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転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



12月2日(日)、11年ぶりの大阪公演。
これのために、私は夏にシンフォニアの会員登録をしたのだ。
かように、私は津々浦々のホールや劇場と、広く淡い関係を築き続けている(汗)。

2日のリサイタルでは、霧島で聴いたときより、
音が洗練されて柔らかく感じられた。
霧島の楽器は、こうして大阪と比較してみると
かなりprimitiveなものだったのではないかという気がする。
良くも悪くも加工なしの、素材のままに近い音を多く聴かせてくれたと思う。
いずれにしても、昔から思っていることだが、ポゴレリチの演奏会の音は、
CDやテレビその他の映像で収録されているものとは全く違う。
演奏会でしか聴けない音が・音楽がある。
それも、日によって・会場によって・聴衆によって、違う音になる。

今回のプログラムで私にとっての大きな収穫は、シューマンの限りない美しさだ。
あれは、どう言えば良いのか、……数年前のような「死」「無」の深い闇ではなく、
もっと透徹した信仰や哲学のようなものが、強くこちらに迫って来た。
己を容赦なく徹底的に見つめた音楽だとは思ったが、エゴとは違った。
芸術への限りなく真摯な献身があった。
devotionを体現している感じがした。

それに較べるとモーツァルトのアダージョK.540は、
ほかの曲以上に聴き手を選ぶと思った。
モーツァルトには珍しい短調だが、響きもポゴレリチにかかると、
特異なテンポ設定とも相まって、まるで近現代作品に近いように聞こえた。
ひとつひとつ、音を「置いて」行く手法は、大阪でも感じた。
確かこの曲は、前回2017年10月20日の演奏会が告知された際、
最初の、変更前のプログラムに入っていた筈だ。
それが演奏会の4か月前に曲目変更が発表され、
結局この曲は弾かれず、かわりに入ったのが、
クレメンティのソナチネ op.36-4とハイドンのピアノ・ソナタHob.X VI-37だった。
今回のプログラムだとモーツァルトのアダージョが必然になる、
というポゴレリチの考えを、興味深く思った。

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12月1日(土)ポゴレリチの霧島公演があり、日帰りで、行って来た。
これのために夏前、かごしまミューズクラブに入会した。
(写真は、みやまコンセールの紅葉)

みやまコンセールは全く初めて行ったが、
残響の少ない小さいホールで聴きたいという私の望みが叶い、
なかなか興味深い体験ができたと思う。
最初のモーツァルトのロ短調アダージョが始まったとき、
音が目の前に置かれていくような感覚があり、
第一音が私の右上に来て、次の音は左寄りに置かれ、
和音は直径のある球体で、表面近くに鮮明な点と中心に輪郭の淡い丸い音、
……というように、かなり「視覚的」に聴くことができた。
私は前方席にいたのでそうなったが、
後方にいれば、もしかしたら何か大きな映像が構築されていく様が
もっと全体像として、よく把握できたかもしれない。

続くリストのソナタも同じロ短調で、
今度は音の数が圧倒的に多かったので、モーツァルトのようには
視覚的に捉えることがもう出来なかったが、
おそらくさきほどのアダージョは、
「きょうは、この手法で行く」
というポゴレリチの「提示」として機能していたのではないか、
と、リストを聴きながら漠然と感じた。
リストの長大なソナタに明確に句読点を打っていくポゴレリチの解釈は
1989年に私が初めて彼の実演を聴いたときから変わっておらず、
音楽が「横」に流れることがなく、常に「縦」の構造から成っている、
というのも、彼の一貫した弾き方だと思った。
彼の演奏から私が受けるイメージは、人の「多種多様な死に方」の曲(爆)
というもので、最後のB音など「絶命の音」にしか聞こえないが、
それと同時に、いつ演奏してもそこには彼の感情移入はなく、
今回も彼は極めて客観的な立場から描写をしている、と私には思われた。

