あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

秩父札所巡り⑦ 34番札所水潜寺に結願(埼玉)

2014-11-17 18:28:19 | ウオーキング
 2014年11月14日(金)

 前回から1日空けて、秩父札所巡りの最終回に出かけた。

 西武秩父駅8時30分発のバスに乗り、一昨日は暗くなって着いた小鹿野町の松井田
バス停に9時5分に下りる。今朝は冷え込んだが快晴で風も無く、結願(けちがん)
(札所巡礼をすべて終える)の日にふさわしい巡礼日和である。

     
 国道299号を西へ、赤平川の赤平橋を渡り、500mほど先の泉田集落の交差点で
国道に分かれて北に向かう。

 二十二夜堂のそばの柿畑から、秩父のシンボル、武甲山(1,304m)の北面が望ま
れる。


 奈倉集落の東側の山並みが色づきはじめ、民家の広葉樹の彩りもよい。


 小さい社殿の妙見宮の横を通過して、再度赤平川の奈倉橋を渡る。


 小坂下集落の畑では、秩父の特産シャクシナを収穫していた。


 次の桜井集落に、33番札所菊水寺がある。本尊の聖観世音菩薩立像は平安時代末の
もので、埼玉県文化財彫刻部門の指定第1号だという。


 本堂の格天井には、古い千社札(せんじゃふだ)がたくさん貼られていた。境内には、
芭蕉句碑や新しい歌碑がある。
    


 さらに向かう北方には、緩やかな山並みが長く東西に延びている。取方(とりかた)
集落に、「星音の湯(せいねのゆ)」と呼ぶ日帰り温泉施設が出来ていた。


 取方交差点を左折して吉田川右岸沿いに回り込み、次の橋を渡り北に向かって緩やか
に上がる。

 西から南への展望が開け、日本百名山の↑両神山(1,723m)や、奥秩父の稜線が
くっきりと望まれ、周辺の木々は晩秋の彩り。


 新志(あたらし)集落の清泉寺には、山門を入ったところで本堂に参拝するのみに留
める。



 すぐ先の県道との交差点際にあった「道の駅龍勢会館」に立ち寄り、地元産品の直売
場で少しの買い物をした。


    

 上郷から元郷へと進み、木製鳥居の神社の前を過ぎる。山ろくにある社殿は小さめだ
った。


 県道37号に合し、お堂としては珍しい、平石(ひらなめ)馬頭尊堂下まで進む。

 弘化4年(1847)の竣工で、お堂の周囲や正面の向拝(こうはい)を飾る精巧な
彫刻は、当時の熊谷の腕利きの彫刻師の作らしい。やはり歩いて34番水潜寺(すいせ
んじ)に向かうという、ご夫婦と単独行の男性が休憩していた

 お堂の横を左折し、南西に向かう車道は緩やかな上り道。路傍に古い百万遍供養塔な
ど、3体の石仏が並んでいた。

 1車線の車道はその先の藤芝集落でV字状に折り返すのだが、供養塔の先から右へ、
ショートカットする巡礼道の表示があったので、小さい流れの橋を越えてその斜面を上
がることにする。


 新しい双体道祖神の前を通過し、巡礼道はジグザグに上がる。笠を被った石塔の先で、
ショートカットした車線に戻った。
        


 車道を下って最後の小集落、母沢(たのぶさわ)に入った。家並みの尽きる辺りま
で上がると、34番水潜寺への巡礼道の標柱が立っている。

 札立峠(ふだたてとうげ)までは標高差約170mの上り。小休止して持参のパンを
食べ、水分補給をする。

        
 明るい広葉樹林の中の上りが続くので、息の上がらぬ程度のペースでゆっくりと進む。
    

 一か所だけ樹林が切れて、奥秩父の山並みの展望が開けた。


     
 峠の近くは杉林が増え、細い流れの水場を過ぎる。ほどなく巡礼道最後のピーク、標
高約550mの札立峠に、予想より早い12時25分に上がることが出来た。
        

 峠からの展望はない。東に延びる破風山(626.5m)への稜線に少し上がり、目
の上の紅葉を眺めながら昼食にした。
     

 25分で昼食を終え、北に伸びる水潜寺への下りにかかる。少し下って、昼食中に破
風山から下りてきたハイキンググループがゆっくり下るのを追い越し、さらに別の小グ
ループも抜く。
     

