まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第27番「圓教寺」~西国三十三ヶ所巡り・38(書写山に上る)

2015年11月22日 | 西国三十三所
朝の6時、阪神の梅田駅に現れる。西国三十三所めぐりで阪神電車に乗るのは2回目。目指すのは姫路である。

前回の東山地区巡りの時と同様、スルッとKANSAI 3dayチケットを使用する。梅田から姫路までは片道1280円だから、単純に往復しても2560円。チケットの5200円の1日当たり1730円は楽にクリアする。

直通特急は阪神の車両だったが、列車の中央部が転換クロスシートになっており、1時間半あまりの時間を快適に過ごせる。雲は出ているが須磨の海、明石海峡大橋も見ることができた。明石から先の平野部の直線区間をぶっ飛ばすのも面白い。

8時前に山陽姫路に到着。今回目指す西国27番の圓教寺は書写山の上にあり、ロープウェーで登っていく。もちろん、昔の人たちはこの山を自分の足で登って行ったわけだが・・・。

ロープウェー乗り場へは姫路駅北口のバスターミナルから神姫バスに揺られる。ちょうど連休中、圓教寺では紅葉まつりも行われているそうで、バスも結構混むのではと思われた。そのために朝早くに出てきたわけだが、8時20分発のバスは地元の人たちも含めてちょうど埋まるくらいの乗車率。25分ほどでロープウェー乗り場に到着した。

ロープウェーは70人乗りと結構大型だが、団体客も含めて満員となる。5分ほどで山上駅に到着する。さて圓教寺となるが、ここはまだ入口のところ。西国札所である摩尼殿までは歩いて15~20分ほどかかるという。そこに至るには山道を歩くとのことだが、マイクロバスの送迎もあるという。入山料は歩きなら500円、バスなら1000円だが、ここは当然歩きを選択する。そりゃ、ここまでロープウェーで来ているわけだし・・・。

圓教寺は966年、性空上人の創建と伝えられている。同時代の歌人・和泉式部が「女人往生」の手立てを求めて訪ねたということもある。また武蔵坊弁慶も少年時代には圓教寺で修行したこともあるとか。寺としての伝統、格式も高く、比叡山、大山と並んで天台宗の三大修行道場に数えられている。

その参道だが、山道を歩くといっても、これまでいくつか出合った石段だらけの登山道と比べればなだらかである。また、道の両側には西国三十三所の本尊をかたどった像が並ぶ。最初に圓教寺の如意輪観音が出迎え、以後、青岸渡寺、紀三井寺・・・と続いて行く。私の地元藤井寺にある5番・葛井寺の十一面千手千眼観音も目立つ。

仁王門をくぐり、圓教寺会館や十妙院を過ぎて摩尼殿の下に出る。山岳系の札所で見かける舞台造である。ちょうどイチョウやカエデが程よく色づいている。こうして堂々とした建物を仰ぎ見るのもいい。江戸時代くらいからある建物なのかと、帰宅してネットで調べてみたが、これは昭和初期に再建されたものだという。ただその時代でも伝統様式により建築され、平安の風情を今に伝えている。

摩尼殿には靴を脱いで上がる。多くの人が堂内で手を合わせる中、勤行次第を取り出して般若心経のお勤め。ここでは同じようにお勤めをする人が何人かいて、それぞれのリズム、声量である。こういうざわついた中でのお勤めも悪くない。他の参詣者がほとんどおらず、シーンとした中、納経所の人が耳をそばだてているかもしれない場面で般若心経というのも、結構緊張するし照れがあるものだ。ここまで札所を回っていてもそういう気持ちがあるというのは、まだまだ修行が足りないのかな・・・。

朱印帳と納経軸に朱印と墨書をいただく。この朱印帳、納経軸もとうとう残り2箇所となった。軸のほうがほとんど埋まってきたということもあり、ドライヤーで乾かしていると「すごいなー」と覗き込む人が出てくるようになった。

これで西国めぐりとしての圓教寺は終了だが、圓教寺で有名なのはむしろこの先である。映画や大河ドラマの撮影でも使われる有名な建物で、私自身初めて目にするそれを楽しみに、さらに歩いて行く・・・・。
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