木々も屋根も道路も・・・・すべてが雨にぬれてしっとりとした朝。
軽い疲労感を覚えながらも、いつものように体操し、足を組んで坐り始めた。
静かだ。
少し寒い。
でも、静けさの中に、身をおくことは、結構な気分だ。
ところが50回を数える頃になると睡魔が押し寄せてくる。
「どうしよう」
そこで意識を覚醒させるために、思い切った方法に出た。
胸式呼吸である。
胸郭を横に広げ、肋骨を斜め上にあげる。
これだけではちょっと足らない。
もう少し意識をはっきりさせるために、肩で呼吸をする方法をとった。
するとどうだろう。
一気に睡魔がどこかへ消えて行った。
鼻から吸い込まれる湿気を含んだ空気の冷たさが、脳髄の奥に届く快感を味わう。
邪道か?
まッ、よかろう。
眠気の赤鬼が退散して、意識の青鬼が「腹式呼吸をせよ!」
はい、わかりました。
本日も、100回の呼気を無事に数え終えた。