シューマンの『交響的練習曲』は遺作変奏つき。
先に遺作変奏5曲を弾いて、本編のテーマに移るという組み立て方だった。
この曲は、ポゴレリチが二十代の前半に録音した、
彼の最初期からのレパートリーのひとつだったが、
私の記憶では、1983年頃にポゴレリチは一度、
「交響的練習曲はもう弾かない」
「あの曲で表現するものが、これ以上はもう無いと思っている」
という発言をしていたと思う。
しかし90年代に遺作変奏を加えて弾くようになり、
60歳の今、再度取り上げたということは、
彼なりに、何か期するところがあったのだろう。
今回の演奏に、これまでの彼のすべてがあった、とまでは思わないが、
シューマンを弾く、或いは変奏曲に取り組む、という角度から、
これまでの経験の多くを反映した演奏をしていたように、思った。

シューマンが終わり、拍手で幾度もステージに呼び出されたが、
アンコールは無かった。
「演奏会が完結したと感じたら、アンコールは弾かない」
と、これも以前のインタビューで言っていたと思うので、
今回のリサイタルはあれが完成形だということだろう。
弾き終わって立ち上がると、脚で椅子をピアノの下の押し込んだ(^_^;ので
いかにも「That's it!(本日は以上!)」という感じだなとわかったし、
演奏内容から言って私も、特にアンコールが必要とは感じなかった。

*************

私は翌日、広島で仕事があり、終わってすぐ発たなくてはならなかったが、
ホールではサイン会が行われていた。
ポゴレリチの心身のコンディションは悪くなく、余裕もあるようだった。
御本人のInstagramによると、演奏会前日には霧島神宮参拝をしたそうだ。
……前回の奈良に引き続き、神社仏閣がお好きなんですね(^_^;。


以上、とりあえず思い出せることのみ。ほぼ箇条書き(^_^;。
可能なら、またのちほど。

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10月20日は、イーヴォ・ポゴレリチの誕生日だ。
今年でちょうど60歳、アジア風にいえば還暦ということになる。
彼の住むヨーロッパに「賀の祝い」的なものがあるかどうかわからないが、
特に名前がついていなくとも、60歳が節目の年であることは確かだろう。
彼のように偉大で特異な芸術家と、同じ時代を共有できたことは、
自分にとって素晴らしい幸運であったと、私はしみじみと思っている。
そして、私人としての彼が、今も行く先も、どうか幸せでありますようにと、
遠く、太平洋のこっちの極東から、私は今日も、心を込めて祈る。

マエストロ・ポゴレリチ、お誕生日おめでとうございます。

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2019年3月31日で、Yahoo!ジオシティーズのサービスが終了、
とのお知らせが来たので、2004年以来維持してきたポゴ氏ファンサイト
Ivo at the Ivoriesも、一旦終了ということになりそうだ。
HTMLコード一式のデータは保存してあるので、サイトの再作成は可能な筈なのだが、
現在はもう忙し過ぎて、そういうまとまった作業ができない。

前にも書いたが、2003年の後半にサイトを作成し始めた頃は、
私は舅姑を自宅で介護していて、基本的に外出ができない生活をしていた。
だからこそ、自らタグを打ってサイト作成をすることが可能だったのだ(^_^;。
当時は、家事の一区切りのたびに、ヘルパーさんが来られて手が空くたびに、
或いは舅姑が、デイサービスor昼寝の時間になって私の用事がなくなるたびに、
すぐに自室の机の前に戻って、サイト作成作業を毎日続けることができた。
家庭介護の場合、介護者たる私は常時、家に居なくてはならなかったが、
それはつまり、常に自分のパソコンが使える環境にいたということでもあり、
舅姑はどちらも徘徊するタイプでなかった御蔭もあって、
私は育児時代より遙かに時間管理のしやすい家庭生活を送っていた。
次の食事の支度が始まるまで、姑がデイサービスから帰宅するまでの時間、
或いは契約でヘルパーさんが居て下さる1時間なり2時間なりの間は、
私は、家での時間の使い方に関する限り、
かなりの程度まで、自分で決定することができた。

あれから時が流れて、今の私は逆に外で拘束される時間が圧倒的に増え、
「会社の仕事」「両親の介護関係」「実家関連の仕事」等々、
すべて外での用事で毎日が飛ぶように過ぎて行き、
しかも尾上松緑にどハマりしたせいで(爆爆)、
月に一度あるかどうかの2連休を、歌舞伎鑑賞に費やすことになった。
私は、多分、2004年当時よりも、幸せになったのだと思う(^_^;。
……が、家の自由時間の大半を、今は失った。
私の能力では、サイト作成は片手間にサッサとできるものではないので、
仮に3時間かかる部分なら、10分の空き時間が週に18回取れても駄目で、
まとまった1時間の自由時間を3回確保できる日が、週に一度でもある、
という暮らしを維持していないと、その内容を完成させることは不可能だ。

