法を読む」(島村 力著、グラフ社、平成13年)という
本を図書館で借りてきました。著者の島村さんは元中央公論編集長。どうせ読むな
ら、英語文と比較して読もうと考えたのです。
なにしろ、日本憲法は、米軍占領下で制定され、マッカーサー司令部が起草したも
のを、日本語に翻訳したという噂もありますから、英文と比較した方が、文意をつか
めるのでは?と思ったのです。
英文憲法は、日本国憲法が公布府された時、英文官報に掲載され、「六法全書」に
も収録されていたが、今では六法全書からは姿を消している。その理由はわかりませ
ん。
憲法を読んだのは、高校一年生の「社会」を学んだ時ですから、52年も前の話で
す。再読してみて、あれっ、こんな風になってた?と吃驚したところがあります。
前文にこうありました。
「・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする・・
・」、英文では
「・・never again shall we be visited with the horrors of war through the
action of government,・・」
戦争が起きるのは政府の行為だと、明確に書いてある。
日本国憲法の草案を、マッカーサー司令部が起草して、当時の日本政府に示したと
き、「政府の行為による戦争・・」という文を見て、政府高官は愕然としたことで
しょう。松本国務大臣は「前文カット」を佐藤達夫法制局部長に指示したそうです。
日本側が総司令部に提出した「憲法改正要綱」には前文はなかった。アメリカ側は前
文がないのに興奮して抗議し、日本側はあっさりと前文を認めた経緯があり、そのせ
いか、前文の英文はほとんどマッカーサー草案と同文だということです。
この文言を書いた人は、相当革新的(あるいは左より)な人だったらしく、「戦争
は国家、即ち国の政府が起こすものだから、政府が戦争を起こさないよう、国民は政
府を監視すべきだ」と言いたいようです。この件に関しては、私も相当革新的(ある
いは左より)でして、その通りだと思うのです。
以前述べたと思いますが、近代国家は戦争に勝つために考え出されたシステムで、
国家を作れなかった国は、属国になるか、植民地になるしかなかった。
逆に言うと、戦争は国家が行うもので、国家以外の個人やグループが行う戦争行為
は、戦争でなく、テロである。話は別になるが、この意味で、北朝鮮の拉致事件をテ
ロという人がいるが、あれは政府がやったものだから、テロでなく、戦争である(宣
戦布告はないが)と思う。小泉首相は国家賠償を要求すべきだ。(続く)
と、「英語で読む日本国憲法を読む」(島村 力著、グラフ社、平成13年)という
本を図書館で借りてきました。著者の島村さんは元中央公論編集長。どうせ読むな
ら、英語文と比較して読もうと考えたのです。
なにしろ、日本憲法は、米軍占領下で制定され、マッカーサー司令部が起草したも
のを、日本語に翻訳したという噂もありますから、英文と比較した方が、文意をつか
めるのでは?と思ったのです。
英文憲法は、日本国憲法が公布府された時、英文官報に掲載され、「六法全書」に
も収録されていたが、今では六法全書からは姿を消している。その理由はわかりませ
ん。
憲法を読んだのは、高校一年生の「社会」を学んだ時ですから、52年も前の話で
す。再読してみて、あれっ、こんな風になってた?と吃驚したところがあります。
前文にこうありました。
「・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする・・
・」、英文では
「・・never again shall we be visited with the horrors of war through the
action of government,・・」
戦争が起きるのは政府の行為だと、明確に書いてある。
日本国憲法の草案を、マッカーサー司令部が起草して、当時の日本政府に示したと
き、「政府の行為による戦争・・」という文を見て、政府高官は愕然としたことで
しょう。松本国務大臣は「前文カット」を佐藤達夫法制局部長に指示したそうです。
日本側が総司令部に提出した「憲法改正要綱」には前文はなかった。アメリカ側は前
文がないのに興奮して抗議し、日本側はあっさりと前文を認めた経緯があり、そのせ
いか、前文の英文はほとんどマッカーサー草案と同文だということです。
この文言を書いた人は、相当革新的(あるいは左より)な人だったらしく、「戦争
は国家、即ち国の政府が起こすものだから、政府が戦争を起こさないよう、国民は政
府を監視すべきだ」と言いたいようです。この件に関しては、私も相当革新的(ある
いは左より)でして、その通りだと思うのです。
以前述べたと思いますが、近代国家は戦争に勝つために考え出されたシステムで、
国家を作れなかった国は、属国になるか、植民地になるしかなかった。
逆に言うと、戦争は国家が行うもので、国家以外の個人やグループが行う戦争行為
は、戦争でなく、テロである。話は別になるが、この意味で、北朝鮮の拉致事件をテ
ロという人がいるが、あれは政府がやったものだから、テロでなく、戦争である(宣
戦布告はないが)と思う。小泉首相は国家賠償を要求すべきだ。(続く)