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まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

WEST EXPRESS銀河 山陽コース初日に広島から乗る

2024年10月08日 | 旅行記F・中国

JR西日本の臨時特別急行列車「WEST EXPRESS銀河」。2020年、かつての新快速117系車両を改造してデビューした列車である。運行開始当初はコロナ禍の中、政府の観光支援「GoToトラベル」の一環で、日本旅行が企画したツアー専用列車として運行されていた。いずれも事前応募、抽選があり、私も「繰り上げ当選」で山陰、紀南、そして「一発当選」で山陽の各ルートに参加したことがある。

私としてはその中で山陽ルートが印象的だった。当選したのがグリーン車にあたる「ファースト」で、実にゆったりした空間でのんびりした時間を過ごすことができた。早朝に大阪を出発し、約12時間かけて夕方に下関に着くのだが、私はこの時、大阪から「WEST EXPRESS銀河」」に乗るために広島からわざわざ夜行バスで大阪に向かい、翌朝早朝、大阪から下関まで乗り通して宿泊。翌日は九州西国霊場めぐりで佐賀まで遠征し、新下関から広島まで新幹線に乗った。そもそもこのツアーは大阪~下関を往復することが前提だったが、復路の新幹線で広島から先の権利を放棄する形で無理やり改札を出た。

さてこの「WEST EXPRESS銀河」だが、コロナ禍も明けた2023年からは季節ごとにコースを変えた臨時列車として、ツアー参加でなくても普通に「みどりの窓口」や「e5489」でも指定席を入手できるようになった。もっともどのコースも人気ですぐ満席になるようだが・・。

そんな中、この10月からは京都~下関間の山陽コースとして運行されることが発表された。しかも山陽コースとしては初の夜行運転で、広島にも停車する。山陽線を夜行で走り抜けるなんて、それこそ昔のブルートレインをほうふつとさせる。

また、夜行運転扱いながら、広島~下関間はリクライニングシート、(下関行きについては簡易ベッドの「クシェット」も)が区間利用できる。昔の寝台列車の「ヒルネ」のイメージである。夜行区間の広島~京都間に乗れればベストだが、広島~下関間だけ乗るのも面白そうだ。そういう見方で「e5489」を定期的にのぞくと、運転初日、京都10月4日発、広島は日付が変わって10月5日発となる下関行きのリクライニングシートを確保できた。また一方で同日夜に下関発となる列車の広島までのリクライニングシートも確保。夜行区間についてはまた別の機会だ・・。

10月5日、「銀河」は広島6時42分着、同51分発である。このくらいなら、通常のお出かけのタイミングで出発しても十分間に合う。広島駅のコンコース、そしてホームの電光掲示板に「銀河」の文字。下関までの停車駅は宮島口、岩国、柳井、徳山、防府、新山口、宇部、新下関。もっともまとまった時間停車するのは、岩国の5分、柳井の18分のみである。この辺り、観光列車というよりは京阪神~広島~山口県をストレートで結ぼうというダイヤにも見える。

3番線にて「銀河」の入線を待つ。先頭車付近でも数人が待ち構えるくらいで静かなものである。ひょっとしたら「銀河」の運転もあまり知られていないのかな。

せっかくなので先頭の1号車から入り、カーテンが下りている「ファースト」の様子を見る。ここならぐっすり休むことができただろう・・いや、逆に夜行列車の風情に興奮して眠れなかったりして・・?

次の2号車はリクライニングシートと簡易ベッド「クシェット」が半々。以前のツアー列車の時は1両まるまる女性専用席だったと思うが、需要がそこまでなかったか、現在はリクライニングシートの1列だけが女性専用席とのこと。

そして3号車。ここで割当のリクライニングシートに向かうが、前夜から乗り通していた客がすっかり2席を占めている状況である。2号車は空席もあったのに3号車は満席で、しかもおっさんたちの熱気でムンムンしている。昔ながらの座席夜行の風情かな。指定席券を持っているので声をかけて開けてもらえばよいことだが、どうせこの先車内観察でウロウロするところだ。ならば4号車のフリースペース「遊星」に陣取り、下関までゆったり過ごすのがよさそうだ・・。

4号車に陣取ったところで広島を発車。

今回の「銀河」は山口県の特産品のPRの場にもなっている。フリースペースである3号車「明星」、そして4号車「遊星」でまず目を引くのが金魚ちょうちん。柳井の伝統工芸品である。今回の長時間停車も含め、山口県の中で柳井がもっとも気合いが入っているように感じた。

他には萩焼と、瓶の見本のみだが萩の地酒。

山口の大内人形。

茶色の瓶は山陽小野田の硫酸瓶のレプリカである。山陽小野田は工業の町で、硫酸やセメント、火薬などの製造が盛んなところで、このあたりの粘土が瓶の製造に適していたという。

「銀河」のプレートのレプリカ。こちらは鋳物が盛んだった防府で特別に制作されたもの。

最後の淡い藍色のタペストリーは、同じ防府の富海のもの。富海といえば山陽線の中でも海に近いところで、この藍染は古くからの技法でその海に近い色合いを出しており、地域おこしにも貢献している。

広島を出発し、自宅近くの踏切も通過する。普段の山陽線の普通列車とはまったく違った乗り心地がする。4人掛けのテーブル席が空いていたこともあり、もう下関までこのまま過ごすことにしよう・・・。


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