みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

雨の午後に思う

2015-09-06 17:48:34 | 自分史
雨がしとしと降る午後、20余年前に他界した父のことが思い出されてならない。

勉強好きの子供だった筈の父だが、故あって上級学校へは進めず、小学校卒で丁稚奉公へやられたらしい。その後は下級官吏として地道に勤め続け、係長級で退職した。その結婚生活は・・少なくとも精神的には悲惨だったと思う。妻(私の母)がムチャクチャなヒトだったから。特に晩年は、妻から虐待に近い扱いを受けていた。

私の性格は父によく似ている。小心で、良くも悪くも生真面目なところがある。ただ私の場合は、生真面目なクセに時折り無鉄砲な行為に及ぶところがあって、良く言えば勇気があり、悪く言えば浅薄軽率だ。この父とは異なる性格と時代や環境の違いから、私の人生は父のそれとはかなり違う趣のものとなったのだと思う。

父も内心では、たまには無鉄砲なことをしたかったのではないだろうか。父がしたかったのに出来なかったことを、私はしてきたのだ・・と今更ながら気付く。だから父よりも私の方が幸せだったと言える面もあるけれど、一方では、父が味わわなかった不幸を私は背負ってきた、とも言える。

幸不幸はともかく、父の人生を私は引き継いでいるのだ・・と思わせられた雨の午後だ。