goo blog サービス終了のお知らせ 

あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ある記(前編)・高知その2

2006-09-18 22:16:19 | 初めての四国遍路
 敬老の日の今日は、連れ合いと東京・吉祥寺に出かけ、娘2人から
2日遅れの誕生祝いにと昼食をごちそうになりました。その上、旅行
券までプレゼントしてもらい、嬉しい1日でした。

 四国遍路記は、最長距離の土佐・高知に入っての2日目です。


 第9日 2004年2月28日(土) 晴 <24番最御崎寺>
 =はるかなる室戸岬へ=
 
 5時50分起床、6時20分過ぎからの朝食はカートの遍路さん
(奈良県)と一緒。7時に出発した。

 野根大橋を渡り国道55号に出る。海の向こうに上がったばかり
の太陽が輝く。風がやや冷たい。たくさんのカモメの群が波間に
浮かんでいる。


 伏越岬の先は、海岸側路面の土砂崩壊で片側通行。御水橋の先
に「ゴロゴロ休憩舎」があった。

 ゴロゴロとは石だらけのこの辺の海岸のことで、国道が出来る前
の遍路は、このゴロゴロ石を歩いたという。

 見下ろすととても歩きにくい岩ばかりで、その苦労が忍ばれる。

 この辺り、「室戸岬まで単調な風景が続く」とガイドブックや遍路の
紀行文に書いている人が多いが、先方に4つの岬が見え、一つの
岬を回ると風景が変わるので、私は飽きることはなかった。

 山側でガサガサする。見ると猿がいた。土砂崩れ防止用の網の
上に上がったので、カメラを構えたら逃げてしまった。

 8時過ぎ、暖かくなったので1枚脱ぐ。カートの遍路が先行するの
が見えた。海には定置網のブイが円弧を描いて浮いている。

 魚寄せ地蔵のところに法界上人像入り口の標識があったが寄らず
に通過。道ばたのコンクリートのすき間にスミレが咲いていた。近くに、
車にひかれたらしいタヌキの死骸があった。

 安芸から甲浦へのバスと行き違ったが乗客はいない。野根大橋から
室戸市境の水尻谷まで7km余り家が無く、境界の東側に1戸だけあり
(下の写真)、その先もまた無い。みずみずしいアシタバが自生している。


 地蔵ヶ鼻を回ると佐喜浜の町並みが見えてきた。白花のナズナが
咲いている。入木の番外霊場・佛海庵まで家はなかった。

 佛海庵のある旧道の家並みに入ると、ポンカンとビワの木が多い。
佛海庵は空海上人が没した地。庵の周辺はクスノキなどの常緑樹が
豊かに繁っていた。


 再び国道55号に出ると、コジュケイがにぎやかに鳴く。右膝痛が
また気になり階段下りが痛いので、階段はなるべく避ける。

 佐喜浜の町並みに入り、コンビニ、モンマートで弁当と牛乳を購入、
その先1km余りは旧道の狭い家並みを抜ける。
 
 国道に戻ると、今まで見えていた島影が一つも見えなくなった。
小さい海水浴場の先、民宿徳増の横に、簡単な「お遍路さん休憩所」
があったので休ませてもらった。


 行く手に、4つの巨大な岩が現れた。

 防波堤沿いに進むと、逆打ちの女性遍路が来た。近づくと、巨大な
岩は夫婦岩で、海側の2つにしめ縄が張ってあった。

 そばに駐車場があり、車で来た人が話しかけてきた。一人は埼玉県
吉川市の人で、車も春日部ナンバー。歩き遍路のことをいろいろ聞か
れ、「自分も仕事を辞めたら歩いてみたい」と言われた。

 鹿岡第3バス停付近で正午のチャイムが鳴る。この辺の家は、海か
らの強風よけのためか、石垣やレンガを軒下近くまで積んである。

 2基だけの墓地の後ろで風を避けて昼食。そばに大きなアシタバが
茂っていた。


 清水で狭い家並みの続く旧道へ。校庭が芝生に覆われている椎名
小を過ぎ、国道に戻ると、「椎名の捕鯨山史跡」がある。

 寛永初年(1624)から明治末期まで行われた土佐式捕鯨発祥の地
だとの説明が記されていた。確かにこの背後の山上からは、かなり
先まで海上の展望が利きそうだ。

 その先もまた旧道を進み、椎名橋を渡って国道へ。眼下の岩の上に
釣り人が3人見える。いよいよ室戸岬の先端が現れた。岬の山上には
アンテナが数本立っているのが見える。

 世界で4つ目という高知県海洋深層水研究所前を通過。海中300m
以下から深層水をくみ上げているという。

 高知市方面への県道の三差路を過ぎ、三津漁港横を抜ける。室戸岬
の上に風力発電のアンテナも見えてきた。

 小休止していたら、野宿らしい大荷物の若い男性遍路3人が追い抜い
ていった。

 高岡漁港や白い大きな室戸青年大師像、ビシャコ岩という大岩など
の横を通過、海に面した高い断がいの下に鳥居があり、奥が洞窟に
なっている。

 御蔵洞(みくらど)といい、空海が19歳の時にここに籠もり、悟りを得
た場所だという。500mほどで、24番最御崎寺(ほつみさきじ)への
上り道にかかる。

 下側はコンクリートの階段、上は石段が続く。膝痛を我慢して上り、
常緑樹に囲まれた広い境内に入る。

 納経所はユースホステルにもなっている奥のへんろセンター、バスの
団体宿泊客がいた。

 下りは、折り畳み杖で膝をかばって下りる。岬の方へ回り、16時25分、
民宿室戸荘に入った。

 間もなく入浴の案内、最御崎寺への上りで大汗をかいたので、入浴の
間に洗濯もする。夕食は18時から。缶ビールを飲むとよい気分になり、
今日のデータ整理や明日以降の計画をする気がなくなるので、明日から
は禁酒としよう。
 
 久しぶりに自宅にメールをと思い入力したが、iモード圏外の表示が出て
送れず。明日は午前中雨で、風が強まるという予報。右足の痛みととも
に気がかりだ。

〈コースタイム〉まるたや旅館7:00ー大谷7:58ー室戸市境8:44ー地蔵ヶ
鼻8:50~55ー佛海庵9:20~25ー佐喜浜中9:57ーコンビニモンマート
10:09~15ー尾崎橋10:57ー夫婦岩11:32~46ー鹿岡第三BS12:00ー鹿岡
の墓地(昼食)12:15~48ー県道202号分岐13:54ー三高小14:12ー大谷
14:27~31ー大師修行地・御厨人窟15:05~07ー最御崎寺上り口15:15ー
24番最御崎寺15:36~16:01ー室戸荘16:25

(距離 33km、歩行地 東洋町、室戸市、歩数 54,800)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする