転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



『團十郎と歌右衛門』(中川右介・著)を読み終え
頭がかなりカブキ・モードになったので、
ついでに『菊五郎の色気』(長谷部 浩・著)を読み直すことにした。
これは発売当時にすぐ買って読んだのだが、
「音羽屋の旦那だけの本~~!!」
と興奮し過ぎて変な読み方になってしまった気がするので、
今、もう一度冷静に、ちゃんと読もうと思ったのだ。

(自分で買ったものと、音羽会で貰ったサイン本と2冊あるのだ)

しかしやはり「冷静に」というのは無理だった。
歌右衛門や、先代の團十郎となると、実際に見たというより
自分の中で、偉大なる伝説として既に遠い存在になっているが、
菊五郎と来れば、私も過去二十数年分、実際の舞台を観ているし、
自分の記憶の中で今なお鮮明な場面も多々あり、
読んでいると「そうそう!それ~!!」と興奮してしまい、駄目だった。

『昭和61年12月、歌舞伎座で上演された『白浪五人男』が
技芸の充実とたぐいまれな美貌が並び立った舞台として、私の記憶に残っている』
と長谷部氏は書かれているのだが、全く全く同感で、
しかもあれって辰っつぁん(辰之助)の最後の南郷だろ!?
ゴールデンコンビの弁天・南郷の見納めだったんだよぉぉぉ、
と、私はまたまたテンションが上がり、
『44歳となった菊五郎は、爛熟の極みともいえる弁天小僧を演じたのであった』
というのを読めば、ええええ!!今の私と同い年のとき!!?
と、またしても、いちいち、取り乱すワタクシであった。

ああ、いけない。
そろそろ旦那の舞台を観なくては、禁断症状が出そうだ。
しかし音羽屋はというと、来月は、菊五郎劇団を率いて、
NINAGAWA十二夜』ロンドン公演、4月はお休み。
これの大阪松竹座公演が7月に始まるまで、待たねばならないのか。

松竹大歌舞伎『NINAGAWA十二夜』予告編(YouTube)

そういえばエリザベス朝演劇の時代にも女優はいなくて、
芝居の中での女性役は、少年俳優によって演じられていたはずだ。
『十二夜』の主人公ヴァイオラは、
わけあって男装しシザーリオと名乗っているのだが、
彼女を男だと信じ込んだ伯爵令嬢オリヴィアから思いを寄せられ、
自分はその男装のまま、オーシーノ公爵に恋をしている。
少年が女性役を演じて、それが男装していて、心は女

これを演じようと自分から考えた菊之助、偉すぎるぞ、
・・・と長い溜息の出るワタクシであった。

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