あるきメデス

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JR駅からハイキングで生田緑地など登戸駅周辺を歩く(神奈川・川崎)

2019-11-04 18:31:18 | JR東日本駅からハイキング
 2019年11月1日(金)

 快晴の今日、久しぶりの市外ウオーキングは、JR東日本の駅からハイキングに出かけ
た。スタートはJR南武線の登戸(のぼりと)駅。小田急小田原線とも交差している。


 コースのタイトルは「登戸から始まる生田緑地ばら苑と自然・文化満喫コース」である。

     
 9時53分に川崎行き上り電車で着く。改札前にある「登戸行政サービスコーナー」で
受付をして、10時03分に北口から出発する。

 こ道橋を左に進んで高架の小田急線の下をくぐる。線路の西側に下りて、線路沿いを北
に少しで多摩川の右岸堤防に上がった。

 左手、上流側に小田急線の橋梁が架かり、堤防には「登戸の渡し」の標柱がある。登戸
の渡しは、津久井街道の往来などに利用され、昭和27(1952)年に廃止されたとい
う。

 堤防を東へ、すぐ先の堤外に2本の立木があり、先月の台風19号の際の流木かと思わ
れる枯木が絡みついていた。流れもまだ、渇水期よりかなり増水している。



 500mほどで、二ヶ領用水(にかりょうようすい)の取水口となる二ヶ領宿河原堰
(しゅくがわらぜき)があり、用水の橋を渡った北側には「二ヶ領せせらぎ館」が公開さ
れていた。


 ちなみに二ヶ領用水は、多摩川などを水源として川崎市多摩区から幸区まで全長約32
㎞あり、神奈川県下で最も古い人工用水路とか。

 関ヶ原の戦いの3年前に測量が始まり、14年の歳月をかけて完成した。二ヶ領用水の
名は、江戸時代の川崎領と稲毛領にまたがって流れていたことに由来している。


 二ヶ領せせらぎ館は、多摩川エコミュージアムプランの運営拠点で、多摩川の情報発信
の拠点でもあり、多摩川の歴史や生き物などを紹介している。


 館内には、魚の水槽や源流から河口までの航空写真、多摩川に住む鳥の写真などが展示
されていて、近隣の保育園児などが訪れていた。


 館を出て西へ、宿川原一丁目交差点でV字状に折り返して南東へ少し、新船島橋から二
ヶ領用水沿いの道に入る。
     
 両岸には桜並木が続き、流れ際には遊歩道もある。多摩川から引水したばかりの流れは、
10月の度重なる豪雨で濁っていた。

          
 中ほどを過ぎてJR南武線の下をくぐり、700mほどの北村橋で川を離れた。


 南に延びる通りに入り、東側に見えた常照寺は写真を撮るだけで通過する。長尾橋で右
折し、別の二ヶ領用水沿いに東西に走る都道9号・府中街道を西に向かう。

 大谷戸交差点の先に「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」があり、専用バスで来た
人たちが入館しようとしていた。なお、入館には予約が必要だという。


 すぐ先が、生田(いくた)緑地「ばら苑」の入口。この秋の開苑は10月17日~11
月10日まで。入園料は無料である。

 南側の生田緑地に向かって車道を緩やかに上がる。最後は木の急階段を上がり、ばら園
の北東端から入園した。
     

 春には約533種4700株が、秋には約440種4000株が咲き、開花時期に合わ
せて年2回公開されるよう。
   


 周囲を豊富な木々に囲まれた気持ち良い環境の中、たくさんのバラが咲き競っていた。


    





     






 花を眺めながら主に東側の苑路を巡り、20分近く過ごして西南側出口からばら苑を抜
けた。

     
 生田緑地の樹林の中を西に進み、少しだけ住宅地を抜けて車道に出た。北に向かって下
り、ビジターセンターのそばから生田緑地枡形山展望台に向かう歩道へ。

 豊富な樹林下を少しずつ高度を上げて行くと、枡形門の向こうに広々とした山頂広場が
現れた。


 ここは多摩丘陵の緑に囲まれた小高い山で、四角い形なので枡形山と呼ばれ、四方を削
り取られたような斜面は、まるで天然の要害のようだという。

 ここには枡形城という鎌倉時代の山城があり、鎌倉防衛の重要な拠点だったよう。この
一帯を支配していた稲毛三郎重成(いなげさぶろうしげなり)の居城で、室町幕府から戦
国時代にかけて、さまざまな武将と関わりある城と伝えられているようだ。


 広場の北側には立派な展望台があり、階段かエレベーターで最上部の2階まで上がると、
「富士山や丹沢、秩父から筑波山方面まで一望できる」と記されていた。
     
 だが今日は、快晴ながら気温が上がってガスで遠望は利かず、南方に横浜みなとみらい
の高層ビル群、東に二子玉川駅周辺や都心のビル群、北に多摩川沿いの住宅地などが望ま
れるのみ。





