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「私(金正恩国務委員長)は(中国の習近平共産党)総書記同志の朝中関係に対する正確な分析と展望計画に完全に同意する」

2019-06-22 | 中・朝首脳会談
[ニュース分析]習近平がG20で伝える
金正恩のメッセージで非核化交渉の行方決まる

登録:2019-06-22 02:28 修正:2019-06-22 07:11

「朝鮮半島問題の政治的解決を支持」金委員長の構想伝える見込み 
トランプ大統領の反応に注目…大統領府「非核化対話の早期再開に期待」 
習主席、安保・経済支援を約束し、「非核化の決断」促す

          

北朝鮮の金正恩国務委員長(左)と中国の習近平国家主席が今月20日午後、「朝中友好70年」記念マスゲームと芸術公演「不敗の社会主義」を観覧するため平壌5・1競技場を訪れ、平壌市民に熱烈な歓迎を受けている=平壌/新華・聯合ニュース

 「会談では、論議された問題について共通の認識を成し遂げた」(21日付「労働新聞」)

 「私(金正恩国務委員長)は(中国の習近平共産党)総書記同志の朝中関係に対する正確な分析と展望計画に完全に同意する」(20日付「新華社通信」)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と中国の習近平国家主席が20日に平壌(ピョンヤン)で行った首脳会談に関する朝中両国マスコミの報道で、目を引く部分だ。朝中首脳が核問題を含む朝鮮半島平和プロセスの交渉戦略において「共通の認識」を導き出したという意味だ。

 注目が集まった核問題と関連し、金正恩委員長の“新たな提案”があったかどうかについては、両国マスコミは慎重に言及を避けた。しかし、金委員長と習主席の核問題関連の協議内容が何なのか、それが朝鮮半島情勢にいかなる影響を及ぼすかを把握するのに、多くの時間は必要ではないかもしれない。金委員長の意中を把握した習主席が、28~29日に大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の機会にドナルド・トランプ米大統領や文在寅(ムン・ジェイン)大統領らと会談し、後続協議に乗り出す予定だからだ。特に、習主席が伝える“金委員長のメッセージ”にトランプ大統領がいかなる反応を示すかが関心事だ。文大統領も大阪で習主席から“金委員長のメッセージ”を聞いて協議した後、29~30日にソウルで開かれる韓米首脳会談で、トランプ大統領と後続の対策協議に乗り出す。コ・ミンジョン大統領府報道官は21日、「今回の朝中首脳会談と近く開催される予定の韓米首脳会談を機に、朝鮮半島の完全な非核化に向けた対話や交渉が早期に再開されることを期待する」と述べた。

 つまり、今回の朝中首脳会談の結果が、故障したポンプから冷たい水をくみ上げる平和の“誘い水”となるか、うるさい音を立てるだけの“骨折り損”になるかは、大阪とソウルで行われる東アジア関係国の個別会談が終われば判明するものと見られる。昨年初めに始まった朝鮮半島平和プロセスが再び加速するか、長い冷戦的対立と敵対の悪循環に再び陥るかを分ける“運命の時計”が回り始めた。

 朝中マスコミの報道でも確認できることがある。金委員長は「交渉路線の維持」を確約しており、習主席は「朝鮮半島平和プロセスにおける積極的な役割」を約束したということだ。まずは情勢の安定に役立つ成果だ。

 ただし、平壌会談に対する金委員長と習主席の意味付けをめぐっては、朝中マスコミの報道に違いがある。両首脳の異なる立場と無関係ではない。

 ハノイでの朝米首脳会談が物別れに終わった以降、金委員長が“内部動揺”を鎮め、「経済建設への総力集中」路線を固守するためには、習主席の“政治的支持”が不可欠だ。金委員長が習主席の訪朝を「朝中親善の不変と不敗性を世界中に誇示する決定的な契機」だとし、「我が党員と人民に対する大きな政治的支持声援」だと評価した(「労働新聞」21日付)。「労働新聞」21日付は普段より4面多い10面で発行されたが、そのうち8面が朝中首脳会談関連ニュースだ。そのキーワードは「朝中親善の不敗性の誇示」だ。

 一方、米中間の「貿易・先端技術・プラットフォーム戦争」で頭を悩ませている習主席は、トランプ大統領との対立戦線を“北朝鮮問題”にまでわざわざ拡大する余裕がない。むしろ、朝鮮半島情勢の安定が切実だ。金委員長の“交渉路線”の維持は必須で、金委員長の“決断”まで引き出せば、さらなる成果となる。習主席が会談で「朝鮮半島問題の政治的解決を進めるため」を今回の訪朝の二大目的の一つとして強調したと、「新華社通信」が報じたのも、そのためだ。

 朝中メディアが報道した習主席の発言は、注意深く解釈する必要がある。「労働新聞」によると、習主席は20日の歓迎晩餐会での演説で、金正恩委員長の「新たな戦略路線の実施」と「(朝鮮)半島問題の政治的解決過程の推進」に「確固たる支持を送る」と述べたという。金委員長の「経済集中戦略路線」と「交渉路線」に対する全幅の支持だ。習主席はさらに「安保と発展に対する北朝鮮の合理的懸念の解決のため、あらゆる支援を提供したい」と確約した。さらに「新華社通信」の報道によると、習主席は「朝鮮半島問題の政治的解決を支持し、問題解決のための条件を積み重ねていく」と述べたという。要するに習主席は就任後初の訪朝を通じて、金委員長のリーダーシップに対する全面的な支持を宣言し、金委員長に「安保・経済問題において、中国が積極的に支援するから、決断しなさい」というメッセージを送ったということだ。「交渉軌道からの離脱は絶対あり得ない」という“無言の圧力”でもある。

 金委員長が「習主席の支持」という新たな“権力資源”を、米国への対抗手段として活用するか、それとも再び積極的な交渉を進めるための安全弁として活用するのかは、「労働新聞」の報道内容だけでは判断が難しい。ただし、金委員長が習主席に「完全に同意する」とし、「中国の経験と方法をたくさん学び、経済発展と民生改善に積極的に取り組みたい」と述べたという「新華社通信」の報道から、金委員長が中国の意向に反する道を選ぶ可能性は比較的低い。

 カギとなるのは、トランプ大統領の反応だ。トランプ大統領はこれまで習主席の介入に否定的な態度を示してきた。金委員長と習主席の第2回首脳会談(2018年5月7~8日、大連)直後、「中国に少しがっかりした。金委員長が習主席に会ってから、態度に変化が生じたため」と不満を示し、第1回朝米首脳会談の計画を取り消したのが代表的な事例だ。しかし、今回の朝中首脳会談に関しては、“トランプらしからぬ”沈黙を守っている。トランプ大統領が大阪で習主席に会い、「金委員長のメッセージ」を聞いた後、いかなる反応を示すかに世界が注目せざるを得ない。
イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

朝鮮半島問題 解決へ協力強化
中朝首脳会談 習氏、米朝対話の継続促す
非核化努力を評価


 中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は20日、平壌で行われた会談で、朝鮮半島問題の政治解決に向けて協力を強化することで一致しました。習氏は「国際社会はあまねく朝米が対話を続け成果を出すことを望んでいる」と語り、非核化をめぐる米朝対話の継続を促しました。(釘丸晶)

 中国外務省によると、習氏は今回の訪朝の目的を「中朝の友好を打ち固め、伝えるために、また朝鮮半島問題の政治解決のプロセスを後押しするために来た」と説明。「北朝鮮が半島の平和と安定を守り、半島非核化を進めるために払った努力を積極的に評価する」と述べました。

 正恩氏は「この1年余り、情勢の緊張を避け、半島情勢をコントロールするため、多くの積極的措置を取ったが、関係国の積極的な回答は得られなかった」と米国への不満を語りつつ、「北朝鮮は忍耐を続け、同時に関係国が北朝鮮と歩み寄り、各自の合理的懸念に合致する解決方法を探ることを望む」と強調しました。

 また正恩氏は「引き続き中国との意思疎通と協調を強化し、半島問題の政治解決プロセスで新しい進展を収め、半島の平和と安定を守るため努力したい」と表明しました。

 今年は中朝国交樹立70周年に当たり、両氏は両国の「伝統的友好関係」をさらに発展させることで一致。習氏は「引き続き記念活動プランを実行し、教育、衛生、スポーツ、メディア、青年、地方等の分野で交流・協力を進めたい」と述べ、正恩氏は「中国経済の経験や方法を多く学び、経済発展と民生改善に積極的に尽力したい」と語りました。

