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徴農制

2007-11-20 06:07:06 | 自給
自民党には「村・むら・邑」食糧とか農業・農村を論じ合う、若手議員の集まりがある。その中に稲田朋美さんという、方が居る。福井県選出の人らしい。落下傘ではなく、おっかさんだ。と選挙では訴えたというから、どうも都会で弁護士をされてきた人らしい。この人が、「徴農制」を主張している。日経の19日付の記事だ。発端は水野正人氏というスポーツメーカーの会長の、3年程度若者を「下放」しろという話だ。JOCの副会長というから、こんな荒っぽい議論が出てくることが恐くなる。そのことは、細部が見えないので、一先ず、稲田氏の「徴農制」の方だ。南京100人斬り裁判で、100人斬りをでっち上げだと主張して、敗訴した弁護士だ。

「徴農制」を主張をする、水野氏も稲田氏も農業が嫌いなのだと思う。よく罰として、草取りをさせる、というのがある。不甲斐ない若者に、農業をさせるという、罰を与えようと考えるのだろう。そもそも、肉体労働を下に見ている人の発想だと思う。罰としてJOCの委員をさせるとは言わない。下積みをして、たたき上げて来い。こんな匂いがどうしてもする。稲田氏のホームページをたどると、稲刈り体験の写真が出てくる。高校生の息子さんが学校の行事で北海道での農業体験をしたが、それでは本当の農業を知る事になっていない。こう主張する。稲田氏は何処で本当の農業を知ったのだろう。どう見ても農業体験はしても、農業はした事がないようだ。自分は賢いから、やらないでも農業の何たるかぐらい、理解できる。と思っているのだろう。でも、頭脳の人が、体で覚えろ。と主張するのは矛盾だ。あるいは、下に見ている。

「徴農制」など、本当に止して欲しい。まるで農家が罰で、懲役で農業をしているということを、国家が認めるようなものだ。まさに生かさず、殺さず。の世界に逆戻りだ。工業製品を、外国に売りたいが為の、今のところ農業は犠牲だ。鎖国をすれば食料が要だと言う事がわかる。別に農業が好きに成ってもらう必要など少しもない。そもそも農業ほど面白い暮らしはない。本当の所を知ればみんなが始めてしまう。義務にしようという人は、農業の楽しさを知らない人だ。嫌々やっていると思い込んでいるから、こんな発想が出てくる。これが農業体験の悪い所だ。徴農制に成れば、みんな農業が嫌いに成る。感謝されたくて、農業をやっているわけじゃない。そもそも人の生き方にかかわることを、あれこれ言うのは許されない。特に、国会議員たるもの、その節度を知るべきだ。農業を取り巻く、制度をおかしくしてきたのが、国会だ。今もまた、認定農業者制度のように、農業をつまらなくしているのが、国会だ。自分の仕事をしっかりやるのが先だろう。WTO交渉は大丈夫か。

今も、新規就農希望の人が、1人と1組、農の会に見えている。このやりたいという人達が、農業を出来るようにしてあげることが先決だ。行政は無理だから止めろという。あるいは、先ず、ここで研修を受けて、資金はこれだけ必要です。等と指導する。つまり、遠まわしに止めろという。行政がお世話します、家もありますなどという所は、普通の営農が不可能な地域だ。普通の人が、普通にやって就農出来る様な条件はまずない。今この地域で農業を継続している人は、スーパーマンのような人ばかりだ。並みの人はとうの昔に止めている。自営業はどんな職種でも同じだ。成功するとは限らない。だから、面白い。農業を始める機会は平等に持ってもらう。失敗したら尻拭いをする覚悟さえあれば、応援できる。当人にとって、失敗も成功も同じくらい意味があると、私は思っている。
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3 コメント

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Unknown (takagi)
2007-11-20 23:27:54
農業をやりたいと思っている人は街にいけば多数存在します。ただどうやって入っていけばいいかわからないし、本気で入っていこうと思っても障害が多いことに気付きます。
行政はグリーンツーリズムを進めているといいつつ、農業をやりたいと言ってくる人たちを何回も追い返して、それでも食いついてくる人間だけに重い腰を上げる。これが私の町の現状です。
「そういう人間じゃないと最終的に残らない」と言うけれども、確かにそういう部分はあるとしても、余りにも無策といわざるを得ません。
この間にも山はどんどん荒れて、耕作放棄地が増えています。
いっそ杉を切って広葉樹をどんどん植えていけば山や川は生き返ると思いますが…
とにかく行政の新規就農に対する政策は、各都市にある新規就農支援室が窓際族の居場所になっていることであきらかです。

私の名刺の裏には、「耳納自然養鶏ネットワーク 代表」の肩書きを入れてます。メンバーはまだ私一人です。仲間はこれから自分で増やしていきたいと思っています。
目の前の仮題は研修施設のこと。それ以上に自分の人間的未熟な部分が多いこと。これからの仮題として今は勉強中です。
ただ自分の気持ちは前進をはじめました。
これからも笹村さんに学ばせて頂きたいと思います。
よろしくお願いいたします。
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とんでもありません。 (笹村 出)
2007-11-21 05:42:50
行政は本当に追い返しますね。相手の弱い所、突かれたらどうしようもないことを、あれこれ、うるさく繰り返します。
それで、大抵の人は心理的に、厭に成ってしまいます。
そんなこともあって、農の会の一員として、農業はやっていても、正式に農家にならない人もおります。
そうすると行政が、農の会は違法に就農するグループだという、間違った情報を流します。
農の会は、NPO法人として、正式に農地を借りられます。その農地を会員が正式に使えます。
小田原市が、農業特区を以前やっていた継続です。
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Unknown (takagi)
2007-11-21 23:46:53
NPO法人として土地を借りる、それを会員が農家でなくても借りることができる。これは画期的なことですね。参考にさせて頂きます。ありがとうございました。
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