魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

上品国(1)

2011年03月01日 | 新鎖国論

今回の中東革命の原因にもなった、世界的な若者の失業は、中国の低賃金の大量労働力が世界の雇用を奪ったからだと言われている。

それは全くその通りだと思うが、もっと着目すべき、根本問題は
産業革命パラダイムの末期症状ということだ。

過去300年。大量工業生産品を売りつける消費地が有った時は良かったが、資源国で大量生産が始まった時から、権利ルールという新資源が加わり、チェーン店舗展開の矛盾が始まった。

ルールとは、国際法や知的所有権であり、チェーン展開の矛盾とは、世界中が一つのチェーン店に統一された時のことを想像すれば解る。
共産主義や独占とは違う観点でみても、バランスを欠いた生産消費の問題が起こるだろう。

産革パラダイムの流れは
1.(欧州)工業生産品を資源国に売る。
2.(米国)資源国が自国の資源で生産して先進国に売る。
3.(日本)資源国から資源を取り寄せ、加工生産して先進国に売る。

米・日までの発展段階は、工業生産国の人口が、資源国の資源生産人口によってまかなわれ(支えられ)ていたが、資源国の大人口がいきなり工業生産人口に転換することで、工業生産人口が飽和状態になり、同時に、資源生産人口が枯渇する。

米・日方式で活性化した新興国が、先進国として新消費国となれば、さらなる世界発展が進むように言われているが、冷静に考えればそんなことはないと、すぐ解るはずだ。

先進国と新興国だけになり、資源生産国が無くなれば、ガス欠のエンジンだ。最も重要な資源は食料だが、日本方式は食糧資源を捨てて工業化した。日本に習った中国も韓国も、農業人口が減少し、食料の国外依存を前提にしようとしている。

つまり、世界中がグローバル化と称して、同一方式のチェーン店になれば、生産過程の何か一つ狂えば、全滅することになる。
何よりも大きなカギは食料だ。

例えば今、日本全国のコンビニも行き詰まり、独自性に活路を見いだそうとしている。あらゆる業種のチェーン展開は必ず行き詰まる。
「極まれば転ずる」それが自然のバランスというものだ。

現在、世界に起こっている混乱は
産革パラダイムの大量生産、大量消費のワンパターン、チェーン店が、行き詰まりを迎えていることを告げている。

一斉倒産に巻き込まれる前に、チェーン店から離脱して、
独自商品による独自店舗、ご用聞きや会員販売のような独自商法、昔ながらの自己完結型の生計を確保すべきだ。
少子化を恐れるのも、工業生産を前提とするからだ。
派手な工業生産から外れて、「負け組」と思われようと恐れることはない。

新鎖国主義とは、小人口、高機能、ハイクオリティー、高価値の、
上品国になることだ。

生き残る」、「三題噺


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