 正恩氏が主催した歓迎夕食会で習氏は、改めて半島問題の政治解決を訴え、「引き続き平和対話の旗を高く掲げ、地域と世界の平和、安定、繁栄の実現のため、さらに大きな貢献をしなければならない」と述べました。

 正恩氏は「これまで通り、中国と肩を並べて前進し、朝中友好協力の新たな章をつづる」と語りました。

習近平主席は「北朝鮮の安保の懸念の解決に中国が積極的な役割を果たす」とし、朝鮮半島平和プロセスに積極的に介入する意思を表明した。

2019-06-21 | 中・朝首脳会談
金委員長「朝米交渉で忍耐を維持」…
習主席「北朝鮮の安保憂慮に積極的な役割果たす」

登録:2019-06-21 07:36 修正:2019-06-21 09:35

習主席の国賓訪朝で首脳会談 
金委員長「米国と交渉で成果を望む」 
習主席「非核化実現に向けて役割果たす」 
朝鮮半島平和プロセスへの積極的な介入を表明


          

中国最高指導者としては14年ぶりに北朝鮮を訪問した習近平国家主席が今月20日、順安国際空港に直接出迎えた金正恩国務委員長と共に、錦繍山太陽宮殿広場に集まった市民たちの歓迎に手を上げて応えている=中国中央テレビ(CCTV)よりキャプチャー/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が20日、平壌(ピョンヤン)を訪問した中国の習近平国家主席との首脳会談で「忍耐心を維持する」とし、米国と対話を通じて問題を解決していく意向を明らかにした。習近平主席は「北朝鮮の安保の懸念の解決に中国が積極的な役割を果たす」とし、朝鮮半島平和プロセスに積極的に介入する意思を表明した。

 金委員長は午後4時頃から宿泊先の「錦繍山(クムスサン)迎賓館」で開かれた朝中首脳会談で、「過去1年間、朝鮮(北朝鮮)は情勢の緊張を緩和するために多くの措置を行ってきたが、関係国の積極的な支持を得られなかった」とし、遠まわしに米国への不満を示した。

 金委員長はさらに「忍耐を維持し、関係国が朝鮮側と向き合って互いの関心事を解決し、成果をあげることを望む」と述べた。ハノイでの第2回朝米首脳会談後、朝米対話が膠着状態に陥った中、米国側の一定の態度変化など条件が整えば、非核化や体制保障関連交渉に乗り出せることを示唆したものと見られる。また、金委員長は「中国の経済発展・民生改善の経験に学ぶ」と強調し、経済建設に総力をあげて集中する路線を維持する考えを示唆した。

 金委員長は「朝鮮は、中国が朝鮮半島問題を解決する過程で重要な役割を果たしてきたことを高く評価する。引き続き中国と疎通を図って協力し、新しい進展を収めると共に、朝鮮半島の平和と安定を維持していく」と述べ、中国との協力を強化することを示した。

 これに対し習主席は「朝鮮半島問題の政治的解決を支持する。朝鮮半島の非核化の実現に中国が積極的な役割を果たす」と述べた。特に習主席は「北朝鮮の安保の懸念の解決に中国が力を添える」と強調した。非核化と交換する北朝鮮の「体制保証」と関連し、平和体制の論議などを通じて中国が仲裁者の役割を果たすという意味とみられる。

 これに先立ち、習主席は専用機で北京を出発し、午前11時40分に平壌の順安(スナン)空港に到着した。空港には平壌市民約1万人が出て、花を振って習主席一行を歓迎した。金委員長夫妻は、国交正常化70周年を迎え平壌に来た習主席一行を空港で直接出迎え、最高の礼遇をした。中国最高指導者の北朝鮮訪問は、2005年10月の胡錦濤主席(当時)以来、14年ぶりのことだ。習主席の訪朝には丁薛祥・中国共産党中央弁公庁主任(習主席の秘書室長に相当)や楊潔チ・外交担当政治局員、王毅・外交担当国務委員兼外交部長など中国外交ラインの中心人物らが総出動した。特に、金委員長の4回の訪中の際には首脳会談に同席していない何立峰・国家発展改革委員会主任が同行したのが目を引く。中国の経済開発計画を立てる発展改革委の責任者が随行団に加わった点で、朝中経済協力案に対する論議も集中的に行われたものとみられる。
北京/チョン・イナン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

訪朝中の習近平氏 きょう帰国の途に=追加会談の可能性も
北朝鮮 2019.06.21 09:42


【ソウル聯合ニュース】中国の最高指導者として14年ぶりに北朝鮮を国賓訪問している習近平国家主席は21日、1泊2日の日程を終えて帰国の途に就く。

マスゲームを観覧する習近平氏(中央左)と金正恩氏(同右)=20日、平壌(新華社=聯合ニュース)《転載・転用禁止》

 訪朝2日目のこの日、習氏は中朝親善の象徴である平壌市内の「朝中友誼(ゆうぎ)塔」を訪れる計画だ。習氏は両国の国交樹立70周年を記念するとともに、中朝関係の堅固さを改めて誇示する見通しだ。

 平壌の牡丹峰のふもとにある友誼塔は、朝鮮戦争に参戦した中国人民志願軍をたたえるため1959年に建立された。北朝鮮は習氏の訪問に備えて先ごろ補修工事を行った。

 北朝鮮を訪問する中国高官はこの塔を頻繁に訪れている。習氏も2008年6月に国家副主席として北朝鮮を訪問した際に友誼塔に献花した。

 習氏はこの日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)と昼食を兼ねた2回目の会談を行う可能性もある。

 習氏と金委員長は前日に首脳会談を行い、北朝鮮核問題と米朝対話、中朝関係などについて議論した。この席で金委員長は、忍耐心を持って米国と対話を続け、問題を解決していくとの立場を示し、習氏も「朝鮮(北朝鮮)が自身の合理的安全保障と発展に関する関心事を解決できるように力の及ぶ限り手助けする」と述べた。

 習氏と金委員長が2回目の会談を行う場合、朝鮮半島情勢と国交樹立70周年を迎えた中朝関係の発展方向などについて意見交換するとみられる。金委員長が過去に4回訪中した際にも、両氏は初日の首脳会談に続き2日目にも昼食を共にしながら議論を続けた。

 習氏は専用機で帰国の途に就く見通しだ。平壌に到着した際と同様に、北朝鮮は沿道での盛大な見送りと空港での歓送行事で「誠意」を示すと予想される。

 中国メディアによると、習氏夫妻と金委員長夫妻は20日夜、平壌の5月1日競技場で中朝親善の内容が盛り込まれたマスゲームを観覧した。

ynhrm@yna.co.kr

「中朝親善を継承して時代の新しい章を開こう」という題名の寄稿文が、「労働新聞」19日付1面に掲載された。中国の習近平国家主席が・・

2019-06-20 | 朝中協力
習主席、前例のない「労働新聞」への寄稿で
「地域の平和・安定の新局面を切り開<


登録:2019-06-20 07:58 修正:2019-06-20 12:54

訪朝を控えて中国最高指導者としては前例のない「労働新聞」への寄稿 
国際社会に向けて「核問題など平和プロセス」の進展をなし遂げると確約 
「中朝親善は不変」を強調、金委員長のリーダーシップを後押し 
「中朝関係の新たな歴史的出発点、中朝関係の設計図を作成」



19日、北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」と内閣機関紙「民主朝鮮」に掲載された中国の習近平国家主席の共同寄稿を朝鮮中央テレビが公開した //ハンギョレ新聞社

 中国の習近平国家主席が今月20~21日の訪朝の意味を自ら明らかにした「中朝親善を継承して時代の新しい章を開こう」という題名の寄稿文が、「労働新聞」19日付1面に掲載された。訪朝を控えた中国最高指導者が「労働新聞」に投稿したのは、朝中関係70年史において初めてのことだ。

 習主席が前例のない方式で明らかにした訪朝の意味は、国際社会に向けたメッセージと北朝鮮内部用のメッセージに分けられる。習主席は非核化問題を含む朝鮮半島の平和プロセスと関連し、「新たな局面を切り開いていく」と断固たる意志を明らかにした。また、「朝中親善」を強調し、ハノイでの朝米首脳会談で合意が見送られたにもかかわらず、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の対内外政策路線が“正当”という自身の評価を、「労働新聞」への寄稿文という前例のない形で明らかにすることで、“金正恩リーダーシップ”を積極的に支持し、金委員長の“決断”に必要なムードづくりに力を入れた。朝中関係に詳しい元高官は、「北朝鮮を安心させ、核問題の解決策において進展を図るともの」だとし、「全般的に肯定的なシグナルだ」と評価した。同高官は「金委員長に対する習主席の非常に高い水準の礼遇」だとし、「金委員長の統治に非常に大きな力になる」と付け加えた。

