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「・・・・在韓米軍に対する市民社会の統制を制度化する必要がある」と話した。

2017-07-16 | 韓国:ハンギョレ新聞
「不都合で一方的な同盟から透明かつ堂々とした同盟へ」

登録 : 2017.07.14 03:54 修正 : 2017.07.15 07:17


[米軍基地移転、失われた10年]「新しい韓米同盟」求める声高まる 
「住民・専門家など協議体による在韓米軍の統制が必要」
 「在韓米軍の費用-便益分析は、韓国の防衛費分担金を『ただでもらえるお金』のように扱っている」

 2013年4月、米上院軍事委員会が発行した報告書「米国の海外駐留軍支援費用と同盟国の分担」の一部分だ。報告書は第2章「在韓米軍の駐留関連費用」の「韓国の分担金の疑わしい使用」という節で、キャンプ・ハンフリー(平沢米軍基地)に1040万ドル(約120億ウォン)を投じて軍事博物館を建設し、500万ドル(約57億ウォン)をかけて製菓・製パン施設を建設する計画を批判し、「軍事建設費分担金を任務上必須的なものに使うべき」と指摘した。2つの施設の建設計画は後に撤回された。

 韓国の分担金を無駄に使う在韓米軍の行動は、米国議会でさえ俎上に上がった。しかし、いざ韓国政府は米軍の前で無能だったし、市民社会の力はまだ微弱だった。2013年には市民団体「平和と統一を求める人々」(平統人)が監査院に国防部と外交部に対する「分担金公益監査」を請求したが、却下された。韓国は年間2兆ウォン(約1990億円)に近い直接・間接費用を米国に“安保同盟”の代償として支援している。これと別に、韓国が2006年から昨年まで10年間導入した米国産兵器も36兆360億ウォン(3兆6174億円)規模で、世界1位だ。

 市民社会では著しく不公平な韓米同盟が冷戦時代のヒエラルキーから脱し、時代の変化にふさわしいモデルに変わらなければならないという声がますます高まっている。在韓米軍地位協定(SOFA・ソファ)改正も再論されている。

               

2013年12月に行われた韓米防衛費分担金交渉の様子=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 「開かれた軍隊のための市民連帯」の活動家、パク・ソクチン氏は「韓国現代史で、軍部や権威主義政権は数十年間、国民を暴力で支配しており、特に在韓米軍は韓国軍以上の聖域だった」としたうえで、「市民社会が軍を民主的に統制するのは、より良い社会を実現するためのカギ」だと話した。彼は「韓国が米国に支払う最も大きな費用は、韓国の安保と平和を全面的に米国に依存する現実そのもの」だとし、「もう『米国が同盟であり、友好国との理由で不平等な関係を持続すべきなのか』と自らに問いかけてみる時が来た」と話した。

 しかし、国家間の利害関係で結ばれた同盟国の駐留軍に対する市民統制は、そう簡単なものではない。特に地球上最後の冷戦対決構図が残っている朝鮮半島と、平和憲法を根拠に国家安保を米国に頼ってきた日本にとってはなおさらだ。

 米国ボストン大学で「韓国と日本の米軍基地反対運動」をテーマに博士論文を執筆しているキム・ジョンヒョン氏は最近、ハンギョレとの電話インタビューで、「両国いずれも米国と同盟、そして米軍の駐留を“動かし難いもの”として捉えている」とし、「そのために、環境汚染や騒音など、生活に関する問題は議論できるが、米軍駐留の正当性やそれが平和に役立つかどうかなど、さらに根本的問題はなかなか議論できないのが現実」だと指摘した。韓国と日本では「米軍基地問題においては、地方自治がきちんと実現されておらず、それが当然視されるのが現実」だということだ。

               
2011年10月21日、韓国進歩連帯、全国女性連帯、民主労働党など政党、市民社会団体のメンバーたちが京畿道議政府地裁前で、前月24日に東豆川で発生した米軍の10代女子生徒に対する性的暴行事件を糾弾し、韓米SOFA協定改定を求めている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 キム氏はしかし、日本の米軍基地がある沖縄県と神奈川県には住民救済運動の根が深いとし、その先例を3つの類型にまとめて紹介した。第一に、地方自治団体長の権限を活用し、米軍への供与地提供の署名を拒否したり、基地の工事を許可しない方法だ。第二に、基地の移転や再編などに反対する住民投票である。第三に、住民請願を通じた中央政府への働きかけである。キム氏は「韓米日3カ国における最上位エリート集団の戦略的・地政学的・政治的決定が、世界最強の軍隊である米軍を動かしているが、その決定による実質的かつ直接的影響を受けるのは、米軍基地周辺の地域住民という点を記憶すべきだ」と指摘した。

 これと関連し、予備役海軍中佐であるキム・ドンヨブ慶南大学極東問題研究所教授は、「市民社会が在韓米軍に対する“健全な監視者”の役割を果たすべきだ」と主張した。彼は「韓米関係は、特定の理念を共有する『価値同盟』ではなく、共同目的にむけて協力する『同盟の精神』に基づかなければならない」とし、「今の『不都合で一方的な同盟』から『透明かつ堂々とした同盟』へと変わらなければならない」と強調した。

 昨年初めて、在韓米軍環境条例制定を主導したヤン・グンソ京畿道議員は「軍と地域社会の軋轢を解決するためには、『軍官』協力から『民官軍』協力に発展していかなければならない」としたうえで、「政府と軍当局だけでなく、民間人専門家、市民団体や住民代表も参加する協議体を通じて在韓米軍に対する市民社会の統制を制度化する必要がある」と話した。

 これに先立ち、今年4月ソウルでは参加連帯、平和ネットワークなど10以上の民間団体が「在韓米軍の平沢時代、その意味と課題」をテーマに政策討論会を開いた。民主化のための弁護士会米軍問題研究委員のキム・ユジョン弁護士は主題発表で、「1966年に締結された韓米SOFAは国民意識と基本権が向上し、地方自治が活発な現実とはかけ離れている」とし、「SOFA本協定に環境権・保健権条項と韓国政府や地方自治体の米軍統制規定を新設するなど、時代に合わせて改定すべき」と話した。

チョ・イルジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ドキュメンタリー映画『盧武鉉です』:人間盧武鉉”について思い直すようになった。

2017-06-29 | 韓国:ハンギョレ新聞
再び巻き起こる「盧武鉉ブーム」、その理由とは?

登録 : 2017.06.05 04:09 修正 : 2017.06.07 16:27


『盧武鉉です』ドキュメンタリー最短期で100万突破 
「大義」守りながら苦難-克服-勝利、英雄叙事と類似 
支持者「涙を流し、追悼して負債意識振り払い」 
歴代1位『あなた…』480万人の記録越えるかに注目集まる 
「英雄叙事の第2幕が必要…冷徹な分析・反省盛むべき」

                   

『盧武鉉です』のポスター//ハンギョレ新聞社
 「“政治家盧武鉉(ノ・ムヒョン)”は支持しないが、“人間盧武鉉”に感動した」

 「若い保守」を自称する観客ホ・ギウクさん(42)の感想だ。彼は2002年はもちろん、2007年、2012年の大統領選挙でも保守候補に投票した。しかし、妻の手に引かれて『盧武鉉です』を見てから、“人間盧武鉉”について思い直すようになったと話した。両親と共にもう一度映画を見る計画だ。

 ドキュメンタリー『盧武鉉です』が封切りから10日目の3日、100万観客を突破した。ドキュメンタリー映画史上、最短期間で100万の記録だ。どうして観客たちは今“人間盧武鉉”を取り上げた映画にこんなに熱狂するのだろうか。

■非支持者まで虜にした「盧武鉉コンテンツの力」

 専門家らはまず、盧武鉉コンテンツの持つ力をその理由として挙げている。盧元大統領の挑戦と挫折、克服と成功の一代記が“英雄叙事”と類似しており、「原初的なカタルシス」を感じさせるということだ。

 映画は、盧元大統領が2002年、新千年民主党の大統領候補党内選挙に挑戦し、「盧武鉉を愛する人々の会」(ノサモ)の献身的な活動に支えられ、大逆転を繰り返しながら、国民予備選挙で勝利する過程を主に取り上げている。大衆文化評論家のファン・ジンミ氏は「2%台の支持率が物語るように、自らが選んだ苦難の道(3度の落選と釜山市長挑戦の失敗)を歩みながらも、『東西和合』『地域主義打破』という大義名分を捨てずに、これに感化された支持勢力に支えられて勝利をおさめるプロット自体が、一種の英雄叙事」だとし、「時期尚早な死にもかかわらず、“盧武鉉精神”だけは再び生きて“復活”するという点までも(英雄叙事と)相通じるものがある」と分析した。ファン氏は「劇映画『弁護人』(約1137万人)とドキュメンタリー『武鉉、二都物語』(約19万3千人)の興行もこの敍事の力を示している」と付け加えた。

 映画の中の人間臭い面貌がホさんのように彼を支持しなかった人の心まで掴んだためという分析もある。映画には文在寅(ムン・ジェイン)大統領、安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事など、盧元大統領の側近だけでなく、運転手、請願警察、彼を担当した元国家情報院職員ら39人のインタビューが党内選挙の過程と交差編集されている。彼らはいずれも盧元大統領の“人間臭い姿”を証言している。

 キム・オンヒさん(41)は「自ら運転して運転手を新婚旅行地に連れていったエピソードや、立派な人柄で国情院の職員まで感服させた逸話などに感動した」とし、「見ている間ずっと泣いていた」と話した。映画を作ったイ・チャンジェ監督は「政治家盧武鉉は排除し、人間盧武鉉の姿を撮るのに集中した」とし、「盧武鉉という人をめぐる良い空気が支持如何にかかわらず、大きく心に響いたからではないかと思う」と自評した。

■支持者にとっては哀悼と追悼の機会

 上映館ではどこでもすすり泣く声でいっぱいだった。盧元大統領支持者にとってこの作品を見ることは、飲み込んできた涙を流し、心に積もっていた「心理的負債感」とその後保守政権で感じてきたもどかしさを振り払う、追悼の儀式として共有される側面もある。

 イ・ソルヒョンさん(48)は「盧元大統領を空しく(あの世に)送ってしまったことについて、悲痛さと申し訳ない思いでいっぱいだったが、映画をみて思いっきり涙を流して追悼することができた」とし、「彼の遺志を次の世代にも伝えなければならないという義務感から、16歳の息子と14歳の娘と共に観覧した」と語った。

 朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾と繰り上げられた大統領選挙、文在寅政権の誕生なども、興行を後押しした。映画評論家のチョン・ジウク氏は「弾劾を経て、真のリーダーシップに対する渇望が多くなり、それが盧武鉉というコンテンツに対する訴求力を作り出した」と解釈した。チョン評論家は「CGVアートハウスが配給に参加し、700個以上のスクリーンを確保したのも無視できない影響を与えた」と付け加えた。ドキュメンタリー映画の最大興行作『あなた、その川を渡らないで』もCGVアートハウスが配給を担当したが、『あなた…』が約180のスクリーンから始まり、最大800カ所まで増えたことに比べて、『盧武鉉です』は、当初から580を超えるスクリーンで上映を開始した。政権交代で政治・社会的雰囲気が急変した点も興行成績に影響を及ぼしたものと見られる。