ポゴ氏私設ファンサイトは、2004年までに作成したものが基本になっていて、
近年は更新作業もほとんどしないまま来てしまい、
内容もスタイルも、完全に時代遅れになっていることは、日々感じていたので、
このようなかたちで一旦終了することになるのは、
思いがけないことだったが、これはこれで、良かったかもしれない。

サイト公開当時には、ポゴレリチは病気療養中で、何年も全く情報がなく、
引退説、どころか死亡説(爆)すらあったが、
その後、徐々に健康を回復した彼は、今や完全に演奏活動に復帰し、
定期的に来日できるようになり、公式サイトも開設され、
facebookやtwitterにも御本人のアカウントが設けられ、
更にfacebookには非公式ファンクラブ的なページが2つもできている。
こうした状況の変化を考えるにつけ、
15年前に較べると、日本語による私設ファンサイトの役割は、
もうほぼ終了したかな、という気がしている。
しかし一方で、来日公演の記録や、廃盤・海賊盤(!)も含めたディスコグラフィー等は、
ポゴ氏ご本人の公式サイトなどには掲載されていない部分である筈なので、
「私だけが知っている」(←笑)ものとして、
先の話にはなるが、また引き続き、公開できたらと思っている。

ともあれ、まだお別れを言うのは時間的に早すぎるのだが、
これまで拙サイトに来て下さった方々に、心からの御礼を申し上げ、
私設ファンサイトの一時閉鎖の御報告とさせて頂きたいと思う。
本当に、ありがとうございました<(_ _)>。
残り半年に満たない期間ですが、どうぞ最後までよろしく御願い致します。


追記:ときに、ポゴレリチ御本人はますます活発に活動を展開なさっている。
今年の来日公演がこのあと12月に行われることになっており、
私はこれだけは万難を排して、鹿児島・大阪・名古屋に参戦予定なのだが、
更に、2020年にも再来日の予定のあることが、先日、公表された。

 2020年2月13日(木)19:00 サントリーホール
 シューマン:ピアノ協奏曲
 ピアノ:イーヴォ・ポゴレリッチ
 指揮:山田和樹 読売日本交響楽団

読売日本交響楽団 2019ー2020シーズンプログラム速報版(PDF)

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私が松緑にうつつを抜かしている間に(汗)
ポゴレリチの新情報が出ていたようだ。
大阪公演が追加されていた。今、知った。

イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル
大阪シンフォニーホール
2018年12月2日(日) 15:00 開演
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン:交響的練習曲 op.13(遺作変奏付き)

A 12,000円 B 10,000円 C 8,000円 D 6,000円

先行予約 2018年07月20日(金) 10:00
一般予約 2018年07月22日(日) 10:00
ABCチケットインフォメーション TEL.06-6453-6000

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ポゴレリチの12月来日公演に関して、東京以外の公演情報も
それぞれの主催者サイトで詳細がUPされている。

グレートピアニストシリーズ第4弾 イーヴォ・ポゴレリッチ 60歳記念 ピアノ・リサイタル
2018年12月1日(土) 14:00
霧島国際音楽ホール 主ホール
全席指定 一般/6,000円 学生/3,000円
先行電話予約 8月18日(土) 10:00~ 一般発売 8月26日(日) 10:00~

第36回名古屋クラシックフェスティバル イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル
2018年12月6日(木) 開場/18:00 開演/18:45
愛知県芸術劇場コンサートホール
S¥14,000 A¥11,000 B¥9,000 C¥7,000 D¥5,000 学生¥2,000
公演別チケット予約 6月2日(土)10:00~

どちらも、プログラムは同じで、
モーツァルト/アダージョ ロ短調 K.540
リスト/ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン/交響的練習曲 op.13(遺作変奏付き)
となっている。