 国際社会向けのメッセージと関連し、習主席は「中国側は朝鮮の同志らと共に手を携えて努力し、地域の恒久的な安定を実現するための遠大な計画を共に作成する用意があります」と明らかにした。「地域の恒久的安定」とは、金正恩国務委員長と文在寅(ムン・ジェイン)大統領が合意した「朝鮮半島の恒久的かつ強固な平和体制」(4・27板門店宣言)と事実上同じ意味だ。特に、習主席は「意思疎通と対話、調整と協力を強化し、地域の平和と安定のための新たな局面を切り開いていく」と強調した。もちろん「対話を通じて朝鮮側の合理的な関心事を解決することを支持する」と付け加え、北朝鮮側の意志とは関係なく中国が一方的に動くことはないという“約束”もした。中国専門家のイ・ヒオク成均館大学教授(中国研究所長)は、「『合理的な関心事』という表現は様々な解釈が可能だが、広義では体制保証の問題、狭義では制裁(緩和・解除)問題と思われる」と分析した。

          

北朝鮮の金正恩国務委員長と中国の習近平国家主席が第4回朝中首脳会談の二日目の1月8日、北京人民大会堂で査閲している//ハンギョレ新聞社

 また、習主席は「われわれは朝鮮側および該当側とともに意思疎通と調整を強化し、朝鮮半島問題と関連した対話と交渉に進展が見られるよう、共同で推進することで、地域の平和と安定、発展と繁栄のために積極的に貢献する」とし、韓国を含む北東アジア当事国と協力するという意思を表明した。

 習主席は「労働新聞」への寄稿文で、「非核化」または「核」という言葉を一度も使わなかった。しかし、宋濤中国共産党対外連絡部長は17日、習主席の訪朝日程を公式発表し、「朝鮮半島非核化の方向を堅持しつつ、朝鮮半島問題の政治的解決プロセスが新たな進展を収めるよう努力したい」と述べた。

 「北朝鮮内部用メッセージ」と関連し、習主席は「(朝中両国の)この友情は千万金にも代えられないもの」とし、「国際情勢がいかに変わろうと、朝中親善協力関係を強固に発展させることに対する中国党と政府の確固たる立場には変わらないし、また変えられません」と確約した。これは昨年6月、金委員長と3回目の首脳会談の際、習主席がした約束を再確認したものだ。習主席は原稿用紙13枚(題名を含め2056字、548単語)分量の寄稿文で、「親善」を16回も言及した。

 特に習主席が「中朝関係は新たな歴史的出発点に立った」とし、「中朝関係の設計図をよく作成し、中朝関係の発展の舵をうまく取らなければならない」と強調した部分が目を引く。20~21日の首脳会談でどのようなやり方で具体化するかに注目する必要がある。これに先立ち、宋濤部長は「中朝関係は強固だ」とし、その根拠として「隣国」であり「政治的友誼が強い」という既存の評価基準に加え、「民間友誼」と「経済的相互補完性」を強調した。特に、「経済的相互補完性」は中国側が初めて表明した内容で、注目を要する。国家安保戦略研究院のヤン・ガビョン責任研究委員は「中国が改革開放をさらに深め、北朝鮮も経済建設にすべてをかけることにしたため、従来の血盟に基づいた中朝関係よりも、新しいパラダイムで両国関係を設定する必要があるという点を強調したものとみられる」と指摘した。
イ・ジェフン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

米国メディアなど外信も、今回の習主席の訪朝に注目しているようだ。

2019-06-20 | 朝中協力
米、朝中密着を牽制…
「北朝鮮の完全な非核化が目標」原則強調

登録:2019-06-18 23:07 修正:2019-06-19 07:22

米、貿易紛争や非核化交渉への影響に留意 

慎重に対応しつつ牽制 
米国務省「中国など安保理と北非核化で緊密な調整続ける」 
対北朝鮮制裁から離脱しないよう圧迫 
「中国に無駄な行動はするなということ」 
 
外信は展望交錯 
WP 「孤立した金正恩、外交勝利」 
NYT「習近平、北の正確な意図を米国に伝える有用な伝達者」

          

ドナルド・トランプ米大統領(右)が、シンガポールでの朝米首脳会談1周年の12日(現地時間)、ホワイトハウスのローズガーデンでポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領と共同記者会見をしている//ハンギョレ新聞社

 中国の習近平国家主席の20~21日訪朝のニュースを受けた米国側は、比較的慎重な対応をしている。ドナルド・トランプ大統領は、即自的な反応を控え、ホワイトハウスと国務省は「北朝鮮の非核化が目標」という原則的立場を強調し。朝中首脳会談に対する警戒と圧迫のメッセージを発信した。

 習主席の訪朝に対してホワイトハウスは17日(現地時間)、マスコミに対し「私たちの目標は金(正恩北朝鮮国務)委員長が同意した通り、北朝鮮の最終的で完全に検証された非核化(FFVD)の達成」と明らかにした。一見、北朝鮮の非核化に対する米国の立場を原則的に明らかにしたもので、別に目新しいものではない。だが、貿易戦争で対立している現在の米中関係を考慮すれば、非核化目標を刻印させる方式で朝中の“脱線”を牽制したものと見られる。

 米国務省は中国を名指しし、より具体的なメッセージを伝えた。国務省はこの日、マスコミに向かって「米国は私たちのパートナーおよび同盟国、中国をはじめとする他の国連安全保障理事会常任理事国と共に、北朝鮮のFFVDという共有された目標の達成に専念している」と明らかにした。さらに「米国と国際社会はFFVDが何を伴うのか、その目標に向かう意味ある進展がどんなものなのかについて共有された認識を持っている」として「私たちは、同盟国とパートナー、中国をはじめとする他の国連安全保障理事会常任理事国と共に緊密な調整を継続するだろう」と付け加えた。中国が国連安保理の常任理事国として、対北朝鮮制裁決議の履行に責任があることを強調する方式で、国際的な対北朝鮮制裁圧迫の隊列から抜け出すなと圧迫したわけだ。

 国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル諮問研究委員は、米国側のこうした反応に対して「朝鮮半島の非核化に支障ないよう、中国に無駄な行動をするなということ」と分析した。ウィ・ソンナク元駐ロシア大使は「米国内では、朝中首脳会談の動きが必ずしも米国が意図する方向で北朝鮮を牽引することに役立たないと見ているようだ」として「北朝鮮が(非核化)交渉で自分たちのバックを強化する努力の一環と見るだろう」と分析した。米国としては、ハノイ以後に膠着状態に陥った北朝鮮と貿易紛争で悪化の一途をたどる中国との出会いに刺々しくならざるをえないということだ。

 米国メディアなど外信も、今回の習主席の訪朝に注目しているようだ。ワシントンポスト(WP)は「朝中はいずれも米国と対立する時に中国の習主席が北朝鮮を訪問する」とし、「2月のトランプ大統領との非核化会談が劇的に失敗した後、孤立した北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)の外交的勝利として記録されるだろう」と解釈した。それと共に「中国は、国連制裁下にある国家(北朝鮮)にとって最も重要な同盟であり経済的命綱」と付け加えた。

 ニューヨークタイムズ(NYT)は「習主席が北朝鮮の正確な意図について米国に伝える有用な伝達者」になるという米国務省出身でブルッキングス研究所所属のエバンズ・リビア研究員の意見を伝えた。彼は「北京が今回の訪朝の見返りに平壌にミサイル試験のような挑発の中断を要求したものと確信する」と見通した。韓国国内の専門家たちも、習主席が金委員長に会って「対話再開」と「挑発中止」などある程度肯定的なメッセンジャーの役割もするだろうと分析した。

 はっきり言えることは、トランプ大統領の立場としては、米中貿易談判が予想される主要20カ国・地域(G20)首脳会議を控えて、今回の習主席の訪朝により計算が複雑になったということだ。昨年から米中貿易交渉と北朝鮮核問題の分離対応基調を維持してきたトランプ行政府の立場としては、中国が強力な連係カードを持ち出し、苦悶に陥ることになった。
キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

