まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

高野山に上る~西国三十三所番外・お礼参り

2015年11月30日 | 西国三十三所
昨年の夏から始めた西国三十三所の観音霊場めぐり。おかげさまでというか、番外3所を含めて残りはあと一つ、岐阜の谷汲山華厳寺を残すだけとなった。

ここまで来れば「年内に満願しよう」ということとなり、華厳寺には12月に訪れる予定にしている。大阪からだと岐阜は日帰りで行けないこともないのだが(交通の便から言えば、那智の青岸渡寺よりも近いのではないか)、せっかくなので宿泊しようと思う。華厳寺の門前もいいかなと思ったが、結局は交通の便のいい大垣でホテルを手配した。

それはさておき、西国満願の後の「お礼参り」として、信州の善光寺、高野山、延暦寺、東大寺、四天王寺などが挙げられている。必ず行かなければならないというものではないが、納経軸によっては「番外」として朱印を受ける欄があり(私の場合は空欄二つ)、ここをどうするかが結構議論となっている。

よく言われるのが、善光寺は必ず行っておいたほうがいいというもの。そのためではないが、今年の夏に信濃を訪れ、早朝からの「お朝事」の参列と友の、善光寺の朱印を先に受けた。

で、残り一つ欄がある。特に寺を指定されているわけではないのだが、実家の宗派が真言宗ということもあるので、高野山金剛峰寺にしようと思う。

そんな中でそろそろ12月を迎えるわけだが、この2015年は高野山開創1200年である。特に春には盛大な法要が行われていたところである。これからシーズンオフを迎える中、少しは観光客も落ち着いた中で参詣できることだろう。

・・・ということを、12月のいつ頃に実行しようかと思っていた。ただいろいろな予定が入ってくるし、行ける日があるかという不安がある(そうなると満願の華厳寺も怪しいが)。そんな中、29日の朝食をとった後で急に「今から高野山行こう」と思い立った。

藤井寺から高野山なら、河内長野経由が最短である。スルッとKANSAI 3dayチケットは高野山のケーブルカーや、高野山内の南海りんかいバスも乗り放題で、3dayの三日目を充てる。まあ、このチケットが期限切れになる前に高野山に行こうというので焦っていたのだが・・・(チケット代だけなら、以前の京都東山と姫路で元は取っているはず)。

藤井寺から河内長野へ。近鉄と南海が接しているのはここと難波だが、難波が地下鉄を挟んで南北に離れているのに対して、河内長野は同じ構内である。もっとも、近鉄の線路一本に対して南海は2面4線。この辺りの人が大阪市内に出るのは、圧倒的に、特急も停まる南海である。

河内長野から次の高野山方面の列車となると、特急こうやである。全車指定で特急料金がかかるが、直前でも空席があり、とにかく行くことにする。河内長野から極楽橋までは1時間あまり。

今年は高野山開創1200年として、山内ではさまざまな催しが行われているが、南海も特急こうやを華やかな塗色で走らせている。金と紫とは何と贅沢な。このところの南海、関空特急ラピートにガンダムのシャア専用色を走らせたり、結構大胆なことをやっている。

橋本からは単線で山登り区間。スピードがガクンと落ちる。合格祈願の入場券で有名な学文路や、真田幸村で知られる九度山を過ぎると勾配も急で、寄り添う谷間も深いものになる。指定された席が谷とは反対側で、渓谷の景色を見ることができなかったのは残念。

終点極楽橋に到着。橋本から500mくらい標高差がある。ケーブルカーはすぐの接続で、それもスムーズすぎてかえって慌ただしい。極楽橋は秘境駅にもランキングされるくらいのところで、乗り換えの待ち時間に何かするわけでもないのだが、せめてもう数分だけでも接続時間があってもいいのではと思う。

ケーブルカーは立ち客も出て発車。高野山までは5分の走りである。ロープウェイと違って地面に足が着いているのがいいし、グイグイとした力強さを感じる。

高野山に到着。この時点で11時35分。先に帰りの特急を押さえる。16時30分発だが、これは極楽橋発の時刻。ケーブルカーは16時20分発である。このためか、南海の高野山のパンフレットにある列車時刻表は、高野山からのケーブルカーの時刻が書かれている。これを列車区間の極楽橋発の時刻と読むと、後で痛い目に遭う。

で、特急券を買い求めるとバスの時間は近い。弘法大師御廟がある奥の院行きのバスはまだ頻度が高いが、これから乗る大門南駐車場行きは本数が少ない。どちらのバスも「ご利用の方はお急ぎください」とやっているが、いきなり奥の院ではなく、昔の徒歩の人たちが高野山を上って来た時にまず目にしたであろう大門を目指す。ここから順に金剛峯寺を歩けばいいのかな。

奥の院に比べて大門を目指す人は少ないようで、立ち客もなく発車。しばらくバス専用道を走り、宿坊のある各院から大伽藍を回り込み、大門に到着。外国のテレビクルーや、高野山の参道を歩いて上って来たらしい学生の団体を見る。

私自身、高野山を訪ねるのは何年ぶりだろうか。間隔も空いているし、実質初めて訪れた感触でこれから回ることにする・・・。
コメント