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小田原の農地の賃貸状況

2006-09-21 06:24:52 | あしがら農の会
昨日は基準地価から始まって、小田原の今の農地の取引価格について、解っていることを書いた。農地の売買は、多分月に1件ぐらいだろう。値段も場合場合。そんな状況の中、賃貸がどのような状況か書いておく。

農の会では大半の農地を借りている。この一年は新規の契約は完全に止まっている。小田原市が農業特区による、NPO法人の土地貸借を止めたからだ。この背景は2つあって、
一つは国が次段階という事で、特区と改めて指定しないで、何処の自治体でもこの形を取り入れることが、条例を定めれば可能という事になった点。
もう一つは法人の農地利用に対する、農業委員会の反発ということがある。農地の利用が農業者や農業法人の既得権化している中で、規制緩和政策への反動が起きていると思われる。

この結果小田原市は一年間契約行為を停止してしまった。政策の一貫性も何も全く無い。このことに協力してきた農の会は、全く置き去りにされた。

小田原市の農業政策の後退の為、ここ1年は開成町、大井町で農地を借りる事が進んだ。農地の貸借には、地域の行政と農業委員会の姿勢が、左右する。これがまた理屈ではなく、感情で動いているように、一貫しない、不思議な動きをするので、一般に理解しがたいものがある。挨拶がなかったとか、気に入らないとか、そんなことで判断が動いてしまうようだ。

農地が自由に借りることができるという状況に、私の20年の体験でも、ここ5年ほどの間に、様変わりした。1993年に農の会を作った頃は、その目的に農地を借りることができるように、ということがあった。知名度を上げ、信用を作り、農地を借りようとした。しかし、現在は一人で開拓しても、可能な状況が生まれつつある。この辺にも農の会の役割の変化が生まれている。もう5年すれば、農地の賃貸は会は関係しないことになるだろう。

小田原市の標準小作料は(H18.4.1)(10アールあたり、年額)水田 16,000円 普通畑 16,000円 みかん園 (地主成園分) 5,000円 (小作人成園分) 3,000円 となっている。農の会はこの価格で借りる事を基本にしている。地価と一緒で、この価格を理解できない、あるいは納得いかない、地主さんも多いい。その結果起こりがちなのが、農業外利用だ。多くの場合は資材置き場になっている。

一度資材置き場に貸したら、農地に戻すのは不可能に近いが、それでも収入に成ればいいということで、貸してしまう人が多数いる。まずいのは闇の賃貸になるということだ。当然農業委員会では認めないから、裏の契約を行う。こうなると貸している地主が弱い。貸した農地が残土置き場や、解体資材、あるいは産廃が山積みされ、業者が居なくなって泣き寝入りという事も起こっている。

農業をやりたいという人が、小田原に来て、いつでも農地を借りて始められる。農地は年額で、1反16000円。都会の市民農園なら、5坪程度の値段だ。小田原駅から歩いてゆけるようなところにも、そんな農地があるのを私は知っている。白秋の歌ったみかんの丘から、海を眺め、畑を耕し、帰りは温泉にでも入って、美味しい魚を食べて、そんな人が何故現れないのか、私には不思議でならない。





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2 コメント

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Unknown (krishunamurti)
2008-04-02 00:06:42
いろいろな人の就農手記を飽きるほど読んでいますが、どれもこれも「家/農地の購入/賃借にいくらかかった」の情報が申し合わせたように抜けています。ここが大事なポイントのはずだが・・・数字を挙げることは何かの法律違反なのかと勘ぐってしまうぐらいでした。

この記事では肝心の価格情報がある!喜ばしく、あわせて溜飲さえ下りました。
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情報 (笹村 出)
2008-04-03 09:38:46
農業関係の足柄地域の農地売買、賃貸については、知っている事もあります。
具体的に知りたい情報がありましたら、知っている限り、お答えします。
sasamura.ailand@nifty.comまで問い合わせ下さい。
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