これは朝鮮半島の平和プロセスの後退というよりは、進展・深化の方向であり、肯定的な変化と見ることができる。

2019-06-19 | 朝鮮民主主義人民共和国
[ニュース分析] “4者構図”の朝鮮半島平和プロセスへ…
重要になった韓中協力

登録:2019-06-19 08:11 修正:2019-06-19 08:35

習首席、訪朝で朝米の仲裁者に 
朝鮮半島の平和の進展に肯定的な変化 
 
金委員長の交渉軌道維持の保証も 
「韓中、朝米を牽引し、難題を解決すべき時」



中国の習近平国家主席が今月20~21日、北朝鮮を国賓訪問する。写真は昨年6月19日、第3回朝中首脳会談当時、中国北京人民大会堂で開かれた歓迎式で北朝鮮の金正恩国務委員長と習近平主席が握手する様子//ハンギョレ新聞社

 中国の習近平国家主席が20~21日、平壌(ピョンヤン)を訪問するのは、南北米3者が主導してきた朝鮮半島の平和プロセスが南北米中の4者構図に再編されるという意味だ。中国の役割が大きくなるだけに、状況が複雑になる恐れがある。ただし、これは朝鮮半島の平和プロセスの後退というよりは、進展・深化の方向であり、肯定的な変化と見ることができる。

 中国は休戦協定の当事者だ。したがって、今後、朝鮮半島の平和プロセスが停戦体制の当事者4者が参加し、協力と対立の高次関数を解く方法で展開するものと見られる。多数の専門家とマスコミは「北朝鮮の非核化」のみに関心を注いでいるが、朝鮮半島の平和プロセスはそれより複雑で根深く、構造的な対立を解消しなければならない。「朝鮮半島の冷戦構造」は「南北の不信と対決の関係▽朝米の敵対関係▽(核兵器など)大量破壊兵器をはじめとする軍備競争▽軍事停戦体制」(イム・ドンウォン元統一部長官)という4本柱が支える複合構造物であるからだ。「冷戦の4本柱」を完全に解体するために、中国の参加は選択ではなく、必須だ。

 中国は北朝鮮の唯一無二の後見国であり、「唇亡歯寒の関係(唇と歯のように緊密な関係)」である血盟だ。北朝鮮の根深い“体制安全への不安”を解消し、経済発展を現実化するのに、中国の参加・協力・支援は欠かせない。中国最高指導者としては14年ぶりとなる習近平主席の訪朝が、朝中親善関係の強化を飛び越えて、北東アジアにもたらす影響に、米国を含めた関係国が神経を尖らせているのも、そのためだ。

 ひとまず、習主席の平壌訪問を契機にした朝米首脳会談は、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が少なくともしばらくは交渉軌道を離脱しないという“確かな保証”と見られている。大統領府関係者が18日、「対話のモメンタム(動力)を生かして火種をた絶やさないのに、朝中の対話が役立つと判断している」と述べたのも、そのためだ。これは、ハノイでの朝米首脳会談が物別れに終わった以降の危うい膠着局面の突破口を模索するにあたって、心理的安全弁の役割を果たすことができる。

 さらに重要な問題は、習主席との会談で、金委員長が出す非核化関連の新たなメッセージの内容だ。これは、習主席が28~29日、日本の大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の機に行われる予定のドナルド・トランプ米大統領との会談で、メッセンジャーとして伝える「金委員長の新しい提案」になる可能性が高い。元高官は「米国の新しい計算法を要求した金委員長の公式見解(4月13日、最高人民会議の施政方針演説)よりも柔軟で融通の利いた内容」になると予想した。

 金委員長からトランプ大統領への“贈り物”を託された習主席が、大規模な対北朝鮮人道的支援を約束するという見通しもある。これは韓国側の支援に対する北朝鮮側の潜在的な需要を減らす可能性がある。

 特に注目すべきなのは、習主席が金委員長とトランプ大統領の駆け引きを仲裁・促進する当事者の資格を得たことである。これまでは文在寅(ムン・ジェイン)大統領が事実上一人で仲裁・促進者の役割を果たしてきた。文大統領が金委員長から「完全な非核化」(4・27板門店宣言)と「寧辺(ヨンビョン)核施設の永久廃棄処分と追加措置」(9・19平壌共同宣言)という文書化された非核化の約束を引き出し、これをもとに第1・2回朝米首脳会談の実現に向けた架け橋の役割を果たしたのが代表的な事例だ。

 ところが、今回は習主席が金委員長の新たな「非核化メッセージ」を持ってトランプ大統領に会うことになる。ハノイ会談で合意が見送られたことで、文統領の促進者の役割と南北米3者構図が限界に達したという金委員長の暫定評価による“変化”とも言える。ただし、これは仲裁・促進者の交替というより、一人から二人への増員に近い。

 元高官は「これから韓国が気を引き締めなければ、中国の役割が大きくなるだけに、韓国の立場が狭まる恐れがある」と指摘した。政府高官は「2005年の韓中協力で、朝米を牽引して6カ国協議共同声明(2005年9月)を採択した経験を生かし、難題を解決しなければならない時」だと述べた。
イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

中国が、舞台の前面に出る決断を下したことを意味する。ハノイでの朝米首脳会談以降、膠着局面から抜け出せずにいる朝鮮半島情勢に重大な変化の発端になる見通しだ。

2019-06-18 | 朝中協力
[ニュース分析]G20控え出した“北朝鮮カード”…
朝鮮半島情勢に変化訪れるか

登録:2019-06-18 06:16 修正:2019-06-18 07:44

■中国の最高指導者が14年ぶり訪朝する理由とは? 
 
今月末にトランプとの談判を控え 
米中貿易戦争めぐる協力を模索するための“決断” 
 
習主席、「今が介入すべき時期」と判断し 
朝鮮半島の平和に向けた交渉舞台の全面に登場 
 
大統領府「先週から動向を把握して注視していた」 
第4回南北会談の可能性も高まる見込み


          

                習近平中国国家主席//ハンギョレ新聞社

 中国の習近平国家主席の電撃的な平壌(ピョンヤン)訪問は、昨年初めから本格化した朝鮮半島の平和プロセスで一歩後退していた中国が、舞台の前面に出る決断を下したことを意味する。ハノイでの朝米首脳会談以降、膠着局面から抜け出せずにいる朝鮮半島情勢に重大な変化の発端になる見通しだ。

 20~21日に平壌で開かれる朝中首脳会談は、当然両国の合意によるものだが、習近平主席の決断が決定的な要因といえる。習主席の訪朝は、昨年3月以降、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が4回の訪中で習主席の訪朝を要請したにもかかわらず、これまで実現しなかった。習主席が2012年末に共産党総書記を務めて最高指導者になってから6年半がたっての訪朝であり、中国最高指導者としては2005年の胡錦涛総書記以来およそ14年ぶりの訪朝だ。

 習主席がなぜこの時点で訪朝を決断したのかは、様々な側面から考える必要がある。まず「銃声なき戦争」を彷彿とさせる貿易・先端技術をめぐる米中の対立が主な要因と考えられる。28~29日、日本の大阪で行われる主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、ドナルド・トランプ米大統領との談判を控えた習主席が、“北朝鮮カード”を活用することにしたという意味だが、“対決”よりは“協力”の模索に焦点を合わせた決断と言える。習主席としては、トランプ大統領との談判過程で「中国は米国の協力パートナー」であることを強調し、緊張と対立を緩和する良い協議材料として、金正恩委員長との首脳会談を活用することができる。習主席の平壌滞在日程が、中国の最高指導者の訪朝日程としては朝中関係70年史に前例のない1泊2日の“超短期”である事実は、今回の訪朝に社会主義圏特有の党対党の“親善外交”よりも、“情勢的考慮”が優先的に働いたことを裏付ける。

 また、習主席の訪朝決定は、まさに今が「中国が介入すべき時」だと判断したという意味でもある。習主席の中国は、トランプ大統領など米国側が昨年から「中国の役割」を掲げて持続的に圧迫したにも関わらず、朝鮮半島問題について消極的だった。むしろ「天の時、地の利、人の和」を掲げ、「時が熟すのを待つべき」という態度を堅持してきた。習主席は平壌で金委員長と交わした話をG20首脳会議の機会に二者会談を通じて文在寅(ムン・ジェイン)大統領に伝え、今後の対策を協議する見通しだ。大統領府は「G20首脳会議の前後に習近平主席の訪韓計画はない」と断定的に発表した。

