明治座@人形町、再び(笑)。
七之助の芸の柔らかさ細やかさは、年々磨きがかかっていると思った。
ほっそりとした体の描く曲線が、「誘う」ように美しくて、
男性の演じる女形だからこその美を、強く感じた。
昨夜は『二人椀久』のみだったが、
きょうは、昨年こんぴら歌舞伎の時蔵で観た『葛の葉』を
七之助の「女ざかりの美しさ」で堪能させて貰った。
七之助の葛の葉は、艶やかな香りが指先までしっとりと漂うイメージだった。
一方、昨日今日と様々な役柄で菊之助を観ることになり、
その昨今の充実ぶりには、ひたすら驚くばかりだった。
カズくんは、近年、何か心に期するところがあったのか、
それとも何か開眼するような瞬間があったのか……。
特に、きょうの菊之助の声は、声音だけでも芸術と言えるほど見事だった。
与兵衛(『女殺油地獄』)が、二枚目だったり悪童だったり、
ふてぶてしい振る舞いのあと、急に心細い少年になったりするところを、
菊之助の変幻自在の声でたっぷりと見せて(聴かせて)貰った。
菊之助の声を聞いていると、台詞は「歌舞伎」の「歌」の部分なのだなと
つくづく感じ入ってしまった。
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