■興行好調どこまで?…そして残った課題

 『盧武鉉です』は公開初日から歴代ドキュメンタリー映画の記録を塗り替えた。7万8千人というオープニングスコアは過去の最高興行作である『あなた…』(8907人)の8倍に上る。記録は継続して更新されるものとみられる。初頭から地道に平日5万~7万人、週末には15万~20万人以上が見ているからだ。歴代ドキュメンタリー興行2位の『カウベル』(293万人)はもちろん、『あなた…』の480万人を超えられるかに注目が集まっている。

 一方では「盧武鉉コンテンツ」の補完すべき課題を提言する声もあがってる。評論家のファン・ジンミ氏は「英雄叙事構造からすると、『盧武鉉です』は第1幕に当たる。第2幕も必ず必要だ」とし、「大統領になった後、支持者たちとどのような緊張と拮抗の関係に陥るようになったのか、その理由は何かを取り挙げるコンテンツが出てこそ、盧武鉉政権から何を継承し、何を反省すべきなのかに対する冷徹な分析が可能になるだろう」と指摘した。

 イ・チャンジェ監督は「陣営論理を離れ、盧武鉉という人について心を開くきっかけを作るために企画された映画」だとし、「映画をみて他の解釈が必要だと思う多くの製作者・監督が出てきて、彼を取り上げる様々な映画が作られることを期待する」と明らかにした。

ユ・ソンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

新政府の外交・安保政策の司令塔の役割をするチョン・ウィヨン国家安保室長は、生っ粋の外交官出身だ。

2017-05-22 | 韓国:ハンギョレ新聞
[ニュース分析]
国防の中心を安保・外交分野に拡張…「安保こそ経済」

登録 : 2017.05.22 00:02 修正 : 2017.05.22 08:40

新しい外交・安保の人選の背景 
外交官出身のチョン・ウィヨン氏、安保室長に 
文大統領「安保と外交はコインの裏表 
北朝鮮核・THAAD・韓米FTA解くためには 
確固たる安保・外交的能力が必要」 
 
ムン・ジョンイン、ホン・ソクヒョン統一外交安保特別補佐官 
安保懸案の対応の役割から一歩引き 
朝鮮半島非核化の大きな図を描くか
文在寅政府の外交・安保関連人事。(左から)チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長、カン・ギョンファ外交部長官候補者、ムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官、ホン・ソクヒョン大統領統一外交安保特別補佐官//ハンギョレ新聞社
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日、チョン・ウィヨン元駐ジュネーブ大使を国家安保室長に任命するなど、新政府の外交・安保政策を率いる核心の人選を発表した。国家安保室が外交・安保懸案を率いていく実務の責任を負うものの、政策基調と方向は文大統領が直接指示するものとみられる。文大統領は「安保こそ経済、安保こそ民生という統合的な政策理念」を外交・安保政策の基調として提示した。

 新政府の外交・安保政策の司令塔の役割をするチョン・ウィヨン国家安保室長は、生っ粋の外交官出身だ。文大統領選挙陣営の諮問組織である「国民アグレマン」の団長として活動し、10日の文大統領就任後には、大統領府外交・安保タスクフォースを率いて主要4カ国の特使団派遣などを陣頭指揮し、いち早く重役が予告された。

 文大統領はこの日、チョン室長の人選の背景について「過去政府では安保を国防の枠の中だけで狭く見た側面があったが、私は安保と外交はコインの裏表だと思う」とし、「北朝鮮核・THAAD(高高度防衛ミサイル)・韓米自由貿易協定(FTA)など、安保と外交が一つに絡まる宿題を解くために、確固たる安保的能力とともに外交的能力が必要だ」と話した。

 外交通商部の通商交渉調整官を務めたチョン室長は、外交家内外で代表的な通商専門家として知られる。一方、「駐ジュネーブ大使時代は軍縮など安保懸案を広く扱い、多国間外交を通じて政務的な感覚と政治的な視野も広い」という評価も出ている。「国民アグレマン」に参加したある外交専門家は「一つの事案が連携して複合的な要素で構成されているということをよく理解しており、状況判断が早いのが長所」と評した。文大統領がこの日「今日の安保の概念はより拡張的で総合的でなければならない」と強調したのも同じ脈絡からだ。

 コリア研究院のキム・チャンス院長は「今は安保と平和と福祉が融合・複合された時代」だとし、「安保が経済と市民の暮らしを支え、その結果として市民が幸せになることがまさに平和」だと話した。彼はさらに「文大統領の外交・安保政策の基調は、結局外交・安保の結果が『平和』につながること」だとし、「外交を通じて安保を堅固にし、軍事を通じて外交を支え、これを通じて経済発展を遂げ、市民の暮らしを豊かにする結果がまさに平和」だと付け加えた。

 この日文大統領は、統一外交安保特別補佐官にムン・ジョンイン延世大学名誉特任教授とホン・ソクヒョン朝鮮半島フォーラム理事長を選任し、「(両特別補佐官は)新しい政府の統一外交安保政策の基調を私と一緒に議論して進めていくだろう」と話した。これと関連し、文大統領選挙陣営の主要関係者は「山積した外交・安保懸案の中に革新的なアイデアが必要だということに異論はありえない」とし、「安保室が日常的な懸案に対応する役割をするとしたら、両特別補佐官は官僚体制から一歩離れた位置から、朝鮮半島非核化の転換的アイデアを大統領と交わすだろう」と見通した。

 文大統領就任から11日目に安保室長が任命され、外交・安保ラインの後続人選も弾みがつくものと見られる。国家安保室の陣容を整えるのが何よりも急がれる。専門家たちは、国家安全保障会議(NSC)事務処長を兼ねることになる安保室1次長には「軍をカバーすることができる戦略専門家が必要だ」と口をそろえる。軍指揮体系改編と国防改革、戦時作戦統制権の返還と平和・軍備統制をカバーできる人物でなければならないという話だ。チョン室長もこの日、「安保状況があまりにも厳重であるため、軍に相当な経験と知識を持っている人が安保室で働くのが良いと考える」と話した。1次長配下には安保戦略・国防改革・平和軍備統制など、秘書官3人がいる。

 前政権大統領府の外交安保首席の位である安保室2次長は、外交政策・統一政策・情報融合・サイバー安保など4人の秘書官を置くことになる。チョン・ウィヨン室長が外交・通商専門家であることを考慮すると、2次長には南北関係専門家を起用するべきだという指摘が出ている。チョン室長は「南北関係こそ我々が主導して早く修復しなければならないと考えている」とし、「現実的に周辺環境がそのように整っていないため、地道に努力していくが、(南北間)軍連絡通信網のようなものは早く復旧しなければならない」と話した。

チョン・インファン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-05-21 22:26

ちょっと長い文ですが、知っておく必要があると思ってアップしました。

2017-01-29 | 韓国:ハンギョレ新聞
左派都市大邱はいかにして反共と地域主義の尖兵になったか

登録 : 2017.01.27 05:22 修正 : 2017.01.27 10:59


私たちの中の朴正煕-大邱イデオロギーの誕生
 
イラスト=キム・デジュン//ハンギョレ新聞社
「朝鮮のモスクワ」と呼ばれた変革の都市大邱(テグ)はいつから反共と地域主義の尖兵になったのか。この問いに対する答を探す過程もやはり、朴正煕(パク・チョンヒ)という名前に行き当たる。クーデターで政権を握った朴正煕は、反共主義を基盤とするスパイでっち上げ事件を通して自らの政治的故郷である大邱から進歩の芽を摘むことに努めた。南労党出身というコンプレックス故の自己否定という話が出るくらい、残忍かつ執拗であった。地域縁故主義に基盤を置く嶺南覇権主義も積極的に活用した。アメと鞭(韓国語では「ニンジンと鞭」)によって大邱の風土を変えることに成功した朴正煕は、結局彼に追従する政治勢力に「地域主義」という遺産を残した。反共と地域主義を二本の軸とする「大邱イデオロギー」誕生の瞬間である。広場のろうそくが朴槿恵(パク・クネ)大統領に政治的死亡宣告を下した今、大邱は朴正煕を越えることができるだろうか。私たちは亡国的な地域主義、時代錯誤的な反共主義と決別できるだろうか。

国債報償運動など反日運動の本拠地 
新教育機関ができ知識人層成長 
朝鮮戦争時の粛清を免れ進歩力量保存 
チョ・ボンアム圧倒的支持に2・28義挙まで

# 大邱が「左派都市」だった理由

 大邱は「抗争の都市」だった。1907年借款1300万ウォンを無理やり提供して大韓帝国を経済属国にしようとしていた日帝に対抗した國債報償運動(訳注:国民の募金により日本からの借款1300万ウォンを返して国の主権を回復しようとした)は、大邱の中央路から始まった。1946年米軍政の収奪に立ち向かった10月抗争も、大邱から始まった。 9月の労働者のストライキに次ぐ10月1日のデモに大邱市民 1万余名が集まると、警察はデモ隊に銃口を向けた。警察により命を失う犠牲者が増える中で、彼らは「山の人」となって左翼活動に出た。 大邱八公山(パルゴンサン)の「野山隊」は、朝鮮戦争以前の左翼パルチサン活動の始まりの一つであった。10月抗争は朝鮮戦争前後の左・右対立と保導連盟民間人虐殺(訳注:1949年左翼系の人々を転向させ別途管理するという名目で保導連盟が組織され、地域の割当を満たすために左翼と無関係の人も多く登録されたが、朝鮮戦争勃発とともに李承晩大統領の命令により軍と警察が保導連盟登録者を連行し集団虐殺した事件。全国的に犠牲者は数十万と言われる)へとつながる。「谷に行く」という俗語は「谷に連れて行かれて殺された」この地域の悽絶な抗争の歴史に由来する。

 日帝強占期から大邱に左派が多かった理由は大きく三つ挙げられる。まず、狭い農耕地のせいで大地主階層が形成されず、早い時期に自営農など自立的経済主体が形成されたという点である。日帝は大地主や両班階層を植民支配の下位パートナーとしたが、大邱地域はそうした流れから一歩退いていたわけである。漢陽(ハニャン)大比較歴史文化研究所のユン・ヘドン教授は「都に上って政治の主流になった安東金氏と安東に残っていた安東金氏は大きく違う。後者は既に中央の政治舞台から排除されていたが、この人々は日帝に対し非妥協的な特性を持っていた。初期社会主義者の中には、このような両班出身が非常に多い」と説明した。

 第二に、日帝期に新教育機関が京城、平壌、大邱にでき、南側地域での新文物の吸収と若い知識人階層の成長が大邱を中心に成された。学生運動の脈が大邱で広がり、左派形成につながった。

