壮大で華やかで、重くて暗くて、ダイナミックで繊細で、山崎豊子(1924~2013)の筆は縦横無尽だ。本書は1973年の作。公民館図書室から新潮社の上中下巻を順次借りて読んだ。読んでいる時間は、自身の老病苦を忘れることが出来た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/f5/dad043772965502ff20ec74f8d6609b2.jpg)
山崎豊子は人間の現実を書く。現実の世界の扉を次から次へと開いてゆく。正しく善きものが勝つとは限らない、否、敗けることが多いのが現実だ。そうした現実を容赦なく暴き晒す物語だ。それでもなお、正しく善き人間が勝ってほしい、という願いを高めさせる物語であり、悪しき人間にも哀愁を感じさせる物語だ。山崎豊子は凄い!
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山崎豊子は人間の現実を書く。現実の世界の扉を次から次へと開いてゆく。正しく善きものが勝つとは限らない、否、敗けることが多いのが現実だ。そうした現実を容赦なく暴き晒す物語だ。それでもなお、正しく善き人間が勝ってほしい、という願いを高めさせる物語であり、悪しき人間にも哀愁を感じさせる物語だ。山崎豊子は凄い!