あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

伊豆の湯の町 伊東を巡る(静岡)

2015-03-20 21:39:21 | JR東日本駅からハイキング
 2015年3月18日(水)
 
 春の「青春18きっぷ」で、JR伊東線の終点、伊東駅まで行き、JR東日本「駅からハ
イキング」の「あったか伊東、文化・歴史に触れる一日」コースに参加した。

 自宅を6時2分に出て、JR池袋駅7時9分発の湘南新宿ラインに乗る。戸塚で乗り継
ぎ、熱海からは伊豆急下田駅へ直行の「リゾート21」車両で、10時04分に伊東駅にて
下車する。



 駅前の伊東市観光案内所で受付を済ませてコース地図をもらい、10時15分に出発し
た。気温は20℃を超すという予想で暖かい。

 観光客向けの土産物店の並ぶ駅前通りを西に少しで、南東への細い通り「湯の花通り」
に入る。


 通りには「お湯かけ七福神めぐり」の七福神が7か所の商店前にあり、流れ出る温泉を
七福神にかけ、スタンプを押して行くと七福神ステッカーがもらえるらしい。
        

 300m近く進んで車の多めの通りを横断すると、その先は高いアーケードの通り。人
出はそう多くはないが、シャッターの下りた商店は見当たらない。
      

 スクランブル交差点のある五差路に出て、東に延びる唯一の細い通りへ。すぐ先に、昭
和初期の情緒を残す純和風木造3階建ての長い建物が残っている。

 昭和3年(1928)に創業された温泉旅館「東海館」で、その後、何回か増築を重ね
たが、平成9年(1997)に温泉旅館としての営業を終了したとか。

 2001年からは、日帰り入浴施設や常設展示室、会議室など伊東市の文化施設として
利用されており、伊東市の指定文化財である。


 隣接する木造3階の建物は「ケーズハウス」と呼び、築100年の国登録有形文化財の
建物を改装した温泉掛け流しの宿で、海外からの利用客が多いという。

 近くの橋を渡って折り返し、松川右岸に設けられた松川遊歩道を南に進む。


 対岸のケーズハウスと東海館の湯の町情緒あふれる建物が一望でき、遊歩道のヤナギが
柔らかな芽を吹き始めている。
      



 松川遊歩道は「静岡県まちなみ50選」に選定されており、「杢太郎(もくたろう)に会
える道」とも呼ばれ、上流の通学橋までの約400mには、伊東市出身の医学者で文学者
の木下杢太郎の誌や、戯曲・絵画・俳句などの作品が紹介されている。
    


 開花はまだだがソメイヨシノの並木も続き、来週末からの夜間にはぼんぼりも灯るよう
で、その準備が進められていた。対岸のがけ地に立つ桜が、かなり花開く。
    

 最初の橋を渡った先に、音無(おとなし)神社があった。

 安産の神、育児の神、縁結びの神として信仰されているようで、拝殿の長押(なげし)
に刺さるひしゃくは、それら宿願の御礼として奉納されたものとか。
      

 境内には、市指定天然記念物で高さ12mと14mのタブの巨樹が並ぶ。暖かい伊豆で
も、このような巨大なタブは珍しいという。
      

   拝殿の左手にはカシの古木もあり、タブとともにご神木である。
  

 境内には、音無神社伝承絵巻の説明板と新しい絵巻が掲示されていて、祭神・豊玉姫命
(神武天皇の祖母)の伝承のことや、鎌倉時代、伊豆に流浪の日々を送った源頼朝と領主
伊東祐親の娘八重姫とのロマンスなどが記されていた。

 次の岡橋で遊歩道を離れ、市立図書館横の道路を東進し、南側に山を背にした葛見神社
に入る。

 延長5年(927)制定の延喜式神明帳(えんぎしきしんめいちょう)に記載された古
社で、当時伊豆の東北部を葛見の庄と称し、その初代地頭工藤祐孝(伊東家次=伊東家の
祖)が社殿を造営し、守護神として伊東家の厚い守護と崇敬を受けてきたという。

 拝殿はコンクリート製、拝殿の左手奥に、目通り周囲20m、樹齢千年以上といわれ、
全国でも有数な老クスとして知られる、国天然記念物の大クスが立ち、その巨大な幹など
に圧倒される。
      

 神社の先のY字路を右に入って突き当たりには、東林寺がある。


 平安末期の伊豆国の武将、伊東祐親(すけちか)が、わが子河津三郎の菩提を弔らうた
めに仏門に入った寺とか。

 久安年間(1145~51)に久遠寺として開創され、伊東祐親の法名にちなんで東林
寺と改めたという。境内には、それらのことを記した掲示がある。

 Y字路に戻り、左の道に回って斜面を上がり、U字状に回り込む。ヘヤピンカーブ点の
辺りで、リスが道路に顔を見せた。
    

 ほぼ上がりきると、北の谷間に伊東市の中心街方面の展望が開けてきた。


     右折してすぐに、伊東祐親の墓地がある。
    
 伊東祐親は、源頼朝の挙兵に際して平家側に味方したが捕らわれの身となり、寿永元年
(1182)2月、相模三浦郡の女婿、三浦義澄の邸内で自害したとされているという。

         墓地には、皇太子浩宮殿下の御見学記念碑も立っていた。
          

 広い通りに出て左折し、東小の横を進んで歩道橋を渡る。正面のユニークな建物は、チ
ェックポイントのある伊東市役所である。



 市役所の手前は物見塚公園になっていて、伊東祐親像がある。ここは伊東家館跡と伝え
られ、園内のコブシが花を見せ始めていた。


 1階の総合案内所で、チェックポイントのスタンプを押す。8階からは市内が一望でき
るというのでエレベータで上がり、北側ロビーから伊東の中心街や伊東港などを一望する。


 8階には食堂もあった。正午近いので入り、窓際から市街を見下ろしながら最上メニュ
ーの海鮮ちらし丼(980円)で昼食をする。
    

 天井の高い1階ロビーでは、市民の手作り作品が展示されていた。 〈続く〉





アウトドア ブログランキングへ



にほんブログ村 アウトドアブログ ウォーキングへにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 写真展を見て中山道浦和宿周... | トップ | 伊豆の湯の町 伊東を巡る(静... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

JR東日本駅からハイキング」カテゴリの最新記事