まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

奈良25番「壷阪寺」~神仏霊場巡拝の道・4(西国4巡目は本尊お見拭い特別参拝)

2022年05月08日 | 神仏霊場巡拝の道

吉野から壺阪山に到着。これから神仏霊場・奈良25番、かつ西国三十三所第6番の壷阪寺に向かう。西国三十三所の札所は神仏霊場の札所を兼ねているところが多いこともあり、私の西国三十三所4巡目は神仏霊場めぐりに沿って進むことになる。ただし、ブログ記事のカテゴリは1つしか選べないので、神仏霊場巡拝の道に入れることにする。

改札を出たところに、JR西日本の「駅からはじまる西国三十三所めぐり」キャンペーンのスタンプが置かれているのだが、その横にQRコードが入ったポスターが掲示されていた。その名も「駅からはじまる西国三十三所デジタルスタンプラリー」とある。

このJRの「駅から~」キャンペーン、私が西国三十三所めぐりを始めるきっかけとなったものだが、当初、2014年5月から2019年3月までだったのが、好評につき2022年3月まで延長されていた。そしてこのたび、2022年4月から2024年3月まで再延長となった。

スタンプラリーは同じだが、これまでの専用台紙にスタンプを押す方法から、駅設置のQRコードをスマホで読み取るデジタル式に変更されている。壺阪山のようにセルフでスタンプを押す駅もあれば、改札口で係員にスタンプを押してもらう駅もあったが、コロナ禍で非接触型のサービスが広まる中、こうしたデジタル式となったのだろう(延長前の台紙で集めたスタンプも引き続き有効で、台紙を事務局に送るとその札所のQRコードを印刷した紙が返送されるとのこと)。

スマホ一つでできるならと、私もこの機にエントリーして、早速壷阪寺のデジタルスタンプを確保。これも西国4巡目の楽しみとしよう。もっとも、神仏霊場めぐりの行き先はあみだくじ次第だし、都度広島からの遠征となるため、2年で西国4巡目が満願になる可能性は低いと見ている(デジタルスタンプじたいは設置駅に行けば入手できるが、さすがにそれは・・)。

壺阪山11時18分のバスに乗車。順調に走って寺に到着する。壷阪寺では運のよいことに、「壷阪観音お身拭い特別結縁参拝」の期間中である。先の蔵王大権現の御開帳ともどもご縁がある日である。

壷阪寺が開かれたのは藤原京の時代で、奈良時代から平安時代にかけては勅願の寺となった。その後、南北朝時代や戦国時代の動乱の中で衰退したが、近世に高取藩の本多氏、植村氏の保護により復興した。現存するもっとも古い建物は室町時代の三重塔で、本尊十一面千手観音を祀る八角円堂や、本尊を礼拝するための礼堂は江戸時代の建物だそうだ。

また、立派な石仏が多いのも特徴である。戦後、壷阪寺は社会福祉活動に携わっていて、日本初の養護盲老人ホーム「慈母園」の設立や、インドでのハンセン病患者救済・教育支援などにも関わっている。その縁で、インドから招来した石仏が数多く並ぶ。

壷阪寺に来るといつも目につくのが、前東京都知事の舛添要一氏が奉納した石灯籠。平成13年の寄進とあるが、舛添氏はちょうどこの年行われた参議院選挙(比例区)で初当選している。都知事時代に公私混同でいろいろあった人だけに、この石灯籠もその当選祈願か、あるいは当選御礼かと推察してしまうが、寄進先が壷阪寺というのはさすがに選挙とは関係ないだろう。自身はともかく身内に眼病で苦しんでいる方がいたのかもしれない。

礼堂に上がる。まずはこちらでお勤めとする。正面には本尊十一面千手観音が祀られている。現在祀られている像は室町時代の作というが、古くから「眼の仏」として信仰を集めている。お里沢市の物語である「壷阪霊験記」でも知られており、八角円堂には沢市が使っていたという杖も奉納され、これに触れると夫婦円満の御利益があるとか。

