あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ある記(前編)・高知その6

2006-09-25 22:41:30 | 初めての四国遍路
 今朝、埼玉県川口市の市道で、保育園児の列に自動車が突っ
込み、園児2人が死亡するという痛ましい事故がありました。

 夕刊を見て、地図で確かめてみたら、なんと、昨日のブログで
報告した、川口・見沼ツーデーマーチのスタート・ゴール会場、
中台公園の、すぐ東側が事故現場でした。

 昨日のゴール直前には、この小鳩保育園の前を通過したのです。
園児の幼児たちは、中台公園への散歩に向かう途中だったようで、
本当にお気の毒でした。

 今日は、3日ぶりの四国遍路道ある記です。


 第13日 2004年3月3日(水) 曇時々晴
              <29番国分寺~31番竹林寺>
 =高知市内に入る=
 
 6時から朝食ができるとのことで、5時30分に起床し一番で食べる。
江東区の男性と、夕べ後着したらしい東京、千葉の若い女性遍路
3人も早目に来た。

 6時50分に出発。先発した江東区の遍路氏に追いつき、野市町
役場への分岐で分かれる。

 本来のコースは大日寺下を経て次の国分寺へ向かうのだが、大日
寺は昨日参詣済みなので、地形図を見て、御免町を回る方が近いと
分かり、ショートカットすることにしたのである。

 今朝は真冬並みの気温のようで、北風が冷たくて菅笠があおられ
る。西に向かう県道364号、中町付近で、白い漆喰壁に何段も瓦を
張り付けた家が、幾つもあるのに気づいた。

 この地方独特の造りのようだ。この瓦が水切り瓦といい、豪雨から
漆喰壁を守るための工夫だということは、あとで知った。

 物部川橋も一段と風が強い。この道は路側帯が狭い上、朝のラッ
シュ時で車が多く、歩きにくい。

 下野田で南北に走る広域農道に入り、すぐ先で田んぼの中の農道
に左折、やっと車から解放された。

 下野田の八幡神社に野田城跡の標識がある。この通りにも白壁に
瓦を張った家が何軒かあった。

 御免野田小の横を土佐電鉄の高架沿いに入る。行き違った奥さん
から「ジュースでも買って」と500円のご接待を頂いた。

 JR御免(ごめん)駅の東で土佐電鉄阿佐線と国道195号を越え、
県道45号を北に向かう。下末松の交差点に「へんろまんじゅう」の
店があった。5つ350円とあり、買おうかと思ったがやめた。

 上甘枝には巨峰園というブドウ園など、幾つかのブドウ園がある。
国分川を渡って西に進み、土塀に囲まれた29番国分寺に着いた。

 白木の仁王門をくぐる。スギやヒノキに囲まれた境内は静かなたた
ずまい。本堂は趣あるこけら葺き、大師堂の横に着飾ったお地蔵さん
がたくさん並ぶ。本堂前の小さいしだれ桜が見頃である。


 西南に向かい、国分川北側の田んぼを抜ける土の道を進む。岡豊
町の山すそは黄スイセンが花盛り。この辺り、野趣あふれる道が続く。


 河川工事中の高知医大前を通過、山崎川を渡って山すそを進む。
蒲原のショッピングセンターで弁当を買い、構内の蒲原簡易局で現金
を下ろす。ATMは無いが、窓口で扱ってくれた。

 南西の台地上に高知刑務所の高い塀を見ながら進むと、へんろ
小屋5号蒲原があり、上にある工場のがけから水が流れ出ていた。


 県道384号に出て、逢坂峠に向かって上がる。峠が後免町と高知
市の境、いよいよ高知市内だ。峠からの下りは、一宮墓地公園横から
急坂のへんろ道を下った。

 住宅地を抜けると、土佐一宮の前に出た。30番善楽寺は神社の
東側にあり、樹木が少なく解放的な庭や本堂はいずれも新しい。


 寺を出てから土佐一宮の土佐神社に参拝。本殿は檜皮葺である。

 本殿西側の冬桜が咲き出していた。落ち着いたたたずまいは一宮
にふさわしい。

 朱塗りの鐘楼は国宝で、慶安2年(1649)土佐2代藩主山内忠義が
建立したという。


 神社を出て参道を南に進む。土佐一宮(とさいっく)駅近くにセイムス
(薬店)があったので膝痛の貼り薬を購入。やはり薬剤師さんから、
「休めばよくなる」と言われた。

 国分川の南に出て、閉まっていた小さい倉庫の前を借りてシートを
敷き、昼食をさせてもらう。


 土佐女子短大や土佐電鉄の走る国道195号を越え、国道32号沿い
にあるビジネスホテル空港に13時24分に着いた。

 荷物を預けて竹林寺へ向かう。すぐ西側の高岡書店の横から田ん
ぼの中の細道を南進し、竹林寺のある五台山の北麓、大谷に入る。

 酒屋さんの角を入ってへんろ道へ。簡易舗装の石段を上がると、ご
夫妻で手入れ中のブドウ畑になる。フキノトウがたくさん伸びていた。
ゆるい坂を上ると北側の展望が開ける。

 ミニ八十八か所の石仏群の間からトサミズキの咲く坂を上がって
いったら、牧野植物園の入口に出た。どうやら途中でへんろ道を見
失ったようだ。

 でも、すぐ先が31番竹林寺の山門。幅広い石段とこけむす庭を
上がって参拝する。ここも木が多く、しっとりとしたたたずまい。

 新しい大きな五重塔がある。


 上ってきたへんろ道を戻れば近いが、膝痛が続くので車道をぐるっと
回り、弘化台と呼ぶ幅広い川の青柳橋のそばに下る。

 絶海池という流れと五台山北側に沿った集落沿いに進み、来たとき
の上り口を経て、15時50分、ビジネスホテル空港に戻った。

 チェックイン後すぐに洗濯、夕食の調達に出ようとしたら東京、千葉
の3人娘も着いた。夕食などは近くのスーパーで仕入れる。

 今日は短距離にするつもりだったが、竹林寺の帰りで結構距離を
稼ぎ、足がだるい。夕食後に入浴して疲れをとる。右膝痛はきのう
よりはよい。

 ちょうど予定の半分の日数を歩いたので、明日は休養日とし、距離
もいつもの半分くらいのところの宿を予約した。

〈コースタイム〉旅館かとり6:50ー物部川橋7:40ー29番国分寺9:08~
35ー高知医大前10:15ーショッピングセンターなかざわ10:30~40ー
へんろ小屋5号蒲原10:50ー高知市境11:05ー30番善楽寺11:25~42
ー土佐一宮11:43~54ー田島(昼食)12:37~13:00ービジネスホテル
空港13:24~28ー31番竹林寺14:12~40ー青柳橋15:14ービジネス
ホテル空港15:50

(距離 30km、歩行地 野市町、南国市、高知市、歩数 49,200)
 

 
コメント (2)
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