 習主席だけでなく、金正恩委員長の思惑もまた重要だ。 金委員長が6・12シンガポール共同声明から1周年を機にトランプ大統領に親書を送り、記念切手を発売したのは、「習主席訪朝」の要因が働いたようだ。さらに、金委員長執権後、4回の朝中首脳会談の前後の事情を振り返ってみる必要がある。 昨年6・12第1回朝米首脳会談の前後に2回目の訪中(2018年5月7~8日、大連)と3回目の訪中(6月19~20日、北京)があり、今年2月にハノイでの第2回朝米首脳会談を控えて4回目の訪中(1月7~10日、北京)が行われた。 さらに、文大統領との初の南北首脳会談(2018年4月27日)を控えて1回目の訪中(2018年3月25~28日、北京)が、文大統領との第2回南北首脳会談(2018年5月26日、板門店統一閣)を控えて2回目の訪中が行われた。

 このような前例からして、金委員長と習主席の第5回朝中首脳会談は、3回目の朝米首脳会談まではいかなくても、文大統領と金委員長の第4回南北首脳会談への呼び水になる可能性が高い。文大統領が先週、ノルウェーとスウェーデンで「金委員長の決断にかかった問題」だとし、第4回南北首脳会談の可能性を残した背景には、習主席の訪朝という“非公開の要因”が働いたものと見られる。

 実際、コ・ミンジョン大統領府報道官は17日夜、「政府は先週から習主席の北朝鮮訪問の推進動向を把握し、注視してきた」と明らかにした。コ報道官は「政府は、習主席の北朝鮮訪問が朝鮮半島問題の平和的解決に寄与するとみて、これを早期実現するため、中国政府と緊密に協議してきた」とし、「今回の訪問が朝鮮半島の完全な非核化に向けた交渉の早期再開と、これを通じた朝鮮半島の恒久的平和定着に寄与することを望んでいる」と強調した。政府がすでに習主席の平壌行きを知っており、このような変化が情勢に肯定的に作用することを期待しているということだ。これと関連し、政府高官は「習主席の訪朝は肯定的な変化要因」だとし、「それだけ南北首脳会談の可能性も高まったといえる」と述べた。
イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

◇習近平主席が20~21日訪朝 中国トップとして14年ぶり


 中国と北朝鮮は習近平国家主席が20~21日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の招きで北朝鮮を公式訪問すると発表した。中国国家主席の訪朝は14年ぶり。2月末の米朝首脳会談後、膠着(こうちゃく)状態にある非核化交渉再開の契機になるか注目される。習主席と金委員長の会談は5回目となる。

文大統領は「実務交渉の結果に基づき首脳間会談が行われれば、ハノイ第2回(朝米)首脳会談のように合意が見送られることは二度と起きないと思う」と付け加えた。

2019-06-17 | 「北朝鮮問題」の解決のために
韓米、相次いで北朝鮮に実務交渉を要求…
金委員長は応じるか

登録:2019-06-17 06:08 修正:2019-06-17 08:44

文大統領「朝米実務交渉が開かれる必要がある」 
米側「北朝鮮と実務級交渉する準備ができている」 
 
北朝鮮は米側に「新たな計算法」を要求 
水面下の接触結果と北朝鮮の内部整備によって対応分かれる見込み

          

文在寅大統領が15日(現地時間)午前、スウェーデン・サルトシェバーデンのグランドホテルでステファン・ロベーン首相と共同記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 韓米が、2月のハノイ朝米首脳会談以降小康状態に陥った朝米実務交渉の再開の必要性を相次いで強調する中、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の選択に注目が集まっている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日(現地時間)、スウェーデンのステファン・ロベーン首相との首脳会談後に開いた記者会見で、「朝米間で具体的な交渉の進展に向けて事前に実務交渉が行われる必要がある」と述べた。南北米首脳による3角軸の“トップダウン”方式で朝鮮半島情勢をリードしてきた文大統領としては、異例的な発言だ。文大統領は「実務交渉の結果に基づき首脳間会談が行われれば、ハノイ第2回(朝米)首脳会談のように合意が見送られることは二度と起きないと思う」と付け加えた。

 今月12日、モーガン・オルタガス米国務省報道官もブリーフィングで、「北朝鮮と実務レベルの交渉を続けて行く意向があり、準備ができている」と述べた。外交消息筋によると、ハノイ協議が物別れに終わって以来、米国側が数回に渡って北朝鮮側にメッセージを送ってきたという。スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が24日、前倒しで訪韓する理由も、北朝鮮との実務交渉を念頭に置いた行動と見られる。

 北朝鮮側の公式な立場は、4月20日の金委員長の施政方針演説以来、一貫している。年末まで対話の窓を開けておくから米国に「新たな計算法」を持って来るようにということだ。6・12シンガポール朝米共同声明1周年を控えた4日、外務省スポークスマンの談話も同じ脈絡だった。

 専門家らは、北朝鮮側が交渉のテーブルに出るかどうかは、現在南北米間の水面下の非公開接触が進められているかと、北朝鮮が内部の整備を終えたかどうか、そして2000年の朝米共同コミュニケが米国の政権交代によって白紙化されてきた経験をいかに駄目押しするかなどにかかっていると予想した。北朝鮮大学院大学のク・ガブ教授は「(米国が提示した)他のカードがない限り、今は北朝鮮が出てくる理由があまりないと思う」とし、「北朝鮮内部で人的整備だけでなく、米国が要求する非核化の最終段階(endstate)などに対する整理がうまくできていないようだ」と分析した。統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は「文大統領のストックホルム演説などは、水面下で肯定的なメッセージのやり取りがあったからこそ実現したのかもしれない」とし、「ビーガン代表が早めに訪韓するのもそのためと見られる。北朝鮮が応じるだろう」と見通した。
キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「ベトナム社会主義共和国政府の食糧支援は、長い歴史と伝統を有する両国間の親善協力関係の発展に尽くすことになるだろう」と意味を付与

2019-06-16 | 「北朝鮮問題」の解決のために
北朝鮮
「ベトナムの寄贈食糧が南浦港到着」
異例の公表、なぜ?

登録:2019-06-14 22:04 修正:2019-06-15 06:50

14日付「労働新聞」通じ異例の内部公開 
先月26日付「労働新聞」はロシアの支援を公開 
金正恩委員長の首脳外交の成果を強調すると共に 
国際社会への人道支援の間接的な呼び掛けとも

          

「北朝鮮の食糧現況評価および対北朝鮮支援政策の方向」をテーマに統一研究院が5月30日に開催した政策討論会で、専門家たちが北朝鮮の食料事情が非常に悪化したとし、様々な政策代案を提案している=イ・ジェフン記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮労働党中央委員会の機関紙の「労働新聞」が、「わが国にベトナム社会主義共和国政府が寄贈する食糧が13日、南浦港(ナムポハン)に到着した」と14日付4面記事で報道した。労働新聞は「ベトナム社会主義共和国政府の食糧支援は、長い歴史と伝統を有する両国間の親善協力関係の発展に尽くすことになるだろう」と意味を付与した。労働新聞は、ベトナム政府が「寄贈」(無償支援)した食糧の種類と規模には言及しなかった。ベトナムが代表的なコメ輸出国である事実を考慮する時、コメである可能性が高い。

 北側が外国政府の食糧支援の事実を公式に確認し、しかも最も権威の高い内部用メディアである労働新聞を通じて人民に公開的に知らせたのは異例だ。これに先立って労働新聞は、先月26日付4面を通じて「ロシア連邦政府が世界食糧計画を通じてわが国に寄贈する小麦が25日に到着した」と報道したことがある。

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の首脳外交の成果という脈絡で、内部公開がなされているようだ。金委員長は2月に2回目の朝米首脳会談場所のハノイを訪問したときに朝-ベトナム首脳会談を行い、4月にはウラジオストクを訪問しロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した。

 北側は最近、世界食糧計画(WFP)など国際機関に対し食糧を含む人道支援を多角的に訴えていると伝えられる。こうした事情を考慮する時、労働新聞を通したベトナムとロシアの食糧支援の事実の公表には、国際社会に人道支援を間接的に訴えるメッセージも含まれているようだ。韓国政府は、世界食糧計画と国連児童基金(ユニセフ)の北朝鮮栄養支援・母子保健事業に800万ドルを現金支援したのに続き、国際機関を通した対北朝鮮食糧支援方案を検討・推進している。
イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