 夏の大雨で崩落したのか、たくさんの杉の倒木の横を通過する。


 小さい流れ沿いとなり、渡渉したりしてさらに下ると、眼下に水潜寺の屋根が見下ろ
せ、新しいお地蔵さんがねぎらってくれていた。
        

 秩父三十四霊場、日本百観音霊場(西国、坂東、秩父)の結願寺である水潜寺に、
13時24分に着いた。


 3月12日(水)に秩父鉄道和銅黒谷駅をスタートして、1番札所から始めてから延
べ7日間の秩父札所巡りも、無事歩き終えて結願の日を迎えることが出来た。

 観音堂に上がり、室町時代の作と伝わるご本尊の千手観音に御礼の参拝をして、納経
所で御朱印をいただく。観音堂の傍らに流れ落ちる「水くぐりの長命水」でのどを潤し、
そばの「水かけ地蔵」に3杯の水をかけて、もう少し元気でいられるようあわせて祈る。
        

 北向き斜面で陽の差さぬ境内の一隅に、冬桜が開花し始めていた。13時37分に寺
を後にする。


 北に少し下ると日野沢川沿いの車道に出た。バス停そばの数本のモミジがよい彩り。
沢沿いの車道を東に向かう。


 廃校になった校舎らしい建物↑のある若浜集落から、日野集落へと進む。集落の東端付
近に、日帰り温泉「満願の湯」がある。12年前の巡礼結願の時には立ち寄ったのだが、
今回は通過する。


 日野沢川の流れに合わせてS字状に回る車道の途中に、大きな馬頭観世音碑が立って
いた。

 幕末の頃、ここ下日野沢村には百頭以上の馬が飼われ、人馬の往復が盛んだったとい
う。しかし当時は道路が悪く、がけから転落して犠牲になる馬も多く、その霊をいたわ
り建てたものらしい。
     
 この馬の字の点は、三つしか無い珍しい文字。馬が働いているときは足の1本は必ず
浮いていることから、生き馬の安全を祈り三つの点にしたのだという。

 Sカーブが終わり、T字路で県道44号に合して根古屋橋を渡る。柴岡集落を通過し
て琴平下集落に入り、右からの車道と合するところにあった国神(くにがみ)神社で、
最後の小休止とする。

 社殿の両脇に立つイチョウの古木がよい彩り。
        

 右からの県道37号を少し進むと、「くりやぜ園」と呼ぶぶどう園がある。駐車場か
らは東から南の展望が広がり、荒川の向こうに穏やかな山容の美の山↓が、その右手に
は逆光の武甲山が望まれる。


                   武甲山   

 荒川を渡る車道の栗谷瀬橋の、上流に平行する歩行者専用橋を渡る。橋の周辺からも、
荒川の流れや周辺の秋色の展望がよい。


 この辺り、皆野町は秩父音頭発祥の地。マンホールのふたのデザインも秩父音頭にな
っていた。
     

 皆野中の南側の間道を進み、秩父鉄道親鼻駅に15時21分に無事到着し、春からの
7日間の秩父札所巡礼、距離にして約107㎞をすべて歩き終えた。


(天気 快晴後晴、距離 17㎞、地図(1/2.5万) 皆野、歩行地 小鹿野町、
 皆野町、歩数 30,800、累積標高差 上り約600m、下り約660m)【完】


 帰宅後、32番法性寺で入手してきた「甲牛歳総開帳記念散華(さんげ)」用の台
紙に、それぞれの札所で納経印と一緒にいただいてきた散華34枚を貼る。
     
      2度目の秩父札所総開帳を巡ったよい記念品となった。 




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