名古屋のは『第36回名古屋クラシックフェスティバル』の一環で、
このシリーズの全8公演を通しで購入するのであれば、
4月17日(火)10:00から開始される通し券の一般発売で
もうすぐチケットを手に入れることができる。
単回券の発売まで待つのであれば、6月2日から予約することになる。
一方、霧島の発売は8月からで、まだ時間が相当あるが、
「かごしまミューズ・クラブ」(個人会員は年会費2,000円)に
入会すれば、一般発売より若干早い先行予約でチケットが買えるようだ。
会員先行は「みやまコンセールが主催する公演」に関して、
と但し書きがあるので、要確認だけれども(^_^;。

……こうしてまた、全国各地のよくわからない(爆)ホールの
会員カードが増え続けて行くワタクシなのであった…。

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クラシック倶楽部 イーヴォ・ポゴレリチ In 奈良 -正暦寺 福寿院客殿-(BSプレミアム)

放送が3月26日早朝で、録画はしていたのだが、
私は東京にいて自宅を留守にしていたため、観ていなかった。
きょう、一週間ぶりに家での自由時間が得られたので、
ようやく、視聴することがかなった。

まず、演奏家の名を紹介するナレーションの
「イーヴォ・ポゴレリチ」の発音が大変注意深く、
カタカナ日本語としては最大限、
本来のアクセントに近づけたものであったことに感心した。
さすがにNHKは用意周到で、正確であると思った。

正暦寺は奈良市の南東部の山間にあり、
今回の選曲はその閑かな佇まいに似つかわしく、
「静のポゴレリチ」に焦点をあてたものばかりだった。
福寿院客殿の、緋毛氈の上に、屋根を外したスタインウェイが設置され、
いつもの通り全曲、楽譜を見ての演奏、ポゴレリチ本人はラフな服装。
本来、ヨーロッパの石造りの乾いた邸内で響くように作られた楽器や楽曲を
日本の、木と紙で組まれた湿気のある古い寺院で演奏するのは、
それだけで『東洋と西洋の文化の融合により文明の理想が実現する』
(ピアニスト傅聡(フー・ツォン)の亡父で仏文学者の傅雷(フー・レイ)の言葉)
という方向の試みになっていたと思う。
ピアノの向こう側には、東洋ならではの借景庭園が広がり、
演奏するポゴレリチの正面には孔雀明王像。

私はこれまで、ほかの演奏家と異なりポゴレリチについては、
生での演奏を中心に聴いていたので、
テレビ収録の演奏を聴くことは大変新鮮に思われた。
演奏会で聴く彼の演奏とは全く別の印象があり、
目の前に聴衆が居るのとは違い、映像作品として首尾一貫させるため、
おそらく非常に抑えた演奏をしたのではないかという気がした。
音のレンジを敢えて絞り、空間に響き渡らせることよりも、
距離的に近い、特定の場所からのみ、聴き取られることを
強く意識した音の作り方だったと感じた。

撮影は昨年10月24、25日の両日に渡って行われたとあり、
ショパン『夜想曲』作品62-2 だけは夜の収録だったが、
これでさえ、夜の演奏会で聴いたイメージとは別のものがあった。
過去のリサイタルでのこの曲は、私には、月夜の屍累々の光景が
目に浮かんだものだったが、福寿院客殿での演奏では、
奥の深いカルマの物語を感じた。
やはり、音の組み立て方が、ホールで弾くものとは異なる、
至近距離の中での完成を目指したものだったからではないかと思う。

曲目の間には、YuanPu(焦元溥)によるインタビューが挿入されており、
ポゴレリチが十分にインタビュアを信頼し、
穏やかな気分で語っていることが感じられた。
また、YuanPuと二人で春日大社や東大寺を散策し、
礼儀正しく帽子を脱いで大仏殿に入るポゴレリチの様子や、
お茶室でtea ceremonyにあずかるマエストロの図、などもあり、
和やかな秋の観光の様子が、様々な映像として記録されていた。

(YuanPu Chiao氏はポゴレリチの信頼篤い音楽研究家。
下記の著書『ピアニストが語る!』の中でも
ポゴレリチの興味深い発言を数多く引き出している。)

焦 元溥YuanPu Chiao/著 森岡 葉/訳
【増補版】ピアニストが語る!』(アルファベータブックス)


