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16歳の勇気

2016年06月12日 07時14分13秒 | オペラに挑戦
オペラのソリストオーディションを手伝ってきた。手伝う目的はプロ、セミプロの歌声を生で聞ける楽しみ。仕事は審査会場の設営と、受けに来られた方を時間に召集し、控え室から会場に案内、会場への入りを案内すこと。たいした仕事じゃない。
残念だったのは審査で歌われた曲が日本の歌曲だったこと。今回のオペラが日本語の新作物ということなのでこうなったのだろう。僕としては興味半減。イタリア語でいいアリアが聞けると思ってお手伝いに行ったのに。

受けに来られる方は当然プロ、セミプロ。年齢も平均30歳前後。人によっては衣装を持参される方もいらっしゃるようなオーディション。そんな中「えっ、彼女まさか受けに来た人?」と思うしかない少女がいて驚いた。街歩いてる普通の少女なんです。化粧っ気はなく、靴もスニーカーですよ。どうみても高校生。
審査前にちょっと話ができた。16歳、高校で合唱部に所属していて、ピアノ伴奏と歌を楽しんでるんだそうだ。「緊張してるんだろうな、リラックスできれば」と思って柔らかい話題を向けた。ところが、さほど緊張してないようなんです。これには驚いたね。堂々としてるっていうのとも違う。「やってみたいんだもん、当たって砕けろでしょう」とこっちが教えられてる感じ。
「楽しんできて」と審査室に案内してあげた。外で聞いてて僕でも「上手じゃないな」は解る。しょうがないよ、正式に勉強してる人の中で歌えば比較できちゃうから。でもはつらつと歌ってる。媚びてもいない。「これが私よ」が伝わってくる。「いい子だな。チャンスあげたいな。いいな、16歳って」
歌い終わった後の審査員との質疑が長かった。興味を持ったんじゃないかな。ソリストは無理でも準ソリスト、子役でもいいじゃないか、下手を可愛く聞かせる能力はありそう。こういう子は伸ばしてあげたいな。
思わぬ楽しさにめぐりあったお手伝いだった。
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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若いって素晴らしい (sky)
2016-07-02 22:11:35
怖いもの知らず、当たって砕けろのチャレンジも若さがあればこそですよね。
また、岳さんも楽しくて、いい仕事をしましたね。団体を知り尽くしている岳さんならではの、また歌のキャリアの幅を広げるお手伝いでした。せっかくの座間OPAの方向が日本語版に傾くのが惜しいです。先生のおっしゃる、「オペラ文化を根付かせたい」、のためにはイタオペが一番と思います。日本語OPAは、OPA的な発声と節回しで、聞いても意味が伝わらないことがあります。字幕はないですしね。これではOPAが好きになる人など、たぶん多くはいません。イタリア語を聞いて日本語の字幕を読む方が、よっぽど意味がわかるのです。来年はイタオペをお願いしたいです。
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あの16歳どうなったかな ()
2016-07-02 22:24:41
skyさん このコメントで「あっそうだ、そんな若者に会ったな」と思いだしたよ。どうなったかね。採用され、彼女のためのフレーズも作られたんだろうと思うけど。いつか聞いてみたい話だな。
先生としても「日本語」やりたいとは思ってないと思う。座間市が「自分たちのオペラ」を持ちたいと考えてるんじゃないかな。過去にちょっとしたいきさつがあってね。
座間市に活かされてる部分もあるから、要請があれば断れない事情もあるんだろう。
ぼくとしても伊語で古典オペラを覚えたいね。
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