 第三の理由は、大邱が朝鮮戦争当時、人民軍の占領地ではなかったため大々的な粛清を避けることができたという点である。10月抗争直後の大邱民衆運動史を研究したキム・サンスク博士は「大邱は人民軍占領地ではなかったという点で朝鮮戦争後の附逆者虐殺から比較的自由であり得た。そのお陰で進歩的力量と気風が保存され得たし、4・19革命など戦後の進歩運動の中心になることができた」と説明した。

 進歩性の根は制度政治空間でも花を咲かせた。1956年第3代大統領選挙の結果が代表的だ。当時無所属で出馬したチョ・ボンアム(曺奉岩)との二者対決で、自由党李承晩(イ・スンマン)は全国的に70%の支持率で再選に成功した。現職大統領と対戦した無所属進歩候補チョ・ボンアムは全国で30%の得票にとどまった。そのチョ・ボンアムが全国で最も多くの支持を受けた地域が、ほかならぬ大邱であった。大邱は江華島(カンファド)出身の無所属進歩人士チョ・ボンアム候補になんと72.3%という圧倒的な支持を送ったのだ。

 選挙後も大邱は李承晩独裁政権とことごとに対立した。1960年2月28日、自由党不正選挙に立ち向かった大邱市内の高校生たちの 2・28義挙は 4・19革命の口火となった。4 ・19 直後、大邱は教員労組設立と革新政党(慶北社会党)結成など本格的な進歩運動の根拠地となった。

# スターリンのグルジア、朴正煕の大邱

 大邱の歴史は朴正煕の登場以後、劇的反転を経る。朴正煕は1961年の5・16クーデター以後、大邱・慶北地域の「左翼活動」に対する大々的な弾圧に出る。「真実 ・和解のための過去事整理委員会」が作成した「5 ・ 16 クーデター直後の人権侵害事件真実糾明決定書」によれば、人権弾圧の対象となった進歩政党(中央本部・地域支部含む) 13のうち慶北社会党など 5つが嶺南地域(慶尚南北道)を基盤に活動していた政党だった。民主民族青年同盟系列の事件は 3件とも慶北 ・慶南すなわち嶺南地域が基盤であったし、保導連盟被虐殺者遺族会事件で弾圧された8件も皆嶺南地域が中心だった。スターリンの「恐怖政治」の始まりが故郷のグルジア(現ジョージア)に対する大々的な弾圧で始まったように、朴正煕もまた自分の故郷から左翼粛清を行なったわけだ。 少数民族出身で民族問題委員長として活動していたスターリンと南労党出身で同志たちを密告して辛うじて生き残った朴正煕とは、コンプレックスを乗り越えて主流になる方式でも似ている。

「レッドコンプレックス」の朴正煕登場で潰滅 
朴、米国の支持を得ようと「反共闘士」に急変 
政治的故郷で左翼勢力大々的弾圧 
「金鍾泌の 2万8千名予備検束計画も」

# ‘レッドコンプレックス’から始まった恐怖政治

 朴正煕は米国の政治的支持を得るために、過去を消して「反共の闘士」に急変した。国家再建最高会議で法制司法委員長を務めたイ・ソクチェは回顧録『閣下、革命しましょう』の中で「5・16直後に陸軍本部状況室でアメリカが朴正煕と金鍾泌(キム・ジョンピル)の背景を内偵しているという情報を手に入れ ( … ) アメリカの思想攻勢を一挙に逆転させ軍事革命成功の決め手となる非常措置が必要だから、保導連盟員など左翼思想犯をいけにえにして反共への意志をアメリカに見せてやろう」と決心して、「全国の軍憲兵隊や警察に非常召集をかけて保導連盟関連者と革新政党関連者、左派知識人、社会団体リーダー、労組リーダーなど社会不満勢力と左翼活動経歴者を大々的に見つけ出し、4000人あまりを逮捕し収監した」と書いた。

 さらに5・16クーデターの主導勢力の一人だったユ・ウォンシクは『5・16秘録、革命はどこへ行ったか』の中で「李承晩政権期に作成された要視察人名簿を根拠に金鍾泌が2万8000人を予備検束し巨済島で殺害する計画を立てて朴正煕に報告した。国家再建最高会議の席上でハン・ウンジンなどと一緒に抗議した結果、大量虐殺の計画は阻止された」と回顧した。もう少しで韓国版「キリングフィールド」が起きるところだったヒヤリとさせられる瞬間だ。

# 5 ・16でひっくり返った加害者と被害者

 保導連盟被害者家族の集まりである「慶州遺族会」のキム・ハジュン会長(84)は 5・16 クーデターを基点に極と極を行き交う経験をした。

 彼は慶尚北道慶州内南面ホムシルで育った。慶州南山から下ってくる谷川に溝(ホム)を掘って水路を作ったことから付けられた村名だった。ホムシルから4キロメートル離れたバタンコルにはキム氏の親戚4世帯 27人が住んでいた。南山に抱かれたこぢんまりとした集落だった。1949年8月1日から2日にかけて、このバタンコルの住民 80人余りのうち30人が二晩の間に「赤色分子」という理由で銃殺された。彼の親戚22人が犠牲になった。当時 2歳だったスンジャとスンヨン、3歳だったイアム、5歳だったスンホン…。「一体全体、2歳のアカだなんて…」。今月6日ハンギョレと会ったキム氏は、68年前の出来事を回想しながら声を震わせた。慶北全域で「山の人」たちが左翼運動をしていた時代だった。

保導連盟被害者たちにとって 5・16クーデターは世の中が引っくり返る事態だった。「韓国戦争前後民間人犠牲者慶州遺族会」の会長が6日午後、慶北慶州市城東洞の事務室で2016年に行なわれた慰霊塔除幕式の写真を見ながら説明している=慶州/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 キム氏の証言と「真実と和解委員会」の報告書によると、キム氏の集落に銃口を向けたのは李協雨(イ・ヒョブ)団長をはじめとする内南面の民保団員だった。李協雨は内南面で右翼青年団体である大同青年団長、民保団長、大韓青年団長を順に務めた。これらの右翼団体は李承晩政権の警察の下部組織だった。「その翌日遺体を収拾すると言ってバタンコルに入った父も民保団員に殴られた。隣のおじさんが血まみれになった父を背負子で担いで来た姿を今でも思い出す。父は部屋に隠れていたが11日目に亡くなった」。良民を虐殺してその家産を奪った李協雨は、李承晩政権時代(1950~1960年)ずっと国会議員に当選して 3選議員を務めた。当時国民学校の 6年生だったキム氏も李協雨から殺すと脅されたことがある。キム氏の家の雌牛を連れ出そうとした李協雨をまだ子供のキム氏が両手を広げてさえぎると、彼は後ろ手に持っていた拳銃を出して見せた。「この子はちょっと頭がおかしいんです」 ホムシルの里長のこの一言がなかったならその場で撃たれていたかも知れない。キム氏は名前をキム・テウに変え、息を殺して辛うじて生き残った。

 それから11年、世の中が引っくり返った。李承晩政権の独裁に呻いていた国民は4・19革命で民主主義を一歩進展させた。キム氏は家族の恨を晴らすために慶州遺族会を結成した。慶州地域のあちこちで身を伏せて生きながらえていた遺族たちが力を添えた。慶州地域の虐殺被害者75人は当時国会議員だった李協雨を告訴した。検察は殺人・放火などの容疑で李協雨を起訴し死刑を求刑した。1審の裁判部も良民76人を虐殺した容疑を認め1961年 3月に死刑を宣告した。非業の死を遂げた犠牲者家族の恨が少しは晴らされたと信じた。

 しかし翌年 5月に朴正煕がクーデターを起こし、世の中はまた元に戻ってしまった。慶州、密陽(ミリャン)、大邱など各地の良民虐殺被害者は軍事政権の予備検束対象となった。キム氏も「反国家行為者」とされて西大門(ソデムン)刑務所に拘禁された。革命裁判所は彼に懲役 7年の刑を宣告した。キム氏は「西大門刑務所に入れられていながらも、自分が何の罪を犯したのか全く分からなかった。警察でさえ、お前は何の罪でここまで来たのかと言っていた。2年後に赦免で出てきたが、要視察人物という札付きのために何の仕事にも就けなかった」と語った。再び「アカ狩り」をする時代に戻ったせいか、李協雨の罪悪を名指ししていた住民たちの証言も後退し始めた。

 李協雨は1963年、最高裁で無罪の確定判決を受け釈放された。数えで84歳のキム氏がいまだに慶州遺族会の活動をしている理由だ。

慶州遺族会キム・ハジョン会長の悲劇 
1949年民保団が親戚など30人虐殺 
「なんと2歳の共産主義者だなんて…」 
4・19法廷設けたがクーデターで水の泡 
良民虐殺被害者たちが逆に検束対象に

# 嶺南覇権主義というニンジン(飴)

 朴正煕は大々的な共産主義者弾圧で大邱の思想的土壌を整理した後、この地域の人士を高位職に大挙登用することで嶺南覇権主義の芽を植え込んだ。オム・ミンヨン、キム・ソンゴン、パク・ナムオク、イ・ヒョサン、朴浚圭(パク・チュンギュ) など共和党の主役は皆大邱高等普通学校(慶北高の前身)出身であった。朴正煕の統治期間だった第3第4共和国当時、維新政友会 ・全国区国会議員の出身地域別分布を見れば、慶尚道出身が100人(26.6%)でソウルの93人より多く、全羅道53人、平安道33人などとは比較にならない。 高級官僚社会に「TK人脈」が移植され、特定地域の支配階層化が成立したのである。

 地域感情の助長もこの時から始まる。1963年9月19日の大邱寿城川辺での遊説が代表的だ。朴正煕候補側の賛助演説者だったイ・ヒョサン(後日国会議長となる)は「この地域は新羅千年の燦爛たる文化を誇る土地であるが、その矜持を引き継ぐこの地の王はいまだに一人もいなかった。朴正煕候補は新羅の王の誇らしい子孫である。今こそ彼を大統領に選んで、この地の人間として千年万年王様に仕えよう」と演説した。縁故主義の強い嶺南地域で「新羅大統領論」は功を奏した。朴正煕は尹普善(ユン・ポソン)に対し嶺南だけで66万票の差を付け圧倒的優勢(全国的には 15万票差)を見せて、大統領に当選する。進歩人士チョ・ボンアムに圧倒的な支持を送った大邱の雰囲気が、わずか7年で劇的に変わったのだ。

 現時点で知りたいのは、この時に形成された地域感情と覇権意識がどうして数十年間も持続しているのかという点だ。TKだと悪口はずいぶん言われるけれども、実際に大邱の経済が豊かなわけでもない。2015年広域市道別1人当りの地域総所得を見れば、大邱はビリから二番目で光州より一段階上に過ぎない。ユン・ヘドン教授は「現在大邱の情緒は70年代以降大きく変わっていない一種の認識遅滞現象を見せている。全羅道や首都圏は向都離村など解体の過程を経ながら多様化が成されたが、大邱はそうした動きのないまま停滞している。人口流入もなければ流出もなかった。それでなのか、地域の情緒自体が停滞している感じだ」と言った。

