足掻いても足掻いても私は、
前に進んでいる気が・・・とんと、せぬ。
それどころかむしろ、後退しているようですらある。
だがしかし。
もし万が一、そうならそれは、むしろ喜ぶべき事態なのかも知れぬ、と
絶望的に私はほくそ笑みつつ、思ふ。
何故かと問われれば
そうだ、
もしそれが真実で、名実共に後退していたのだとすれば私は、私の精神と肉体は一年ごとに、いや一秒ごとに若返り、
しまいめには原初の赤子に戻るであろう。
まるで「不思議のメルモ」の、青いキャンディを喰うたがごとくに。
そうして更に後退を続ければ、それ以前の
この地上に現れる前の「塵芥(ちりあくた)」みたいなモノになるであろう。
それは何と喜ばしいことか。そうなれば(あの呪わしい)エントロピー値さえ、減少するはずである。
お気付きの方もおられようが・・・
最早、私は今や、何一つ欲することはない。
どのような物事にも 心が動く、というようなこともない。
心など、寿命の尽きかけたウスバカゲロウのごとく
真夏の路上で風に吹かれて何処かへ、見知らぬ何処かへ飛ばされていった故。
そんな心許無い影を見送りながら私は、
幾度願ったであろうか・・・・時間さえ逆行してくれたら、と。
そうあってくれさえしたら
どんなこともどんなことも可能になる、というのに。
だとすれば、上記の事実を踏まえて考えれば私は、
意識的に足掻いて、足掻いて、無意識に(客観的には)後退しているのであろうか?
マイケルジャクソンのムーンウォーク?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさかね。
(ああ、何か意味不明だなぁ。)