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朝鮮半島危機を利用し、政権の地盤を固め、憲法改正、軍事大国化を進めようとする安倍政権の思惑だ。

2018-02-03 | ヘイトスピーチは、絶対許せない
情勢緩和求める国際世論に逆行/北南関係改善を妨害する日本

北南朝鮮は平昌オリンピックを平和オリンピックにするための様々な努力を続けている。北南和解と平和への歩みを国際社会が支持する一方、日本政府は依然として「北朝鮮脅威」を煽り、周辺諸国に対し「北への圧力」への同調を求め続けている。その背景にあるのは、朝鮮半島危機を利用し、政権の地盤を固め、憲法改正、軍事大国化を進めようとする安倍政権の思惑だ。
「圧力強化」路線を固持
                 
東京・文京区にある東京ドームシティアトラクションズの周辺で行われた「ミサイル避難訓練」に反対する市民たち(1月22日、連合ニュース)

北南関係改善への強い意志を表明した金正恩委員長の新年の辞をきっかけに、北南高位級会談、実務会談が行われ、硬直した北南関係が急速に和解ムードへと転換した。国際社会も北南対話を朝鮮半島情勢緩和の動きとして歓迎し、好意的な反応を示している。

日本はこのような国際社会の動きに逆行し、情勢緩和を妨害している。現在、北南関係改善の動きに水を差す日本国内の論調は、大きく2つに分けられる。

第1に、北南の和解を目的とした対話を是とせず、「北の非核化のための対話」を求める論調だ。

「対話のための対話では意味がない。北朝鮮に検証可能で不可逆的な方法で核・ミサイルの廃棄にコミットさせ、具体的な行動を取らせることが必要だ。それがあって初めて意味のある対話になる」(1月7日、NHK番組での安倍首相の発言)、「対話のための対話ではなく、北朝鮮の政策転換が重要」(1月9日、小野寺五典防衛相とマティス米国防長官の電話会談)、「ほほ笑み外交に目を奪われてはならない。圧力を緩和したり北朝鮮に報いたりするべき時ではない」(1月16日、バンクーバーでの20カ国の外相会合、河野太郎外相の発言)などの発言は、従来の圧力路線に固執する政府対応そのものといえる。

第2に、「対話や合意の裏には北の戦略がある」と疑念を呈す報道などがある。

北南高位級会談の合意(1月9日)に関する全国紙5紙の社説は、一様に政府の「圧力強化」路線を支持し、日米南の結束強化を求める一方、朝鮮の北南和解への歩みに対し、懐疑的な視線を投げかけた。

日経は1月11日付社説で「北朝鮮への疑念拭えぬ南北対話の再開」と題し、「北朝鮮が韓国を利用して包囲網に風穴をあけ、核開発を続ける時間と資金を確保しようとしているとの疑念はやはり拭えない」と主張。読売は1月11日付社説で「(北が)『五輪参加』のカードを切って、韓国を取り込む戦術を本格化させた」とした。

「文大統領は核・ミサイル問題での危機打開にもつなげたいと意欲を見せるが、成果を焦れば北朝鮮の術中にはまりかねない」(毎日、1月10日付社説)、「北朝鮮は国際的な孤立から逃れるためにまず、最も手っ取り早いと考える南北関係の改善に手をつけようとしている。五輪に選手団だけでなく高官や応援団を送るというのも、そのための戦術と見ざるをえない」(朝日、1月11日付社説)、「日米韓、そして国際社会が一致して、対北圧力をかけ続けるべき時だ。かつて対話への『希望』は失敗を重ねてきた。韓国には現実を見据えてもらいたい」(産経、11日付主張)

分断の原因である日本の植民地支配の責任を顧みることなく、70年の分断状況を強いられた民族へのひとかけらの想像力もない一連の主張。その根底には、いまだ克服されることのない根深い朝鮮民族への蔑視感情があり、長年の「北朝鮮バッシング」や「北核脅威論」を煽る中で麻痺した日本の言論状況がある。
朝鮮半島危機を利用

北南関係改善を妨害する日本の意図はどこにあるのか。

朝鮮半島と日本の関係性を振り返ると、そこには、日本が朝鮮の分断と戦争を利用し、利益を得てきた歴史がある。50年代には、朝鮮戦争の勃発により、米軍から日本国内への兵器・物資・サービスなどの発注が急増する中で、日本には後の高度成長につながる「朝鮮特需」がもたらされた。それは、今日、軍国主義復活の活路を朝鮮半島の緊張状態に見出そうとする動きへとつながった。半世紀に及ぶ対立と反目の歴史を乗り越え、総聯と民団が2000年の北南首脳合意の精神に基づき手をとった歴史的な「総聯・民団5・17共同声明」発表(2006年)の際にも、日本のメディアはこれを誹謗・中傷する報道を繰り返し、和解と和合の動きを妨害しようと躍起になった。

憲法改正を目論む安倍政権の下で、その動きはさらに露骨なものとして表れている。

朝鮮の「朝・日交流協会」は論評(1月26日)を発表。朝鮮半島の緊張を煽る日本の思惑について、安倍政権が北南関係と朝鮮半島情勢の変化を「自らの政治的運命を左右する重要な要因」と見なしていると指摘。「朝鮮半島の情勢不安と軍事的緊張の激化は、(安倍政権が目論む)憲法改正にこれ以上ない名分を与えるものである」と述べた。

昨年、森友・加計問題で支持率を落とした安倍政権は、衆議院解散・総選挙を強行し、「北朝鮮脅威論」に乗って圧勝を収めた。「北の脅威」を強調することで、国民の不安を高め、軍備拡大を実現。新年度予算には、陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」や敵基地攻撃能力への転用の恐れがある巡行ミサイルの導入が盛り込まれた。

総裁選を9月に控え、政権の地盤を固め、悲願の憲法改正へと歩みを進めたい安倍首相の思惑は、年頭の記者会見(4日)にも如実に表れた。記者会見の冒頭で述べられたのは「北の脅威」。「従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力の強化に取り組む」「北朝鮮の政策を変更させるため、国際社会と連携して力強い外交を展開する」と軍備拡大と圧力外交が強調された。

1月22日には、都内で初めてミサイル避難訓練が実施され、16日には、NHKが「北朝鮮ミサイル発射」と誤報を配信するなど、国民の不安が煽られる状況も続いている。

朝鮮半島情勢を取り巻くパワーバランスが大きく変化し、北南の和解が進めば「北の脅威」と朝鮮半島の緊張状態を利用し「軍国化」を推し進める安倍政権は、その名分を失い、政治的岐路に立たされることになる。官民一体となり「朝鮮バッシング」に熱を上げる光景は、急変する朝鮮半島情勢に対応できず、国際社会で孤立する日本の焦燥感の表れと言える。

民族和解の流れを妨害するこのような日本政府の動きを、朝鮮のメディアは強く非難している。

朝鮮中央通信の論評(1月24日付)は、「対朝鮮圧力」を強める日本政府の対応を「北南関係改善の流れを害そうとする卑劣で悪辣な策動」とし、その根底にある「(朝鮮に対する)極度の敵対感と病的拒否感」の存在を指摘。「北南関係が改善し、朝鮮半島に平和が訪れれば、(日本は)『集団的自衛権』の行使や憲法改悪の口実を失うことになる」と強調した。

(金宥羅)


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