「嶺南覇権」なるニンジンに半世紀以上地域主義が「金城鉄壁」

1963年寿城川辺で「新羅大統領論」登場 
全国で15万票差 … 嶺南だけで 66万票の差を付ける
大統領府・全国区議員にTK出身重用し 
国家資源を動員した経済開発の恩恵集中

# 人革党死刑囚8人のうち5人が大邱

 大邱を中心に残っていた革新勢力に対する「根絶やし」 作業は続いた。人革党事件と人革党再建委事件が代表的だ。最初の人革党事件が3人の担当検事の起訴拒否で事実上失敗に終わると、朴正煕政権は 10年後の1974年4月「人革党再建委」というまた別のスパイ でっち上げ事件を企てる。李哲(イ・チョル)、ユ・インテなどの民青学連事件の背後指揮部としてソ・ドウォン、ト・イェジョン などかつての人革党事件の連累者(人革党再建委)が隠れているという話であった。拷問と強圧で作られた事件だった。 1年後の1975年 4月8日、最高裁判所は人革党再建委事件で起訴されたヨ・ジョンナム慶北大元学生会長など8人に死刑を宣告した原審を確定する。 そして翌日の4月9日、「判決文のインクも乾かないうちに」 死刑が執行される。

 死刑囚8人は皆嶺南で生まれた。ヨ・ジョンナム、ソ・ドウォン、ト・イェジョン、ソン・サンジン、ハ・ジェウァンの 5人は大邱に住んでいた。大邱地域に一握り残っていた革新系列が根こそぎにされた瞬間であった。朴正煕政権は「司法殺人」という国内外の非難が激しくなると、民青学連など残りの関連者を刑の執行停止で釈放する。

人革党・再建委スパイ捏造事件を企画 
「司法殺人」で革新勢力の残りまで消す 
「要視察対象」で家族たちも会うことを憚り 
生き残った人々も大邱を去って“散り散り”に

# 人革党再建委当事者が大邱を去った理由

 人革党再建委事件で投獄されたチョン・ファヨン氏(68)はその事件以後大邱を去る。死刑にされたヨ・ジョンナムの慶北大法学部の後輩だった彼は、ヨ・ジョンナムが学校を去った後、反維新闘争に力を注いだ。1974年 3月慶北大で「反独裁民主救国宣言文」を撒いた疑いで人革党再建委に連座した。一週間眠らせないで殴る酷い拷問にも、ヨ・ジョンナムを知らないと言い張った。慕っていた先輩を否認することで彼はやっと生き残った。1975年最高裁で懲役刑を確定されて大邱刑務所に収監された。彼が収監された日の朝、ヨ・ジョンナムの死刑が執行された。出所後緊急措置9号違反でまた投獄され、1981年に出所した。彼は暗い獄中で夜ごと心の中で朴正煕を殺したと言った。

彼は尊敬していた先輩を否認することで生き残った。人革党再建委事件の被害者チョン・ファヨン氏が3日午後、仁川西区の黔岩(コムアム)駅でハンギョレ新聞とインタビューをしている= 仁川/キム・ミョンジン記者 //ハンギョレ新聞社

 彼の収監時代が記録された服役者身分カードには緊急措置違反者を意味する「緊」、要視察対象者を意味する「要」、左翼事犯を意味する「左」の字が刻まれている。200ページを超える記録の中には、刑務所の中で彼が行なったハンストと抗議の内容が「動静報告」としてぎっしり書き込まれている。「暴力行為恐喝などの罪名で収容中の1144番○○○が保安課で殴られたという煽動に同調し、これを適法に処理することを要求して1979年1月6日の朝食から拒否しているので報告します」(1979.1.9) 「朴正煕政権は変わらなければならず、変われば赦免令があるだろう 、政府の長官や高官には泥棒でない人はいない、などの流言飛語を伝播」(1976.9.14)。 服役者身分カードには、彼との接見が許可された家族5人(兄と兄嫁、姉妹など)の写真も一緒に記録されていた。

 「記者さん、連座制って知ってるか? 面会許可者とは言うけれど、アカの家族の服役者カードにこれ見よがしに写真が入っているのだから、どんな気分か分かりますか。それも大邱でですよ。私としては一生家族たちに気兼ねするしか… 」。

 「要視察対象」だった彼は逃げるようにして大邱を去るしかなかった。「ヨ・ジョンナム先輩は慶北大の学生運動の中心だった。正義感と義理、勇気のあふれる男らしい先輩だった。 朴正煕の代を引き継いだ独裁政権にヨ・ジョンナムの復讐をしたいという一心だったけれども、大邱では誰にも会うことができなかった。 8名も死刑になった人革党再建委出身に誰が会ってくれますか。大邱に残っていた革新系列はあの時の衝撃で既に散り散りになっていたし、何人かの後輩も会うのを憚った。兄弟や家族も同じだった。私服警察が始終付いて回った時代だったから…」。彼は流れ者の都市、仁川(インチョン)に流れ着くことになる。

 彼にとって大邱はどんな記憶として残っているだろうか。「今大邱には朴正煕の受恵者がたくさんいる。党内予備選に出たイ・ブヨン氏の大邱遊説に行ったが、どれもこれも顔につやつやと油気のあるような奴しかいない。朴正煕の恩恵をかじって生きてきた人間たち、やつらは今でも遠い姻戚にしても、とにかく自分の家族親戚の中に高位職に就いている者が一人はいると思っている。それを自分の身分と錯覚してね」。

人革党再建委事件で投獄されたチョン・ファヨン氏
「連座制知ってますか? 私は一生家族に気兼ね」
また別の被害者の妻「今もやっぱり世の中が恐ろしい」 
人革党謝罪問題受け流した朴槿恵候補に 
大邱は父親より高い80%の支持

# 依然としてそこには …

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は、2012年の大統領選挙過程で人革党再建委の遺族に対し謝罪する意思があるかという質問に「同じ最高裁で相反する判決(1975年の死刑判決と2007年の再審無罪判決)もあったし、その組織に携わった方々のいろいろな証言もあって、そういうものをすべて勘案して歴史の判断に任せるべきだ」と答えた。父親の「司法殺人」に対して謝る意思が無いことを明確にしたわけだ。歴史認識に対する議論が起きてから初めて、「以前から私は、当時被害を被った方々に本当に申し訳なく思い、慰めの言葉を申し上げるということをお話してきました。その延長線上の同じ話です」と言ってはぐらかしただけである。その年の大統領選挙で大邱は朴槿恵候補に80.1%の圧倒的支持を送った。父親の朴正煕が最後に選挙に出た1971年(朴正煕 67.0%、金大中(キム・デジュン)32.3%)よりはるかに高い支持率であった。

 朴槿恵が顔をそむけたかった人革党再建委被害者の立場はどうだろうか。第 1次人革党事件と人革党再建委事件とで二度の獄中生活を強いられた故チョン・ドクチン氏は、再審を通じて「公式的に」名誉を回復した。しかし彼の妻Cさんは依然として世の中が恐ろしいと言う。Cさんはインタビュー要請を断ってこんなふうに言った。「私どもはただ、何もお話しません。私どもは世の中が恐ろしいのです。再審で無罪も受けて補償金も少しは受取ったけれども、その後却って一層後ろ指をさされて。私どもは世の中の人々がただ恐ろしいのです。このまま静かに暮したいのです」

 チョン・ドクチンは1940年大邱で生まれ、嶺南大の前身である大邱大学法学科を卒業した。死刑囚ヨ・ジョンナムの懇意な先輩だった彼は、1964年第1次人革党事件で拘束され、1975年の人革党再建委事件で懲役 20年の刑を宣告された。1982年に刑の執行停止で出所した彼は、拷問・獄中生活の後遺症で闘病を続け、1998年に亡くなった。彼の妻Cさんは今も大邱に住んでいる。

ノ・ヒョンウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

民主党はこの日から大統領選予備選挙の予備候補登録を開始した。

2017-01-27 | 韓国:ハンギョレ新聞
文在寅、李在明、安煕正…民主党の予備選挙は「1強2中○弱」

登録 : 2017.01.26 23:42 修正 : 2017.01.27 05:54

予備候補の登録開始、「本格的に予備選挙体制」 
チェ・ソン高陽市長が登録…キム・ブギョム議員も挑戦


朴元淳ソウル市長が26日午前、国会政論館で「大韓民国を新たに変えるという熱望から懸命に努力したが、国民の心を得られなかった」とし、大統領選不出馬を宣言した後、硬い表情で会見場を後にしている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社
 26日、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の突然の大統領選挙不出馬宣言で、民主党の予備選挙は文在寅(ムン・ジェイン)元代表と李在明(イ・ジェミョン)城南(ソンナム)市長、安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事の「1強2中」の構図に再編されるという見通しが出ている。

 一応、朴市長がこれまで低い支持率から抜け出すことができなかったという点で、今回の不出馬宣言が予備選挙の結果自体に影響を及ぼす可能性はそれほど大きくないと見られている。しかし、朴市長は人口1千万人の広域自治体の首長であり、「合理的革新」路線を掲げて民主党の支持を拡大することに貢献してきた人物だ。朴市長は2014年の地方選挙でも13%差で勝利し、政治的力量を見せつけた。朴市長の潜在力を考慮すると、「文在寅大勢論」を覆す逆転ドラマを狙う李市長と安知事にとって、朴市長の支持票を集めることは重要な問題だ。

 朴市長の不出馬が、「きれいな予備選挙」を標榜し他党より先に予備選挙の手続きに入った民主党のイメージに傷を残しかねないという点は、党としては懸念すべき部分だ。党指導部に「野党共同選挙と共同政府の構成」を提案し挫折した朴市長は、予備選挙のルール問題と自分の途中下車は関連がないとくぎを刺している。しかし、もし朴市長と歩みを共にしてきたキム・ブギョム議員まで不出馬の意向を明らかにする場合は「文在寅大勢論」によってだれた民主党の予備選挙興行が打撃を受ける可能性もある。ただし、キム議員は「野党共同政府をつくるためにできる限り尽くす」と述べ、予備選挙への挑戦の意志を再確認している。キム議員は旧正月連休後、予備候補に登録する計画だ。

 党の外では朴市長の不出馬を機に民主党を攻撃している。国民の党のパク・チウォン代表は記者らと会い、「(朴市長が)結局、民主党の山城を克服できず、親文(在寅)の覇権主義を超えられなかった。残念で惜しい」と述べた。国民改革主権連帯のソン・ハッキュ議長も立場文を上げ「共同政府の同伴者になる可能性のある開かれた政治家だったのに残念だ。民主党の覇権勢力が積み上げた既得権の壁がどれほど強固なのか改めて確認された」と述べた。

