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裁判所は22日を執行停止申立て事件の審問期日に決めた。今後のシナリオはおよそ三つに絞られる。??

2020-12-19 | 韓国の検察は民主化しなければならない
[記者手帳]
停職2カ月の韓国検察総長の前に置かれた3つのシナリオ

登録:2020-12-19 06:23 修正:2020-12-19 08:27


[土曜版]来週の質問

      

文在寅大統領(中央)は今月16日、チュ・ミエ法務部長官(左)が要請したユン・ソクヨル検察総長(右)に対する「停職2カ月」の懲戒案を裁可した。ユン総長は17日、ソウル行政裁判所に懲戒の取り消し・執行停止を求める訴訟を起こした/聯合ニュース

 「停職3カ月以下ならユン・ソクヨルの判定勝ち、5カ月以上ならチュ・ミエの判定勝ち、解任ならばユンのKO負け、嫌疑なしはチュのKO負け」

 自分の政治的スタンスを「合理的進歩」とするある法科大学院教授(弁護士)は、ユン・ソクヨル検察総長への懲戒が決まる前、勝敗をこのように予測した。言われてみれば、確かにそうかもしれないと思った。チュ・ミエ法務部長官が懲戒を請求し、チュ長官自ら委嘱・指名した懲戒委員が懲戒を決定した点や、残り7カ月のユン総長の任期などを考慮すると、停職3カ月以下となれば、事実上チュ長官の「判定負け」に近いからだ。

 結論は「停職2カ月」。1年間続いた争いがこれで幕を下ろしたわけだが、チュ長官の主張に正当性を持たせるには物足りない結果だった。「深刻で重大な不正の疑い」で「監察結果の報告を受け、言葉では言い表せない衝撃を受けた」とし、ユン総長の職務を停止し懲戒を請求した彼女の発言を裏付けるものではなかったわけだ。法曹関係者らは「重要な懲戒事由だった『判事査察』など、見出しに釣られた気がする」と語った。

 懲戒委の決定が出た16日、チュ長官は突然辞意を表明した。チュ長官はわずか3時間前、「3大権力機関」による合同ブリーフィングで、「私は検察事務の最高監督者である法務部長官として、長い間解決できなかった検察改革の召命を果たし、検察が国民から信頼される公正な機関に生まれ変わるよう、これからも最善を尽くすことを国民の皆さんに約束する」と述べ、“未来”を語っていた。検察内でも「誰も予想できなかった時期の辞任」という反応が出た。「不倶戴天の宿敵」チュ・ミエ長官は去るが、少なくとも5カ月の総長職を保障されたユン総長に勝機が傾いたと言う検事もいた。

 勝者と敗者、勝敗の濃度が変わる余地は残っている。ユン総長は17日夜、ソウル行政裁判所に懲戒に不服として訴訟を起こし、執行停止を申し立てた。懲戒決定直後、「任期制総長を追い出すための違法かつ不当な措置」だとし、「検察の政治的中立性と独立性、法治主義が深刻に損なわれたため、憲法と法律に基づいて過ちを正す」と述べた彼の意志が反映された動きだ。

 これは単なる法廷闘争を超え、政治的リスクまで甘受する戦いだ。「停職2カ月」の懲戒案を裁可する際、「検察総長の懲戒をめぐる混乱を一段落させ、法務部と検察の新しい出発を期待する」と述べた文在寅(ムン・ジェイン)大統領と対立する格好になったためだ。大統領府は「訴訟の被告は法務部長官だ」として、対決構図を避けようとするが、懲戒請求者であるチュ長官が去った今、訴訟の相手は懲戒執行者である文大統領にならざるを得ない。検事出身の弁護士は「ユン総長がミドル級チャンピオン(チュ長官)を通り越して、ヘビー級チャンピオン(文大統領)に挑戦した」と表現した。

 裁判所は22日を執行停止申立て事件の審問期日に決めた。今後のシナリオはおよそ三つに絞られる。第一に、懲戒の手続きで防御権が十分保障されなかったため、ユン総長が有利だという意見がある。裁判所が近いうちに執行停止申立てを認容した場合、ユン総長は再び職務に復帰する。本案訴訟が確定するまでは長い時間がかかるため、来年7月までの任期を完全に全うできる。彼の復帰で懲戒が無意味になれば、これを裁可した文大統領への打撃が大きくなる。与党が反発している「月城(ウォルソン)原発1号機経済性操作」事件の捜査などにも弾みがつくものとみられる。ユン総長が強調した「生きた権力の捜査」の流れがさらに強まる可能性がある。ユン総長側が望んでいるシナリオだ。

 第二に、執行停止申立てが却下された場合だ。検事懲戒法によって懲戒委を経て大統領まで裁可した懲戒事案に裁判所がブレーキをかけるのは難しいと予想する人もいる。そうなれば、ユン総長への懲戒が正当だったという世論とともに、与党によるユン総長への辞任圧力も強まるものとみられる。新任の法務部長官が検察人事を断行し、2カ月後に復帰したユン総長の立場をさらに狭めることも考えられる。

 第三のシナリオは、ユン総長が自ら辞任することだ。こうなると、文在寅政権の弾圧に立ち向い、去った検察総長として記憶されうる。支持率もさらにあがる可能性があり、政界進出の可能性も高くなる。しかしユン総長は、チュ長官が試みた「心中作戦の被害者」という考えが強く、同時に退陣する可能性は全くないという。

 そのようにしてミドル級を通り越して、ヘビー級チャンピオンを相手にしたユン総長の挑戦は続く。最後の勝者となるのは誰だろうか。
//ハンギョレ新聞社 
オク・キウォン法曹チーム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


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