私が最も強く打たれたのは、最後のシベリウス『悲しきワルツ』で、
インタビューの中でポゴレリチは、シベリウスの和声について、
極めて独特(exclusive)であると語っており、
その表現には高度な工夫が必要であることを述べていた。
一昨年の演奏会のアンコールでこれが演奏されたとき、私は、
ポゴレリチは今もなお死者と踊るのか……、
と思ったものだったが、今回はその点についても新たな印象があり、
業(ごう)や宿命から目を反らすことなく、
亡き人の魂さえ解放し、浄化しようとする演奏だったと思った。
正暦寺という場所が、彼にそうするための力を貸したのかもしれない。

最初から最後まで、古都に相応しく静かな時の流れを伝える番組で、
現在のポゴレリチの到達点を、一方向からではあったが正確に切り取り
構成してくれた内容だったと、ファンとして心から感謝している。
NHKプレミアムでなければ、なかなかこれほどの時間を
テレビ番組として提供してくれることはなかっただろうと思う。

しかし、演奏家イーヴォ・ポゴレリチは、あれがすべてではない。
過去の経験から私はそれを知っている。
ポゴレリチは同じ曲を演奏してさえも、多彩な顔を見せる芸術家であり、
彼のメタモルフォーゼは、彼が生きてこの世にある限り、
これからも決して終わることがないのだ。
この冬に既に来日が決まっていることを、改めてとても嬉しく思っている。

**************

ただひとつ、あのシベリウスを聴いた今となっては、
ポゴレリチが、今年の12月の来日公演のプログラムから、
スクリャービン『詩曲:焔に向かって』作品72を外してしまったことが
かなり残念に思われる。
2015年3月に本人が公式サイトで発表した予定曲目では、
2018~19年のシーズンにこの曲が入っており、
その時点で既に私は大いに期待していたのだが、
来日公演が決まって告知されたプログラムの中には無かったのだ。
今の彼なら、さながら踊るシヴァ神のように、
世に終末をもたらす炎を操れるのではないかと思うのだが……。

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今年のポゴレリチ来日公演に関しては、
12月8日の東京公演が既に発表されていたのだが、
昨日、Facebookのお友達某氏の情報により、
そのほかに地方公演もあることが判明した。

12月1日(土)15:00 霧島国際音楽ホール みやまコンセール
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン:交響的練習曲 作品13(遺作変奏付き)
かごしまミューズ・クラブ会員先行8月18日~ 一般発売8月26日~

12月6日(木)18:45 愛知県芸術劇場コンサートホール
第36回 名古屋クラシックフェスティバル(中京テレビ主催)
全8公演通し券4月17日~ 公演別チケット6月2日~

12月8日 (土) 19:00 東京サントリーホール
モーツァルト: アダージョ ロ短調 K.540
リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン: 交響的練習曲 op.13
カジモトイープラス会員限定先行6月7日~10日 一般発売6月16日~

現在わかっているのは以上だ。これで全部だろうか?
プログラムは名古屋のが出ていないが、多分、ほかと同じだろう。

私が行くとしたら、今のところ名古屋は問題無い。
月曜と木曜が、私にとっては最も休みを取りやすい曜日だから、
そこに当ててくれたのは本当に有り難い。
一方、うちの会社は土曜が一番仕事の忙しい曜日で、
いくら有休があるとはいえ、2週連続で土曜日を休むのは大変厳しい。
1日か8日かで選ぶとなると、私にとってはどう見ても1日の霧島だ(^_^;。
全部で1000席に満たないみやまコンセールのホールに行ってみたい。

ともあれ、いずれもまだチケット発売日まで間があるので、
もう少し、楽しく悩むことができそうだ。

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クラシック倶楽部 イーヴォ・ポゴレリチ In 奈良 -正暦寺 福寿院客殿-

来る3月26日(月)午前5時00分~午前5時55分
NHK BSプレミアム『クラシック倶楽部』でポゴレリチの演奏の映像が放映される。
2017年10月24、25日 正暦寺福寿院客殿(奈良県奈良市)で収録、とあるので、
昨年秋の来日時に、東京でのリサイタルが終わったあと、
奈良を訪ねて、演奏とインタビューをテレビ用に撮影したものだと思われる。