 朴市長の落馬とは関係なく、民主党はこの日から大統領選予備選挙の予備候補登録を開始した。民主党は弾劾審判判決が下される翌日まで候補登録を受けつける。この日候補登録を終えた人はチェ・ソン高陽(コヤン)市長が唯一で、文在寅元代表と李市長、安知事は、旧正月連休が明けた後に、候補登録日を決める雰囲気だ。

イ・ジョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

副会長は、大統領府の指示でミル・Kスポーツ財団を設立したと改めて確認した。

2017-01-26 | 韓国:ハンギョレ新聞
パク憲法裁所長退任前の弾劾決定は不可能…早ければ2月末に判決

登録 : 2017.01.23 23:46 修正 : 2017.01.24 07:17

2月1日・7日、金淇春など7人の証人尋問を予定 
大統領側、39人の証人申請で遅延作戦 
今月末の憲法裁所長の任期内には結論出せず 
 
チャ・ウンテク「チェ・スンシルの言葉どおり大統領が現れぞっとした」 
キム・ジョン「朴大統領、チョン・ユラ支援に言及してショック」 
イ・スンチョル「偽証の処罰より大統領府の方が怖かった」


朴槿恵大統領が旧正月を控えた23日午後、国立ソウル顕忠院の朴正煕元大統領の墓所を訪れている。先月9日に国会弾劾訴追案可決で職務停止された後、朴大統領が大統領府を出たのは初めて。朴大統領は最小限の警護だけで墓地の前に10分ほど佇んだという=大統領府提供//ハンギョレ新聞社
 憲法裁判所は23日、朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾審判に関する証人尋問を2月1日と7日にも開くことにした。これによって、31日に任期が終わるパク・ハンチョル憲法裁判所長の退任前に弾劾審判の決定を下すことは不可能になった。

 憲法裁はこの日、8回目の弁論を開き、来月1日と7日に金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長などの証人尋問を決定した。朴大統領の代理人たちはこの日、金元室長、禹柄宇(ウ・ビョンウ)元大統領府民政首席秘書官など39人の証人を大量に申請したが、憲法裁はこれらのうち6人と国会側が申請したチョン・ヒョンシク元Kスポーツ財団事務総長の7人だけを証人として認め、残りは採択を保留した。パク憲法裁判所長は25日の9回目の弁論を最後に退任し、2月1日からは裁判官8人だけが参加する。これにより朴大統領の弾劾審判判決は、早ければ2月末に行われるものとみられる。

 朴大統領の遅い証人申請は、この日法律違反を除外し民主的基本秩序違反を中心に再構成した弾劾訴追事由を提出するなど、裁判日程を繰り上げようとする国会側の戦略に対抗するためのものとみられる。訴追委員である正しい政党のクォン・ソンドン議員は、「朴大統領側が8回目の弁論日になっていきなり証人を申請し、これらの多くが大統領に不利な供述をすることに照らしてみると、弾劾審判を遅延させる意図と判断せざるをえない」と批判した。

 この日、憲法裁に証人として出席したキム・ジョン元文化体育観光部次官とチャ・ウンテク氏は、チェ・スンシル氏と朴大統領の“特殊関係”について供述した。チャ氏は「チェ・スンシル氏が『文体部公務員たちは大統領が考える文化隆盛を一つもできていないため、民間財団が必要だ』という話をよくした」とし、「その後、(チェ氏の言葉どおり)本当に財団ができ、チェ氏が指示してブランドを企画し、ブランドが形になる頃に大統領が現れたのでぞっとした」と話した。さらにチャ氏は「チェ氏が事務室で演説文や国務会議の議事録をパソコンで作業しているのを見た。私がチェ氏に渡した文にある文章を、朴大統領が助詞一つも違わず述べた」と話した。キム元次官は「朴大統領が『政界から“姫乗馬”の話が出たが、アジア大会で金メダルを獲得した選手について否定的な言葉が出て来るのは残念だ、(チェ氏の娘の)チョン・ユラさんのように才能のある選手のための英才プログラムをうまく作ってほしい』と話した」とし、「チョン氏を名指しして話したので大きなショックで受け止めた」と供述した。

 この日最後に証人尋問したイ・スンチョル全国経済人連合会(全経連)副会長は、大統領府の指示でミル・Kスポーツ財団を設立したと改めて確認した。イ副会長は、国会の国政調査では全経連が自発的に設立したと証言したが、国会で偽証した理由を尋ねると「偽証の処罰よりも大統領府の(偽証)要請のほうが怖かった」と答えた。

キム・ミンギョン、キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

朝鮮戦争は、韓国の女性たちにも癒えることのない傷を残した。

2017-01-21 | 韓国:ハンギョレ新聞
韓国裁判所「米軍基地村『慰安婦』に国家が賠償すべき」

登録 : 2017.01.21 04:56 修正 : 2017.01.21 07:42


根拠のない性病感染者の強制収容は「違法行為」と判断 
「被害者57人に49万円ずつ賠償」判決 
「基地村の設置・管理が違法」との主張は認めず


朝鮮戦争は、韓国の女性たちにも癒えることのない傷を残した。米軍基地村女性122人は国に対し被害賠償請求訴訟を起こすことにした。2014年7月25日、ソウル大方洞のソウル女性プラザビル4階で開かれた訴訟記者会見の様子=カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社
 国が米軍基地村「慰安婦」被害者に対して損害賠償をすべきとする裁判所の判断が出た。裁判所は国家が性病の管理のため、彼女らを隔離施設に強制収容したのは違法だと判決した。

 ソウル中央地裁民事22部(裁判長チョン・ジウォン)は20日、L氏など基地村「慰安婦」被害者120人が国に対して起こした損害賠償請求訴訟で、「国が被害者57人に対して500万ウォン(約49万円)を賠償せよ」とする原告一部勝訴判決を下した。

 裁判所はまず、国が法的根拠もなく、性病に感染したり、感染者と疑われた被害者たちを「落検者収容所」に強制隔離収容して治療したのは、違法だと判示した。裁判所は「収容された慰安婦」たちは完治したと判定されるまで、収容所外に出られず、収容所から脱出を試みて負傷した場合もあったとみられる」と指摘した。また、「(治療の過程で)ペニシリンショックによる副作用に悩まされたり、死亡した被害者もいた」と述べた。

 裁判所はまた、5年の消滅時効が完了したという国の主張も認めなかった。消滅時効は、一定期間権利を行使しなければその行使を制限する制度で、国は米軍「慰安婦」の国家賠償の消滅時効が終了したと主張してきた。しかし、裁判所は「権威主義統治時代と当時米軍慰安婦などに対して閉鎖的だった国民感情、男性中心的で家父長的に形成された社会文化などを考慮すれば、(被害者たちが)権利を放置したとは評価できない」と述べた。また、「国家権力機関の国民に対する不法収容など、過酷行為は決してあってはならない違法行為」だと判断した。隔離収容の対象となる伝染病を明示した施行規則が制定された1977年8月以前に隔離し収容された「慰安婦」被害者57人に対する国家の賠償責任が認められたのだ。

 ただし裁判所は、「国が売買春が容易に行われるよう基地村を作ったのは違法」という被害者たちの主張は受け入れなかった。裁判所は「被害者たちが基地村内での売春を強いられたり、やめられないほどの状態にあったと見ることはできない」として、このように判断した。また、「政府が『浄化運動』などを展開して基地村の売買春を管理したのは違法行為」という主張に対しても、「このような指針は売買春関係者に対する性病検診・治療などの公益的目的を達成するためのものとみられる」との見解を示した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

戦争法が速度を上げて走り出した。韓国での実態を見る!

2017-01-15 | 韓国:ハンギョレ新聞
日本の保守勢力「敵基地攻撃能力の確保」を要求

登録 : 2017.01.13 22:25 修正 : 2017.01.14 01:42


世界平和研究所、12日に報告書を公開 
トランプ政権の登場で変化した安保環境 
日本の軍事的役割を拡大するため 
「北朝鮮を直接攻撃できる能力を導入すべき」


12日、フィリピンを訪問中の安倍晋三首相がフィリピン・マニラにあるマラカニアン宮殿大統領官邸で開かれた記者会見で、取材陣の質問に答えている=マニラ/AFP聯合ニュース
 日本の保守陣営を代表する政策研究所が、日本政府に対し北朝鮮のミサイル基地などを直接攻撃できる「敵基地攻撃能力」と防衛予算の大幅増額を要求した。

 中曽根康弘元首相が理事長を務める世界平和研究所日米同盟研究委員会は12日、記者会見を開き、ドナルド・トランプ米大統領の登場に向けて日本が推進すべき安保政策に対する提言を盛り込んだ報告書「米国新政権と日本-新時代の外交安保政策」を公開した。1988年6月に設立された同研究所は保守の立場から日本政府に対し外交・安保分野に関する様々な政策提案を行ってきた。集団的自衛権の行使を通じて日米同盟を強化した安倍政権が、次に追求すべき政策目標として北朝鮮を直接攻撃できる能力を備えることを要求したのだ。

 報告書は、今回の報告書を発表した理由について「戦後初めて米国の大統領に国際協調よりも自国の利益を優先すると断言する人物(トランプ)が当選した。トランプ氏の政策を予想することは困難であるが、これまでの発言からして、より自立した日本を要求する可能性が小さくない」と指摘した。同報告書が「より自立した日本」を実現するための具体的な案として提示したのは、「敵基地攻撃能力」と日本の防衛予算の上限額を現在基準の国民総生産(GDP)1%から1.2%に増やすなどの処置だ。

 日本は1956年以降、敵基地攻撃能力について、「使いはしないが保有はできる」という原則論を明らかにしてきた。同報告書はここからさらに踏み込んで、日本が「日本は、もし武力攻撃を受けた場合、さらなる攻撃を阻止し、反撃するために巡航ミサイルなどを保有して、もって日本独自の抑止力(敵基地攻撃能力)を持つべき」と指摘した。同報告書は、それを制限するものとして、敵基地攻撃は「先制攻撃」ではなく、「通常戦力」による「反撃」のみを意味するものであり、この場合も米国と協議を行うという二つの条件を設けるべきだと主張した。しかし、朝鮮半島関連事態の核心当事者である韓国との協議の必要性については言及しなかった。このような日本の姿勢は「韓国の主権が及ぶ範囲は休戦ラインの南側」という2015年10月の中谷元(当時)防衛相の発言と一致するものだ。

 同報告書が、日本が直接北朝鮮のミサイル基地を打撃する場合を「反撃」に限定したものの、実際にこのような能力を確保・施行することになれば、日米同盟の性格にも大きな変化をもたらすとみられる。これまで自衛隊は日本を「防御」し、朝鮮半島に有事が発生する場合、米軍を「後方支援」する2次的な役割に止まっていた。しかし、自衛隊が独自の打撃力を確保することになれば、長期的に同盟の主導権が米国から日本に移る可能性もある。

