今回、北海道の道南を旅行していてつくづく思ったのが、
北海道にはあまり冷房がない、ということだった。
西日本の灼熱地獄に較べたら、北海道の夏は確かに天国だ。
着いたとき、新千歳空港の外に出たら、
道路に表示されている外気温が、雨のせいもあってか「19.9度」で、
それでも現地の人たちは、湿度が高いからきょうは蒸し暑い、
と言っていた。
西日本などとはもう明らかに気候帯が違う、という感じだった。
だから外を歩いているぶんには、私達は全く暑いと思わず、
それどころか、晴れた日に陽射しの中に立っていても、
日光の質そのものが全然違ってとても穏やかで、
日傘や帽子はあったほうが良いが、無くても困らず、
「夏にコレって天国だなあ」と幾度も思った。
炎天下でヘトヘトになって命の危険を感じるような、
広島の日常の暑さが、北海道には全くなかった。
しかしそのためか、北海道は全体的にあまり冷房されていないのだった。
勿論、設備としてのエアコンは備え付けられているし、
デパートやホテルなど、それなりに冷やしてはあるのだが、
その冷やし方は、本州の大部分とは比較にならないほどヌルかった。
外を歩いてきて建物の中に入ったときなど、こちらは反射的に、
キュウ!と冷えた空気に包まれることを期待するのに、
北海道には、それが無かった。
札幌―函館の列車内は、表示では27度だったが汗ばむほど暑かったし、
JR札幌駅の構内では冷房していない場所も多く、
函館ベイエリアのオープンカフェに至っては扇風機しかなかった。
だから、いくら冷え性の私といえど、北海道にいる間は、
冷房対策のカーディガンなど、全く必要なかった。
思うに、北海道は基本的に夏の気候自体が暑くないので、
現地の人たちは暑さ対策に、もとから関心も熱意もないのではないか。
少なくとも、西日本の私たちほど神経をとがらせることはないように思う。
前に友人某氏から、ロシアの人たちは気温の低さには敏感だが、
夏の暑さに対しては無策に等しい、と教えて頂いたことがあったが、
北海道の冷房の体制に関しても、私はそれに通じるものを感じた。
北海道の夏は、外が涼しく、室内は特に涼しいわけではない(汗)。
そしてこれはきっと、冬になると逆の現象が起きるのだと思う。
すなわち、北海道では外気温が昼間でも0度に達しないほど寒いから、
暖房に関してはどんな場所も行き届いているに違いない。
分厚い外套が必要であるかわりに、下に着るものは軽い薄着でも
北海道の室内では十分なのだろうと私は想像している。
西日本などはその点、冬のほうが無防備で、設備もない。
公共の場は暖房されているが、暑いほどの室温はあり得ないし、
一般家庭になるとコタツひとつとか、石油ストーブだけで、
室内でも厚いセーターや、綿入れ袢纏を着込んだりしている。
なぜもっと部屋自体を温めないのかと、北海道や北国の人なら、
疑問に思われるのではないだろうか。
私のこれまでの経験では、福岡から東京まで移動しても、
別段、気候の違いは感じなかった。
経度が増す分だけ、9月頃になると東京のほうが
西日本より日の暮れが早い、と感じた程度だった。
しかし東京から仙台の市街地に行くと、夏は明らかに涼しかった。
東北以北は、緯度があがるほどに冷帯気候に近づいて行く、
ということが肌で感じられた。
やっぱり、私としては、夏は北海道、冬は広島、で暮らしたいな(殴)。
なんのかんの言っても、エアコンの要らない気温が体には一番ラクだ。
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