インターネットの功罪を、それなりに自覚しているつもりだったのだが、まだまだ私は甘かった。
ネット検索で私が見つけた東京の治療院、化学物質過敏症(CS)のK子さんの症状を、多少なりとも改善してくれるかも知れない、と淡い期待を抱いた。K子さんは大きな期待を抱いて、ご家族と共に出掛けた。
結果は、「治療」の名に値しない対応だった。K子さんの落胆は大きかった。辛い症状に苦しむ人の、藁にも縋る思いに付け込む商法だったのだ。誠実そうに見えたネット上の説明は仮面だった。
K子さん、ごめんなさい、と恐縮する私を、K子さんは逆に労わってくれた。ご家族も「高かったけれど、授業料と思えばよい」と言って下さったそうだ。
期待は裏切られたけれど、でもK子さんは遠路を東京まで、何はともあれ往復出来た、これは画期的なことだ。大きな落胆からも、立ち直って下さるように・・