 現在、日本は、敵基地攻撃能力の確保に向け、8~9合目まで来ている。弾道ミサイルを保有していない日本が北朝鮮の内陸地方のミサイル基地を攻撃するには、敵基地を特定できる人工衛星などの情報資産や実際の作戦に投入される戦闘機、その戦闘機に搭載する空対地誘導ミサイル、戦闘機の長距離飛行を支援できる空中給油機、敵の内陸におけるレーダーと迎撃機の活動を妨害する電子戦機(electronic warfare aircraft)、これらのすべての作業をコントロールする早期警戒管制機(AWACS)などの装備体系を備えなければならない。中谷当時防衛相は2015年6月現在、自衛隊に不足した装備として「他国の防空用レーダーの妨害・無力化に使用される電子戦機など」を挙げた。日本の敵基地攻撃能力は2018年にステルス機能を備えたF-35が導入される場合、画期的に拡大する見通しだ。

 日本政府が同報告書の提言をどの程度まで受け入れるかは分からない。しかし、日本政府とかなりのコンセンサスの下で発表された可能性が高いとみられる。同報告書の発表を主導した北岡伸一・日米同盟研究委員会委員長(東京大学名誉教授)は、日本の安倍晋三首相の外交・安保分野の「家庭教師」と呼ばれる人物であるからだ。北岡委員長は、安倍政権が2014年7月に断行した集団的自衛権の行使に関する理論的根拠を提供した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」と2015年8月の安倍談話の基礎になった「21世紀構想懇談会」の「座長代理」を務めた。北岡氏は同日、記者会見で「国益第一、米国第一という考えを持つ大統領が当選したことは、日米同盟に大きな影響をもたらす可能性がある」として、今回の提案を出した理由を明らかにした。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

保守陣営の有力大統領候補とされる潘前総長の帰国により、「早期大統領選挙」を念頭に!

2017-01-13 | 韓国:ハンギョレ新聞
大統領選のリングに上がった潘基文
「政権交代ではなく政治交代を」


登録 : 2017.01.12 23:34 修正 : 2017.01.13 06:49



帰国会見で「国民大統合」強調 
弟・甥の不正関与については「申し訳ない」
潘基文前国連事務総長が12日午後、仁川国際空港を通じて帰国した後、帰国演説を行っている=仁川空港/空港写真記者団//ハンギョレ新聞社
 10年間の国連事務総長の活動を終え12日に帰国した潘基文(パン・ギムン)前総長は、「政権交代ではなく政治交代が成されるべきとき」と宣言し、大統領選への挑戦を事実上公式化した。彼はパク・ヨンチャ元泰光(テグァン)実業会長から23万ドルを受け取ったという疑惑などを強く否定し、「歪曲・卑下」だとし攻勢をかけた。保守陣営の有力大統領候補とされる潘前総長の帰国により、「早期大統領選挙」を念頭に置いた与野党の候補の競争が本格的に盛り上がりを見せることになった。

 潘前総長はこの日午後、仁川(インチョン)国際空港で帰国記者会見を開き、「分裂した国を一つにまとめ再び世界一流の国家に立て直す。はっきりと私の一身を燃やし尽くす覚悟ができている」と述べた。現在の韓国の状況を「総体的な難関」と規定し、「富の両極化、理念・地域・世代間衝突を終わらせなければならない」とし、「国民大統合」を実現すると強調した。

 潘前総長は「覇権と既得権はこれ以上は生かせない。韓国社会のリーダー全員に責任がある」とし、弾劾審判の手続きが進行中の朴槿恵(パク・クネ)大統領と野党の支持率1位の大統領選候補である文在寅(ムン・ジェイン)元共に民主党代表の双方を狙った。彼は「社会の指導者、彼ら全員がこれからは責任感、他人をまず考える配慮、そして犠牲精神が必要だ」とし、「政界はいまだに広場の民心もお構いなしに、ひたすら自分たちの利害関係だけを論じている」と批判した。

 「23万ドル受け取り疑惑」など自分を取り巻く疑惑の提起については「政治参加を通じて祖国の発展に寄与するという私の純粋で心からの素朴な意思を歪曲・卑下する内容」だとし、「厳しい時期に献身しようとする私の真正性、名誉、また国連の理想まで踏みにじるやり方は到底容認できない」と強く反論した。また、「私の帰国に際して私個人についていろいろな話が流れているが、すべて真実とは全く関係ない。50年間働きながら、良心に恥じることはない」と主張した。弟の潘キサン氏と甥の潘ジュヒョン氏が米国で収賄の疑いで起訴されたことについては「近い親類がそのようなことに関わり個人的に恥ずかしく、国民に心配をおかけして申し訳なく思う。司法手続きが進行中なので見守る」と話した。

 潘前総長は13日午前、国立顕忠院で歴代大統領の墓地を参拝し、舍堂洞(サダンドン)住民センターで住民登録を届け出る予定だ。

 野党は帰国した潘前総長に向け徹底的な検証を強調した。民主党のユン・グァンソク代弁人は「潘前総長がもし大統領選に出馬するなら、国民が最も気になることは大統領候補としての哲学、資質、能力、道徳性であろう」とし、「前国連事務総長という名声と経験だけに依存するのでなく、堂々と国民の検証台に上がることを要求する」と話した。国民の党のコ・ヨンホ代弁人も「弟と甥の不正容疑、パク・ヨンチャスキャンダルなど、本人と関連した疑惑について直接国民の前で釈明すべき義務がある」と話した。

キム・ジンチョル、ユン・ヒョンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

『神でもなく偽でもない人間・金日成』を南北みなが知るべき時」だと強調:中国朝鮮族の作家ユ・スンホ氏(55)

2017-01-12 | 韓国:ハンギョレ新聞
中国で金日成抗日闘争の同志・家族100人にインタビュー、
「人間・金日成」を描く


登録 : 2017.01.11 23:51 修正 : 2017.01.12 07:57


「金日成評伝」著者、朝鮮族作家のユ・スンホ氏 

10代の時は「英雄金日成」に魅了 
20~30代には「偽者金日成論」に入れ込み 
80年代から20年間、満州など巡りながら 
金日成の抗日闘争同僚から証言引き出す 


 
「南北みな『人間・金日成』を知るべき時」 
少量印刷後、“篤志家の支援”により正式出版
昨年12月、自費で出版した「金日成評伝」を手にしている朝鮮族作家のユ・スンホ氏//ハンギョレ新聞
 「『偉大な英雄』でもなく『残虐非道な独裁者』でもない、『人間・金日成(キム・イルソン)』の話です」

 中国朝鮮族の作家ユ・スンホ氏(55)は、最近韓国国内で発行した『金日成評伝』で、南北いずれも正しく見ようとしない金日成の姿を描き出した。まさに「人間・金日成」だ。評伝に登場する金日成は、北朝鮮で語られる英雄や神のような存在ではない。抗日遊撃隊活動のために中国共産党に加入した金日成は、中国人地主に嫌味を言われながら“税金”を徴収しなければならなかったパルチザンの末弟であったこともあり、遊撃隊内であやまちを犯し役職を失う“左遷”も何回も受けた。親日民族主義者団体の「民生団」に追われ、中国共産党によって命を失いそうな状況になると、北満州地方に逃れたりもした。北朝鮮当局が決して聞きたくはない話だ。

 しかし、ユ氏は韓国内の一部で主張する偽者金日成論も徹底的に否定する。たとえ神ではなかったとしても、「金日成が抗日闘争という正しい道を解放まで中断するなく前進したことは認めなければならない」という。彼は「もう『神でもなく偽でもない人間・金日成』を南北みなが知るべき時」だと強調する。6日、作家ユ氏とソウル弘益大学の近くで会った。

 ユ氏はこうした「人間・金日成」を描くことができた理由として「自分が一時徹底した金日成英雄主義者であり、反対に『偽者金日成論』の信奉者でもあったから」だと話した。

 中国で生まれたユ氏は、10代の頃の1970年代に金日成の「抗日パルチザン英雄物語」に魅了された。「その頃、ハングルの本は北朝鮮から入ってきたものがほとんどでした。全部金日成を偶像化した話でした。幼い頃から金日成将軍の歌、密林の長い夜の話などを読み、金日成に興味を持つようになったんです」。1982年に書いた彼の初めての小説が抗日運動に参加した少年パルチザンの話だったのも偶然ではない。

 20~30代になり、「英雄金日成」に懐疑心を覚えた。そして偽者金日成論に入れ込んだ。1980年代末から「金日成は偽者」を主張する本が韓国から中国へどっと入ってきた時期だった。

 結局、「英雄」と「偽者」という二つの罠から抜け出す。金日成とともに抗日闘争に加わった、中国内に生存している遊撃隊員たちをインタビューしたことが決定的だった。彼は1980年代初めから20年近く延辺をはじめとする満州一帯を巡り、遊撃隊員やその家族100人あまりにインタビューした。ユ氏は「韓国や日本の金日成研究者たちが1次資料にした日本や満州国の資料には誇張が多い。しかし1945年の光復以降、金日成に従って北朝鮮には来ず、中国に残った朝鮮人、中国人の縁故者たちの回顧談はほぼ100%信じられる」と強調した。インタビューの内容の中に、時には弱く、時には失敗を犯したが、休むことなく抗日運動を行った金日成の姿が生きていたという。

 しかし、この内容は中朝関係を重視する中国では書きにくいものだった。そこでユ氏は2002年に米国に移住し、米国でジャーナリストとして活動し、2年前に引退した後ようやく評伝の執筆に取り組むことができるようになったという。彼が20~30年前にインタビューした資料であえて本を書いた理由は「人間・金日成」の姿が南北双方に必要だと感じたからだ。

 彼は「『神』は良い点もあるが悪い点もある」とし、悪い点として「崩れるときは一瞬で崩れる」点を挙げた。彼は「金日成は神ではないが腐った水でもない。抗日闘争は正しかった」と言えるとし、金日成を人間として理解することが北朝鮮の変化にも役立つだろうと判断した。

 彼は本を書きながら韓国でも「人間・金日成」が必要であることを切実に実感したという。いまだに国家保安法が猛威をふるっているからだ。原稿を検討したいくつもの出版社が、国家保安法を理由に出版を拒否したという。彼は紆余曲折の末、昨年12月に自費で「金日成評伝」50冊あまりを印刷しなければならなかった。

 ユ氏は「ヒトラー研究の時も肯定することは肯定して否定することは否定する。金日成が偽者なら、どうやって解放直後にあの多くのパルチザンたちを連れて入国し、政権を掌握することができただろうか」と問い返す。このような努力が無駄ばかりにはならないようだ。彼が出版に難儀しているという事が知れると、篤志家が現れ出版社登録と1刷を支援すると名乗り出たそうだ。これによって評伝は「トゥソン出版社」という新しい出版社名で、1月20日に正式に世に出ることになる。

