転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



五嶋みどり@HBGホール
18日(木)は、広島交響楽団の定期で五嶋みどりが客演した。
私は、かなり前から彼女が来日することには気付いていて、
広島で聴けるなんて絶好のチャンスと思い、
チケット発売日に広響のサイトで買っておいたのが大正解で、
前売り分は即日完売、追加販売分も即完売、という勢いだった。
この日は、G7広島サミット開幕の前夜で、
私が徒歩and/orバスで通ることになるだろうと思っていた
城南通り・中央通り・吉島通りが、どれもこれも交通規制の対象で、
おまけに午後から雨になり、致し方なく、タクシーで出かけた。
この判断もまた大正解で、私が会場に差し掛かった頃、
ちょうど、バイデン大統領の車列が南から来て、
平和大通りから平和公園の方向へと通って行くところで、
原爆資料館のすぐ南側の道路が完全に立ち入り禁止になっており、
タクシーも全く通れず、一旦戻って東側に大きく迂回するかたちで
再度、別の道から会場に向かうことになった。
いろいろあったが、演奏会は極上であった。
鮮やかな中にも、根底に美しい昏さのある演奏で、
細やかなニュアンスに富んだ五嶋みどりのヴァイオリンは素晴らしかった。
この話は、書く時間があれば、また、いずれ。

G7広島サミットがえらいことに
元来が東京育ちで広島に接点の少ない岸田総理が、広島出身をアピールすると
なんだか利用されているようで、実は私は嫌だったのだが、それでもなお、
G7とEUの代表が原爆慰霊碑に揃って献花をしたのをネットで見たときには、
80年かかってこの場所に辿り着いたのか!という感慨があった。
かつての連合国と同盟国の代表が、等しい立場で並んで、
原爆死没者に花を手向け、平和への誓いを新たにする、という構図は、
たとえそれが、各国の利害に基づく政治判断によるものだとしても、
そのようなパフォーマンスでさえ、実現するのにここまでの年月が必要だった、
ということに、私は、やはり深く感じ入るものがあった。
また、彼ら首脳に揃って原爆資料館を見学して貰うことも実現した。
これも、今の資料館は、ごく客観的で正視に耐える展示だけしか無いから、
核保有国の代表が今更、あの展示内容そのものにショックを受けるとは、
私は思っていないのだが、それでも、G7の代表全員が資料館を訪れた、
という「かたち」が実現したことに、大きな意義があったと思った。
更に、きょうはウクライナのゼレンスキー大統領が広島に到着した。
インド、ベトナム、ブラジルなど、グローバルサウスを中心とする、
8つの招待国も加えたセッションも、明日、行われる。
G7のみならず、韓国の尹大統領とゼレンスキー大統領の会談さえ、
このあと広島で実現するかもしれない。
後の世界史の教科書に載るような出来事が、今、広島で展開している。

大変不自由だが極めて安全な広島市
……ということで、広島市内は今、市街地のほぼ全部が交通規制され、
うっかり外にも出られない有様だ。
交通規制情報を見ずに出かけたりしたら、場所や時間帯によっては、
知らないうちに、いつも通る道がバリケードで封鎖され、
家に帰れなくなっている可能性もあるような状態なのだ。
空には一日じゅう取材ヘリが飛んでいて、
もっと上空になると戦闘空中哨戒の様相であり、ドローンも居る。
市民生活としては、不自由だし喧しくて仕方ないのだが、
それはすなわち、物凄く手厚く市街地全体が守られている、
という状況でもある。
家から一歩出たら、そこらじゅうに警察官が並んでいるので、
もし今、「たすけてー!」「どろぼー!」などと叫んだら、
四方八方からばらばらと警官が駆けつけてくれることだろう。
誘拐も強盗も、とてもじゃないが逃げおおせる状況ではない。
なんと安全な毎日なのだろうか(汗)。

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