スウェーデンを国賓訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日(現地時間)、・・・

2019-06-16 | 文在寅大統領情報
文大統領「南北・朝米、水面下で対話続けてきた…
遅すぎないうちに対話の再開を望む」

登録:2019-06-15 07:33 修正:2019-06-15 08:21


スウェーデン議会での演説後の質疑応答で  
「朝鮮半島の非核化が実現すれば、自然に核・通常兵器の軍縮も進む」 
「朝鮮半島の完全な平和に向けて忍耐ある対話が必要」



スウェーデンを国賓訪問中の文在寅大統領が今月14日午前(現地時間)、スウェーデンのストックホルム旧下院議事堂で演説している。スウェーデンは議会本会議場では演説しないのが慣行であり、海外貴賓訪問の際は議会区下院議事堂で演説する//ハンギョレ新聞社

 スウェーデンを国賓訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日(現地時間)、「水面下での朝米・南北対話は引き続き行われており、対話のモメンタムは維持されている」とし、「朝米間・南北間対話が遅すぎないうちに再開されることを望んでいる」と繰り返し強調した。

 文大統領は同日、スウェーデン議会での演説の後に行われた質疑応答で「第2回朝米首脳会談が合意なしに終わったため、対話が膠着状態に陥っているように見えるかもしれないが、米国のトランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、互いに対する信頼を表明しており、対話への意志を持っている」とし、このように述べた。そして「(対話の)時期を決めるのは、結局、金正恩委員長がいつ応じるかにかかっている」と付け加えた。彼は、ノルウェーのオスロでも「6月中に南北首脳会談ができるかどうかは私にも分からない。そのような時期を選択するかどうかは、金正恩委員長にかかっている」としながらも、「非常に短い期間の連絡と協議を通じて首脳会談が実現した経験もあるため、物理的に不可能ではない」と述べた。

 しかし、文大統領は「朝鮮半島の完全な非核化と平和に至るまでは、忍耐が必要だ」と述べた。また「対話が再開されるとしても、朝鮮半島の完全な非核化と平和が一朝一夕に実現するとは断定できない」とし、「多くの時間がかかり、忍耐のある対話が必要だ。そうした対話を通じて互いに信頼をさらに深めていく必要がある」と述べた。

 そして、朝鮮半島の非核化が実現すれば、自然に軍縮も実現するだろうと述べた。「韓国が進める朝鮮半島平和プロセスの究極的な目的は、朝鮮半島の完全な非核化」だとしたうえで、「それが実現すれば、それに伴って核軍縮が行われ、国際社会における核の拡散を防ぐ堅固な土台になるだろう。完全な非核化が実現すれば、通常兵器に対する軍縮もともに進めていく計画」だと明らかにした。



文在寅大統領が今月14日(現地時間)、国賓訪問中のスウェーデン議会で、朝鮮半島の非核化と平和のための信頼をテーマに演説をしている//ハンギョレ新聞社

 以下は一問一答の全文

 -大統領と韓国政府は、南北間の緊張緩和と軍縮のため、これからどのような措置を取る計画なのか。

 =現在、韓国が推進している朝鮮半島平和プロセスの究極の目標は、朝鮮半島の完全な非核化だ。それが実現すれば、核軍縮が実現し、国際社会の核拡散を防止する堅固な土台になるだろう。南北は完全な非核化が実現すれば、引き続き通常兵器の軍縮も共に進めていく計画だ。韓国は核軍縮に向けた国際社会の努力を共にする。

 -南北間の信頼構築に向けて、いかなる措置が可能だと考えているか。南北の平和および和解プロセスを支持し、さらに発展させるため、このような信頼構築の措置がいかなる役割を果たせると思うか。

 =ストックホルム平和研究所は今年1月、南北米の3者の実務交渉に参加する政府関係者を一堂に集め、互いに対話できる機会を与えてくれた。それは、南北間、朝米間の相互理解を深める良い機会となった。スウェーデンは同じ方式で第1回、2回朝米首脳会談の開催に大いに貢献した。2000年金大中(キム・デジュン)大統領が初の南北首脳会談を開催した際も、スウェーデンからの支援があった。南北間の平和のために長い間スウェーデンが示してきた努力に韓国国民は深く感謝している。

 第2回朝米首脳会談が合意なしに終わったため、対話が膠着状態に陥っているように見えるかもしれないが、米国のトランプ大統領と金正恩委員長は、互いに対する信頼を表明しており、対話への意志を持っている。それだけでなく、朝米・南北間で水面下の対話は続いており、対話モメンタムは維持されているといえる。米国と韓国はいつでも対話する体制が整っていると表明した。その時期を決めるのは、結局、金正恩委員長がいつ応えるかにかかっている。朝米・南北間の対話が、遅すぎないうちに再開されることを望んでいる。

 しかし、対話が再開されたとしても、朝鮮半島の完全な非核化と平和が簡単に実現するとは断定できない。多くの時間がかかり、忍耐のある対話が必要だと思う。そのような対話を通じて、互いに信頼をさらに深めていく必要がある。その過程で、スウェーデンがこれまで同様、互いに信頼を高めるよう、引き続き支援してほしい。
ストックホルム/ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

前日にも3回目の朝米首脳会談に関する記者団の質問に「それは起こり得る」としながらも、「もう少し先のことにしたい」と答えた。

2019-06-14 | 「北朝鮮問題」の解決のために
トランプ大統領、金委員長の親書にも
「北朝鮮との交渉を急ぐ必要はない」

登録:2019-06-14 06:01 修正:2019-06-14 07:11


「制裁は維持されており、北朝鮮との関係も良好」 
北朝鮮の「年末時限」に縛られないという意味 
国務省「北朝鮮と実務交渉する準備ができている」 
ビーガン特別代表、安保理理事国と朝米交渉について協議

          

ドナルド・トランプ米大統領とポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領夫妻が今月12日、ホワイトハウス上空を通るF-35戦闘機を眺めている。トランプ大統領は32機のF-35を購入する予定のドゥダ大統領のため、同戦闘機2機を出動させた=ワシントン/AP・聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長から親書を受け取った事実を公開した翌日の12日(現地時間)、北朝鮮問題について「急ぐ必要はない」と述べた。対話の扉を開けておきながらも、北朝鮮の実質的な非核化措置がない限り、時間に追われて交渉を進めることはしないという意志を再確認したのだ。

 トランプ大統領は同日、ホワイトハウスでポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領との首脳会談後の共同記者会見で、記者団の質問に「時間が経てば、我々は北朝鮮と非常にうまくやっていけると思う」とし、「私は急がない」と述べた。彼は「急ぐ必要はない」という表現を4回も使った。

 トランプ大統領はさらに、「(対北朝鮮)制裁は維持されている」とし、「米国民の抑留者たちが戻ってきたし、(米軍の)遺骨も返還されたうえ、いかなる核実験もなかった」と述べた。また「私は変わるかもしれない。しかし、今現在、我々は良好な関係を保っている」とし、北朝鮮の行動によって自分の態度が変化する可能性があることをほのめかした。

 これは、北朝鮮が米国に非核化と相応の措置をめぐる「計算法」の変更を求めて提示した「今年末」という期限に振り回されないという意志を示したものと言える。トランプ大統領は、制裁が維持され北朝鮮の核・ミサイル実験の中止が続く限り、急ぐ必要はないと強調してきた。前日にも3回目の朝米首脳会談に関する記者団の質問に「それは起こり得る」としながらも、「もう少し先のことにしたい」と答えた。

 トランプ大統領のこのような反応は、金委員長の親書に朝米の膠着を解消できる内容が含まれていないことを裏付ける。CNNは、親書に非核化対話を進展させる具体案や今後の対話提案は書かれていないと、消息筋を引用して報じた。

 米国務省も同日、北朝鮮との対話意志と制裁維持を同時に強調した。モーガン・オルタガス報道官は「我々は北朝鮮と実務レベルの交渉に関与する準備ができており、その意志がある」とし、「そうした努力をしている間にも、経済制裁は維持される」と述べた。

 スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表は同日、ニューヨークで15の国連安全保障理事会理事国との非公開会合で、朝米交渉の状況と今後の方向についての意見を交わした。ビーガン代表は、金委員長がトランプ大統領に親書を送ると共に、金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長を板門店(パンムンジョム)に派遣して李姫鎬(イ・ヒホ)金大中平和センター理事長に対する弔意文を渡した点に触れ、「肯定的シグナルと見ている」という趣旨の発言をしたという。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「ドナルド・トランプ米大統領が6月末に訪韓するが、できればその前に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に会うのが望ましい」と述べた。

