魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

赤はだか

2015年06月09日 | 日記・エッセイ・コラム

年金個人情報漏洩で、国民が不安になっている。マイナンバーも延期すべきの声が大勢だ。
年金機構の「ズサン」は、今に始まったことではないが、情報は必ず漏れるものであることを、証明して見せてくれたのは、大手柄だ。

個人情報保護法は、できた時から、「言い訳」法であり、何の意味も無い、むしろ、漏洩保護法と言っても過言ではないくらいだ。
「悪いようにはしません」・・・こんな法律に何の意味があるのだろう。

不特定多数の情報を商品にしようとしたJRに、「気分が悪い」と大反対が起こったが、ここで怒った人は、あまりにも現状に無頓着だ。
カードや、製品ユーザー登録など、既に何十年にもわたり、個人情報は蓄積され、名簿など見なくても、日本中の個人情報はプロファイルされて、個人の情報は丸裸になっている。

コンピュータの情報を、縦、横、斜めに重ねれば、個人の住所から、資産、行動様式まで特定できる。もう、とっくにそういう時代が来ているのだ。
JRのICカード情報など、足下にも及ばない。

今回の年金情報の問題は、こうした情報解析をする手間を省ける生情報を、外国からの攻撃に、アッサリ提供してしまったことだ。
マイナンバーに至っては、さらに、個人の生情報にストレートに直結している。
反対しても、必ず、やるだろう。そのために、マイナンバーの「良さそう」なことしか言わない。福祉に役立つとか、診療が便利になるとか、各種届けが簡単になるとか・・・

それは、本当に便利になる。しかし、それこそが危険そのものの裏返しだ。成りすましを始め、極端な話、診療記録を使って殺人までできる。
巷に溢れる雑多な情報から個人をプロファイルするには、それなりの手間がいるが、マイナンバーができれば、芋づる式に情報が上がる。政府は、そんなことの無いような仕組みにしていると言うが、少なくとも、国は、個人の情報を徹底的に把握できる。

しかも、今回の年金のように、「情報は必ず漏れる」。
情報は、金塊のような固形物ではない。金塊を盗めば、無くなるからバレルが、情報は「見る」だけで良いから、盗まれたことさえ気づかない。
情報泥棒は、うなぎ屋の臭いだけで腹一杯食える連中だ。

マイナンバーは、そういう連中に、わざわざ盗み安くするサービスだ。なぜなら、政府役人は国民目線より、徴税や、国民管理の都合しか考えていない。為政者の発想は元来、野武士、野党と同じ、弱者を食い物にする発想だからだ。
古来、権力は、民衆の力を吸い上げるものだ。民主主義は民衆に委託されるものだが、エリート役人を続けていると、古代権力を握ったように錯覚する。
その「便利な」発想が、マイナンバーだ。

「個人情報が知られて、気持ち悪い」程度の嫌悪感でいるのは、
「今日の食事は美味しいね」と、一喜一憂しているブロイラーと同じだ。
「安全安心なお食事を提供していますよ」と、言われて安心して、格子から首を出し、エサをついばみ続け、やがて養鶏場の都合で、首無しで市場に出される。

情報を握られるとは、運命を握られると言うことだ。
そして、今や、誰もそれから逃れることはできない。

「♪か~わをむかれて、赤はだか・・・」