うその王さま
うその神さま
かりそめの人生
どう転んだってよくある話。
生きることは実は受動的だ。
何の自覚もなく我々は
驚くほどたくさんの物事を与えられる。
だからぼおっとしてると
どんなに奇跡的なことが起こっても
それに気付かずに通り過ぎたりする。
それで当たり前だと思えば
別にそれでいいんだけどさ。
いま・ここに在ることの貴重さを
認識することが出来るのがキセキ、
0.01秒ごとにあまりにも多くの物事が
失われていくのを知ることがキセキ、
誰もが気の遠くなるほどの年月を
流れて行く永遠の一部であるという驚異。
誰だってそうだけど、
いつ死んだっておかしくないのだ。
何もかもが消え失せて
そこにあるのはただ、永劫の「無」。
そんなことだって起こり得たのだ。
そうじゃなかったのはキセキだ。
もしかしたらそうなのかもしれないけど
そんな風にしか思えないんだよ。