実に、私は今、劇的に(と言うか何と言うか)、「変わろう」としている最中である。
・・・単に「変化中」なのだ、一口で言えば。
いや、本当に。
言ってみれば今は、サナギの状態。
つまり、中身はどろどろの液体で、目も鼻も口もない。
もちろん「羽根」も、ない。
でも、これは「羽化」するための準備なのだ、と自分では考えている。
あ、本当なら昆虫には 物事を「考える」ような脳はないのだが、
体中の「神経節」を総動員して、私は今・・・考えている。
思うのだが「世界」とは、
私がこのように身体をどろどろにまで溶かして、
そして再生する程の価値がある場所なのだろうか?
小さな羽虫風情が何を言ってやがる、と思われる事は承知で私は、発言している。
しかも、「全世界」に向けて。
(願わくば、世界中の生物がこれを読むことを。)
巨大な・・・気の遠くなるほど巨大な「世界」に対峙する「羽虫」一匹。
あ、まだ「羽化」してないから(いつか、する予定)、
今の私は「羽虫」ですら、ないのだ。
だが「世界」の様相、というのはとにかく、この複眼で、しかと見てみないと何もわからない。
・・もしかしたら、見てもわからないかも知れない。
だが、「感じる」ことは出来る・・・・確実に。
何故なら私は昆虫で、
羽根はまだ、なくとも・・触角ならちゃんと、あるからだ。
あ、でも今は「完全変態」の途中の
サナギで、
目も鼻も口もない・・・・のだった、忘れてた。
ははは。触角もねえよ。
それでも私は、希望的に考えている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何を?
「君を失った世界」で近日、私は羽化し、
練習もせずに羽ばたいて空を舞うだろう。
そこに悲劇的な要素は、カケラも、ない。