 これから南と北が「金日成評伝」の中の「人間・金日成」をもっと多く知っていくとき、南北対話の扉もその分広がるだろう。

キム・ボグン ハンギョレ平和研究所長(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国:与党の大統領選挙候補たちも、12・28合意には再交渉が必要だという立場だ。

2017-01-11 | 韓国:ハンギョレ新聞
次期大統領選挙の有力候補10人とも「慰安婦合意の無効化・再交渉」

登録 : 2017.01.11 00:54 修正 : 2017.01.11 02:10


共に民主党の文在寅元代表が10日午後、国会憲政記念館で開かれた大韓民国立て直しのためのフォーラムで、財閥改革と関連した基調講演を行っている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社
 黄教安(ファン・ギョアン)首相兼大統領権限代行が10日「慰安婦被害者問題と関連して状況の悪化をもたらしかねない言動は控えるべきだ」として、韓日政府間の対立について権限代行になってから初めて公式発言を行った。これに関連し日本軍「慰安婦」被害者問題に関連した韓日間の12・28合意に対する次期大統領選挙有力候補たちの解決策に注目が集まっている。12・28合意だけでなく、THAAD(高高度防衛ミサイル)による中国との対立など外交懸案が山積した中で、早期大統領選挙を控えた主要候補たちは、概ね12・28合意は無効化するか、少なくとも再交渉すべきだという立場を示している。

 先に野党候補から見てみると、次期大統領選挙の候補に対する世論調査でおおむね先頭を走っている文在寅(ムン・ジェイン)元共に民主党代表は、12・28合意を「(朴槿恵政権の)代表的な外交積弊」と評価し、再交渉が必要だという立場を明らかにした。文元代表は「日本がすべきことは法的責任を認め、公式に謝罪すること」だとし、「これを明確にする新たな交渉が必要だ」という立場を堅持している。アン・ヒジョン忠清南道知事も再交渉を促している。

 安哲秀(アン・チョルス)元国民の党常任共同代表は、朴槿恵(パク・クネ)政権が行った合意は廃棄し、無効化すべきだという立場だ。イ・ジェミョン城南(ソンナム)市長、パク・ウォンスン・ソウル市長、ソン・ハクキュ元民主党代表、キム・ブギョム民主党議員も同じく廃棄すべきと主張している。廃棄の要求は後に再交渉の手順の主張につながる可能性が高いだけに、互いに連動していると見ざるを得ない。

 与党の大統領選挙候補たちも、12・28合意には再交渉が必要だという立場だ。「正しい政党」(旧セヌリ党内の非朴系)のユ・スンミン議員は、慰安婦の合意について「日本の真の謝罪と責任認定がない」としており、オ・セフン前ソウル市長は「日本の謝罪自体がはっきりせず、不十分だった」と評価した。ナム・ギョンピル京畿道(キョンギド)知事も再交渉を求めている。次期大統領選挙の有力候補10人のうち、朴槿恵政権の合意通りに履行すべきという意見は一人もおらず、早期大統領選挙の過程で合意問題は、廃棄と再交渉の方法を探る過程になるかもしれない。

 THAADについては、与野党候補の立場の相違が明確であり、野党の中にも温度差がある。文在寅元代表と安哲秀元代表はTHAAD配備の決定が拙速に行われたとしながらも、最近は「次期政府で議論しよう」と話している。進歩・保守の立場が鮮明に分かれる軍事・外交問題をめぐり“可否”を直ちに主張するよりは保留する形になっている。一方、イ・ジェミョン城南市長とパク・ウォンスン・ソウル市長はTHAAD配備の決定そのものを撤回しなければならないと声を高めている。

 与党はTHAADについては口を揃えて賛成している。ユ・スンミン議員が最も積極的であり、すでに導入することにした1個の砲台以外に2~3台を新たに設置すべきと主張している。ナム・ギョンピル知事も、THAADの導入に賛成する理由として、「外交安保政策は一貫して安定的に管理しなければならない」点を挙げている。THAADと関連し、潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長は立場を明確にしていない。潘前総長側はTHAAD問題を含め帰国してから立場を明らかにすると伝えた。

ソン・ギョンファ、イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

勤労挺身隊被害者に対する支援条例:「国がすべきことを自治体の条例で隙間を埋めている」

2017-01-10 | 韓国:ハンギョレ新聞
勤労挺身隊被害女性に「はじめての春」与えた支援条例

登録 : 2017.01.10 00:05 修正 : 2017.01.10 05:47

光州市、2012年7月から勤労挺身隊支援条例を初実施 
ソウル市と全羅南道など計6つの地方自治体が毎月生活費を支援 
「国がすべきことを自治体の条例で隙間を埋めている」


2012年3月光州市議会本会議で全国で初めて勤労挺身隊被害者に対する支援条例が制定され、ヤン・クムドクさんと市民が条例案を代表発議したキム・ソンホ議員とソ・ジョンソン、カン・ウンミ議員に感謝のバラの花を渡し写真を撮った=勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会//ハンギョレ新聞社
 キム・ジョンジュさん(85・ソウル市松坡(ソンパ)区)の結婚生活は順調ではなかった。日帝強制占領期に「朝鮮女子勤労挺身隊」として日本に行ってきたという理由のためだった。侵略戦争を行った日帝は人手が不足するとキム・ジョンジュさんのような10代の少女たちを勤労挺身隊として強制動員し、日本の軍需工場に連れて行き仕事をさせた。「勤労挺身隊」についた「挺身隊」という名称がキムさんにとって「緋文字」となった。日帝が日本軍慰安婦を動員する過程で使った用語が「挺身隊」だったからだ。

 キム・ジョンジュさんは一番上の子が3歳にもならない時に夫と別れて上京した。「私の話を信じてくれなかった。夫は『汚い女、汚い女』と言いました…」

 キムさんは全羅南道順天南小学校6年生だった1945年2月頃、株式会社不二越鋼材工業の工場に強制動員された。14歳の年齢で強制労働で酷使されたが、賃金を一銭も手にすることはできなかった。解放を迎えて故郷へ帰ったが、「挺身隊」出身という冷たい視線だけが注がれた。夫と別れた後、幼い息子を育てるために行商などをしながら生涯困窮して暮らした。事業に失敗した息子は、1歳をすぎた孫を預けて、今は連絡も途絶えた状態だ。生活保護受給者のキムさんはLH(韓国土地住宅公社)が提供した低所得層向け借家で孫(23)と暮らしている。「私の青春は日本に行ってきたということでなくなってしまったんだよ…」

 キムさんにとってソウル市の「対日抗争期の強制動員被害女性勤労者支援条例」はまさに心強い後援であり支えだ。ソウル市は2013年9月に条例を制定し、翌年1月から施行した。日帝強制占領期に14~15歳で日本の軍需工場に動員された女性勤労挺身隊出身の女性たちが条例の支援対象だ。ソウル市は彼女たちに月30万ウォンの生活補助金を支給し、診療費(本人負担金のうち月30万ウォン以内)も支援している。ソウル市のこの条例の恩恵を受ける対象は27人だ。キム・ジョンジュさんは「本当に感謝している。条例のおかげで病院にも通いながら暮らせるようになった。本当に大きな力になる」と話した。

 勤労挺身隊は挺身隊という名称のために社会の偏見に悩まされたが、肝心の政府や社会では他の日帝強制占領期の被害者とは異なり、大きな関心の対象にならなかった。「二重の被害」を受けたということだ。1944年から45年初めまで三菱重工業、不二越鋼材、東京麻糸紡績の3社に強制動員された「少女」だけで全国1600人に上る。「お金も稼げるし、女学校にも通うことができる」という言葉は嘘だった。彼女らは賃金を一銭も受け取ることができなかった。

 彼女たちに初めてあたたかい手を差し伸べたのは光州(クァンジュ)広域市だった。光州市は2012年3月「日帝強占期の女性勤労挺身隊被害者支援条例」を制定し、同年7月から施行した。国家が勤労挺身隊被害者たちに対して何の支援策も設けずに放置している間、地方自治体の条例がその隙間を埋めたのだ。勤労挺身隊の女性たちはこの条例の可決で、「はじめての春」を迎えた気分だった。現在光州では18人がこの条例の恩恵を受けている。

 光州で始まった勤労挺身隊支援条例は、他の地方自治体に拡散された。全羅南道(2014年1月、40人)やソウル市、京畿道(2014年10月、34人)、仁川(インチョン)市(2016年1月、7人)に続いて、全羅北道(22人)も来年1月から支援条例を施行する。ほとんどが毎月生活補助費30万ウォンと病院の診療費(毎月本人負担金の20万~30万ウォン限度)、死亡の際の葬祭費や弔慰金として100万ウォンの支給が主な内容だ。三菱重工業に連行された被害者が多い大田(テジョン)市、忠清南道は勤労挺身隊被害女性のための支援条例がまだない。

 ヤン・クムドクさん(86・光州市西区(ソグ)良洞(ヤンドン))は「この条例ができた後、胸の怒りが半分は消えた。大事な人として待遇してくれることが嬉しくてありがたい」と話した。「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」のイ・クッオン共同代表は「勤労挺身隊被害者のおばあさんたちは、ほとんどが経済的に貧しい方々で、生活費の支援が大きな助けになっている。しかしもっと大きな効果は、条例がおばあさんたちに『もう隠れていなくてもいい』という心理的安定感を与えるということ。他の地方自治体でも関心を持ってくれることを願う」と話した。

 勤労挺身隊被害者支援条例は、おばあさんたちが日本企業を相手に起こした損害賠償請求訴訟と謝罪要求の闘いにも大きな力になっている。「政府が無関心な状態で条例すらなかったら、日本企業も勤労挺身隊被害賠償訴訟を意識するわけがないでしょう」。イ共同代表は「自治体の支援条例が勤労挺身隊のおばあさんたちの問題を社会が認識しているという象徴的な意味になっている」と強調した。

 勤労挺身隊被害者らは、日本の法廷に出した損害賠償請求訴訟(1999.3~2008.11)で「1965年の日韓請求権協定ですべての請求権が消滅した」という理由のために敗訴した。しかし諦めずに現在は韓国国内の裁判所で勤労挺身隊と関連して6件の損害賠償請求訴訟を進めている。ヤン・クムドク氏など5人は三菱重工業を相手に訴訟を提起し、昨年6月光州高裁で勝訴して最高裁判所に係留中だ。パク・ヘオクさん(86・光州市南区(ナムグ)鳳仙洞(ボンソンドン))さんは「今も時々日本の工場に米軍の爆弾が落ちて寮から火の手が上がったときの夢を見る。布団の中でぶるぶる震えながら、両親と姉を思い出して泣き続けた」と言い、「今は体を一人では支えられないほどひどく患っている。私が死ぬ前に損害賠償請求訴訟が一日も早く決着をつけてほしい」と話した。

