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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

King Of The Surf Guitar / Dick Dale

2010-07-13 | エレキ・インスト
 曲そのものは色々な所で使われていて耳にする機会が多いはずなのに、そのタイトルや演奏者はあまり知られていない、というケースが結構ある。今日取り上げるディック・デイルの「ミザルー」もひょっとするとそんな1曲かも知れない。いきなり「ミザルー」と言われても、それこそ “見ざる、聞かざる” で何のこっちゃ?状態かもれないが、あのシビレるようなギターのイントロを聴けば “あぁ、あの曲か!” という人が多いだろう。
 この曲は元々ギリシャのポピュラー・ソングで、正式なタイトルは「ミシルルー」。 “エジプト女性” という意味らしいのだが、そう言われれば何となく中近東風な薫りの漂う旋律もあって、妖しげな魅力を振り撒いている。この曲を一躍有名にしたのはディック・デイル&デルトーンズのエレキ・インスト・ヴァージョンで、サーフ・インスト・ブーム前夜といえる1962年にリリースされウエスト・コースト・エリアでローカル・ヒット。私が初めて耳にしたのはそれから30年以上たった1990年代半ばのことで、当時人気があった格闘技 K1 を見ていてピーター・アーツの入場テーマ曲としてこの曲が流れてきた時はブッ飛んだ。まるでガレージ・パンク・バンドのようなスリリングなサウンドのインパクトが強烈で、誰が演ってんねんやろ?と気にはなったが、ジャズにどっぷりハマッていた時期だったこともあってそれ以上は追及しなかった。
 その数年後、映画「タクシー」の DVD を見た時にこの曲と再会、冒頭で主人公が宅配スクーターで街中を疾走するシーンとスピード感溢れる曲想がピッタリ合っていて感心したものだが、ちょうど時を同じくしてエレキ・インスト・ミュージックにハマっていたこともあって、色々調べてこのディック・デイル盤に辿り着いた。聞くところによると「パルプ・フィクション」という映画にも使われていたらしいのだが、そっちの方は見ていないのでよく分からない。
 届いた CD で早速この③「ミザルー」を大音響で聴いてみて、異常なまでのハイ・テンションで突っ走るギター、どこか哀愁を感じさせるホーンのメロディー、絶妙なグルーヴを生み出すドラミングと、他のエレキ・インスト・バンドとは激しく一線を画すそのアグレッシヴなサウンドに圧倒されてしまった。尚、他に私が知っているこの曲のカヴァーもすべてインスト物なのだが、2004年のアテネ・オリンピックの閉会式でギリシャ№1ディーヴァであるアンナ・ヴィッシがノリノリでこの曲を歌う姿は妙に新鮮だった。
 米ライノ・レーベルが編集したこの「キング・オブ・ザ・サーフ・ギター」には1961年から64年までの代表曲16曲と80年代の2曲を含めた全18曲が収められており、③「ミザルー」のようにシンプルでありながらエモーショナルなプレイが満載だ。60年代の演奏では②「シェイキン・ストンプ」、⑤「サーフ・ビート」、⑧「ハヴァ・ナギラ」、⑨「ライダーズ・イン・ザ・スカイ」、⑪「ナイト・ライダー」、⑫「ミスター・エリミネイター」、⑯「バンザイ・ウォッシュアウト」といった疾走系チューンがいい。意地悪い言い方をすればどれを聴いてもみな同じ金太郎飴的サウンドというか、「ミザルー」の焼き直しに過ぎないのだが、「ミザルー」好きの私としては大歓迎だ。
 しかしこの盤の真の宝は長~いスランプから復活した80年代録音の⑱「パイプライン」だ。ここで彼は何とあのスティーヴィー・レイ・ヴォーンと共演しているのだから SRV マニアの私としては居ても立っても居られない。何と言っても “サーフ・ギターの王様” と “夭折の天才ギタリスト” の迫力満点のギター・バトルである。耳に馴染んだベンチャーズやシャンティーズのテケテケ・サウンドとは一味も二味も違う重量級の「パイプライン」が圧巻だ。この夢のような共演が聴けるだけでもこの CD を買ってよかったと思う。それにしてもビデオクリップのスティーヴィー・レイ、いつ見てもホンマにカッコエエなぁ... (≧▽≦)

Taxi- Scooter Scene


Dick Dale & Stevie Ray Vaughan - Pipeline (hq audio)


Anna Vissi - Misirlou

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Funky music (Sam)
2010-07-14 22:39:15
I love that piece of music! So cool.
It's also in a song by the Black Eyed Peas:
http://www.youtube.com/watch?v=ZaI2IlHwmgQ

I don't really like the song, but it shows that the music appeals to every generation. That's the test of a really good piece of music I think.
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Interesting! (shiotch7)
2010-07-15 00:46:38
Hi Sam,
I don't like hip hop music and I don't know the Black Eyed Peas at all,
but this version of theirs is really interesting.
To me it's like Aerosmith's WALK THIS WAY covered by Run DMC.
As you say, great songs stand the test of time, don't they?
返信する
Unknown (Ted)
2010-09-26 12:28:19
shiotch7さん
今日このブログを知りました。すごく興味深いブログですね。
私はElvis, 60's, 70's Pops, Rock,Progre, Jazz, Hawaiian etc
いろんな音楽を聴きリタイアーした今でも
飽きもせず聴いているものです。
Dick DaleのKing of Surf Guitar を昔
多分1980年頃、FM Osakaの外人DJの番組で初めて聴いて
そのカリフォルニアン・サウンドにKnock Outされました。
今でも夏には大音量でよく聴きます。
東京出張時にOldiesのレコード屋で
LPのオリジナル中古盤を見つけて今も大切に持っています。
Soundsのさすらいのギターも大好きで サウンズのLPも有ります。
ムスタングスというバンドは知りませんでしたが
同じフィンランドのバンドで音色もどこか哀愁があって似ていますね。
これからブログ読ませて下さい。
Ted from Kobe
返信する
Unknown (Ted)
2010-09-26 12:29:34
初めまして
今日このブログを知って Dick Daleのところにコメントをさせていただきましたが
承認されるまでは反映されませんと出て来ました。
よろしければ承認下さい。
このメッセージも届くのか不安ではありますが
Ted from Kobe
返信する
はじめまして♪ (shiotch7)
2010-09-26 12:34:32
Ted さん、はじめまして♪
こちらこそどうぞよろしくお願い致します。

似通った趣味の音楽マニアの方と知り合えるのはホンマに嬉しいです。
本能の趣くままに書き散らかしてる極私的ブログですが、
音楽バカの戯言として楽しんでいただければ幸いです。

>東京出張時にOldiesのレコード屋でLPのオリジナル中古盤を見つけ
て...

私も同じような経験があります。
初めてディスクユニオンへ足を踏み入れた時は
大コーフンしました。

ムスタングスはネットで偶然見つけてジャケ買いしたものです。
あぁいうユーモアのセンスが大好きなもんで...

>よろしければ承認下さい。このメッセージも届くのか不安ではありますが...

不安な気持ちにさせてすんません。
最近、内容に関係ないエロサイト系の書き込みが増えてきたので
そーいった糞カキコ対策としてこういう方式を採ってます。
世の中には人に嫌がらせをして喜ぶ下劣な人間がいるんですよね。
ですから少々遅れるかもしれませんが
真っ当なコメントは必ず反映させていただきます。
どうかご理解ください。

それと、コメントは貼り付けたYouTubeの右下の
「コメント」をクリックしていただければOKです。
左欄の「メッセージを送る」は私にメールが届くだけで
コメントには反映されないんです。
ややこしいことですんません。
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