そしてお身拭いの参拝である。同じく順番を待っていた年配のご夫婦と一緒に参列する。お身拭いは以前にも行ったことがあるが、また来ることができたご縁ということでさせていただく。係の人の誘導では、ごしごし拭うのではなく、布を観音像の足元に当ててじっと祈ってください・・とある。これで布に本尊十一面千手観音が宿り、御守りになるという。この本尊は写真撮影OKということで、間近なところで画像に収める。相席のご夫婦からは「シャッター押しましょうか?」と声をかけられたが、さすがにそれは恐れ多い。

礼堂から出たところで朱印をいただく。これまでの西国三十三所先達用の納経軸と合わせて、神仏霊場の厚さ4cm超の納経帳も差し出す。こちらにも立派な墨書が入った。

壷阪寺のもう一つの本尊ともいえる、天竺渡来大観音石像に向かう。全長20メートル、全重量1200トンの石像、土台や胎内には写経も収められている。

階段を下るとこれも天竺渡来の涅槃像が祀られ、二つ合わせて記念撮影のスポットとなっている。私は初めてこれらの巨大石像を見た時、「金にあかせて贅沢なものを・・」という感想を持ったのだが、その背景にインドでの奉仕事業で始まった国際交流があると知って見直したものだ。

インドといえばIT人材が豊富というイメージがあるが、一方では教育格差も根深いという。境内ではインドの手芸品も売られていて、その収益はインドの教育支援に充てるとある。私も旅行に便利かなと、インド製のランドリーバッグを購入した。

山門に戻る途中、「新緑大仏」の文字が見える。釈迦如来石像を覆う緑がちょうど鮮やかな時季で(少し前までは桜大仏)、撮影のための足場も組まれている。ちょうど緑の中で釈迦如来が憩っているかのように見える。

これで境内を一回りしたことになり、次の行き先を決めるあみだくじである。まずくじ引きで出た6つの候補は・・

・帯解寺(奈良5番)

・今宮戎神社(大阪4番)

・平野神社(京都14番)

・薬師寺(奈良12番)

・賀茂別霊神社(京都22番)

・金剛寺(大阪14番)

今度は奈良、大阪、京都2つずつに分かれた。このうち賀茂別雷神社とは上賀茂神社のことである。この中に今宮戎神社の名前もあるが、どうせ大阪市内に出るのだから、もし当たったら帰り際の立ち寄りで参拝しよう。そうなるともう一度あみだくじになり、次回の関西遠征の行き先にも影響する・・。

そのあみだくじの結果は・・ランダムで2枠に入った平野神社。平野神社はこれまで参詣したことはないが、周辺には北野天満宮、鹿苑寺(金閣寺)などもある。次回は京都のその辺りをめぐる回ということで楽しみに。

壷阪寺13時のバスで壺阪山駅に戻り、普通と区間急行を乗り継いで大阪阿部野橋に戻る。

順調に予定を消化したことで時間があまったので、遅い昼食を兼ねて立ち飲みの「赤垣屋あべの店」に入る。ここに入るのも予定かといわれればそうかもしれない・・。気軽に入れるこの店おすすめの「なんばステーキ」を含めてあれこれ楽しむ。大阪の札所に来ることも今後あるから、市内での一献も期待したい。

店内のテレビではジャイアンツ対タイガースが流れるが、スマホでしばしバファローズ対ライオンズの結果をチェックする。試合はすぐそこの京セラドームで行われているのだから観戦すればよかっただろうに・・。

よい心持ちになって、新大阪16時02分発の「のぞみ37号」で広島に戻る。まだ外は明るいが、早めに帰宅してゆっくり休むことにする。

今回、近畿の新たな札所めぐりとして神仏霊場巡拝の道をたどることになった。まずは伊勢神宮内宮・外宮と合わせて4ヶ所を回ったが、この後、結願の比叡山延暦寺を含めて150の寺社をめぐることになる。果たしてどのくらいかかるkとやら・・・?

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