あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

向井潤吉アトリエ館と世田谷文学館へ(東京・世田谷)

2008-07-17 23:17:58 | Weblog
 今日も蒸し暑い1日でしたが、東京・世田谷区で開催中の、
2つの展覧会を観覧に出かけました。

 最初は、東急田園都市線駒沢大学駅近くの、世田谷美術
館分館のひとつ「向井潤吉アトリエ館」。


 現在は、「武蔵野ふたつの憧憬 向井潤吉/諸岡宏次」と
いう展覧会を開催中です。


 関東平野の一角をなす武蔵野、その多様な地形から生まれ
る四季折々の姿に、古くから人々は魅了されてきました。

 この展覧会では、武蔵野に魅せられた画家・向井潤吉と、
写真家・諸岡宏次(もろおかこうじ)の2人が、昭和10年代か
ら戦後の復興期、さらに開発の激化する昭和60年代にかけ
て、武蔵野をモチーフとした絵画と写真を紹介しています。


 向井潤吉アトリエ館は、長年民家を描き続けてきた洋画家・
向井潤吉が、自身のアトリエを兼ねた自宅を、美術館として
改装のうえ、作品660点とともに世田谷区に寄贈されたもの
です。


 お住まいだった頃の雰囲気をそのまま残す館内に入り、お
二人の作品を観覧しました。

 向井潤吉の作品は、私の育った埼玉県中部の農村風景が
多く、最近では、カントリーウオークで訪ねたところなどもあり、
懐かしいかやぶき屋根の民家が、たくさん描かれています。

 諸岡宏次というと、私は1960年代から80年代にかけて、
趣味として8ミリ映画づくりに没頭したのですが、その頃の
8ミリ映画雑誌やコンテストなどで、よく見聞した方でした。

 諸岡さんの、ほのぼのとした8ミリ映画は見たことがありま
したが、写真の方は今回が初めて。やはり、武蔵野の人と
自然を撮った懐かしい写真ばかりでした。


 アトリエ館の庭は、豊富な広葉樹に囲まれ、このあたりでは
見られなくなった、武蔵野の住まいを感じさせる一角です。


 向井潤吉アトリエ館を出て、鶴巻通りから千歳通りを抜け、
京王線芦花公園(ろかこうえん)駅に近い、世田谷文学館
を訪ねました。

 建物は、ガラス張りの近代的な造り。


 ここでの企画展、「没後5年 宮脇俊三と鉄道紀行展」の観覧
が、今日のもう一つの目的です。


 入館券は、JRの切符をかたどったもの。


 鉄道紀行文の第一人者、宮脇俊三の業績を回顧する、初
の展覧会とのこと。

 宮脇俊三が作家活動を開始したのは51歳で、長く勤めた
中央公論社を辞してからで、有能な編集者として培った厳し
い目は、感傷に流されない緻密な紀行文へと結実しました。

 国鉄全線を乗りつくした旅を記録した「時刻表2万キロ」や、
国鉄線の最長片道ルートに挑んだ「最長片道切符の旅」、海
外の鉄道紀行や廃線跡をめぐる旅など、数々の鉄道紀行書
やその原稿、取材ノート、自筆の路線図、切符などが盛りだ
くさんに展示されていました。

 また、執筆を勧めたベストセラー「どくとるマンボウ航海記」
の北杜夫氏との交流や、やはりベストセラーとなった日本の
歴史シリーズなど、中央公論社時代の数々の業績も分かる
ようになっています。

 私が持っているのは、「鉄道廃線跡を歩く」シリーズの全
10冊だけですが、宮脇さんの鉄道紀行文は、これを機会に
ぜひ、読んでみたいものです。



 文学館の庭も、狭いながら池と緑に恵まれ、気持ちよい空
間となっていました。

 二つの展覧会の会期などは以下のとおりです。

 世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館
 「武蔵野ふたつの憧憬 向井潤吉/諸岡宏次」展
  7月27日(日)まで
  開館時刻 10時~18時(入館は17時30分まで)
  休館日 7月22日
  観覧料 一般 200円、高校・大学生 150円、
      小・中学生・65歳以上・障害者の方 100円
  交通 東急田園都市線 駒澤大学駅下車 西口徒歩10分
  http://www.mukaijunkichi-annex.jp/main_j/index.htm

 世田谷文学館 「没後5年 宮脇俊三と鉄道紀行展」
  9月15日(月・祝)まで
  開館時刻 10時~18時(入館は17時30分まで)
  休館日 毎週月曜日(ただし7月21日は開館、翌22日
      休館)
  観覧料 一般 500円、高校・大学生 300円、
      小・中学生 200円、65歳以上・障害者 250円
  交通 京王線 芦花公園駅下車 徒歩5分
  http://www.setabun.or.jp/index.php

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