2019-06-13 | 文在寅大統領情報
文大統領、金与正副部長が板門店訪れた日に
「南北首脳、6月に会うべき」

登録:2019-06-13 06:00 修正:2019-06-13 07:37


オスロ・フォーラムでの演説後、「トランプ大統領より早く金委員長に会うべき」 
「金委員長が親書を送ったことを事前に知っており、概ねの内容も知っている」

          

文在寅大統領が今月12日午後(現地時間)、ノルウェーのオスロ大学でオスロ・フォーラムの基調演説を行った後、出席者たちと質疑応答しながら拍手している。質疑応答はBBCソウル特派員のローラ・ビッカー記者が行った//ハンギョレ新聞社

 ノルウェーを国賓訪問している文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12日、「ドナルド・トランプ米大統領が6月末に訪韓するが、できればその前に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に会うのが望ましい」と述べた。

 文大統領は同日、オスロ大学でオスロ・フォーラムの基調演説後に行ったローラ・ビッカー記者(BBC)との一問一答で、「私はいつでも金委員長に会う準備ができている」としたうえで、このように述べた。また「最終的に私たちが会うかどうかやその時期を決めるのは、金委員長の選択」だと付け加えた。3回目の朝米首脳会談の開催の有無に関しては、「公式対話がない期間中も、互いに暖かい親書を交換しており、親書に相手に対する信頼と変わらぬ対話への意志が表明されていることから、対話のモメンタム(動力)は引き続き維持されている」としたうえで、「金委員長とトランプ大統領が早期に会うのが望ましいと思う」と述べた。 彼は「対話のモメンタムが維持されても、対話がない期間が長引けば、対話に対する情熱が冷めることもある」とし、「二人に早急な会談を促している」と明らかにした。

 文大統領は、金委員長がトランプ大統領に送った親書について、「親書が届くことを事前に知っており、トランプ大統領が受け取った事実も、米国から通知を受けた」とし、「概ねの内容も知らされた」と述べた。

 次は一問一答の全文

 -トランプ米大統領が金正恩委員長から親書を受け取ったが。

 =南北間、そして朝米間で公式の会談が開かれない期間中も、両首脳間で親書は交わされている。その度、韓国と米国はその情報を共有しており、概ねの内容も相手に知らせている。私は事前に親書が届くことを知っており、トランプ大統領が受け取った事実も米国から通知を受けた。概ねの内容も知らされた。

 -ドナルド・トランプ大統領の訪韓前に、金委員長と会う可能性はあるか。

 =私はいつでも金正恩委員長に会う準備ができている。結局、私たちが会うかどうかや会う時期を決めるのは、金正恩委員長の選択だ。トランプ大統領が6月末に訪韓するが、できればその前に金委員長に会うのが望ましいと思う。しかし、それも金委員長の選択にかかっていると言える。

 -2回目の朝米首脳会談がハノイで開かれた後、朝米は互いに対し、相手が先に動くべきだと主張している。文大統領が、金委員長とトランプ大統領に膠着状態を解決できる助言をするなら。

 =ハノイの第2回朝米首脳会談で合意が見送られて以来、まだ第3回首脳会談が行われていないため、表向きには対話が膠着状態に陥っているといえるかもしれない。しかし、最初の質問に答えたように、そのような公式対話がない間にも、互いに暖かい親書は交換されており、親書で相手に対する信頼と変わらぬ対話への意志が表明されていることから、対話モメンタムは維持されていると言いたい。

 まず、金委員長とトランプ大統領は、より早期に会談する方が望ましい。対話のモメンタムが維持されても、会話のない期間が長引けば、対話に対する情熱が冷めることもある。金委員長とトランプ大統領に早急な会談を促している。

 ノルウェーを含むフィンランドやスウェーデンの北欧3カ国は、南・北・米対話に大きく貢献してきた。対話が開かれていない間も、北欧諸国が南・北・米の1.5あるいは2トラック対話の場を設けて、南・北・米間の理解と信頼を深める機会を提供した。南・北・米間の対話も、北欧国家の持続的な支持と声援のおかげで成り立っていると言っても過言ではない。これまでノルウェーなどの北欧諸国が示してきた支援に、特別に感謝申し上げたい。

オスロ/ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

膠着状態に陥った朝米関係に突破口が開かれるかに注目が集まっている。

2019-06-13 | 「北朝鮮問題」の解決のために
トランプ大統領「金委員長から昨日美しい手紙が届いた」
登録:2019-06-12 06:37 修正:2019-06-12 09:34


「とても個人的で暖かく、素敵な手紙を受け取った 
とても良い関係…とても肯定的なことが起こるだろう」 
金正男氏のCIA情報員説には「私の下ではそのようなことはないだろう」

          
 
ドナルド・トランプ米大統領が今月11日(現地時間)、アイオワ州に出発する前、北朝鮮やメキシコ、中国などに関するホワイトハウスで記者団の質問に答えている=ワシントン/AP・聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が11日(現地時間)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長から前日に親書が届いたとして、金委員長との良好な関係を保っていると強調した。今年2月末、ベトナムのハノイで開かれた第2回朝米首脳会談が「ノー・ディール」に終わって以来、両首脳間の書信接触がある事実が公開されたのは、今回が初めてだ。今月末、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領の韓米首脳会談を控えて明らかになった動きであり、膠着状態に陥った朝米関係に突破口が開かれるかに注目が集まっている。

 トランプ大統領は同日、アイオワ州に出発する前に、ホワイトハウスで北朝鮮に関する記者団の質問を受け、「金委員長から先ほど美しい手紙が届いた」とし、「(我々の)関係が非常に良いと思っており、手紙に感謝する」と答えた。彼は「我々は非常に良い関係を保っている」と再三強調したうえで、「私が昨日受け取った手紙からも、それを確認できる」と述べ、前日の10日に金委員長の手紙を受け取った事実を明らかにした。トランプ大統領は、手紙の具体的な伝達ルートや内容については言及しなかった。彼は記者団に「手紙を見せることはできない」とし、「とても個人的で、とても温かく、とても素敵な手紙」だと述べた。

 トランプ大統領は金委員長の腹違いの兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が米中央情報局(CIA)の情報員で、このため金委員長の命令で殺害されたという主張に対し、「私は彼の腹違いの兄に関する中央情報局関連の情報を見た」とし、「私の下ではそのようなことが起きないようにすると、彼に話す」と述べた。ただし「彼(金正男)については知らない」と付け加えた。

 トランプ大統領は、北朝鮮の経済的潜在力を繰り返し強調し、金委員長を褒め称えた。「北朝鮮は彼のリーダーシップの下、とてつもない潜在力を秘めている」とし、「住民たちが立派で土地も素晴らしい。ロシアや中国、韓国の間にある位置も注目に値する」と述べた。「北朝鮮がとてつもない潜在力を持っているということを、誰よりも感じている人が金正恩委員長だ。彼はそれを完璧に知っている」と語った。

 トランプ大統領は「私が初めてここに来た時は、厳しい状況だったが、その時とは異なり、今は核実験もなく、重大なミサイル実験もない」としたうえで、「我々は非常に良い関係を保っている」と述べた。さらに「私は何かが起こると思っている。それは非常に肯定的ものであろう」とし、「これまでわが国の抑留者が戻ってきており、(米軍の)遺骨が送還されている」と述べた。

 しかし、トランプ大統領は、金委員長との3回目の朝米首脳会談については、「行われる可能性もある。しかし、私はそれをもう少し先のことにしたい」と述べ、状況をもう少し見守る意向を示した。トランプ大統領はさらに、「これまで彼は約束を守った。核実験がなく、長距離ミサイル発射もなかった。短距離の実験があっただけだ」とし、「彼は私との約束を守った。それは非常に重要なことだ」と述べた。金委員長に対する信頼を表明しながらも、3回目の首脳会談のためには、北朝鮮により大胆な非核化の決断を促したものと見られる。

 ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安保補佐官も同日、ウォールストリート・ジャーナルが主催したイベントで、3回目の朝米首脳会談について、「全面的に可能で、金正恩委員長がカギを握っていると考えている」と述べた。「彼ら(北朝鮮)の準備が整った時、我々の準備も終わるだろう」とし「彼らがやるべきことは核兵器追求の放棄」だと強調した。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ドナルド・トランプ米大統領が28~29日、日本の大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の後に韓国を訪問すると米国務省が発表した。

2019-06-12 | 韓国:ハンギョレ新聞
米国務省「トランプ、28~29日 G20以後に訪韓」
登録:2019-06-11 21:17 修正:2019-06-12 07:27


