「本を読むこと」

2010-06-09 13:50:18 | Weblog

本が好きなのは、子供の頃からそうだった。


わりに身体の弱い子供だったので、

学校を休んで布団に潜って読む本は

現実逃避的に幸せだった。

学校では、算数の時間でも国語の教科書を読んでいた。

でもそんなのは単なるひまつぶしである。

しかし新しい教科書をもらっても一週間目にはもう、

国語の教科書は全部読み終わっていた。

教科書にも面白い話が載っていたりしたのだ。

宮沢賢治の作品に初めて出会ったのは(みんなそうだろうけど)、

小学校の国語の教科書だ。「やまなし」だった。

俺の小学校の卒業文集には「やまなし」の感想文が載っている。


高校生のときにまだ小さくて白黒だった雑誌「宝島」で

M上H樹氏のインタヴューを読んで興味を持って、

彼の作品世界の虜になった。

まだ「初期三部作」が完結したばかりだったのだけれど、

(1984年頃かな。)

それから彼の作品は出たらすぐに買うようになった。

そこから、彼の影響された(と言われている)作品を

読んでいったので、当然、アメリカ文学に接近していった。

カート・ヴォネガットJR、、レイモンド・カーヴァー、

ジョン・アーヴィング。


また別の、ロック・リスナーとしての方向から、

ビート文学にも接近した。ジャック・ケルアック、

ウイリアム・バロウズ。ギンズバーグはよくわからなかったけど、

後年、好きになった。あとゲイリー・シュナイダー。

このへんは、佐野元春氏からの影響が大きいと言える。


また、全然別の方向から、J・D・サリンジャーのファンになった。

バンドやってて知り合った女の子がくれた

初期短編集がきっかけだった。

はじめはよくわからなかったけど、何度も読んでるうちに

深い森で迷うみたいにサリンジャー世界に魅了されていた。


偶然なのかそうでないのか、全部アメリカ文学だ。

でもそんなのと並行して、中島らもさんの作品もずっと読んでるし、

SFも大好きなのだ。

「奇想」ということにかけてはSFにかなうものはない。

P・K・ディック!・・・そういえばディックもアメリカだな。


それはまあ、ともかく。


ずっと古本屋が大好きで、とにかく日常的に覗きに行くし、

バンドのツアーで行った土地とかでも

古本屋があれば見に行った。


つれあいのひとのおかげで、古本屋の店員をやったこともあるし、

とにかく古本屋を抜きにしては俺の生活はありえなかった。


しかし京都に来てから、「図書館」にはまっているのです。


週一で7~8冊のペースで借りては読んでいる。

驚いたのは、古本屋では出会えなかった本に新たに、

いくらでも出会えるということだ。

ガルシア・マルケスなんて古本屋には出回っていなかった。

アーネスト・ヘミングウェイが好きになったし、

今は谷崎潤一郎に興味を持っている。

まだまだ世の中には、読んだ事のない面白い本があるのだ。


とても幸せである。


今からまた、図書館に行ってきます。
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