2023年、春樹さん関連の出来事  その3

2023-08-20 15:21:48 | Weblog

その「ブルータス」特別編集 村上春樹

の中でもう一つ、ものすごく大きな(自分にとっては)、発見があった。

 

1984年に、春樹さんは

雑誌ブルータスのドイツ特集のための現地取材、ということで

他数名(たぶん、編集者)と共に1か月間、ドイツに滞在した。

(その事実自体、僕は全然知らなかった。)

その結果、小説「3つのドイツ幻想」と、11のエッセイを寄稿している。

で、その1984年4月15日号の一部が今回、復刻されている。

その中で春樹さんは文章で触れていなくて、写真が何枚か載っているだけなのだが、

当時のドイツと言えば、「壁」だ。「ベルリンの壁」とも呼ばれていた。

東西ドイツを隔てる、「壁」。1989年に社会情勢の変化により崩壊し、

今はもうこの世に存在しない「壁」。

西側と東側を厳然と区切る、「壁」。

この「壁」・・・・・「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」

に出て来た街の、あの「壁」を思わせる。

高さも、近いと思う。何よりもその、重苦しい存在感が。

 

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が世に出たのは

1985年だったはず。発売時、僕は19歳だったから。

 

その間、1年。

 

ベルリンの壁を見て「世界の終わり」の壁を着想した?ってことではない。

1年であんな長大な小説、書けるわけがない。

(「壁」は、「直子」の空想から生まれたものだし)、

僕が思うに 春樹さんは

物語中の「壁」のリアリティを強固にするために、

実在の壁を見るために、

この1か月にわたるドイツ取材旅行をオッケイした・・・・・

のかもしれない。ただの推測だが。

 

 

 

僕は「直子」は実在した、と思っているのです。

「直子」は、初期三部作の中の「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」、そして

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と、

その原型である最新刊の「街とその不確かな壁」の

登場人物であり、初期作品における重要なモチーフだ。

 

「僕は実在の人間をモデルにはしない(「突撃隊」を除いて)」、とご本人は

何度か仰ってはいるものの、そうとしか思えない。

 

 

あああ、今更ながら言うが、

こーゆー話って、春樹さんの本とか読んでない人には

全然伝わらないよな。

ごめんなさい。

でもこれは、自分のために書いている部分も、多いのです。

 

来月も楽しみなライヴがあるし、

音楽も活性化して行こうと思ってマス。

 

まだまだ暑い・・・っていうか非・人間的な夏本番がまだまだ続くけど

我々は、何とか生き延びて、

ぎりぎりでこの世界に留まっていようではないか。

 

そして9月23日には大阪・梅田・ハードレインで会おう。

 

 

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