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外務省メールそのまま記載

2012-05-26 | 投稿
副大臣会見記録(平成24年5月24日(木曜日)16時04分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)デイヴィーズ北朝鮮政策担当特別代表との意見交換

【山口外務副大臣】本日は、米国のデイヴィーズ北朝鮮政策担当特別代表と30分、意見交換をしました。佐々江次官とも意見交換したと思いますけれども、私の方からは、この間、野田総理が中国に行って、金正恩さんのことについて、李明博大統領、あるいは温家宝総理、もちろん胡錦涛さんとも話をしたわけですけれども、そういうことも踏まえて、いろいろ米国としてどういうことを考えているのか、あるいは中国と今回どういう話をしてこられたのか、そういうことを中心に意見交換・情報交換をさせていただきました。


米韓地位協定の運用改善

【琉球新報 問山記者】本日、米韓地位協定に関して、報道でしかまだ触れていないのですけれども、地位協定の一部改善というか、今まで24時間以内に起訴しないと身柄を拘束できないという形の条項が消えたということが出ているのですが、そのことについてどう思われるかということと、沖縄県の方と、あと市町村の方でも地位協定の改定を求めていると思うのですが、今、現状としては、どのような日米間で地位協定の改定に向けての話し合いというのがされているのか、そういったスケジュールとか、協議会とかあるのでしたらお話を伺いたいと思います。

【山口副大臣】24時間以内に起訴をしないのだったら釈放するということですか、それがなくなった。そもそも日本側にはそういう規定がないわけなのです。そういう意味では、それがなくなったからというのと、もともとない日本と比べるというのは、ちょっと難しいなという気がするのですけれども、今、お尋ねの地位協定の改定、民主党としても究極的には必ず改定したいというように思っています。
 他方、今、一つひとつ順番にやっていかなければならないことがあるものですから、当面は基地負担の軽減、もちろんその際には米国の海兵隊の能力を維持しながらということがあるわけですけれども、普天間を巡る話を先に、まず片付けなければいかんなというところでやらせていただいています。


北朝鮮情勢

【共同通信 斎藤記者】本日は、局長級協議がありましたし、デイヴィーズさんが来られてお会いになったということですが、北朝鮮が核実験をしないと、非常に良い結果として、核実験は見送ろうというような判断をした場合、日米韓として何らか応える用意があるということを、本日、局長級協議でも触れられたと、今、ペーパーでもそのような説明がありました。具体的に核実験をしなかった場合、我々として取り得る行動、どういったオプションがあるのか、その点について副大臣のご所見をお伺いします。

【山口副大臣】この間の北朝鮮の外務省の発表は、文言的には「核実験のような軍事的措置は見越していなかった」と。ちょっと難しい表現ですね。外務省の文書でここでこういうように言われているということは、私としては、非常に明らかなメッセージというように解釈しています。そういう意味では、これはどちらかというと核実験はしないということに近い表現だろうなとは思います。でも、本当かどうかまだわからないわけですね。そういう意味では、彼らの具体的なアクションというのを、まず見ていかなければいけないなというところがひとつあります。
 さっき、デイヴィーズさんともある意味で意見は一致をしているわけですけれども、ただ、我々、拉致・核・ミサイルを包括的に解決に持っていきたいという気持ちがあるわけですから、どういうようにするか、そういう意味でこの外務省の発表があったから即アクションというようにはいかないと思います。 だけど、少し見てみて「ああなるほど、言葉通りのアクションが伴っているな」ということが、我々、確認されれば、それはやっぱり対話に向けて一歩踏み出すということも、可能性としては考えられます。その時は、やっぱり米国、あるいは韓国と良く連携を取っていきたいと思います。もちろん、中国とも良く打ち合わせはしていきたいと思います。
 今のところ、どういうような具体的なアクションが可能かどうかというのは相談をしていません。現実には、この核実験、そういう軍事的措置は見越していなかったというのが出てきただけですから、我々としては、まだ具体的なことは考えていません。気持ちとしては、せっかく2月29日に米朝の合意があったのだから、それを人工衛星なるものというか、ミサイルの打ち上げが失敗したとはいえ、それがあったわけで、1回、白紙に戻っているわけです。振り出しに戻っているわけです。それがこういう外務省の声明で、すぐには前に行かないと思うけれども、それに伴うアクションがくっついてくることによって、2月29日の時点に近いところまで、どうやって、我々、戻れるのか。ひとえに北朝鮮側のアクション次第というところが実態です。

