魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

君子外交(1)

2011年06月19日 | 日記・エッセイ・コラム

「中国は、現在、周辺国からの圧力を受けている」と、尖閣や南沙諸島について、中国国民のアンケート結果が出た。しかも、それは中国が弱いから、周辺国が隙を狙っているという認識になっている。

本当に、国民の総ての傾向か、政治的意図かはわからないが、
統制国家がそういう発表をすること自体に、国の意志が見える。
もちろん、それが政権中央の総意なのか、勢力争いの過程なのかもわからない。

自分が無理を通そうとして、周囲と軋轢を生じ、それを周囲の包囲網とみなす。
まさに、軍国日本の「ABCD包囲網」と同じとらえ方だ。
これは、意図するしないにかかわらず、戦争の前兆だ。

国際政治に明るい政治家が、こんな考え方をするわけがないので、戦前の日本と同じように、軍事勢力の意識、あるいは何らかの意図が働いていると思われる。

昨年からの、中国の怪しげな動きは、いよいよ、臨界に達しようとしている。
これが、単に、国内不満の目をそらすためだとしても、もし、経済的な崩壊が起これば、政治は力を失い、軍人が動き出す。

ただ、国民気質の観点からすれば、日本のように、損得抜きの破れかぶれの戦争は始めないだろう。
何しろ、北朝鮮の親玉の国だから、やるやる詐欺で、何かを得ようとしていると考えれば、初めの段階で、決して妥協してはいけない。

日本は既に引いてしまったが、これからでも挽回の余地はある。
信用や威信が傷つくのは一瞬だが、挽回には時間がかかる。気長に取り組まなければならない問題だ。

君子の交わり
中国との友好を計る努力は続けなければならないが、一方では、中国を太らせたり、勘違いさせてはいけない。

中国の人口を市場と期待すれば、悪魔に魂を売ることになる。
既にそうなっていることは仕方ないとしても、これからを期待して無節操に接近すれば、遠くない将来、日本は中国に飲み込まれ、事実上の日本省になりかねない。

国境のない世界に向かっていることは事実だろうが、古代帝国の原理に飲み込まれて、国境が無くなったのでは本末転倒だ。
今現在、事実上アメリカの準州のようなものだが、タテ型の中国よりは、遙かにましではなかろうか。

製造業が国外に拠点を移すなら、中国だけは避ける方が賢明だ。
中国とはつかず離れず、君子の交わりをしていきたい。

中国の自賛は当然だが、不景気な世界動向の中で、一元的な組織が良いのだという意見が世界に広がり始めている。
まさに、共産主義や、全体主義の時代がドアを叩いている。

君子外交(2)