ポゴレリチの「現在」、特に演奏が映像として、
これほどまとまった分量で記録されることは極めて稀で、
1980年代の終盤以来、もしかしたら今回が初めてかもしれない。
インタビューだけならヨーロッパでは幾度か機会があったが、
演奏の映像となると、87年にレザーディスク用に撮影して以来ではないかと思う。

ちなみにポゴレリチは、演奏会のライブ収録というものの価値を認めていない。
1000人単位の聴衆を相手に、ホールに響かせる意図でする演奏と、
スタッフの前でカメラに向かって、収録目的でする演奏は、各々、
全く別の考え方・弾き方で成り立っているから、というのが理由だ。
そのため、世界中を探しても、ポゴレリチの演奏に関する映像は
「隠し撮り」を除けば、恐らくここに容易に列挙できるほどの数しかない。
そのような演奏家であるというのに、
NHKは、彼がまだこれほど頑なで無かった83年の来日公演時、
6月8日東京五反田の簡易保険ホールでのリサイタルを録画し、
後日『芸術劇場』でアンコールまで含めて放映した実績があり、
それに加えて、このたび新たに奈良での演奏収録をやりおおせたということで、
ポゴレリチの映像資料に関する限り、私は、
「日本、すごい」と思わずにいられない(^_^;。

このテレビ放映の企画があることは、先月初めから公表されていたが
●ポゴレリッチのいまを聴く!―― 「イーヴォ・ポゴレリチ in 奈良~正暦寺 福寿院客殿」
が3/26にNHK-BSプレミアムでオンエア!
(2018/02/02 | KAJIMOTO音楽日記))、
詳細な曲目がNHKのサイトに出ているということを
今夜、拙サイトに来て下さっているきよ爺様から教えて頂き、
これがなかなか興味深い選曲だったので、こちらにもUPしておくことにした。

 ・ハイドン「ピアノ・ソナタ Hob.XVI-37 から第2楽章」
 ・クレメンティ「ソナチネ 作品36第4から第2楽章」
 ・ショパン「ポロネーズ 第4番 ハ短調 作品40第2」
 ・ショパン「ノクターン ホ長調 作品62第2」
 ・ラフマニノフ「楽興の時 作品16 から 第5番 変ニ長調」
 ・シベリウス「悲しいワルツ」

ポゴレリチのレパートリーとして初出しのものは無いが、
昨年のリサイタルには入っていなかった曲があり、
それらについては、2017年時点の彼の演奏がどうなっているか興味が尽きない。
とりわけ、ラフマニノフとシベリウスが映像として残るというのは
私にとっては大変に嬉しいことで、今から本当に楽しみだ。

……録画は、絶対に失敗できない(大汗)。

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ポゴレリチは18日にはベオグラードのKoloracホールでリサイタルを行った。

BLIC(ブリツ)紙の記事。
待ちかねていた聴衆の熱い期待に迎えられて始まった演奏会は大成功で、
2度のアンコールがあり、スタンディングオベーションが続いたこと、等々報じられている。
VIRTUOZ PRIREDIO RESITAL Prepuna sala Kolarca na drugom nastupu Iva Pogorelića
プログラムは、10月の東京公演同様のものが当初予定されていたが、
記事によると、モーツァルトの幻想曲に始まり、次がベートーベンの熱情、
後半はシベリウスの悲しきワルツ、ラフマニノフの2番のソナタ、
が演奏されたと書かれており、変更があったようだ。
アンコールはラフマニノフとショパン、とあるが曲名は記事中には明記されていないようだ。

同じく、18日ベオグラード公演を報じる
Večernje Novosti(ヴェチェールニエ・ノーヴォスチ)の記事。
切符は早くから完売しステージ上にも臨時に数百の座席が設けられたこと、
開場後もリハーサルを続けるポゴレリチに聴衆が驚いたこと、
そして28年も待った甲斐のある感嘆すべき内容の演奏会であったこと、
終演後には、彼本人の過去40年間の写真が展示されているギャラリーで
サイン会が行われ撮影も許可されていたこと、等々が書かれている。
Stojeće ovacije za Ivu Pogorelića

セルビア国営放送によるポゴレリチのインタビュー。
ポゴレリチはセルビア語を話している。
収録日時が定かでないが、演奏会やサイン会の映像が出て来ないので、
16日協奏曲より前ではないかと思われる。
Ivo Pogorelić(YouTube)

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