【共同通信 斎藤記者】今、具体的にどういうアクションが取られるのかはまだ検討中だということですが、当然考えられるオプションとしては食糧支援、人道支援といったものがあるかと思うのですが、その辺を絡めるというアイデアは、副大臣の頭の中にはおありでしょうか。

【山口副大臣】食糧支援という話は米国が考えていた話ですから、米国自身は今相当トラウマがあると思います。2月29日に合意したのに、3月の中旬にはあんな話をされたのではもう信頼ができないよという気持ちが正直なところだと、私は推測します。そういう意味では、食糧支援の話にすぐいけるかというのは、米国の気持ちがどこまで回復するかというのがひとつあると思います。それを北朝鮮が「ちゃんと信じてくれ」ということをきちんと伝えられるかどうか。それはやっぱり言葉だけではなくて、行動で伝えることが必要なんだと思いますね。そこにかかっていると思います。

【NHK 吉岡記者】その具体的な行動の中身ですが、山口副大臣がおっしゃるように「核実験をしません」とか「長距離ミサイルを撃ちません」ということを、実際にそれを信頼するにはそれなりの時間がかかると思いますけれども、米朝合意にあった寧辺の核施設のモラトリアムといいますか、これもやはり、それを想定をされているというか、検討されて、こうした具体的な行動をというメッセージを発せられているのでしょうか。

【山口副大臣】どういうような具体的な行動かというのは、今まで合意されたこととか、いろいろあるわけだから、おのずと北朝鮮にとっては明らかだと思います。そういうことを踏まえて、向こうで判断していただいたらいいと思います。

【毎日新聞 横田記者】北朝鮮は、どちらかというと核実験をするのではないかというのが今までの国際世論の見方だったと思うのですが、先ほど副大臣はしないというようなメッセージとも聞こえるという評価をされていらっしゃいましたが、北朝鮮がある意味、これまでとってきた姿勢から転換をしたと、その背景というのはどのように分析されておりますでしょうか。

【山口副大臣】2006年、2009年、3つずつ増えているのだったら2012年にミサイルを飛ばしたのだったら核実験をするのではないかと、みんなそういうことを懸念していたわけです。だけど、北朝鮮としては別に6年9年の場合はともかく、今回核実験をするということは一切言ってなかった。私もずっと見ていて、この間ミサイルの発射が失敗したわけですよね。だから、自分が北朝鮮の方に自分を置いてみてどういうような発想をするのだろうかなと、一番頭が良い人がいるのだったらこれをどうとらえるのかなということだと思って、私自身は、なるほど、向こうも相当考えているなという気はしているのです。
 これから、経済状況も苦しいだろう中で、どういうように国を盛り上げていくかということをきっと考えていると思いますから、それは、今のまま行ったら相当きついだろうなということは誰が見ても明らかです。そういう意味では、どういうように打開するだろうかという中で、私は核実験をしないということがむしろ彼らにとって今カードになっているということかもしれません。だけど、我々としてはそれですぐ動くわけではないわけですから、そういう意味で具体的行動を示してくださいという言い方をしているわけです。
 そういう意味で、これからせっかく米国と北朝鮮の方で話ができていたものを一回、米国にとってみたら、完全に信頼をある意味で打ち砕かれているような状況ですから、それを北朝鮮がどうやって回復するかという一つがこのメッセージかなと。だけど、行動が伴わないメッセージは、米国にとって信頼を回復することにはまだならないのではないでしょうかというところだと思います。

【毎日新聞 横田記者】デイヴィーズさんとの話し合いの中でも、北朝鮮の外務省報道官の談話の分析については、今の御説明のように核実験をしないということに近いのではないかという認識で一致し、更にそれを踏まえて実際の行動を見ていく必要があるということで一致しているという認識でよろしいでしょうか。

【山口副大臣】分析のところは、そういえば私はあまりデイヴィーズさんとは詰めませんでした。ただ、具体的行動が必要だというところでは認識が一致しています。
 あと、私の方からデイヴィーズさんに、「これからどういうように米朝対話の可能性があるのでしょうか」というように言ったところ、「具体的行動をまず見てみないと」と。それは彼の心の中は私は痛いほどよくわかりますから、それはそういうことだろうなと思います。

【共同通信社 斎藤記者】核の問題と離れて拉致ですが、拉致について現在日米の間で日本側はどのような協力を米国に対して求めているのか。そして、同時に現時点の、非常に膠着していると思いますけれども、具体的にどのような道筋で拉致問題を外務省として解決しようとしているのか、改めて説明してください。