光州/チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

チェ氏が国政の運営方向などを指示する通話録音ファイルが大量に発見された。

2017-01-08 | 韓国:ハンギョレ新聞
朴大統領 P、チェ・スンシル Sが並ぶチョン・ホソンの違法偽名携帯

登録 : 2017.01.07 00:17 修正 : 2017.01.07 07:48

チョン元秘書官、チェ・スンシルとの通話のために他人名義で携帯開設 
「利権介入知らなかった」という朴大統領、違法携帯に頻繁に電話 
公式の通話記録が残らない違法携帯で「朴・チョン・チェ」三角通話


朴槿恵大統領、チョン・ホソン元秘書官、チェ・スンシル氏//ハンギョレ新聞社
 朴槿恵(パク・クネ)大統領が、チョン・ホソン元秘書官(拘束起訴)に割り当てられた“大統領府業務用携帯電話”の他に、チョン元秘書官が別途作って所持していた他人名義の「違法携帯」にも電話をかけていた事実が確認された。この違法携帯は、チョン元秘書官が主にチェ・スンシル氏(拘束起訴)との通話を目的に開設したものであり、チェ氏が国政の運営方向などを指示する通話録音ファイルが大量に発見された。

 6日、パク・ヨンス特別検察官チームが確保したチョン元秘書官の違法携帯の通話内訳には、「P」と「S」というイニシャルで表記された電話番号がよく登場する。チョン元秘書官は検察の調査で「Sはチェ・スンシル氏で、Pは大統領」だと供述した。この他にもチョン元秘書官の違法携帯にはアン・ボングン、イ・ジェマン、イ・ヨンソン、ユン・ジョンチュなど大統領府の秘書官・行政官と通話した内訳も含まれていると伝えられた。

 検察は昨年10月29日、チョン元秘書官の自宅を家宅捜索し、8台の携帯電話とタブレットパソコン1台を押収した。チョン元秘書官はこのうち3台の違法携帯を使いまわしチェ氏との通話に使用した。チョン元秘書官は特検の捜査で「自分名義の携帯電話を使用するのは気まずくて、知り合いの名義を借りて違法携帯を作った」と供述したという。

 特検チームは、チョン元秘書官が違法携帯を利用して大統領と通話していた事実に注目している。大統領が公式業務時間にわざわざ公用携帯ではなく秘書官の違法携帯に電話をする理由はないためだ。特にこの違法携帯にはイ・ジェマン、アン・ボングン元秘書官、イ・ヨンソン、ユン・ジョンチュ行政官との通話内訳も含まれており、特検はチョン前秘書官以外に「ドアノブ3人衆」もやはりチェ氏の存在を知って国政壟断に加担したと見ている。

 他人名義で作った携帯電話は通話追跡を避けるためのものであり明らかに違法だ。さらに大統領府は北朝鮮のサイバー攻撃の主要ターゲットだ。このために国家情報院主導で2014年初めから大統領府を含め、政府高位公務員に「セキュリティフォン」が支給されもした。ところが肝心な大統領と参謀たちは、陰の実力者との隠密な通話のために私的な違法携帯を使用していたということだ。

 一方、「朴槿惠-チェ・スンシルゲート」を捜査中のパク・ヨンス特検チームは、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長(49)の賄賂供与疑惑と関連し6日午後、第一企画のイム・デギ社長(61)を参考人身分で呼び出し調査した。第一企画はチェ・スンシル氏(61・拘束起訴)の姪のチャン・シホ氏(38・拘束起訴)が運営した韓国冬季スポーツ英才センターに16億ウォン(約1億5600万円)あまりを後援したが、実際はこの資金の出所はサムスン電子だったことが明らかにされている。特検チームはイム社長を相手にイ副会長の介入有無を集中調査した。特検チームはサムスン電子の他にも、SKやロッテグループなど他の大企業の朴槿恵大統領に対する賄賂供与疑惑も同時に調べている。

 特検チームはチェ・ギョンヒ梨花女子大総長(55)などが国会聴聞会で偽証した手がかりをつかみ、国政調査特別委員会に告発を要請しており、チョン・ユラ氏の梨花女子大学不正入学疑惑と関連し梨花女子大学のナム・グンゴン元入学処長に対して逮捕状を請求することを検討している。

ソ・ヨンジ、キム・ジョンピル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-01-07 05:31

韓国憲法は制定以来何度か改定されている、今度は民主化のためにどの条文をどう変えるのか、

2017-01-03 | 韓国:ハンギョレ新聞
韓国国民の66.6%が「改憲が必要」…半数は「次期政権で行うべき」

登録 : 2017.01.02 23:05 修正 : 2017.01.03 06:20

新年企画-ハンギョレ世論調査 
セヌリ党支持層、「大統領選選挙の前・後」がほぼ同じ 
文在寅元代表支持層「大統領選挙の後」が圧倒的 
潘基文前国連総長支持層「大統領選挙の前」を望む


改憲への賛否や志向する統治構造、改憲の範囲に関する世論調査の結果(単位:%)//ハンギョレ新聞社
 「改憲が必要だ」と考える国民が「必要ない」という意見を持っている人より3倍以上多いことが分かった。改憲時期と関連しては半数に近い国民が「次期大統領の任期中に改憲すべき」と答えた。

 ハンギョレがリサーチプラスに依頼し、先月28日から2日間、全国の成人男女1006人を対象に実施した新年世論調査で、「改憲が必要だ」と回答した人は66.6%に達したが、「改憲は必要ない」と考える人は20.8%に止まった。分からない・無回答は12.6%だった。

 年齢別に見ると、60歳以上で改憲が必要だと答えた人が70.2%(必要ない12.3%)で最も多く、30代は56.7%(必要ない29.6%)、20代は63.5%(必要ない21.0%)で、平均を下回った。このような調査結果は共に民主党や文在寅(ムン・ジェイン)元代表を支持する人が比較的改憲に消極的な意見を示したこととも関連があると見られる。改憲に賛成する人が共に民主党支持者の中では60.4%である一方、セヌリ党と国民の党、改革保守新党(仮称)支持層ではそれぞれ63.1%、75.1%、78.9%で、その割合がさらに高かった。

 「改憲をするなら、その時期はいつがいいと思うか」いう質問には、回答者の48.5%が「今回の大統領選挙で候補らが公約し、当選した大統領が任期中に行うべき」と答えた。「今回の大統領選挙の前に行うべきだ」と答えた人は32.4%で、「今回ではなく、次期大統領以降に先送りすべきだ」という意見は11.2%だった。分からない・無回答は7.9%だった。

 世代別にみると、30~40代は「大統領選挙前の改憲」に消極的だったが、50代以上はもう少し積極的な態度を示した。「大統領選挙前の改憲」に賛成した比率を見ると、30代と40代がそれぞれ18.9%と26.5%で平均を下回ったが、50代と60歳以上では45.5%と36.4%で平均を上回った。与党のセヌリ党支持層は、「大統領選挙前の改憲」と「次期政権による改憲」に賛成した割合が、それぞれ37.8%と34.9%で、大きな差がなかったが、共に民主党支持層では「次期政権による改憲」を支持する意見が62.5%で、「大統領選挙前の改憲」(20.7%)より三倍以上多かった。同じ脈絡で、文在寅元代表の支持者の65.0%は「次期政権による改憲」を支持する一方、「大統領選前の改憲」に賛成する意見は18.4%に過ぎなかった。逆に、潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長支持者では、「大統領選挙前の改憲」が望ましいとの意見が44.6%で、「次期政権による改憲」という回答(38.5%)より多いことが調査で明らかになった。改憲が必要だと考える人たちも、具体的な改憲時期に関しては支持政党と候補によって、戦略的に判断しているものと分析される。

ソク・ジンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 THAAD配備決定後、中国が政治的背景から韓国旅行を制裁するという疑惑が提起された・・・

2016-12-31 | 韓国:ハンギョレ新聞
中国、1~2月の韓国行きチャーター便運航を不許可

登録 : 2016.12.31 00:12 修正 : 2016.12.31 08:10


当局「AIのため」説明…業界「THAAD報復」主張 
旅行客制限は「伝家の宝刀」との見方も 
ソウル、春節人気都市3位→7位に後退


4月、ソウル龍山区の新羅アイパーク免税店で中国アオラン(傲瀾)グループの役職員で構成された観光客がショッピングを楽しんでいる/聯合ニュース
 中国当局が来年1~2月の韓国行き不定期便(チャーター機)を許諾しないことに伴い、春節(旧正月)連休期間に韓国を訪問する“遊客”(中国人観光客)規模に打撃が避けられない見込みだ。

 30日、北京の旅行業界関係者たちの話を総合すれば、中国民航局は最近韓国の航空会社3社が申し込んだ8路線の1~2月不定期便運航を全面的に不許可とした。政府間協定によって決定される定期便とは異なり、不定期便は旅行業者が航空会社を通じてチャーター機を確定した後、両国政府の関連当局から許可を受けなければならない。今回不許可になった航空便は、済州(チェジュ)航空6路線、アシアナ航空とジンエアーがそれぞれ1路線だった。

 中国民航局はチャーター機を申請した旅行企業に対し、不許可の理由を鳥インフルエンザ(AI)拡散防止次元の措置と説明したという。しかし、業界では不定期便の不許可は前例がないだけに、実質的には中国が反対しているTHAAD(高高度防衛ミサイル)の韓国配備に対する報復性措置と見ている。業界関係者は「過去の鳥インフルエンザ時には航空便調整がなかったし、昨年のMERS(中東呼吸器症候群)時には旅行客数が減って航空会社が自発的に減らした」として「鳥インフルエンザは表面的な口実で、他意があるのが明らかだ」と話した。

 THAAD配備決定後、中国が政治的背景から韓国旅行を制裁するという疑惑が提起されたのはこれが初めてではない。10月には中央政府が団体観光根絶方針を下し、地方政府では団体旅行の人員数を20%減らせという細部指針も登場した。韓国だけを狙ったと見ることはできない措置だったが、影響は避けられなかった。化粧品・免税店・旅行会社の株価が暴落し、THAAD配備が背景ではないかという観測が相次いだ。

 旅行客数制限は、中国が政治的目的で抜く“伝家の宝刀”という見方もある。領土紛争中の尖閣(中国名 釣魚島)を2012年に国有化した後の日本、2014年に中国に反発した“傘デモ”後の香港、そして今年独立指向に分類される民進党出身の蔡英文総統の当選後の台湾などはすべて中国旅行客の減少を体験した。台湾の中国時報は30日、今月台湾を訪問した中国人観光客が44%減り、特に団体観光客は半減(50.4%)したと報道した。

 韓国旅行をターゲットとする措置が相次ぎ、憂慮されるのは韓国観光のイメージ悪化とそれにともなう旅行客の減少だ。特に今回は中国最大の名節である春節連休(1月末~2月初)シーズンを目前にした時点なので、すぐにも影響がありうる。最近、中国最大のオンライン旅行会社「シートリップ」(ctrip)の報告書は、春節連休期間の国外旅行人気都市順位で昨年3位だったソウルが7位に落ちたと伝えた。

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )