魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

智恵社会

2011年09月05日 | 日記・エッセイ・コラム

台風12号の大雨で、紀伊半島では堤防の想定水位を超えて氾濫し、堤防も破壊された。すべて想定外の事態が重なり、大きな被害を出している。
東日本大震災では巨大な防潮堤が尽く破られ、「想定外」が規定語になった。

文明始まって以来続けられてきた治水の努力は、今後とも重要だが、現代人、特に日本人は驕ってしまっていたのではなかろうか。

人間が自然に打ち勝てる。あるいは原子力のような超自然をコントロールできる。そんな不遜に、天が警告し続けているような気がする。

東洋の哲学は、自然との調和だ。日本は、その東洋の調和を最も上手く成し遂げていたように思うのだが、西洋かぶれで、いつの間にかその心を失っていた。

これからは、もう一度、自然との調和を再生しなければならない。
自然エネルギーは言うに及ばず、防災に対する姿勢も、「克服よりも共存」を第一に考えるべきだろう。

もちろん、科学から離れて原始人に戻ろうというのではない。
科学もさることながら、智恵で生きることを最も大切にしたい。
災害のメカニズムや防御対策より、如何に「逃れる」かの方が先だ。

津波については今、色々に見直しが始められているが、台風や火山のように、ある程度早めに予測できる災害については、建築に耐震基準があるように、高度な避難原則や避難対策を考えておけるはずだ。
また、たとえ先祖伝来であっても、危険地域には、新築許可は出すべきではないだろう。

命と生活が失われてから悔やむより、生活を変える方が賢明であることを、東日本大震災は教えてくれた。


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