 パノラマ写真で見比べてみたら、西側の建物の上に、わずかに上部だけを見せる冠雪し
た富士山だけは確認できた。

                
 展望台を下った広場の中央に、「枡形山山頂 海抜八十四米」の標石があり、川崎市に
このような標高の山があるとはと再認識した。

 ビジターセンター入口付近まで戻り、少し西進して「川崎市立日本民家園」の正面入口
へ。

 日本民家園は、江戸時代の東日本の古民家を中心に水車小屋、農村歌舞伎舞台など国や
県の重要文化財を含む25の文化財建造物を展示する野外博物館。

 民家園の東南端にある正門は、大きな民家の本館建物から入館する(一般500円、
65歳以上300円)。


 本館内には展示室があり、常設展示室では古民家の基本的知識のパネルや模型などを、
企画展示室では「おこさまとのくらし -岡上の養蚕信仰-」と呼ぶ展示をしていた。
     



 本館を裏手に抜け、左手に上がると最初にあるのが原家。川崎市中原区に大正2(1913)
年に竣工したといわれるもので、建築に22年を費やしたという豪壮な住宅。



 この先の建物を含め、ほとんどの民家は1階は入って観覧できるようになっていた。



 その先の4棟は「宿場の建物」で、奥州街道の馬宿、奈良の商家、名古屋市東区にあっ
た武家屋敷の門、伊那市の薬屋を営んでいた板葺き屋根の家が続いていた。


     


 建物をつなぐ路傍には、五輪塔や道祖神、庚申塔、馬頭観音など江戸時代の石塔も配置
されている。


 少しずつ斜面を上がり、次の一角は「信越の村」。ここには、長野市郊外にあった水車
小屋、千曲川沿いの名主の住宅、越中五箇山の合掌造り3棟や、飛騨白川郷の合掌造りが
続いている。





 民家園の中ほど、上部を横切る車道の下をトンネルで抜けると「関東の村」。最初の千
葉県九十九里町の網元の家のそばに休憩所があり、13時を過ぎたのでベンチで昼食を済
ませた。






 その先は、関東ではないが鹿児島県沖永良部島(おきのえらぶじま)の高倉(たかぐら)
があり、さらに山梨県甲州市の甲州民家、茨城県笠間市の分棟型民家が続く。

 右にカーブしてさらに高みに進み、「神奈川の村」へ。

 秦野市にあった貞享4(1687)年の墨書が残る民家、かやぶき屋根の棟に草のつい
た地元登戸の民家などが配置され、その中に山形県鶴岡市の独特の妻入りと呼ぶ高窓のあ
る民家が目を引く。




 そばの園路の分岐点には、川崎市多摩区の多摩川の渡船場にあった小ぶりの船頭小屋が
立っていた。


 東側には東北、馬と暮らした岩手県南部領の曲屋(まがりや)が配置され、近くに奥門
がある。


 さらに高みへ、民家園誕生のきっかけになったという川崎市麻生区の農家、養蚕信仰を
今に伝える同じ麻生区の蚕影山祠堂(こかげさんしどう)。県内清川村の山間の住宅があ
る。
     

 最奥の西北端まで進み、三重県志摩市の漁村に残されていた本格的な歌舞伎舞台の前に
出る。

 その前には観覧用の椅子席が並び、舞台回りでは3日後の11月4日の「民家園まつり」
に上演のため準備が進められていた。

 観客席の背後の木橋を渡ると西門のある伝統工芸館で、館内には藍染め体験のできる設
備がある。


 同じ園路を途中まで戻り、14時24分に奥門から出た。


 国内には、東京小金井市の「江戸東京たてもの園」や愛知県犬山市の「博物館 明治村」
など古い建物を保存公開する施設は幾つかあるが、人々の暮らしに密着した民家だけの施
設は貴重で、東日本の建物に限られてはいるが、なかなか見応えのある施設だった。



     
 少し下ると木々に囲まれた奥の池があり、さらに進んで中央広場と呼ぶ芝生広場に入る。
     


 西側には上野~青森間特急のブルートレイン車輌だったスハ42型2042号客車が、
東側には北陸本線や山陽本線、山手線などで主に貨物輸送に使われD51型1408号機
が展示されていた。


 広場の東側にあった「かわさき宙(そら)と緑の科学館」に入る(入館無料)。



 川崎市の自然を「台地」「丘陵」「多摩川」「生田緑地」などのテーマでの展示があり、
プラネタリウムや望遠鏡もあるようだが、1階の生物などの展示を一巡するのみとした。





 さらに東北に緩やかに下り、日本民家園正面入口前を通過する。緑地の東口に戻り、
「生田緑地東口ビジターセンター」にも入ったが、民家園など4つの展示施設を紹介する
小コーナーを見て退館した。


     
 生田緑地交差点を北進して府中街道を横断する。次のY字路で小田急線向ヶ丘遊園地駅
への道を左に分ける。


 間もなく小田急線の線路沿いに出て、ゴールのJR登戸駅には15時19分に着いた。

 名前は知っていたが、生田緑地は変化に富んだ地形の中に豊富な緑が残り、今日訪ねた
施設のほかに「川崎市 岡本太郎美術館」などもあり、ここが川崎市内とは思われぬ自然
環境に恵まれたところ。この一角だけを1日かけてゆっくり巡るのも良いかもしれない。

(天気 快晴、距離 8㎞、地図 駅からハイキング地図、歩行地 川崎市多摩区、歩数
 18,100)


 なお、川崎市立 日本民家園の詳細については、こちらのサイトをご参照下さい。





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2 コメント

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古民家 (H.T)
2019-11-05 08:20:26
古民家の写真美しいです。
訪れてみたいと心に響きました。
返信する
ほとんどがかやぶき屋根 (saikoroat)
2019-11-05 15:03:31
民家園の建物はほとんどがか懐かしいかやぶき屋根で、1階の土間に入って
囲炉裏や土のかまど、農具などもそばで見ることができます。
甲州市塩山から移築した大きな切妻屋根の民家もあります。
H.Tさんも、機会を作って訪ねてみられてはいかがでしょうか。
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