【山口副大臣】拉致について我々かなりというか、全面的に何とかしなければいけないという気持ちでみんな一生懸命やっているわけです。家族の方々にとってみたら、金正日氏が亡くなって金正恩さんに引き継がれた、ここをどういうように活用するかというところをよく言っておられました。その気持ちはもちろん、私自身も共有しています。
 そんな中で、米国にも我々はことある毎に総理も含めて外務大臣も含めてお願いしますよということはよく言っています。ただし、何をというのは米国としてもいろいろ考えてもらうことですし、それは機会ある毎に米国からもこの拉致の問題は現実に言及されているようですから、それは一つの在り方だと思っています。
 他方、私は中国の方にもいろいろお願いすべきことだろうと思うし、総理からもこの間首脳会談の時に、拉致の問題についていつも中国との間でお願いしていることだけれども、改めてお願いしますということは言っておられました。
 そういう意味で、具体的にこれから外務省としてどうするかという話については、ここはやはり相当、そんなに簡単ではないと思うけれども、ただ、一つだけ我々が米国と中国だけに必ずしも頼っているわけではないということだけ斎藤さんに一つお伝えさせていただきたいなと思います。

【NHK 吉岡記者】その中国側の役割ですけれども、北朝鮮がこうした外務省の談話を発表したという背景に、やはりこれまでの中国による働きかけが一定程度効果を上げたというように見ていらっしゃるのかという点と、中国に対して引き続きどういった役割を求めていきたいと思っていらっしゃるか。

【山口副大臣】中国と北朝鮮とのつながりというのは、当然のことながら私たちと北朝鮮との関係とは全く違うわけです。私たちは外交関係も当然ないわけですし、中国の場合には外交関係どころかもっと強い今までのつながりもあるわけですから、そこは違うということも踏まえて、我々は中国にもいろいろと役割を果たして欲しいということは言っているわけです。それは、核に関わる話のみならず拉致についてもそれを言っているわけです。
 今回のことというのは、野田総理がこの間北京で首脳会合を3か国でやった時にも、中国側からはかなり強い調子で北朝鮮にはかなりきちんと言ってあるのだからということを二度ほど私は、たしか温家宝さんと胡錦濤さんだと思いますけれども、聞いたように思いますから、そういう意味では中国側から相当はっきりとしたメッセージで言っているのだろうなということは察しました。
 これを受け取っている北朝鮮の気持ちというのはもちろん分からないけれども、それはある意味で強く言われたら反発するということもあるのだろうけれども、結果的には中国に対して非常に気を使いながら、いろいろ進めているなということははっきりしていると思います。
 この23日のタイミングというのは、どのようにとるかというのはよく分かりませんけれども、ただ、デイヴィーズさんが北京に行っているというタイミングととらえる向きもあるようですから、そこは分かりません。だけども、少なくともはっきりしたメッセージを出そうとしているということで、中国はこれまで働きかけてきたこととは無関係ではないだろうなと思います。

【朝日新聞 松村記者】今、北朝鮮の関係で中国、韓国との協力や連携が必要だという話ですけれども、そういった中で中国が、例えば郭伯雄さんですとか、韓国の国防大臣等、連携の重要な相手方要人が直前に来日を延期されていると。このあたり日中韓との連携や協力に影響はないでしょうか。

【山口副大臣】いろいろな観察をする向きもあると思うのです、どうしてだろうというのは。だけど、とりあえず、こういう言い方をしたらあれだけど、今回、これで何か支障がすぐ起こるかというものではないようにも思いますので、それは向こう側の都合ということもあるでしょうし、そこはあまり深く考えすぎない方がいいのかなというようにとっています。
 ちなみに北朝鮮に関する日中韓の話の中で、この間のミサイルの発射が遺憾だということ、それから、これからのことについて自制を求めるという、この二つについては完全に一致していますから、その意味で日中韓の間に何か違いがあるということではないです。
 ただ、どういうように北朝鮮に物言うかという点で、日韓は相当強く言うべきだと気持ちと、中国は強く言っても話が進むわけではないでしょうと。やはり対話というもので中国は北朝鮮に対して誘導していきたいのだという気持ちの違いがある。それが共同文書にも北朝鮮部分がどうしても入らなかったということにつながったわけですけれども、ただ基本的な認識は完全に一致していますから、そういう意味ではこの間の訪日の話、若干の中止の話はあまりそういう本質的なところとは影響していないだろうというようには思っています。



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