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有機農業で小麦反収520キロ

2023-07-03 04:18:47 | あしがら農の会


 2023.7.2 農の会の田んぼ 小田原久野観音堂下。バス停から見たところ。毎年畝取りをしている。誰でも上から見ることが出来ます。ことしも順調な生育状態。水管理はみんなで交代でしている。幅の広い畔の草刈りも良くされている。

 2023年のあしがら農の会では、舟原の私の家の隣の畑で小麦反収520キロを記録した。過去最高の収量である。全国平均では441キロ。北海道が一番多い。神奈川県の平均収量が242キロ。神奈川県の近隣農家の倍以上の収穫量である。品種はミナミノカオリ。どれほどあしがら農の会の有機農業が優れているかが分かる。

 農の会では小麦の会があり、協働で栽培を行っているが。それとは別に渡部さんが家の脇の畑で小麦を作っている。種まきと収穫と選別は私も参加することができた。良く出来ていたのだが、実は収穫前の箱根からの吹きおろしの風で、木が倒されるほどで、麦も倒されて手刈りをした。強風がなく、綺麗に収穫出来れば600キロに達した可能性があった。

 今日とうみで選別をして収量を計量するのだが、2畝の面積で102キロの収穫になった。反収では510キロになった。これは農の会での過去最高の収量になった。たぶん暖地での小麦栽培ではかなり多い方の収量のはずだ。これはもう渡部農法と名付けて良いところまで完成した。

 無肥料、無農薬を基本として作っている。ソバカスや米ぬかを使う事はある。渡部農法は土寄せとそば殻を草抑えに使うところが特徴である。そのほかの作物では、ジャガイモ、タマネギ、大豆、サトイモなども同じような農法で作っているが、すべてが無肥料無農薬で多収という結果を残している。お米でも畝取りをしている。
 
 草を出さないところが特徴である。草は出てきたものは手取りもするのだが、それよりも草を出さないというところに特徴がある。ソバカスやウッドチップをマルチのように使う。土寄せとそば殻マルチで結果どの畑も高畝になる。ジャガイモや里芋などは溝から計れば70㎝の高さになる。

 これは半端な高さではない。万里の長城と冗談で言っているほどだ。ジャガイモの会では隣で作ると風よけになるし、水が流れてこないのでありがたい。というほど高くしっかりした畝になる。どの野菜でもうまく作るのだが、手をかけて管理を徹底している。農の会の有機農業塾でも作業は渡部さんが担ってくれている。草取りや草刈りもどんどんやってくれている。

 以下自然農法で小麦を作っている人のホームページからコピーさせてもらった文章である。一般に有機農業はあるいは自然農法は収量が低いと決めつけている。これは栽培技術が自ら低いと宣言しているような文章に読める。

「有機栽培は有機質肥料を使用して栽培するオーガニックな農法です。
自然栽培は無肥料で栽培するオーガニックな農法です。
同じオーガニックでも、肥料を使う使わないの違いは、もの凄く大きくて、こと「肥で育つ」と云われる小麦では、その違いは甚大なものになります。
前回、有機小麦は慣行小麦の約7割の収穫量で試算しています。
自然栽培小麦は、慣行小麦の約1割から多くても約5割、自然栽培での収穫量はバラツキが大きくて一概に言えませんが、経験則から反収3俵として試算を進めます。」

 農の会の栽培ではありえない考え方だ。そもそも有機農業と自然農法を分けて考えること自体がおかしいと考える。化学肥料を使い農薬を使う一般的な農業がある。慣行農業とよばれる。分類としてはそれと有機農業だけである。有機農業は法的な基準で言われている基準に従うものだ。

 有機農業の基準の中でいろいろ分けたいと考えるのは趣味の領域の話である。叢生栽培、不耕起栽培、自然栽培、様々であるがまず正しい作物の栽培であれば、農薬や化学肥料を使う農業よりも収量が多いはずである。収量が少ないのはどこか、栽培におかしいところがあるからと自覚しなければならない。

 作物が満作になることがすべての大前提である。化学肥料や農薬を使うと作物が最高の出来になりにくいという事だ。だからそういうものを使ってはならないのだ。信じがたいという人がいれば、小田原にあるあしがら農の会の圃場を見に来たらいい。久野に点在する畑で、実践が行われている。

 農の会の農業を勉強をしたいという人がいたら、有機農業塾に入り学ぶことも出来る。熱心に学んでいる仲間がいる。コメ、麦、大豆、タマネギ、ジャガイモ、それぞれに部会形式で栽培がおこなわれているので、そこに参加することも出来る。大豆は小糸在来種という多収できないと言われる最高においしい品種で多収している。

 この大豆で味噌を作る会も行われている。この手作り味噌はそれは美味しいものだ。私の健康の基礎になっている。もう25年は作っている。この大豆づくりは3反分で行われている。家の畑では小糸在来種で渡部農法で栽培し反収200キロ越え。全国平均は169キロ。

 7月2日に播種をした。30人くらいの人がいた。子供を入れれば40人の規模である。味噌づくりの時には100人くらい人が集まるのではないかと思う。MAGOの森で味噌づくりが行われる。これは実に楽しい集まりになる。理想の共同体が出現したような愉快な気分になる。それが小田原に通う理由である。

 渡部農法を記録すべきだと思っている。渡部農法は有機農業塾で野菜作りも行われている。ここでも高畝栽培がおこなわれている。すべてに多収であるところが特徴だ。多収の無農薬栽培である。肥料はウッドチップとソバカスとそば殻で、それほどの窒素分は入れない。炭素循環農法に近いかもしれない。

 健全に行われる有機農業は一般の農業よりも収量は多い。有機農業の人で収量が少ないことが当然のように主張する人は、自分の技術不足を反省してもらいたい。有機農業は究極の農法である。作物は満作になるから、最高の収量を記録することになる。

 不耕起栽培でもよい、自然栽培でも良い、作物を満作にする事が出来るのであれば、収量は慣行農法よりも上回るものであるはずだ。収量が地域の平均よりも下回るのであれば、何かそこには問題があるはずだ。有機農業は農薬や化学肥料を使わない結果、作物にとって良い環境になるのだから、収量は多い。当たり前のことだ。

 現在のあしがら農の会の栽培技術は、完成の領域に入ってきた。特に渡部さんの力で、水準が一段と上がった。その農業技術を記録しておく必要がある。次の時代に必ず役立つ技術だ。食糧不足になる。食品の価格は高騰する。今から自給農業で備えるべきだ。

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