西暦2023年、春樹さん関連の出来事。

2023-08-20 11:34:02 | Weblog

ついこないだ新幹線で福山に行った時、

駅で1時間くらい空いたので、新刊本屋に寄った。

 

新刊本屋は偉いのだ、何故なら新刊本屋なくして

古本屋も、存在し得ないから。

 

そこで、ブルータス誌の特別編集本を見つけた。

むむむ、嬉しい。こういうタイプの、雑誌の特別号というのは

それが出た時にしか店頭に並ばないし、ましてや古本屋に出回ることは

滅多にないのだ、経験からして。

 

さてその中身なのだが、とても充実していた。素晴らしい。

いくつか事例を上げたいのだが、

まず、Tシャツの件。

このTシャツ・・・偶然というか必然というか、

ウチにもあって、ちょっと前に家人が買って来てくれたもの。

バックに村上春樹のサインが印刷されているのだが、

この絵は何?????と思っていた。あんまり上手くない(失礼)し、

意味わからんなぁ、とタンスにしまい込まれていた。しかし!!!

 

この今回の、ブルータス特別編集本の中で、

早稲田大学内に出来た「村上春樹ライブラリー」を紹介している記事があった。

そこで春樹さん所有のレコードの写真が小さく載っていて、

よく見ると・・・・そのレコードの片隅にこの絵がある。

写真のキャンプションによると

 

「寄託レコードの中には、村上さんがかつて経営していたジャズ喫茶

<ピーター・キャット>のスタンプが押されたものも。」

 

とのこと。

この絵は何と、ピーター・キャットの「蔵書(というか蔵レコード)印」

だったのだ。

 

ひぃいい。そうだったのか。ということは更に深読みすれば

その当時(か、そのちょっと以前)に春樹さんが飼っていた

「ピーター」という猫の顔なのだろう、この絵は。

 

「ピーター」は、特別な猫 であったはず。

 

それを知ると、この絵が、そしてこのTシャツが、すごく大切なものに

思えて来た。今でもユニクロで買えると思う。1500円で。

この、今回の「ブルータス特別編集村上春樹」の裏表紙が全面、

このTシャツの広告になっている。

そしてこれはチャリティプロジェクトなので、

「利益の全額は貧困、差別、暴力、紛争などに影響を受けた人々を支援する

国際団体に寄付されます」とのこと。

 

やるなぁ、ユニクロ。

この絵についての説明がまったくないのも、心憎い、と言える。

・・・・・わかりにくいよ、とも思うが。

(よっぽどのファンでもこの絵のことは知らん。)

 

 

その、東京の千駄ヶ谷に1982年くらいまで存在したジャズ喫茶

「ピーター・キャット」は 僕の憧れの店、でもある。

今回のこの「ブルータス」に、その店の写真もあった。

1980年に、この雑誌が紹介しているのだこの店を。

(当時の、まだ若い春樹さんも映り込んでいる。)

そのこともまた驚きだった。

その理由は・・・・

 

春樹さんの著書の中に「国境の南、太陽の西」という小説があって、

その中で、主人公のお店が「ブルータス」に写真入りで掲載され、

そのせいで、主人公にとっての「運命の女」である島本さんが

お店を訪れるのだ。

 

それを読んだ当時僕は、

”「ブルータス」に掲載”って、やたら現実的で即物的だな・・・・・

と思いはしたのだが まさか本当に過去に、

「ピーター・キャット」が「ブルータス」で紹介されているとは

夢にも思わなかった。

 

そして

そうなると、ここでも現実と虚構が交差する。

「島本さん」は

実在した、と言われたとしても納得する程 存在感のある登場人物だし。

 

面白すぎる・・・・・・・・・・・村上春樹。

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