オルタガス報道官、ブリーフィングで明らかに 
「文在寅大統領と韓米同盟・北朝鮮非核化を議論」 
29~30日1泊2日の日程で訪韓の可能性

          

文在寅大統領とドナルド・トランプ米大統領が2017年11月7日午後、大統領府で首脳会談を終えた後に開かれた共同記者会見で笑顔で握手している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が28~29日、日本の大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の後に韓国を訪問すると米国務省が発表した。

 モーガン・オルタガス国務省報道官は10日(現地時間)、ブリーフィングでマイク・ポンペオ長官がG20首脳会議期間にトランプ大統領と日本の安倍晋三首相との出会いに同席し、続いてトランプ大統領と共に訪韓して文在寅(ムン・ジェイン)大統領に会う予定だと明らかにした。

 オルタガス報道官は「トランプ大統領と文大統領は、韓米同盟強化方案を議論し、北朝鮮の最終的で完全に検証された非核化(FFVD)達成のための努力について緊密な調整を継続するだろう」と話した。

 オルタガス報道官は、トランプ大統領の訪韓日時と期間については言及しなかった。だが、国務省がポンペオ長官の太平洋地域歴訪日程が24~30日だと発表した点を考慮すれば、トランプ大統領はG20首脳会議を終えて、29~30日に1泊2日の日程で訪韓する可能性が高い。

 オルタガス報道官は、G20首脳会議でトランプ大統領と安倍首相が北朝鮮の最終的で完全に検証された非核化調整を議論すると話した。彼女は「北朝鮮とその他の共有する課題に統一的なアプローチをするため、韓国との(韓-米-日)3者協力を強化する方案も論議されるだろう」と話した。

 オルタガス報道官は、6・12シンガポール朝米首脳会談1周年に関する記者の質問に「上り坂と下り坂があるが、私たちは金正恩と彼の政府が北朝鮮住民のための明るい未来の道を見ていることを確信しており、1年がすぎて私たちは経済制裁が維持される中で変わらずこれを熱望している」と話した。彼女は北朝鮮問題がどの行政府にとっても最も大変な課題という点を強調し、「私たちは北朝鮮をテーブルに呼び出して、大統領と国務長官に非核化するという約束を取り付けた」と話した。それと共に「スティーブン・ビーガン(国務省対北朝鮮特別代表)が熱心に努力している。成功的交渉や結果の歴史を見れば、決して一直線ではない」と話した。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

梨花女子大学講師、大韓女性キリスト教青年会連合会(YWCA)総務、韓国女性団体協議会理事などを務めた。

2019-06-12 | 大韓民国
李姫鎬女史死去…“民主化の先達”平和への旅路を終える
登録:2019-06-11 08:38 修正:2019-06-11 09:10


          

故・李姫鎬金大中平和センター理事長が、大統領府時代明るく笑っている姿。故人が生前に「遺影写真」に選んでおいたとセンターの関係者が伝えた//ハンギョレ新聞社

 金大中(キム・デジュン)元大統領の夫人であり、女性運動家・民主化運動家として生涯を送った李姫鎬(イ・ヒホ)金大中平和センター理事長が、10日午後11時37分、ソウル西大門区(ソデムング)の延世大学セブランス病院で死去した。享年97歳。

 金大中平和センターの代弁人はこの日夜、「一部マスコミで肝臓がんのために闘病したと報じられたが、がんの診断を受けたことはなく、高齢による老患で亡くなった」と明らかにした。李理事長は今年に入って健康が急速に悪化した。風邪などで数回入退院を繰り返した。4月には「危篤説」が報道されたりもし、4月20日に長男のキム・ホンイル元議員が死去した時も、周りからは李理事長に息子の臨終を伝えられなかった。

 1922年、ソウルで6男2女の4番目で長女として生まれた李理事長は、1942年、梨花女子専門学校(現、梨花女子大学)文科に入学した。2年で強制的に卒業した後、解放後の1946年、ソウル大学師範大学に再び入学し、1950年に卒業した。1954年から4年間、米国テネシー州ランバス大学とスカリット大学で社会学の修士課程を卒業した。梨花女子大学講師、大韓女性キリスト教青年会連合会(YWCA)総務、韓国女性団体協議会理事などを務めた。

 故人は社会問題に目覚めた女性活動家であり、揺るがぬ信仰で艱難辛苦を乗り越えてきた宗教者だった。特に1962年に満40歳で政治家金大中と結婚した後は、夫とともに不屈の意志で人権と民主主義のために闘う闘士の人生を送った。

 故人は生前ハンギョレのインタビュー(「道を探して-李姫鎬評伝」)で、「私の良心に照らして一生を恥じることなく生きたと思います。女性運動家・民主化運動家として記憶されることを願います」と語っている。金大中元大統領との生活については、このように振り返りもした。「私たちは本当に互いに人格を尊重しました。遅く結婚し、結婚する時は多くの人たちが反対しましたが、本当に良い方に出会い、私の人生は価値があり有意義に生きたと思います」

 遺族には息子のキム・ホンオプ(元国会議員)、ホンゴル(民族和解協力汎国民協議会代表常任議長)氏と、息子の妻のユン・ヘラ、シン・ソンリョン・イム・ミギョン氏などがいる。

 葬儀は五日葬とし、弔問は11日午後2時から可能だ。安置所は延世大学セブランス病院の葬儀場特1号、出棺は14日午前6時、葬礼礼拝は午前7時に故人が生涯通った新村(シンチョン)のチャンチョン教会で行う予定。ソウル銅雀洞の国立顕忠院の金大中元大統領の墓に合葬する。
キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

文大統領は「2017年11月以降から今まで、1年6カ月以上北朝鮮が核実験や中長距離ミサイルのような国際社会を緊張させる挑発をしていない」とし・・・

2019-06-11 | 文在寅大統領情報
フィンランド訪問中の文大統領
「近いうちに南北・朝米対話が再開されると信じる」

登録:2019-06-11 08:57 修正:2019-06-11 09:16


韓-フィンランド首脳会談後の会見  
「南北首脳会談、今月末は困難」

          

文在寅大統領が10日(現地時間)、フィンランド大統領宮でサウリ・ニーニスト大統領と単独会談を行っている//ハンギョレ新聞社

 フィンランドを国賓訪問している文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日(現地時間)、「南北、朝米間で対話が行われているため、近いうちに南北、朝米間の対話が再開されると信じる」と述べた。

 文大統領はこの日、フィンランド大統領宮でフィンランドのサウリ・ニーニスト大統領と行った首脳会談と記者会見で、「ハノイ(2回目の朝米首脳会談)が合意なく終わったため、対話がこう着状態なのではないかという懸念があることは分かるが、それにも関わらずドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は互いに信頼し、対話する意志を持続的に表明している」とし、こう述べた。大統領府関係者は「南北・朝米会談は、決定されるかある程度の可視圏に入れば何か言える事案だが、今は答えられない」とし、「様々な接触が行われているという原論的なレベルに近い」と話した。

 文大統領は朝鮮半島平和プロセスがこの1年余りで前進したと評価した。文大統領は「2017年11月以降から今まで、1年6カ月以上北朝鮮が核実験や中長距離ミサイルのような国際社会を緊張させる挑発をしていない」とし、「米大統領が北朝鮮の最高指導者と直接会って2回も非核化を談判する史上初の出来事も起きている」と語った。さらに「フィンランドが昨年、南・北・米間のトラック2(民間主導の会議)対話の機会を設けてくれ、南・北・米間の理解が深まるように力を添えてくれた」とし、感謝を示しもした。これに対し、ニーニスト大統領は「フィンランドはいつでも外交的な支援を行う準備ができている」と答えた。

 これと共に両首脳は、来年3月から釜山~ヘルシンキの直行路線を新設して運航することで合意した。また、フィンランドが強みを持つ情報通信とスタートアップ、5世代(5G)移動通信、人工知能など未来の新成長産業分野でも協力することにし、中小企業・スタートアップ・革新分野の協力▽エネルギー協力▽4次産業革命の共同対応と関連した了解覚書も交わした。

 首脳会談後、文大統領は「欧州のシリコンバレー」と呼ばれるオタニエミ革新団地を見学した。オタニエミは北欧最大の技術研究所である国家技術研究所とアルト大学などがあるところで、ノキアやマイクロソフトなど情報通信企業800社あまりが入居している。
ヘルシンキ/ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )